2015年9月1日

動画:NHKよ、安倍さんがそんなに怖いのか!

田中優より 
「テレビを持っていた頃、NHKのまさにこの『ETV2001』の改ざん問題のために不払いをした。
直接関係者から聞いていたので間違いないことだと思って。  
だがNHKの職員は確信を持って改ざんなどしていないと言い張った。 
永田さんの発言は立派だと思う。だけど可能なら、そのときに言ってほしかった。」     

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IWJ Independent Web Journal

【スピーチ全文掲載】「NHKよ、安倍さんがそんなに怖いのか!」――元NHKプロデューサー永田浩三氏が渋谷・NHK前で魂の訴え! かつて安倍総理の介入で慰安婦番組をねじ曲げられた過去を暴露!



動画URL https://youtu.be/XojO3xdvOq4


「永田浩三と言います。NHKのプロデューサー、ディレクターでした。衛星ハイビジョンの編集長もやっていました。そんな人間が、この場に立って、NHKに向かって叫ばなければならない。不幸で、恥ずかしいことです。    

少し、昔の話をします。1977年、私がNHKに入社した時は、受信料不払いの嵐が吹き荒れていました。世間の目は冷たくて、NHKは今にもつぶれてしまうのではないか、そんな怖さを感じました。    

居酒屋でNHKの職員だと分かると罵倒され、議論をふっかけられ、冷笑され、泣きました。悪酔いを繰り返しました。今の職員も、そんな情けなく、悲しい経験をいっぱいしていると想像します。   
なぜ、そのころ不払いが燃え盛ったのか。    
私が入社する前年、1976年、ロッキード事件の刑事被告人だった田中角栄元総理の家を、NHKの会長が公用車でご機嫌伺いに行き、それが世間の知るところになりました。  

その時、NHKの組合は、視聴者とともに闘い、会長を辞任させ、初めてのNHK生え抜き会長を誕生させました。全国で始まった署名はわずか3日で136万人にのぼりました。    

あれから38年が経ちました。その時に比べて、NHKは良くなったのか?そんなことはありません。    視聴者に向かって仕事をする、当たり前のことです。  

権力の監視としてのニュース、公共放送の一番大事な使命です。    
しかし、この当たり前のことが、今のNHK、特にNHKの政治ニュースでは全くなされていないのです。  安倍さんがそんなに恐いんでしょうか。ひれ伏さなければならないんでしょうか。  

今から14年前、NHKで番組改変事件が起きました。日本軍の元慰安婦の被害女性の問題を取り上げた『ETV2001』が、放送直前に劇的に変わってしまいました。 NHKの幹部が、当時、官房副長官だった安倍晋三さんたちに会い、そのあと番組がすっかり変わりました。その時、NHKの幹部から指示を受けたのが、プロデューサーだった私です。 NHKが安倍さんの言うことを聞いて、番組をねじ曲げたことは、断じて間違いです。あってはならないことでした。私が一生背負っていかなければならない、痛恨の出来事です。    

3年前、安倍さんは、NHKの最高意思決定機関である経営委員会に、安倍さんのお友達の百田尚樹、長谷川三千子といった人を送り込みました。    

先日、百田氏は『沖縄のふたつの新聞は潰さなければいけない』と暴言を吐きました。百田氏は経営委員を一期で退きましたが、そうしたとんでもない経営委員に選ばれたのが、籾井勝人氏です。    

この夏は戦後70年、NHKの特集番組はとても健闘しています。良い番組がいっぱい出ています。それに比べて、ニュースは異常です。悲惨です。    

戦後70年、安倍談話が出された夜のことを思い出して下さい。8月14日、まず夕方6時に安倍総理の記者会見が延々と流されました。そして7時のニュース。ここで、安倍総理のおぼえがめでたい、政治部・岩田明子記者が、これ以上ないぐらいの「よいしょ」解説をしました。    

そして『ニュースウォッチ9』は、なんとスタジオに安倍総理を呼び、42分間、厳しい質問もないわけではありませんでしたが、安倍総理の言いたい放題でした。あの人が、スタジオでコミュニケーションがとれないなんていうのは、誰でも知っていることです。それでもやらせたんです。安倍さんに、ただただ奉仕する、それが今のNHKニュースです。   

NHKニュースを見ても、『戦争法案』の問題点がわからない。    
NHKニュースを見ても、国会の中でいかに政府がいい加減かが分からない。    
NHKニュースを見ても、日本の様々な場所で反対の声が上がっていることが分からない。    NHKニュースがたまにきちんと取り上げると、それが大きなニュースになる。
    
おかしいじゃありませんか。いいわけはありません。    
10年後、安倍さんが総理の座にあるとは絶対思えません。来年夏までという話もあります。しかしNHKは、10年先も必ずあります。NHKは、視聴者の受信料で育てた大事な宝物です。安倍さんの私有物では、断じてないのです。安倍さんに義理立てしたり、恐がる必要などないのです。 

王様は裸です。  若者たちは、すでにそれに気づいています。王様は裸だと。    

NHKは、安倍さんと一緒に心中などしてほしくはありません。安倍さんと一緒に心中などしてほしくはないのです。NHKはみんなのもの、みんなの宝です。このまま朽ち果てるのは、あまりにもったいない。NHKを、市民の手に取り戻す。 安倍さんの言うとおりの『取り戻す』ではありません。取り戻すのです、市民の手に。  みんなのものに、NHKを取り戻していきましょう。ありがとうございました」