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2020年2月20日

家庭は「グリッド」から離れよ

オフグリッドしている田中優の自宅

「グリッド」と突然言われてもわからない言葉だろう。
「電気の送電網」
のことだ。

多くの人が地球温暖化の問題で、最大の問題なのが「電気」であることは知っていることと思う。


その電気は、大きな電力中心に配られ、最後に残った小さな家庭などに配られていく。いわば上から下に流れる仕組みになっているのだ。しかし電気の問題だから「電気を使うな」と言われても困るだろう。


でも電気全体の中で家庭の消費している割合が、小規模な商店などの消費を含めても22%しかないことを知っている人は少ない。全体の62%を消費しているのは大企業などの大口消費なのだ。 




 

だから「あきらめろ」ではない。
まず最初にしてほしいのは、電気を「大口消費」と「家庭などの小口消費」とを分けて考えることだ。そして小口は自分たち家庭の消費だから、その分だけ責任をもって考えてほしい。  

その家庭のすべきことは何といっても省エネだ。と言っても努力・忍耐ではない。
ただそのまま買い替えるときには「
省エネ家電」を選択してほしい。


家庭内最大消費の冷蔵庫はすでにかつての3%しか消費しないほど省エネが進んでしまっているし、他のものも省エネが進んでいる。おかげで同じように暮らしていても、かつての三分の一ほどに省エネできるのだ。


これに加えて自家用車を燃費の良い車に買い替えてほしい。それだけのことで地球温暖化を起こさない暮らし方ができる。車の燃費も我が家のマツダ車では22Km/L走るので、それまでの半分になっている。合計で45%も減らせるのだ。

二酸化炭素を減らすのにゼロにしなくていい。従来通り植物や海藻などが吸収してくれている二酸化炭素があるので、マイナス45%が実現できればいいのだ。
 

なんと家庭なら「省エネ家電」と「低燃費自動車」を活用するだけで、達成できてしまうのだ。それ以上に頑張ればもちろんそれ以上に減らせることになる。  



我が家に導入しているオフグリッドの仕組み、「パーソナルエナジー」を作った「慧通信技術工業」が、ガス器具メーカーのリンナイと組んで「エコワンソーラー」を開発した。




電気は熱源には使わない方がいいのだが、外気温が低すぎない時の「ヒートポンプ」だけは例外だ。外気から熱を集めるので、電気の熱の五倍以上もの熱を作り出すことができるのだ。

給湯の場合、火傷するほどの高温の温水は必要ないから、非常に高い効率で熱を集めることができる。それを外気が冷え切った夜間ではなく日中に使うのなら、非常に効率的に使うことができるのだ。

それを実験してみたら、開発者も驚くほど効率良くなり、予定していたカタログスペックを上回ってしまった。外気が冷え切っていない日中にヒートポンプを動かし、蓄熱性の最も高い「水」に蓄熱する。

その結果、純然たる太陽光発電の電気だけで足りてしまった(追い炊きにはガスを使うので、追い炊きするときにはガスが必要になる)。


 

さらに非常時の冷蔵庫や上水などへの蓄電も可能にしているのだ。

卒FITと呼ばれる「太陽光発電などの固定買取制度を終えてしまった後の人には、これを導入するのが圧倒的に有利となっている。






もちろんこれを導入すれば、さらにガス分の二酸化炭素排出量も大きく減らすことができる。

これを床暖房などに利用するなら、より以上の温暖化対策ができるし、光熱費も下げられる。生活は快適なままで、二酸化炭素を出さないでも暮らせるようになるのだ。





こうして温暖化を防止する暮らしを実現すると、予想外なもう一つの効果が生まれてくる。


これは経産省の調べた数字だが、東京電力の収益は「家庭などの規制部門」から91%を得ていながら、電気そのものは大口契約などの自由化部門が62%を使っている。




家庭などは38%しか使っていないのに、収益の91%を支払っているのだ。つまり簡単に言えば、私たちの料金で大口は電気を安くしているのだ。ところがこうして家庭などが電気消費しなくなると、嫌でも大口消費者が自ら払わなければならなくなる。  


簡単に言うと大口消費者の電気単価を上げなければならなくなる。すると大口電気消費者は省エネせざるを得なくなる。もし料金が使えば使うほど単価が高くなる仕組みになれば(今すでに家庭などはそういう料金体系になっている)、おそらく半分近くは省エネするだろう。

電気の62%を消費している大口事業者が半分にするなら、自動的に温暖化は起こさないレベル近くまで下げられる。温暖化防止は難しい話ではなくなるのだ。  





このためには家庭が産業などの排出まで買い支えるのをやめて、産業の自己責任に戻せばいいだけのことだ。逆に言うと私たちが買い支えてしまっていることが、産業の好き勝手な態度を支えている。温暖化の進行を止めるためには、私たちの費用で支えてしまうことを拒否すればいい。

だから家庭は産業を買い支えてしまうグリッドを離れていけばいいのだ。  



もう一つの方法がある。


電気の購入先を電力会社ではなく「生活クラブエナジー」や「みんな電力」に換えてしまうことだ。それで二酸化炭素排出量は半分程度に減る。

化石エネルギーではなく、再生可能エネルギー中心に発電を変えているからだ。それらもまた買い支える構造から離れられる。買い支えなくなる点では同様だ。  


「老いては子に従え」という言葉がある。私には耳の痛い言葉だが、変革を求める時代に至ってはそうすべき言葉だろう。年を取ると変革を求めなくなる。それどころか変革を恐れるようにすらなってしまう。それが今の時代なのかもしれない。


しかし技術がそうであるように、社会は変革を求めている。
抵抗となることも必要だが、確実に歩を進めて新たな社会になることを受け入れていく覚悟も必要だ。  


地球温暖化の進行は待ったなしの状態になってしまった。しかしよく時代を見極めれば解決の途はある。この可能性を閉ざしてはいけない。

私たちの未来は見捨ててしまうには早すぎる。
可能性ある未来は実現できるのだ。



~~こちらでも詳しく取り上げています~~

★田中優 有料・活動支援版メルマガ 2020.2.15発行
 
『 2020年を「急がば回れ」の年に(下) 』

http://www.mag2.com/m/0001363131.htm

2020年2月7日

バッテリーはまだまだ過渡期

『バッテリーはまだまだ過渡期』




パワーウォール


『テスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」がいよいよ日本に上陸する。


劇的な安さと高機能で持続可能な社会実現へ』という記事が出て、自分にも使えるのだろうかと質問が来た。

その返信にこう書いた。



「テスラの利益獲得方法に疑問があります。パワーウォールを予約販売してから二年半も経って、ようやく出荷です(まだ不明ですが)、予約で資金を集めて、宣伝効果で株価を上げて儲けるやり方のように思えるからです。


アメリカでは詐欺同然(このようなテクニカルの手法で)のやり方でカネを儲ける方法が時々あります。

捕まった「エンロン社」もそうでした」
と。



残念ながら「パワーウォール」を買っただけでは使えない。交流にして、日本の電気のスタイルに合わせなければならない。動いたとしても10年で保証期間が終わり、その後のリサイクルの方法もない。

買った分だけ資源の無駄になるのではないかと思う。これは買わない方が賢明ではないかと思う。


一方の鉛バッテリーは今や鉛が不足してリサイクルされるようになったが、素人が手を出すにはいくつかの問題がある。

天然住宅も関わっている「自エネ組(自給エネルギーをめざす運動)」で鉛バッテリーをおすすめしているので、その問題点というか危険性についても、述べておかなければならない。



バッテリーは爆発の危険性がある


鉛に限らずバッテリーには危険性がつきまとう。充電している時、バッテリー液からは水素が出る。その水素は福島原発を吹き飛ばしたように爆発性がある。
その危険性があるから放置していてはいけないのだ。


電気の自給自足を目指したのに、ここで事故が起こってしまったら元の木阿弥、もっと悪いように言われかねない。だから開放型のバッテリーではなく、MF型(メンテナンス・フリー型)という密閉型のバッテリーにした方がいいことになる。


しかし密閉型だと、もう一方のメリット、「ITEアクティベーター」というバッテリー
の再生材が使えない。「ITEアクティベーター」は、元ユニオンカーバイド社フェローであり、元東北大学教授の小澤博士が発明したものだ。年一回、カレースプーン一杯程度の粉を注ぐことで、バッテリーの「サルフェーション(硫黄分が析出してしまう現象)」を防ぎ、再生してしまうという優れモノだ。

再生することで同じバッテリーが20年近く使える。
密閉型では、これが使えなくなってしまう。ただの使い捨てになってしまうのではもったいない。



鉛バッテリーには手入れが必要

【自エネ組のシステム】


ということは、アクティベーターを使いながら、バッテリーを何度も再生して使っていくためには「手入れが必要」ということだ。


なぜ水素の問題が生まれるのか。

充電しているときに水素が発生するのは避けられない。しかし水素は軽いので上に飛んでいく。きちんと換気するか、換気する必要のない開放的な場所に多すぎない数を設置したほうが良い。あまり密閉性の高い場所に閉じ込めて設置するのは危険だ。

また、バッテリー液をきちんと補充していないと水素が多く発生しやすくなる。
特に夏場や乾燥している時期にはバッテリー液が不足しやすい。

安全性を考えると、二週間に一度程度は確認し、液が不足していたら補充して手入れしなければならない。


「電気の突入」


さらにバッテリーを痛めつけるような使い方をしてはいけない。
鉛バッテリーは、エンジンのスターターの時に一時的に電気を流すための装置で、何度も継続的に使うようには作られていないし、大きな電気を一瞬に流せるようにも作られてはいない。


家庭で使う時に気を付けなければならないのは、電化製品を点けるときに一瞬流れる大きな電流だ。

これを「電気の突入」といい、これがインバーターとバッテリーを痛めるのだ。


これまで使っていた電力会社の電気とは、この点が大きく違う。家庭に届く電力会社の電気には大きな余裕があり、一時的に大きな電流が流れてもブレーカーが落ちることはほとんどないが、自作したものではそこに余裕がない。


しかも家電製品にインバーター式のものが多くなり、「電気の突入」を起こしやすい。電気消費量の大きな冷蔵庫や、エアコン、ドライヤー、掃除機など、もともと電気消費量の大きな家電製品に、スイッチを入れた瞬間に大きな電流が流れることがあるのだ。


解決策は何より「省エネ・節電」だ。

大きな電気を消費する家電は買わない、使わない。
使いたいのであれば、その部分だけでも電力会社の電気にすべきかもしれない。

オフグリッドにするには、省エネ後でなければ難しいのだ。

我が家ではドライヤーを一つ買うにも消費電力量を確認する。
掃除機も消費電力量を調べて買い替えたほどだ。


電気を知る

さらにバッテリーは液と電気を変換するときに、熱を出して変形したりする。
膨らんでしまうのだ。下手すれば爆発するリスクもある。


電気を化学的に作ったり貯めたりするのだから宿命のようなものだ。急激で多量な充電や消費は避けなければならない。

サーモスタットをつけて管理することが必要になる。この変化も多量に変化させなければ、液量の残り量などを気にしていれば防ぐことができる。



そしてこのことはバッテリーだけではないが、電気の通る配線などを絶縁する必要がある。うかつに電極に金属を置けば金属が解けるほどだし、人などひとたまりもない。
直流の電気は電気の流れがゼロになるポイントがないので、感電した手が離れなくなるのだ。



人や金属などだけではない。ヤモリが張り付いてショートしたという事例もある。
何を起こすかわからないのだから、電気の流れるところはきちんと絶縁しておく必要がある。



【田中優宅のパーソナルエナジー】


以前、携帯電話をポケットに入れていて爆発したとか、火を噴いたとか問題になった。
爆発性のないリチウムイオンバッテリーもあるが、衝撃によってショートしたり、故障したりする危険もあるのだ。

要はきちんと手入れできる人でなければ使えない。
手入れがきちんとできない人には電力会社の電気がいい。


次は慧通信の「パーソナルエナジー」だろう。
その次にMF型の鉛バッテリーとサーモスタットのついたインバーターを入れるのがいい。
蓄電装置は安全性の価格なのだ。よく手入れすることのできる人にだけ使ってほしい。


電気に詳しい人は、一般人は何をするかわからないので怖いという。
「だから電気を使うな」というのではない。

電気を知ってきちんと使えるようになってほしい。
電気を誰か任せにすることから原発事故まで招いた。
電気をちゃんと知って扱えるようにる必要が、私たちにはあるのだ。


田中優天然住宅コラム第143回
https://tennen.org/yu_column/battery.html より



田中優 天然住宅コラム →https://tennen.org/yu_column




2019年11月11日

究極の防災、エネルギー自給



今年の台風被害  

今年9月9日、台風15号が首都圏を直撃した。中心付近の最大風速は約40メートル、最大瞬間風速は約60メートルで、関東に上陸した台風では過去最強クラスとなったという。それによって交通網は麻痺し、強風でさまざまなものが破壊され、強い雨は浸水被害をもたらした。

特に深刻だったのは房総半島南端の館山などで、風に倒された高圧鉄塔などを完全に復旧させるのに、ひと月近くはかかるだろう。  


しかし交通網が麻痺していることを知っているはずなのに人々は駅に並び、学校や会社に行こうとする。たどり着いたとしても働けるのはわずかな時間だろう。
なんと虚しい作業なのか。仕事の相手先も同じだ。停電に加えて通信がつながりにくい事態なのに。こんな日は休めばいいのにと思う。  


それにしても普段の暮らしを続けるのに、停電していることの影響は極めて大きい。もちろんオール電化住宅にしてしまった人はもちろん、そうでなくとも冷蔵庫の中身は腐ってしまうし、窓も空かないマンションでエアコンも効かなかったら、生命にかかわるほどの暑さだ。

懸念の通り、台風が過ぎると入れ替わるように酷暑が訪れた。もう9月に入ったというのにこの夏一番の暑さを記録したと報道されている。我が家も暑かった。夜になれば涼しくなるのが普通だが、夜になってからも暑かった。  

それでエアコンをつけた。暑くて眠れないのは翌日にこたえるからだ。電気を自給しているから少しだけ心配になるが、明日の天気予報も「快晴」だから、すぐに電気も回復できるだろう。涼しいと気持ちよく眠れる。翌日、予想通りの快晴で電気はどんどん回復していく。


 不便なはずの「電力自給」が便利な暮らしになり、便利なはずの都会暮らしが、自分を閉じ込める檻のようになっていく。


▼エアコンの新しい形  

それでもエアコンを動かすための電気消費量は大きい。そこに電力自給を進めている自給エネルギーチーム「自エネ組」が、新たな冷房のための仕組みを作った。


京都の「南禅寺修行堂」にも導入した仕組み※だが、岡山の「蔭凉寺」にも導入されている。  


実際に行ってみると風の流れはないにも関わらず涼しくて心地良い。広い面積の大きな壁に装置があり、そこから音もなく涼しさが広がってくる。


実は熱の伝達には三つあり、一つ目は普通のエアコンのような「対流熱」、冷やした空気を循環させて涼しくする。二つ目はフライパンを熱することで把手まで熱くなる「伝導熱」、そして三つ目が冷たいものから出る冷たい熱の「放射(輻射)熱」で涼しくする方法だ。対流は熱を保存できない「空気」で涼しさを伝えるので効率が悪い。


効率よく熱を伝えるには、コンクリートより蓄熱性の高い「水」を使って輻射熱を伝えるのがいい。そこでこの冷房装置では、井戸水が一年中ほぼ15℃程度の水温であることを利用して、井戸水を壁に循環させて涼しさを伝える。伝えるのは熱伝導性の高い銅管とアルミのラジエターだ。モノの表面の温度がその熱源になり、そこから放射熱(放射線の熱)が出て他のものに熱を伝える。伝えられたモノの表面からも輻射熱が放射されるので、光の乱反射のように放射熱を伝えていく。  


これにはしっかり法則があって、「シュテファン‐ボルツマンの法則」といって絶対温度の温度差の四乗倍も熱が伝えられる。「四乗倍」なのだから、他の熱伝導とは比較にならないほど効率が高い。だから鍾乳洞に入った時のような涼しさが、風もなく伝わるのだ。  

この熱源に井戸水を使っているから、夏場も冬場も15℃程度の放射熱で快適になるのだ。もちろん夏場は配管に結露が起きる。空気中の湿度を結露させて室内の湿気をわずかながら下げるのだ。これが実に快適で、冷えすぎることもなく暑さを消してくれる。


▼おカネに頼らないで暮らす  

この輻射熱の冷房装置を入れたい。我が家は井戸だから水には困らない。そうすれば井戸の電動ポンプ以外は電気も消費せずに冷房できる。しかも井戸ポンプは最近省エネのものが発売され、それに変えてからの我が家のポンプの電気消費量は半分近く減った。もしそれをエアコンに変えて普及できれば、電気消費量は劇的に下がるはずだ。  




 しかも我が家のポンプの電源もまた太陽光発電で作り出したものだ。わずか四枚のソーラーパネルの電気をバッテリーにプールして使っているだけで足りるのだ。そんな仕組みだったなら、停電などちっとも怖くない。我が家の子どもは台風と停電のニュースを見ながら「ウチは大丈夫なんだよね」と言っている。確かに導入するときは勇気がいるほどの費用(100万円強)が掛かる。しかしそれで安心して暮らせる上、原発も地球温暖化を起こす発電所も不要になるのだ。  


日本の家庭の電気消費は世界の中でも、ずば抜けて少ない。それなのに遠い発電所から延々と送電線で運んでくる。実際には7割以上の電気を消費する企業の電気消費のついでに家庭に電気を届けているからだ。あの鬱陶しい電柱をなくして、小さな電気消費量なのだから、なるべく自給してしまおう。  


小さな電気消費なら八畳一間ほどの広さ(2キロワットのパネル)で足りる。エアコンが輻射式になればもっとわずかな電気消費で足りるし、冷蔵庫も省エネ型にすれば少しの電気で動く。これで停電の心配がなくなり、以降毎月の電気料金を払わずにすむのだ。  


生活を安定させるには、収入を増やすことではなく、毎月支払わなければならない必要経費を減らすことだと思う。我が家は井戸に太陽光発電、太陽温水器のおかげで毎月の支払いが非常に少なくなっている。年金では足りないという心配もないだろう。


究極的な防災は「自給」だと思う。大らかに自分で賄えば、楽しい暮らしができるのだと思う。食べ物は近所の友人たちからの「おすそ分け」でほとんど足りる。するとおカネに頼らない暮らしに近づく。おカネに頼らないで暮らせることが、一番の安心ではないかと思う。



※これこそ自然な冷房の仕組み。大塚尚幹さんらしい本物。

「南禅寺僧堂輻射冷房装置完成」
https://www.facebook.com/tanakayupage/posts/2342134395843200/

2019年10月29日

新しい住宅会社、「天然住宅西日本」

2019年10月の田中優有料・活動支援版メルマガは


『新しい住宅会社、「天然住宅西日本」』 です。


今後西日本で岡山市在住の設計士大塚尚幹さんと「
天然住宅life」というコンセプトも加えてやっていこうと思います。


その新たな天然住宅の取り組み、オフグリッドや輻射熱(ふくしゃねつ)式冷房なども紹介しています。


輻射熱式冷房装置は我が家にも取り入れたい!
これで夏のエアコンはほぼ不要になるのでは・・



↓南禅寺に大塚尚幹さんが入れた輻射熱式冷房装置です






有料・活動支援版メルマガ 登録月は無料です
ご興味のある方、どうぞよろしくお願い致します。
http://www.mag2.com/m/0001363131.html



↓岡山県和気町に完成したばかりの、初の天然住宅西日本の住宅です


2019年1月11日

メガソーラー反対メッセージ動画(田中優)

2019年1月14日に開催される【全国メガソーラー問題中央集会】に、田中優よりメガソーラー反対メッセージ動画を送りました!

動画 https://youtu.be/oTYGGZiLkfE

「こんにちは。田中優です。
このメガソーラーの問題に対してぼくはとても反対しています。


というのはぼくが住んでいるところの周囲でもメガソーラーが建てられてそのために山がものすごく削られて、しかも発電するのに角度が良いように南側の山を削って、その南側の斜面に30度以上の角度で造られる場合が多いんです。
それはそのまま山を崩すということにつながっていきます。

そもそも電気には大きな電気と小さな電気があります。
その割合は大きく違っていて、私たちの使っている電気は小さな事業所を含めても電気全体の22%でしかありません。全体の電気の3分の2は、大きなところが消費しています。

そして残念ながら太陽光発電パネルというのは、大きく設置したからと言って効率が上がることはありません。よく、スケールメリットという言葉で表現される部分ですが、よくやられるような火力発電などは、その熱が冷めないためにスケールメリットが必要になりますが、太陽光発電パネルにはそれがありません。小さく発電しても大きく発電しても効率は同じなんです。

それを考えると小さく発電して小さく貯めて小さなところで消費していく、つまり家庭にそれぞれ設置するのが一番向いているんです。
それを送電線のやり方だと、どんどん高圧線に上っていって、その高圧線から下にどんどん細かく区切られ配られていく形、“中央集権”です。

このような電気には、太陽光発電パネルには向いていません。

太陽光発電は小さく発電してその場で小さく発電していくのに向いています。

それを考えるとこれから先の電気は、全く今までとは違ってきます。
家庭はものすごく数が多いけれども消費量が少ない。だったらそれぞれの地域ごとに小さく発電して賄っていくのが一番向いているエネルギーだと思っています。

メガソーラーにはそういったメリットが出てきません。

私たちの未来は大きな工場のための大きな電気と、小さな家庭のための小さな電気とに分かれていくでしょう。それらのことを実現していくためには、家庭は送電線に頼るのではなく、自分で太陽光発電で発電して、バッテリーに貯めて電気をまかなっていくというのが一番良いと思っています。

ぼくの家はもう5年以上その形(オフグリッド=送電線に頼らず自家発電、自家消費すること)で暮らしを続けています。それが太陽光発電の使い方であって、大きくすることでのメリットはないんです。


もうとにかくそれ以上のメガソーラーの開発は辞めさせるべきです。
彼らの動機は全くお金儲けです。金儲けのために巨大な太陽光発電パネルを並べたがる、というだけですから。メリットはないわけですからそれを辞めていって、これ以上環境を破壊するようなことは避けていきたい、辞めさせていきたいと思います。

みんなでメガソーラーを辞めて個別に小さく電気を自給していくための太陽光発電パネルの利用に進めていきたいと思います。」

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【全国メガソーラー問題中央集会】

※田中優は出席できません

◆開催日時:2019年1月14日(月)12時開場/13時スタート

◆場所:なかのzero大ホール (東京・中野)

◆参加費:1000円(当日会場にてお支払いください。)

◆ 主催:全国メガソーラー問題中央集会実行委員会 

詳細はこちらより
https://megasolarsympo.wixsite.com/-solar-sympo





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2018年11月12日

田中優×オフグリッドの生みの親 粟田隆央さんとの対談その2 書き起こし

株式会社Re様のホームページにて、


田中優×
オフグリッドの生みの親でありパーソナルエナジー開発・販売をされている粟田隆央さん

との対談イベントでの書き起こしを公開中です。


イベントは2016.2.20に開催されました

『オフグリッドを聴くOFF-Grid Live2016』
https://tanakayu.blogspot.jp/2016/02/off-grid-live2016.html




今回のご紹介は、田中優、粟田隆央さん二人によるトークセッションです。






以下、(優)・・・田中優 (粟)・・・粟田隆央氏

(粟)あの、これ買ってくれたお客さんでいいことを言っていた人がいて、めちゃくちゃ高いわけですけど、「高いんだけど元がとれるかと言う観点ではなくて、でもいつでも電気作れるでしょ?それはもうプライスレスですよね」と。作れるっていうことがやっぱり発想の転換で、kWいくらとかじゃなくて、そこで勝った感、優越感があると。「電力会社からオレは電気を買わないんだ」っていう転換、社会システムの真逆にいるところが面白いよねっていう話をしてもらっていたんですね。


(優)それがね、本当に必要な時代になっているし、そうやってお金から離れていくためにすごく重要なのは、おカネの中で節約できないものが4項目あるんだよね。それが光熱水費、医療費、食費、それともう一つ忘れちゃったけど4つあってさ、それだけはどうしても削ることができないおカネでどんな貧乏な人でも金を使わざるを得ない部分があるんですよ。それでそれについてどうしたらいいの?って言うと、自給しちゃえばいいんですよね。


(粟)そうですよね。

(優)だから自給していくというのは、とにかく人を自由にするから自分を自由にするための資金だと思ったらいいなって思うんですね。あと住宅費だ。それでたまたま偶然粟田さんとぼくの家とまったく偶然同時期に家を建てたんだけど粟田さんのところかなり凝りましたね。


(粟)そうですね。もう大工さんと電気屋さんには文句ばっかり言われて、やったことないことに対してやっぱりものすごく文句言われる職人さんとか多いですけど、まぁともかく暖房冷房しなくていい、かつその電気をほぼ使わなくてもいい設計みたいな、有り余るくらい電気を作れるんですけど、それでも使わないっていう設計にしてみましたけどね。


(優)僕ん家もやっぱりすごく大工やってくれた工務店さんはいやー面倒くさいっていうんですよね。「もうとにかく優さんのところは家を作るの面倒臭かったよ」って言われて。

「何が面倒臭かったの?」って言ったら、何もわからないようなものを持ってこられて、「これ設置してね」っていうもんを、「どうすればいいんだって思った」とか言っていて、尚且つ僕の家は接着剤を使わせないんですよ。

要は接着剤は体に悪いものが多いので接着剤使わないでくれと。そしたら大工さんが困ってこれ貼るのに「何を使ったらいいんだ?」って言われて、ヤマトのり、子どもの工作のものを持ってきて「これで貼っていいですか?」って、「あっそれだったら我々もっと良いものありますから」っていうことで化学物質過敏症を一切使わないデンプン糊を出して、木工用のやつがあって、それでやってくれっていうようなことでやってもらったりして、結構大変ですね。


(粟)今の建築基準法って大変でしょう?うっとうしいでしょ?


(優)本当にジャマするよね。建築基準法で一つは24時間換気って義務つけられているんです。24時間換気する理由は家の中が毒ガス住宅だから。ところが我が家はその毒ガスの元になる接着剤ゼロなんですよ。全く使っていない、なのに24時間換気をつけなくちゃいけないんですね。一応建築確認をとるまではつけてあるんだけど、そこは全部断熱材で埋めちゃおうと思っているんだ。だってあんなもの必要ないもんね。

もう一つは木造建築で普通の家の4倍の木材を使ったんだけど、でもあんまり心配しなくていいですよ。木材って今めっちゃくちゃ安くって家一軒で100万円しか払ってないですから。だからうちは4倍払ったって400万円ですからね。大したことないです。

そしてその木材を作るときに日本の伝統的な組み方ってあるじゃないですか。あれが一番強いんですよ。木って言うのは金属を挟んじゃうとそこで結露したり腐ったりするので、やっぱりやっちゃいけないんですね。ところが建築基準法は金属をそこにさせって義務付けてくるんですね。本当にバカげた仕組みだと思うんで、だから日本の中では建築基準法とか余計なお世話がすごく多いですね。


(粟)ちなみにね、オフグリッドもこうやってやっているじゃないですか。企業に入ってきているでしょ。最近は電力会社と協議することが多いんですけど、オフグリッドっていう発想がそもそもないんですよね電力会社には。ないんだけどこうやって普及していくと今だと東京電力、四国電力、中国電力、関西電力でやっているんですけどまあ実績があるわけですね。この間経産省から呼び出しをくらってですね、今からだから規制を作ろうみたいな話がどうもあって、ただやるなら今すぐと。オフグリッドをやられると、当然電力網から離れちゃうし、所轄官庁の規制がかからないんですよ。

(優)そうですね。

(粟)あの人たち規制をかけたい人たちだから、仕事したいからそれで。ロケットもそうなんだけど規制がかからない前にやっちゃった方がいいかなと。

(優)なるほどね、そうかそんなところまで規制をかけてこようと。

(粟)だって電気代とか税金、賦課金もそうだけどとれないじゃないですか。


(優)とれないですね。結構とれないのって問題で、今度は再処理費用と廃炉費用と福島原発の事故処理費用、これを何とかどこからかかき集めようと。それでさっきの託送料金とあともう一つ電気料金そのものの中に入れていこうっていう発想がありますよね。


(粟)恐らくそうなるでしょうね。

(優)そうするとさっき言ってた電気料金40円どころじゃないじゃないの。

(粟)基本料金がたぶん3千円くらいになって、使っても使わなくて3千円払わさられてもプラス使った分が40円とかですね

(優)じゃあ今回の自由化で電気をいっぱい使った方が得になるとか言って消費を増やしたやつはあとですっごい悲惨な目に遭う?

(粟)大変な目に遭うと思いますよ。

(優)今オール電化の人たちがだいぶ悲惨な目に遭いつつあるけど、それがさらに増えるって感じですかね?

(粟)今ねオール電化の人たちがガス化にどんどん変わっていっているんですね。面白いんですよ。

(優)へぇ!

(粟)やっぱりその女性の場合そうみたいですけど、IHのヒーター、調理器がちょうどこの子宮のあたりにくるらしくて、「感覚的に何か嫌だ」とか言ってこないだも四国の人、電気からガスに変えていましたね。

(優)それはでも実際に電磁波の影響で言うとやっぱり細胞分裂の時に影響を起こすので、だから胎児が影響を受けやすいっていうのはやっぱりあるんでしょうね。

(粟)本当に嫌な音がするんですよあれ。

(優)そうなんだ

(粟)IHの悪口じゃなくて生理的に嫌な音がしますよ。体に良いのか悪いのかというと、たぶんこれ悪いんだろうなっていう嫌な音なんですよ。

(優)でも年をとると高音が聴きとれなくなるから平気なんじゃない(笑)

(粟)いや高音というか低周波でしょあれ

(優)低周波なんだ。嫌な音だなそれは。

(粟)あれは良くないかなと思いますね。

(優)なるほどね。でもそれで電気消費を今回のタイミングで増やしちゃう人がたぶん多数派だよね。その方が得だから。

(粟)これがね、フタを開けてみないとわからないですけど、アメリカで先行している例で言うと、自由化があったからと言ってだっと流れるわけじゃないんですよ。

(優)へぇー!

(粟)で、もっと面白いオチがあって、日本の場合電力自由化するじゃないですか、自由化っていうのはA電力からB電力に切り替わるわけでしょ。メーターがないと切り替えれませんよね。ということはスマートメーターがついている家じゃないと、電気を切り替えられないんですよ。

で、この辺が東京電力が発表していたのが面白いのが、スマートメーターの供給量というのが2030年までかかるんですよ。だいたい年間100万から200万供給なので、スイッチングができるのがその範囲なんです。


(優)あぁ何かそういう風に電力会社言っていますよね。メーターが変わったところしか自由化ができないって。


(粟)そうなんですよ。今、金さんがいらっしゃってますけど、電気申し込んだら繋ぐのに無茶苦茶時間がかかるんですよ。

(優)えぇそうなの!?

(粟)大変なことになっていて。

(優)インターネットの切り替えみたいにサクッといかないの?

(粟)全然いかないです。申し込みはサクッといくんですよ。実際は電線を張らないといけないじゃないですか。

(優)えぇ!?従来の電線を使うから託送料金なんじゃないの?

(粟)なんだけど引き込みは絶対にいるわけで、それでメーター交換も要りますでしょ?メーターがないんですよ。なのでものすごい時間がかかるんですよ。

(優)そうなんだ。

(粟)だから電力自由化するけど、恐らく全体シェアの動くのが3割未満。

(優)なるほど。



<<書き起こしはvol.12まで公開中です>>

▼トークライブ書き起こし目次 
http://re-energy.co.jp/news/cat_news/transcribe/


▼vol.1 田中優1『電力の未来はオフグリッドしかないかも』
http://re-energy.co.jp/news/97/


▼vol.2 田中優2 『電力の小売り自由化と家庭のエネルギー消費』
http://re-energy.co.jp/news/222/


▼vol.3 田中優3『自然エネルギーにも使い方があるんだ』
http://re-energy.co.jp/news/228/


▼vol.4 粟田隆央1『パーソナルエナジー誕生秘話』
http://re-energy.co.jp/news/252/ 


▼vol.5 粟田隆央2『震災、原発事故、橋の下世界音楽祭』
http://re-energy.co.jp/news/257/


▼vol.6 粟田隆央3『すべてのエネルギー消費者が、エネルギー生産者になる』
http://re-energy.co.jp/news/263/


▼vol.7 粟田隆央4『オフグリッドを切り拓いてきたからこそわかる事』
http://re-energy.co.jp/news/268/


▼vol.8 田中優×粟田隆央 トークセッション1
http://re-energy.co.jp/news/295/
 

▼vol.9 田中優×粟田隆央 トークセッション2
http://re-energy.co.jp/news/298/


▼vol.10 Q&A1
http://re-energy.co.jp/news/328/


▼vol.11 Q&A2
http://re-energy.co.jp/news/331/


▼vol.12 Q&A3
http://re-energy.co.jp/news/340/