2017年3月29日

有料・活動支援版メルマガ 『 地域内ネット・フリーマーケットのすすめ 』

2017年3月15日に発行しました、有料・活動支援版メルマガ
「田中優の未来レポート」は、

『 地域内ネット・フリーマーケットのすすめ 』
  です。


現在大人気でたくさんの人が利用しているフリマアプリ
「メルカリ」の仕組みを、地域でやっていこう!というものです。

これから縮小していくであろう経済の中で、お金に頼らない暮らしを実践し、物を地域で循環していこうという取り組みを田中優たちが和気町で始めようとしています。

その際の法律的な問題や税金のこと、なぜ始めようと思ったのか?、そして最後には現在作成中の利用マニュアルまで掲載されています。


3月中のメルマガご登録で、この号のご購読は“無料”になります。
ご興味のある方、ぜひお読みください。

田中優 有料・活動支援版メルマガ 
http://www.mag2.com/m/0001363131.html
(540円/月、登録月は無料



またクレジットカード払いをしたくないという方には直接口座に振り込んで頂く方法もあります。まぐまぐと同じく、1か月分無料です。お気軽にお問合せください。 
http://www.tanakayu.com/form/contact.html


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 地域内で「フリーマーケット」のようなことをインターネット上でやりたい。
それが「わけあい」をすることになった動機だった。それは単なる「フリーマーケット」ではない。地域内でおカネに頼らない自給を目指していく仕組みとしてなのだ。
・・・(冒頭文より)


<内容>

・おカネに頼らない暮らしへ
・岡山県和気町ではじめる「わけあい」
・法的問題
・資金決済法を逃れる仕組み
・カネを預かるのではなく債権
・消費税と所得税
・「わけあい」利用マニュアル 




2017年3月24日

未利用エネルギー、スターリングエンジン

田中優より
「自然エネルギーではないけど、未利用エネルギー

この実用化に期待していた。いよいよかなぁ。
エネルギーは自然エネルギーだけじゃない。こうしてあちこちに電気が生まれたら、高圧送電線網(グリッド)に頼らずに各地で自給すればいんじゃない?」



追記:
山崎 求博 さんコメント
「このニュースを検索したら2008年放送とのことでした。

早く実用化してほしいです。」

田中 優「 そんな古い記事なんですね。小型化したものがほしい。」



幻のスターリングエンジンがついに実用化!

2017年3月23日

3月29日(水)京都にて講演会「エネルギーの未来はオフグリッド」

「日本基督教団 国際青年会議in京都」

■日時 
3月29日(水)9:00~10:30

■会場 
関西セミナーハウス 大会議室
京都市左京区一番寺竹ノ内町23 
http://www.kansai-seminarhouse.com/access/
京都駅から 地下鉄烏丸線(国際会館行き)北山駅まで16分 2番出口タクシーで約10分


■田中優講演


「エネルギーの未来はオフグリッド」


・・技術の進歩は私たちの生活を変えてゆく。原発や火力発電という大規模で環境負荷の高い方法に頼るより、各家庭で発電し電力を賄える。その未来を先取りする実践者が、原発への反対・賛成に留まらない、より良い第三の道を提示する。




■参加費 2000円/人


■お申込 メールにて以下の情報をご連絡ください。
メール wearenickandhannah@gmail.com
お名前・メールアドレス(PCからのメールが受信できるもの)・携帯番号・ご住所・性別/年齢・お食事の申込、アレルギーの有無


※必要な方は、食事もご用意できます
食事代:朝500円、昼700円、夜800円
(朝食3回、昼食2回、夕食2回です。

食事は全て関西セミナーハウスにてとなります。必要な分をご連絡下さい。)

お食事は、前もってお申し込み頂く必要がございますので、早急にご連絡を頂けますと感謝です。(ちなみに、会場周辺にお食事ができる場所はございません。徒歩15分くらいで、丘を降りていったところにならばお店があります。)


■Facebookページ https://www.facebook.com/uccj.kyoto/

ホントは怖い「共謀罪」

田中優より
「変な話だけど、ぼくは共謀罪ができたら捕まる自信がある。

もちろんテロだとか凶悪犯罪だとかする気はないけど、抗議行動とかデモとかするのは市民にとって当たり前のことだと思うから
それを規制するのは北朝鮮のような体制だよ。そんな国にしちゃいけない。」


  ◇   ◇   ◇   ◇  

「『それってホントに共謀罪?
~ホントは怖い「共謀罪」』リーフレット作りました」



『テロ等組織犯罪準備罪』(組織犯罪処罰法改定案)という名で出されている、本当は「共謀罪」の名前を変えたものを安倍政権は通したがっています。
その中身をわかりやすくまとめたリーフを、「戦争しないさせない市民の会」「ピース・ニュース」と一緒に作りました。
以下がその内容です。A3判裏表で片面に下の2ページずつ印刷し、折ってA5サイズにしています。




全てのリーフレット内容はこちらより
http://blog.goo.ne.jp/savetyuraumi2015/e/596c879c75a5b956f008bceeed81f7d4


2017年3月14日

女性自身インタビュー「現在も東京都の水道水は放射性セシウムに汚染されている!」

田中優無料メルマガ 2017.3.10発行
第579号:女性自身インタビュー「現在も東京都の水道水は放射性セシウムに汚染されている!」 より


田中 優 より 

 これは雑誌「女性自身」がぼくに取材してくれて掲載された記事だ。

 日本ではゴミは燃やすのが原則だが、チェルノブイリのときには「燃やさない」のが原則だった。特にダイオキシンが問題になって以降のゴミ焼却炉はダイオキシンが出ないように1000℃以上の高温で燃やしている。その温度はまさにセシウムが気化してしまう温度なのだ。

 また水の汚染基準が10ベクレル/リットルとされているが、体内に入れたセシウムは三か月経ってやっと半分が排出される程度(これを「体内半減期」という)。ものすごく遅いのだ。

 逆にチェルノブイリのデータで見ると、体内に5ベクレル/体重1キログラムあたりを超えるセシウムが入ると心臓病などに有意な差が出る。水道水ばかりではないが、体の中に入れる水を5ベクレル以下/体重1キログラムあたりにするには、飲んでいい水のセシウム濃度は0.5ベクレル/リットル以下になる。

 東京都が威張っている「国の基準の20分の1を下回る」と言っている500ミリベクレルこそが、安全な水の最大値になる。今始まった岐阜・土岐市の「核融合科学研究所」から出されるトリチウムも水の問題だ。

 水に気をつけた方がいい、そして国の基準など信じない方がいい。

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2016.11.8日号 http://www.kobunsha.com/shelf/magazine/past?magazinenumberid=3328
女性自身 

「現在も東京都の水道水は放射性セシウムに汚染されている!」


~終わらない放射能汚染2
原子力規制委員会のHPになんと福島県を上回る数値が公開されていた!
福島原発事故から5年半たったいまも、検出されるのはなぜ!?~


-データはHPの奥底にあたかも隠されたようにひっそりと、だが確かに記されていた。
東京都水道局の「不検出」という見解とは異なる事実が明らかに!-


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 '11年の福島原発事故を受けて、原子力の安全確保のために環境省に新たに設置された原子力規制委員会。そのホームページ(HP)に「上水(蛇口水)モニタリング」というデータが公開されていることをご存じだろうか。ここには47都道府県の水道水の放射性物質の検出結果が一覧表になっている。左の表を見てほしい。なんと11の都県で'16年1~3月の時点で放射性セシウムが検出されているのだ。


「東京都水道局のHPを見ると'11年4月4日に放射性ヨウ素131(8ベクレル)が検出されて以降、水道水から1回も放射性物質が検出された報告は載っていません。ところが原子力規制委員会のモニタリング結果では、いまだにセシウム134と137を合わせると約2ミリベクレルの放射性物質が含まれているんです」

 こう解説するのは経産省の諮問機関・原子力小委員会委員である伴英幸さん(原子力資料情報室共同代表)。

 「福島原発事故後、岩手県から首都圏、神奈川県や新潟県の一部まで非常に広範囲に、福島原発から放出された90京ベクレル(京は兆の1万倍)ともいわれる大量の放射性物質が降りました。'11年3月22日に、東京都の水道水からも210ベクレルkgという放射性物質(ヨウ素131)が検出され、金町浄水場付近の住民に代替飲料として水のペットボトルが配られたことを記憶している人も多いはず。当時汚染されたエリアといま水道水から放射性物質が検出されているエリアはほぼ重なります」(伴さん)


 もう1つ。左上の表で驚くのは、現在、福島県の水道水より東京都の水道水に含まれる放射性物質のほうが多いこと。東京都では'11年4月以降、常に「放射性物質は不検出。都の水は安全です」と発表しているが、規制委員会と自治体のどちらが正しいのか?


 さっそく東京都水道局と規制委員会の双方に確認してみた。どちらも「ゲルマニウム半導体核種分析装置」という同じ測定器を使って検査をしているが、


1)東京都水道局では都内3カ所の浄水場で毎日2リットルの水を採取し検査。
放射性物質が500ミリベクレルを超えない場合は検出下限値以下として「不検出」としている。

 「現在、国の放射性物質の安全基準は10ベクレル。この20分の1を下回るということで500ミリベクレル以下を不検出としています」(東京都水道局浄水部・水質担当者)


2)原子力規制委員会が公表している都の数値は東京都健康安全研究センターが検査を実施。上の表の値はセンター(新宿区内)の蛇口から、今年1~3月の間、毎日水を1.5リットルずつ取って蒸発させ、残留物の中の放射性物質を測った合計値だという。検出下限値は1ミリベクレルと厳しい。なお上表のセシウム134は検出下限値以下の0.43ミリベクレルだが、「本来なら1ミリベクレル以下なら『不検出』の表記でいいのですが、各自治体から出てきた数値は正確に公表するということで、検出下限値以下でもHP上にきちんと掲載しています」(原子力規制委貝会・監視情報課担当者)


 簡単に言うと、測定器は同じだが、採取期間と量が異なり「不検出」とする最低ベクレル値も異なるので、公表結果か違ってくるというわけ。

「明らかに都健康安全研究センターの検査のほうが厳格。水道局は毎日の検査なので速報性に重きを置いているということでしょう」と、伴さん。


 それにしても事故から5年半たったいまもなぜ水道水のセシウム汚染か続いているのだろうか?

「現在観測されるセシウム134と137は半減期(放射線を出す量が半分になる期間)からいって(134と137が)1対4の比率ならば福島原発事故で出たものと特定されます。東京都の水道水の含有比率はまさに1対4なので、福島から飛来したものに間違いない。都の水道水は利根川水系、荒川水系、多摩川水系の水が混じっている。いずれかの水源の上流部から川底に沈殿しているセシウムが砂などといっしよにいまだに流れてきていると考えられます」(前出・伴さん)



■ゴミの焼却で塩化セシウムが生じて


また別の説もある。

「'11年に水源地に降ったセシウムは山間地や河川の底で土砂に吸着し沈殿している。これがずっと流れ出しているというのは考えにくい」

というのは『放射能下の日本で暮らすには?(筑摩書房)の著者・田中優さん(横浜市立大非常勤講師)。

「いまの水道水に含まれるセシウムはじつはゴミの焼却によって生じているのではないでしょうか」
 どうしていまもゴミの中にセシウムが?

「福島から飛来したセシウムが大量に付着した家屋がいま解体されて廃材として焼却されているケースもあります。しかし汚染の実態はそうした廃材だけではありません」


 先日も(10月11日)、埼玉県秩父市で捕獲された鹿の肉から1キロあたり360ベクレル(安全基準値の3倍超)にあたる放射性セシウムが検出されたとニュースになった。


「福島原発事故のエリアは広範囲。そこで生産される食品などに現在も、安全基準値以下ではありますが、セシウムが入っているモノがあるのではないでしょうか。それらが生ゴミとして一ヵ所に集められ、焼却されると、セシウムは摂氏705度付近で気化し、周囲の塩素とくっついて、塩化セシウムに変化します。これがたいへんやっかいで水に溶けやすいんです」

 つまりゴミ焼却場から放出された塩化セシウムは周辺の空気中を漂い、雨に溶けて地上に降り河川の水に入り込んでいるのではないかと、田中さんは推測するのだ。


「東京都は人口が多い分、圧倒的にゴミ焼却量が多い。原発事故のあった福島より東京の水道水が汚染されている理由はこれで説明がつきます。もしゴミ由来の塩化セシウムが水道水を汚染しているのだとしたら、これからも数十年先まで汚染は続きます」


 微量とはいえ、セシウムで汚染された水道水を毎日飲み続けていいものか?

伴さんは、
「正直、現在の国の“水1リットル当たり10ベクレル以下は安全”という基準は相当に甘い。水は人が毎日大量に摂取するもの。本当は1ベクレルかそれ以下が適切でしょう」

 と、前置きしたうえで、

「原子力規制委員会が公表している現在の東京都の水道水のセシウムの数値(約2ミリベクレル)は私が考える1ベクレルを基準としても500分の1程度。被ばく線量は非常に少ないが、安心とは言えない微炒なレベルですね」


 いっぽう、田中さんは、

「放射性物質は体に入ったのち、それぞれ特定の臓器に蓄積される。セシウムの場合は心臓、女性の子宮、甲状腺に蓄積されやすい。実際、’86年に原発事故で放射能汚染があったウクライナのチェルノブイリ周辺では、いまも死因の半数が心臓疾患と非常に多い。この原因は体内に蓄積されたセシウムにあるのではないかといわれています。

 たとえ微量とはいえ、特定の臓器に蓄積され放射線を出し続けるところが非常に怖い。いまの都内の水道水の汚染も決して軽く考えてはいけないレベルではないでしょうか」



 東京都水道局の発表では5年以上[不検出]とされていた水道水中のセシウムが、同じ都の別の検査では、その間、ずっと検出されていた事実。あらためて5年半前の福島原発事故の汚染の隠れた実態を、私たちにつきつけているといえそうだ。


(出版社より転載の許可を得ています)

2017年3月13日

セシウム、野生キノコの胞子で再飛散か

田中優より
「キノコが放射能を集めるのは常識レベルだと思うが、再飛散を起こすほど莫大に生えていることに驚き。キノコが悪いんじゃないよ、悪いのは原発だ。」



◇   ◇   ◇   ◇  

▼「セシウム、野生キノコの胞子で再飛散か 気象研など調査」
http://www.asahi.com/articles/ASK372QQRK37UBQU004.html 

(朝日新聞デジタル2017.3.7)

 東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性セシウムの一部が、野生のキ
ノコで濃縮、胞子に蓄えられて大気中に再び飛散している可能性が高いことが、
気象庁気象研究所や茨城大、金沢大などの調査でわかった。


2017年3月11日

3月14日(火)「未来バンクと未来をつくる作戦会議」

引き続き休眠預金について、奨学金問題について、地元のリユースの仕組みなどについて話し合います。
その他、持ち寄り話題もお待ちしています。
どなたでもご参加大歓迎です☆
 
■日時 
3月14日(火)19:00~
 

■会場 ちよだプラットフォームスクウェア (千代田区神田錦町3‐21) 地下会議室


場所がいつもと違いますよ!

竹橋駅(東西線) 3b KKRホテル東京玄関前出口より徒歩2分
 → 地下通路一番奥の出口
神保町駅(三田線・新宿線・半蔵門線) A9出口より徒歩7分
大手町駅(三田線・千代田線・半蔵門線・丸の内線)   
→ C2b出口より徒歩8分
 

いつもの会場が予約できず貸し会議室を利用します。組合員の「WEL'S新木場」さんのお名前でお借りしました。お問い合わせは、事務局まで。
アクセスマップは次のURLでご確認ください。
http://www.yamori.jp/wp/wp-content/uploads/2016/05/access_print.pdf


 

■お申込:mirai_bank@yahoo.co.jp へメールをお願いします。 
 

■参加費:500円
 

■主催:未来バンク事業組合

2017年3月10日

3月13日(月)天然住宅バンクミーティング

天然住宅バンクミーティング

田中優を中心に非営利バンクの金融の仕組みを利用しながら様々な活動に繋げていくためのミーティングです。
毎月1回開催しています。

無料&どなたでも参加OKです。
 
■日時 
3月13日(月) 19:00~21:00 (開場:18:50)  
 
■会場 東京都新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル4F
 
■参加費 無料
 
■お申し込み受付 下記フォーマットからお申し込みください。
http://tennen.org/event/bankmtg-2.html
 
■主催 天然住宅バンク

2017年3月5日

『 電力リテラシー」が必要だ 』

□◆ 田中 優 より ◇■



『 電力リテラシー」が必要だ 』
   (2012.9月発行田中優有料・活動支援版メルマガより)


「メディアリテラシー」という言葉が言われてから久しい。
『情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと』とされている。要はだまされないように情報を吟味し、活用できる能力を培うことだ。

 たとえば新聞にデマが載る。記者の知識が乏しいせいかもしれないし、「ちょうちん記事」や「アドバルーン記事」と言われるような作為的なものかもしれない。しかしそれを見抜けないと、事実に基づいた判断できない。

 もちろんその能力も重要だが、今の時点では「電力リテラシー」の能力を磨くことが必要だ。

 電力に関するデマが読み解けなければ正しい判断ができない。つい最近、政府が家庭の電気料金は原発をゼロにするなら倍になると報道した。
 こうしたデマに惑わされたのでは電気問題の解決はおぼつかない。


 ぼくが特に問題だと思うのは、資源エネルギー庁(以下「資エネ庁」と略す)が流すデマだ。

以下のようなものがある。


1.日本の電気料金は2000年には世界一高かったが、2009年ではそうでもない

実際には世界一高いまま。
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/shiryo/110817kokusaihikakuyouin.pdf


 これは平成23年8月に出された「電気料金の各国比較について」という文書だが、それによると、「日本の電気料金は2000年には世界一高かったが、2009年では英国と同水準となった。米国、フランス、韓国と比較すると高いが、ドイツについては、住宅用料金の水準に比して産業用料金が低くなっており、日本の電気料金と比べて、産業用は安く、家庭用は高い」と書かれている。

 要はいまや日本の電気料金が特別高いわけではないとする報告書だ。

 しかし、資エネ庁のデータは常に疑ってかかった方がいい。たいがいが戦時中の「大本営発表」のようなデマだからだ。ここではその脚注に謎が隠されている。

 こう書いてある。

「注3)税込の値を使用。なお、税には消費税、付加価値税だけでなく、我が国における電源開発促進税のような目的税も含まれる。」


 まるで日本だけが「電源開発促進税」が含まれていて高くなる計算をしたかのように読めてしまうが、そうではない。「環境税」などの「目的税」を含めて計算したという意味だ。ドイツやイタリアが高いのは、地球温暖化防止のための「炭素税」が導入されているからだ。導入しているのは「フィンランド、スウェーデン 、ノルウェー、デンマーク、ドイツ、 イタリア、イギリス」だ。

 日本より高くなったように見える国だけでなく、日本より電気価格が安いイギリスも、すでに炭素税を含んだ料金になっている。

 「炭素税」を除いたら、日本は相変わらず先進国一高い電気料金となっているのだ。炭素税を導入していないフランスも日本の電気料金に近接してきているが、これは後で見るように、原子力の高いコストが影響しているものと思われる。


 さて、日本にも炭素税導入の予定がある。ここで平成16年11月5日に環境省が発表している「環境税の具体案」を見てみよう。そこでは「税率は、2,400 円/炭素トンとする。

 例えば、電気の税率は、0.25円/kWh、ガソリンの税率は、1.5 円/L となる」としている。
 www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0665.pdf

 それを1ドル80円で換算すると0.195 ドル/kWh、合計では0.423 ドル/kWhとなる。
この額で各国と比較に使ってみると、圧倒的に高い電気料金のままであることがわかる。日本の国際競争力を奪っているのが高すぎる電気料金だといえるだろう。



2.
原子力が一番安い発電方法
原子力は最も高い発電方法

 そうなると、なんとかして安い発電手段を選びたい。
そこで資エネ庁に聞いてみると、こんなグラフを出してくる。
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/bunkakai/cost/denjiren/4.pdf


 これは電気事業連合会(電力会社の業界団体)が出してきたものをそのまま引き写しただけのものだ。
 
 原子力が 5.3 円/kWhで、一番安い発電方法だとしている。これを信じたなら、原子力発電をなるべく利用すれば電気料金が安くなることになる。経団連などが言うのはこの数字だ。

 ところがこれも立命館大学の大島堅一氏の「原発のコスト(岩波新書)」によって実態が暴かれている。


 電力会社の「有価証券報告書」や政府の補助金から、それぞれの実際にかかっているコストを計算したものだ。その結果は資エネ庁の結論と間逆で、資エネ庁が最も高いとする水力発電が最も安く、一番安いはずの原子力が 5.3 円/kWhではなく10.68 円/kWhと、資エネ庁の数字の2倍高い。

 しかも原発建設に伴って造られる揚水発電ダムという蓄電施設と合計すると、12.23 円/kWhとさらに高くなる。この揚水発電ダムだけは原発と同様に地域自治体へ「電源開発交付金」が配られることになっている。こうして口を札束でふさいで、最もコスト高の「原発+揚水発電セット」が造られてきた。


 したがって原子力を進めると、電気料金は高くなる。さらには税からの補助金支出も必要になる。電気料金と税金のダブルで負担させられるのだ。戦時中、政府は「連戦連勝」と伝えながら、結局日本は「敗戦」に至った。この「大本営発表情報」のせいで大局を判断し誤ったのと同じだ。経団連などと「経済人」を名乗るなら、この程度のリテラシーがなければ情けない。



3.
家庭の消費が問題だ

日本の家庭は世界一省エネだ。


 これは一目瞭然、2010年、家庭の電気消費量は全体に対してわずか22%でしかない。アメリカでは電気消費全体の4割が家庭の消費だが、日本では家庭の消費はずっと小さい。それどころか、グラフで見るように、世界の主要国の家庭の中で最もエネルギー消費量が少ないのが日本の家庭なのだ。
「家庭が問題」ではなく、日本の家庭は世界の模範だ。



4.家庭の電気消費がピークの三割の原因

 → ピークの一割程度

 この話はすでに支援版メルマガの第3号の「やさしく無視してあげる」で書いたので、ここでは割愛するが、電力消費ピークの発生する「夏場平日日中、午後1時から4時、最高気温を記録するような猛暑日」には、家庭の三分の二が外出中だ。しかも平日である消費ピークのとき、圧倒的に消費しているのは事業系なのだ。家庭ではない。



5.家庭内でエアコンの温度設定を
 → ほとんど効果ない、それより冷蔵庫の買い替えを

 これまた資エネ庁の間違ったデータのせいで、家電量販店に行くと家庭内の節電には「消費量の25%を占めるエアコンが重要」と書いてある。同じデータを引用してきた「省エネルギーセンター」は、ついにデータを訂正した。「省エネ性能カタログ」2011年では家庭内の 26.2% をエアコンが消費てしてとしていたのが、2012年にはいきなり 7.4%とされている。
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/save03.htm


 もちろん日本の家庭に大変化があったわけではなく、資エネ庁の間違ったデータを使わなくなっただけのことだ。


 家庭内では冷蔵庫の電気消費が最大だが、その冷蔵庫はいまや年間では30wの電球を点け続けるより電気消費量が少なくなっている。エアコンを買い換えてもほとんど得しないが、冷蔵庫の買い替えは経済的に得になる。意味のない買い替えをさせるのではなく、効果あるものを提示すべきだ。



夏のピークにも要らなかった原発

 電力会社はこれまで、かかったコストに利益を掛けて人々の電気料金から取れる「総括原価方式」という仕組みによって、好き勝手をしてきた。利益は費用をかければかけるほど増えるので、高くて効率の悪い原子力発電は好都合だったのだ。とにかく人々さえだましておけば、それで事足りる。

 「原子力が安いおかげで、世界的にも安い電気を享受できています、電力会社さまのおかげです」と。


 ところが原発事故以降、次々とウソがほころび始めた。今年の夏、「原発なしでは電気が足りない」と言い張ってきた関西電力の電気は、再稼動しなかったとしても電気が足りていたことが明らかになった。

 このグラフは今年の電力消費ピーク時の消費量、電力会社の予想値と実績値だ。
電力会社の予想が大きすぎて外れていることがわかる。「原発を再稼動しなければ停電して大変なことになる」というのはウソだった。


 しかしこのデータはまだ実態にほど遠い。日本に周波数の違う50ヘルツと60ヘルツの地域があるのは知ってのとおりだが、それぞれのエリアごとに送電線がしっかりつながっていることはあまり知らされていない。つまり送電線がつながっているエリアは電力会社ごとではなく、ヘルツごとの地域で電気の融通ができている。その送電線が貧弱すぎる北海道を別にして、50ヘルツ2社と60ヘルツ6社に分けることが可能だ。


 その地域ごとで今年の最大消費の電力会社予想と実績を比較してみよう。図のようになる。

 関東東北が517万キロワット余剰、西日本6社では805万キロワット余剰だ。
関西電力が大飯原発2基合計で236万キロワットを再稼動させたが、805万キロワットも余剰があるのだから必要がなかったのだ。

 しかもこれは電力消費ピークだけの、ほんの一時的な問題だ。そのピークがどのくらい発生するものなのか、事故以前の2010年、東京電力のデータで見てみよう。


 一年間24時間×365日で、一年間は8760時間ある。その8760時間、時間ごとの電気消費量を高いほうから順に並べてみると、下のようなグラフになる。その中の最大ピークが5999万キロワットだったから、そこから100万キロワット落として、4999万キロワットを超えた時間をピークと考えてみたとしよう。それが上のグラフだ。なんとわずか5時間しかない!

 わずか5時間の電気を足らせるために、新たな発電所を建設したり、命がけになって発電する必要があるだろうか。それよりその時点だけ節電させたほうが、ずっと経済的ではないか。多額の金をかけて発電所を建設する必要もないし、節電してもらう代わりに電気量をまけてあげてもいいだろう。


 しかもこの西日本6社合計の消費ピークというのは、「同日同時間にピークが発生した場合」の話だ。実際には同時発生はしたことがない。つまり一社がピンチでも他社には余裕があるのだ。電気が足りないというキャンペーンはただの脅しでしかなかった。



本当は電力会社がつぶれそうだから原発を動かした


 では、本当の原発再稼動の動機は何だっのか。これははっきりしている。今年の6月13日、衆議院第1議員会館の会議室で開かれた「脱原発ロードマップを考える会」(民主党衆参国会議員が多数参加)の会合に、資エネ庁は「脱原発が電力会社の経営に与える影響について」という資料を提出した。

 多額の資産を持つ電力会社の資産の中身の多くが原子力発電所になっていた。
 http://www.scn-net.ne.jp/~onodak/news/quote/20120703.html


 原発は総括原価方式の中で、高くて効率が悪いから、資産額を大きくして電気料金を高くするのに恰好の存在だったのだ。
 その表は読みにくいので、まとめた表で紹介しよう。

 このグラフの黄色の部分が2011年度末時点での資産額で、赤の部分が2012年度の純損失額だ。損失は予定外の原発停止のために、火力発電所の燃料などに余分に費用がかかった部分の赤字などだ。黄色から赤を引くと2012年度末の資産額が出る。残った2012年度末の資産額を、緑の部分の2011年の損失額で割ると、つぶれるまでの年数を想定できる。北海道が2.2年、関西電力が1.9年という数字が出る。つまり電力会社はほとんどが破綻寸前になるのだ。しかも原発を作りすぎた会社から順に。


 電力会社が破綻すると、その株主である大手生命保険会社、メガバンクの持つ株券は紙くずになり、貸し込んでいる金融機関の社債のうち、政府が保証していない部分は紙くずになり、保証していた部分は政府の赤字になる。政策投資銀行を中心とする長期・短期の融資も同様だ。すると日本の金融がガタガタになるだろう。それを避けるために原発は動かされているのだ。「廃炉」と言えないのは、これまでの赤字がばれることを恐れて、問題を先送りしているせいだ。

 しかし原発はどちらにしても負債を増やし続ける存在だから、一刻も早く切り捨てないと傷口が広がる。
 さてどうしたらいいのか、というのが現状なのだ。



つぶさずにソフトランディングさせられないか


 日本も電力の完全自由化を、2015年頃に実施することを決めた。自由に競争させられることになったら、「原発」という不良債権を抱えた電力会社は敗退して倒産する。当たり前のことだ。


 アメリカでは1999年頃には自由化を進め、同じ事態に見舞われている。そのときアメリカは、「ストランデッドコスト(どうにもならない負債)」という考え方を導入している。原子力のような莫大な額の長期投資をしてしまった電力会社が、突然の自由化で破綻しないように、原発投資による負債を「ストランデッドコスト」とし、それをすべての電気料金に少しだけ上乗せして回収させる仕組みを作ったのだ。そうすれば原発を持った電力会社が、競争に負けて倒産することが避けられ、自由化した電力市場に参加できる。

 ストランデッドコストについて
http://www.meti.go.jp/kohosys/committee/oldsummary/0000405/


 日本のろくでもない電力会社を救う気にはならないが、金融市場の危機も招きたくはない。すると日本でもストランデッドコストを入れて、これまで原発推進をしてきたツケを私たちが払わなければならないのだろうか。しかし原発推進で甘い汁を吸ってきた原子力ムラの会社や人から利益を吐き出させるべきだし、愚かしい官僚と政策決定者にも相応の罰を受けてもらわなければならない。


 しかし現実にはアメリカがストランデッドコストを導入した時代とは、大きく違ってしまっている。特に「省エネと自然エネルギー」の技術がどんどん進展してしまっている点が大きい。いまや自宅に太陽光発電を導入して、送電線から独立しても電気の自給が成り立つ時代になってしまっているのだ。


 これを「オフグリッド」というが、人々に電力会社のツケを払わせようとしても、人々には自然エネルギー自立型のオフグリッドに逃げることができる時代になってしまったのだ。

 「原発をゼロにしたら電気料金が2倍になる」というプロパガンダも、オフグリッドが可能な時代には脅しにならない。そうなるとアメリカ型のストランデッドコストの導入は困難だから、税収に頼るしかないかもしれない。


 しかし今のように公共事業の乱費・乱用を繰り返す日本では、その税収もすぐに底を尽くだろう。となると日本の金融市場の大きな借り手だった、電力会社の倒産のカウントダウンが見えてくる。原子力ムラの欲ボケした人たちがいくら脱原発に反対しても、もはやウソでだまし切ることはできないだろう。金融市場の混乱は避けがたいように見える。


 しかしいいこともある。自然エネルギーが進展すれば、毎年23兆円も輸入してきたエネルギーが不要になるし、電気自動車の進展によって、自宅の太陽光発電などで、電気代もガソリン代も不要になるかもしれない。つまり経済破綻は大きな国際市場に影響せず、個人の生活への影響も小さくできるかもしれないのだ。
なぜなら自立した暮らしの部分が広がれば、それだけ生活は不安定にならずにすむからだ。

 未来のエネルギーの見取り図を思い描こう。それにしても「原発をゼロにしたら電気料金が高くなる」というようなデマに惑わされているままでは無理だ。もっと多くの人が真実を知るようにならなければ。

 「電力リテラシー」が、どうしても必要な時代になってしまっている。


※リンク先URLは2012.9.18現在のものですので、一部期限切れのものもございます。
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今回は、2012.9.18発行 第23号 『 電力リテラシー」が必要だ 』です。

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