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2020年9月17日

動画「優さん、化学肥料削減で温暖化防止になる?」


2020.9.16配信

動画「優さん、化学肥料削減で温暖化防止になる?」

https://youtu.be/3p2VPr7hoSc



田中優がメルマガ読者の方からの質問に答えました。


質問内容はこちらです


「温室効果ガスについて。
温室効果ガスとしては、一般にCO2が大きな原因とされています。

 一方、亜酸化窒素はCo2の300倍の温室効果があるとのことで、この主な排出源が農業で使われている化学肥料(窒素)で、化学肥料の使用をやめるなり減らせば温暖化に大きく貢献(ほぼ解決できるかも)できるという意見があります。

 一般的に考えて化学肥料は地球規模で使われているので、こちらに焦点を当てた削減活動の方が大切なのではとも思えます。

 使用量か削減効果についての詳細は分からないのでCo2との単純比較はできないですが、優さんの方で把握されている情報があればその公開なり、これから分析できる可能性があるのかどうかお聞かせ願いたいと思うのです。」


ヒントは土と緑!


(以下動画より)

「地球の歴史46億年前からと考えてみると、最初のうちに二酸化炭素を吸収しそして酸素を作り出してくれたのはストロマトライトとう名前の要はシアノバクテリア、光合成をしてくれるようなものが酸素を作り出したんですが、その後に圧倒的に二酸化炭素を吸収して酸素を作り出したのは緑なんです。

だから緑をもう一度回復させなければ解決できない。 
そしてその緑というのは単に緑が解決しているのではなくて、実は木材の中に含まれているCO2の5倍も土の中に含まれているんです。

だから土壌の方を回復させながらそこに二酸化炭素を吸収させる、ということがどうしても必要になるんですね

それを考えると今の時点で一番問題なのは、土壌を痛めつけて木さえ育たないような状態に仕向けてしまっていることが問題なんだろうと思います。

そこを何とかしないと今CO2を減らしたとしても、今大気中に上ったCO2を吸い取ることができない。

どうしてもその大気中に上ったCO2を吸収させるために、土と樹木に思いきりがんばってもらわなくちゃいけないんですね。

その辺のことを次のメルマガの中では触れました。

ぜひ、参考に見て欲しいと思います。

今回、質問をしてくれたのでそこから広げていって、「どうして緑と土が大事なのか」というところに触れています。

ぜひお読みになってください」


■詳しい回答は、こちらをご覧ください↓

有料・活動支援版メルマガ 「田中優の未来レポート」

2020.9.15発行 第218号 

【メルマガ一問一答 「化学肥料削減で温暖化防止になる?」】

http://www.mag2.com/m/0001363131.html


ご購読料 550円(税込み)/月  登録初月は無料


メルマガは、これまでのバックナンバーも1カ月単位でお読みいただけます
https://www.mag2.com/archives/0001363131/


未来につながる情報を追っています。
興味のある方はご購読頂ければ嬉しいです。


▼田中優公式動画チャンネルはこちら
https://www.youtube.com/c/TANAKAYUinfo/





2020年6月3日

「炭素貯金」ダウンロード版登場!




炭素貯金 (上・下セット)
  

2020年2月29日、3月15日に発行しました、田中優有料・活動支援版メルマガが公式オンラインショップにて早くも登場しました!
 
上・下の2記事がセットになったお得版です。
 
すぐにお読み頂けるダウンロード版、A4サイズのPDFで31ページ(原稿部分は25ページ)です。

~~主な内容~~
 
・炭素貯金とは

・木質バイオマスの利用

・森を育てる、、育林費のコストを下げるために

・皮むき間伐

・木材別の炭素吸収量

・木造住宅で炭素貯金を  など
 

「先にCO2を排出しておいて後で埋め合わせようというような「無責任」な考え方が、これまでの地球温暖化問題を引き起こしてきた正体なのではないか?
 
「後から何とかする」「後で何とかなる」ではなく、先に排出量を減らしておいてその分を後から使うような先減らしの仕組み、つまり「炭素の貯金」ができることになる。
 
その例を紹介しましょう。」



詳細・ご購読はこちらより

2020年5月24日

キーワードは「ウエブ オブ ライフ」


田中優有料・活動支援版メルマガ 2020.5.15発行号は

キーワードは「ウエブ オブ ライフ」」です

メルマガ登録初月は“無料”です!

→田中優の未来レポート

ウエブとは蜘蛛の巣状のこと。。
土も腸も地球も、すべて繋がっているのです。

ご興味のある方はこの機会にご登録くだされば嬉しいです。



******************

本文より


 インターネットでよく使う「ウエブ」という言葉。これ「クモの巣の網」を意味しているんだ。インターネットってのはクモの網の目のようにつながっていて、そのおかげで世界中の情報を瞬時に集めることができるんだけど、生命もまた、この網の目のようにつながっているんだ。




 もう数週間、「ステイホーム」で閉じ込められているんだけど、その対象は「新型コロナウイルス」なわけだ。そうなれば腹も立って「ウイルスなんて絶滅させてしまえ」と言いたくなるんだけど、そんな失くせばいいだけの簡単なものじゃない。「殺菌しちゃえ」と言いたくなるんだが、ウイルスは生命体であるかどうかも微妙なものなんで、「殺菌」とは言わずに「不活化」という。何しろ自分で自らを複製できずに、勝手に宿主の機能を借用して増殖するのだ。ずるそうで役に立たない悪人のイメージがするかもしれないけど、そうでもない。というのは人間だって「変異の激しいウイルスからの遺伝子」から、便利な遺伝子片をたくさんいただいているのだ。


 その中でぼくが一番すごいなと思うのは、何と言っても母の持つ「 胎盤 」だ。免疫機能から考えると、血液型の異なるベビーなんて母体で育てられるとは思えない。血液型が違えば「輸血」ができないのと同じように、「異物」と認識されて排除されてしまいそうだ。免疫の仕組みであればそうなるのだから。


 ところがそれを「異物」として見ない仕組みが「胎盤」にあるのだ。胎盤でろ過するみたいに不都合なものでないものにして、血液型が異なっていたって問題なしに育ててしまうのだ。この「胎盤」という神秘の器官が与えられたのはウイルスのおかげだった。

 今「新型コロナウイルス」の問題で、まるで悪役のように扱われて「殺菌してしまえ」と言われるウイルスだが、そのウイルスは一本鎖でできた「 リボ核酸(RNA) 」を本体として、これを逆転写させることでデオキシリボ核酸(DNA)、つまり遺伝子を作る(最初からDNAのウイルスもある)。この一本鎖であることが、不安定で変異しやすい遺伝子になっている。しかし 私たちの持つ遺伝子全体のうち、約四割はそのウイルスからもたらされたものと考えられている 。


 そして私たちの体も他の生命体から譲られたものでできている。何と言っても私たちの体細胞のひとつ一つに複数存在している「 ミトコンドリア 」に驚く。それはそもそも他の生命体として存在していたのだが、あまりにもエネルギーを生み出すのに役立つため、体内細胞の中に閉じ込めたのだ。だから「ミトコンドリア」には私たちが自分のものだと信じている体細胞の遺伝子とは別の遺伝子がある。




9がミトコンドリア   ウィキペディア 典型的な動物細胞の模式図 より


 なんとこの遺伝子は母からのみ受け継がれるため、その母を辿って「母なる母」を探し出すこともできるのだ。


『1987年アメリカのアラン・ウィルソンを中心とする科学者がミトコンドリアに含まれるDNAを検討した結果、人類はアフリカで生まれ、各地に広がっていったと解釈できた。その上、現代人のご先祖はたった一人の女性で、他の系統は消えてしまったと結論づけたのである。この大先祖こそ、ミトコンドリア・イブと呼ばれている女性なのだ。ミトコンドリアのDNAは16500対あまりの塩基配列で構成されている。

ミトコンドリアは人体のすべての細胞に含まれる細胞内器官であり、生体内のエネルギーを作り出している。このミトコンドリアが持っているDNAは母親からのみ受け継がれ、父親のミトコンドリアDNAが子に伝わることはない。

こういうミトコンドリアDNAの特性に注目し、先のアランらはミトコンドリアDNAの突然変異の確立を100万年に2%と推定し、世界各地の147人を無作為に抽出し、系統樹を作成した。その結果、147人のミトコンドリアのうち、133の異なるDNA配列が見つかり、7例のアフリカ住民の型とその他の各地の型に大きく二つに分かれ、アフリカ系は他のものに比べて、それぞれのグループ内の突然変異率が2倍であった。つまりアフリカ型が年代的にずっと遡ることが明らかとなり、人類はアフリカで生まれ、各地に広がっていったと結論づけられたのである。

にわかには信用できない結論ではあるが、現代の白人のミトコンドリアには必ず、黒人のミトコンドリアDNAが含まれているにも拘わらず、黒人には白人のものが含まれていないという事実からも、この結論は妥当なものとして、受け入れられている。やはり、人類は皆兄弟なのだ。

そしてこのイブのミトコンドリアDNAは7人の娘たちに受け継がれ、その娘たちが現代人のそれぞれの先祖になっていったということだ。(ブライアン・サイクス「イブの7人の娘たち」ソニーマガジンズ、webpage;http: //homepage2.nifty.com/joumon-hakodate-ky/mitoibu.htmより)』


 「ミトコンドリア」の話は、「生命が他の生命体とは別に独立して存在する」という見方を否定する。人間は特別なものではなく、他の生命体の網の目の中の一つとして存在するのだ。しかもその生命体というものは、一つ単独で存在するものではなく、生命全体の網の目の一つとして存在するのだ。しかもその生命の網の目は様々な形で共生していて、取り込まれたりするだけでなくそのままの形でも共生する。


 例えば私たちの 免疫細胞 は、その七割が腸内に存在する。そしてこの腸内を作り支えているのは「 腸内フローラ 」と呼ばれる腸内細菌叢(群のこと、くさむら)だ。それらの細菌群はもちろん人間からは独立して生存している。それなのにまるで誰かが統率しているかのように免疫として機能しているのだ。


 そのため今では腸内細菌叢を調整していくことが、腸活などと呼ばれて健康の秘訣のように取り扱われるのだ。その腸内で行われている「消化活動」と、例えば畑の農地で行われる「 土づくり 」とは全く同じだ。腸内活動を大切にする「腸活」をするなら、同様に畑の土づくりもしていた方がいい。


 まさにこれと同じことを行っているのが吉田俊道さんの「菌ちゃん農法」だ。・・・


********


続きはこちらより↓

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2020年3月16日

田中優「9年目の311、そしてこれから ~日本の森を活かす~」動画あり



 

 2020年3月11日、田中優公式動画チャンネルにて

9年目の311、そしてこれから

~日本の森を活かす~

 を配信しました。




動画URLはこちらです https://youtu.be/LKGRFjnYYG4

以下、書きおこしです。

MT311 SUMITA


(2020年3月11日)

田中優です。
今日は9年目の311の日です。今から9年前に東日本大震災が起こって原子力発電所の福島第一原発の事故が起こった時から、9年経ったわけですね。

今年の正月にぼくの友人の、新潟のさいかい産業の隊長と呼ばれている古川(正司)さんがこの家に訪ねてきました。

 
  右が古川さん


古川さんがうちのこのペレットストーブ「MT311 SUMITA」を見て「懐かしい」と言っていたんですね。何でこれが懐かしいかと言うと、MTはmore trees、311は311事故の年(SUMITAは岩手県住田町)を示したものがこのストーブの由来だからです。


 



このストーブは実はそこから始まった運動の、ある意味始まりの年でもありました。

 何が始まったかと言うと、MTはmore treesなのですが、more treesという運動は坂本龍一さんが立ち上げて、もともと「ストップ六ケ所more trees」だったのですが、ストップ六か所の方はなかなか政治的に受け入れられないということで、それで後ろの方の「more trees」というだけの名前がうけていったわけです。

それによってmore treesという運動が生まれてきたわけですけども、その311の頃に東北の方では何が起こっていたかというと、実はもちろん電気も止まりました、ガソリンも買えないという状態でものすごく困った状態になりました。


しかも現地は寒く、その寒い中暖房器具がないという中で、実はあまり知られていないですが、避難生活を余儀なくされた人たちが避難先の学校の体育館とかそういうような場所で残念ながら凍死してしまうという事件もいくつも起こりました。あまりにも寒かったんですね。

 その時にその二つの動きが合体しまして、古川さんはもちろんその東北の人たちを助けたい、何とか暖かく過ごして欲しいと古川さんは思っていて、more treesの方はその東北にたくさんある木を利用していけるような地域が自立して生きていけるような運動を目指していました。

 そこから考えついたのが、このペレットストーブを普及していくことと、そして木造の仮設住宅を建てる、ということだったんです。そのmore treesの方が考えた地域の木材を利用して仮設住宅を建て、ペレットストーブを届けていくという動きに古川さんが賛同してそれで作ったのがこの「MT311 SUMITA」のストーブだったんです。

 そのストーブが暖かいのはもちろんですが、それによって寒くて凍え死んじゃうというようなことは止められたのと同時に、他も色々協力しましてそれらの施設にこのストーブを届けて、そのペレットストーブの(燃料である)ペレットも届けていって、地域で循環してやっていけるスタイルを作りたいということで始めていったわけです。more treesの動きはずっと継続していまして、全国各地の森林地帯の応援をしたりとか、相変わらず進めています。

 そしてその時に作ったペレットストーブがこれで、このペレットストーブは、他の物はビュービューと暖かい風が出てくることによって空気を暖めるのですが、実は熱的に言うと空気で部屋を暖めるというのは効率があまりよくありません。それよりも効率がいのは「輻射熱(ふくしゃねつ)」、直接暖かい輻射熱、目にも見えない赤外線ですけども何となくこう暖かいのが当たってくるなぁという感じのあの輻射熱の方が、大変効率が良いんです。

 それによってこのストーブを作って、現在はこのストーブの後継機(後の世代の機械)が今は主力になっていますけども、事の発端はこのMT311 SUMITAで作った技術から始まっています。

 そしてそのことを何とか広げていきたいという風に考えていく中で、その頃ペレットストーブのためのペレットを供給したのは、くりこま木材という会社でした。現在は「くりこまくんえん」という名前になっていますが、そこが協力してペレットもせっせと届けて暖かい状況を届けていきました。


森から始まる地域循環



 そしてそのもう一つの動きであったくりこまくんえんにいた大場さんは、新たにもっと木材を使って暮らしやすいスタイルを作ろうと努力をしてきました。そして今年(2020年)やっと初めてできたのが、エコヴィレッジ、エコアパートを自分たちで建ち上げました。


 そのエコアパートは、もちろんくりこまくんえんというのは製材会社をやっていますから、製材したときに出る木屑(くず)で、プレーナーがけ(木材を最後にきれいにする時に木材にヤスリ掛けをする)で削るわけですけども、そのやすりをかけた時の粉、木粉がたくさん出るんです。それをギューっと固めて作ったものがペレットなんですね。

 

 木材を使うときにはいくら木を使いたいと言っても、例えば家の中に使われるような家の材料としての木材では、木材全体の実に3~4割くらいしか使われなくて、木材の中の6~7割は捨てられていってしまうんです。その6~7割捨てられてしまうものを活用したい。

 ということで一部はペレットにし、そしてまた木材としては材料として使えない枝とか細いものとか、そういったものは薪やチップにしてそうして木材全部を使えるようにということでエコアパートを作りました。

 そのエコアパートは、普通の木造アパートの3倍近く木材を使うと同時に、そこから出てきたペレットは今も古川さんのところに提供し、そして東北地帯での暖房に役立てています。


 そういう風にして、そこのアパートはドイツから輸入した発電機を導入し、木くず、枝などで作ったチップを燃やして燃料にしてお湯を届ける。そしてそのお湯を届けてもちろん暖房もしますが、同時に発電もします。その発電をした電気は、その地域の市で運営する電力会社がありそこに電気を売っています。そしてその同じところから電気を買ってくるのです。だからエネルギーがわざわざ東京経由だったり原発経由だったりするのではなく、その地域の中で循環していく仕組みをついに作りました。

 それがいよいよこの4月からスタートしていくのですが、そういう風にすることで地域循環、「森から始まる地域循」を現実に宮城県で実現する、ということをやってくれました。

 そうして木材を端から端まで役立てていき、地域の中でエネルギーも作るし、同時にそこに雇用を生み出したいんですね。


森を育て、木を活かす 


 今までの木材の採り方というのは、木を植えてそれが育ってきたら全部皆伐(かいばつ)と言って丸裸にして、その木材を使いその後に全部植林するというのが一般的なやり方だったのですが、そうではなくて山を裸にしない、まるっきり皆伐で全部切ってしまうというやり方を全部改める、という仕組みの林業を今目指して進めています。

 だからそこは今後は択伐(たくばつ)と言って、この木を切るんだという必要な木を切ってその後にそこに実生(みしょう)の木を、できれば種から育つような木をそこに育てていく、というようなことをしたいと思っています。


それがなぜ重要かと言うと、実生の木というのは、直根(ちょっこん)と言ってまっすぐな根っこをまず最初に木が育つ時に地中深くに伸ばすんですが、それを大事にした森を作っていこうということをやっています。それによりまず土深く根っこが張って行き、その根っこが土を深く掴んで山を崩さないような森作りをしていこうとやっています。

 
台風で倒れない庭木の育て方~土砂災害のメカニズムとポット苗の問題 より


さらにその林業を成り立たせていくためには、ものすごく林業には手間がかかるのですが、その手間の部分をなるべく動物たちにやってもらおうと一番手のかかる「下草刈り」の部分については牛を放ち、牛がせっせと下草を食べて育つ。

説明を追加
(田中優天然住宅コラム「第5回 いい湯だな、バハン」より)




そして今度木材を搬出するときには従来のやり方だと重たい重機でみんな運んでくるのですが、重すぎて山が崩れていく、というのが今までの林業の形だったんですが、それを馬に馬搬(ばはん)と言うんですが運ばせて何とか人の手間をかけないで、化石燃料を使わなくてもやれるような形を実現しようと進めています。


(田中優天然住宅コラム「第47回 自立的なウマ、琴姫」より)

(馬搬の様子)
 

それが今いよいよ出資も終わり融資も受けられて、いよいよ今年の4月からスタートすることになります。そういう時点からその311を振り返ってみると、社会が変わり始める最初の一歩が311だったと思えます。


311が起こる前までは誰しもが「まぁ原発は多少問題はあるけどもいいよね」という風な形で捉えていたのが、もう、今や時代が変わって「原子力は嫌だ」という人が圧倒的に多くなりました。


そして今やCO2は否が応でも出てしまうのだと言われていましたが、昨年(2019)のデータを見ると、CO2が火力発電を使っているにも関わらず減っているんです。それは自然エネルギーが伸びたこともあったし、発電効率が良くなったおかげもあります。


でもこれをもっと進めていくと人々が森からのエネルギーを使って森で育ってきた木を使っていくと、CO2を出すけれどもそれはまた再び森に吸収されていくという「循環可能な社会」が作っていけることになります。それがいよいよ今年スタートするわけですが、それを始めたのがいつからか?というと、311がきっかけだったわけです。


そのくりこまくんえんの大場さんがいつも言うのは「僕らがやっているのは、優さんが避難生活をしている東北に来たときにそこの場所でこう言っていたことだ」と。


「物事を動かしていくときには一つ、タテ方向、自分が政治家になるなり上から下に社会を動かしていく方向。ヨコ方向、他の人に一生懸命知らせていくことで社会を変えていく方向。しかし、三つ目の方向がある。それはナナメの方向、新しい仕組みを自分たちで新たに作り、それを広げていくことで社会を変えていく方向だ。」と。
 

「そのナナメの方向がぼくらなんだ。」
と、そのくりこまくんえんの大場さんは言っていました。

 それをついに9年経って今年実現したわけです。それをここで10年という単位で考えてみたとしたら、ではあとさらに10年先にはどんな社会が成り立ちうるのか?ということをイメージしてみてください。


 木からエネルギーを生み出すことは可能です。そして私たちがCO2によって地球温暖化を招かない暮らしをしたいと思ったら、マイナス45%、45%減らすだけのことで可能です。
 マイナス45%は、実はたった二つのことでできるんですね。


 一つは電気を省エネにして減らすこと。もう一つは自動車がCO2排出が多いので、燃費の良い車に変える。その二つをやっただけでもマイナス45%は可能です。


 それにさらにペレットを使って暖房をする、木材を主体に使って社会を組み替えていく、ということが実現できたら、私たちの未来は「全く新しい次の10年の社会」の形になるはずです。

 その新しい10年に向けて、ぼくも今住んでいるこの岡山の土地でもくりこまくんえんがやってくれたようなスタイルの木を活かしていって循環経済を作っていく、ということを実現したいと思っています。岡山県和気町の仲間とそのことを今話し合っているところです。次の10年に向けて新しいことを始めるのは今ではないかと思っています。



~~動画説明文より~~

2020年3月11日、田中優からのメッセージ。

311原発事故から9年。

坂本龍一氏が代表のmore treesにより、当時被災地の岩手県住田町に仮設住宅と暖房用にペレットストーブが配られた。

そのペレットストーブの話から始まり、日本の森を活かすために私たちができること、田中優がこれからの10年でやりたいことなど。 ぜひご覧ください。

田中優公式HP http://www.tanakayu.com/ 

●さいかい産業(新潟県、ペレットストーブの製造販売) http://www.saikai-sangyo.com/

●一般社団法人 more trees (坂本龍一氏が代表)https://www.more-tree.org/

●くりこまくんえん (宮城県、ペレットの供給) http://www.kurikomakunen.jp/


 

(書き起こしにあたっては、読みやすくするため必要最低限の編集を行っています。文章作成:田中優スタッフ)


 こちらではより詳しく!

有料・活動支援版メルマガ 田中優の未来レポート
http://www.mag2.com/m/0001363131.html

2020.2.29 炭素貯金(上)

2020.3.15 炭素貯金(下)

木質バイオマスの利用、植林、二酸化炭素削減のため私たちのできることなどを
ご紹介しています。
3月末までのご登録で、2020.3.15発行の炭素貯金(下)は無料でお読み頂けます!



2020年1月24日

元凶は電力会社?太陽光発電が増えてもCO2排出量は減らない日本の闇=田中優


 田中優の2020.1.15発行の有料・活動支援版メルマガが、MONEY VOICEにて取り上げられました。

以下転載です。ぜひ拡散頂ければ嬉しいです。



元凶は電力会社?

太陽光発電が増えてもCO2排出量は減らない日本の闇=田中優


2019年末、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が終了した。

太陽光発電は普及したが、なぜかCO2排出量は減少していない。

その元凶は電力会社にある。


環境より利益優先。

電力会社の損失は一般家庭の電気代へ上乗せ…


家庭の太陽光発電「固定価格買取制度」は終了へ


2019年末に「FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)」が終了したことにより、家庭に取り付けられた太陽光発電で作った電気は、有利な固定価格で買い取ってもらえなくなった。

2009年から買い取りが始まり、家庭に設置したものなら10年間、事業者が設置したものに対しては20年間、買い取られる。だから今回終了するのは「家庭向け」装置で、家庭の有利な買い取りは終わり始める。

買取価格は年ごとに低下したが、売り始めた年の買取価格が10年間だけ維持される。事業向けと装置が同じであっても同じだ。

つまり、まだ使えて発電していても、優遇価格で一部の会社に買い取ってもらうか、従来通りの電力会社に安い価格で買い取られるかの選択を迫られるのだ。


太陽光発電を「していない人」に負担を強いる電力会社


最低の電力会社の買取価格は「焚き減らし代」と言って、火力発電所の発電が節約された分での買取価格になる。買取制度があった時にはキロワット当たり48円で買い取られていたものが、ほぼ7~8円に下がる。

ところが電力会社のこの買取価格は、「固定買取制度」のあるときも、電気そのものに対してはその価格でしか買い取っていなかった。高値の分を誰が負担していたのかと言えば、太陽光発電装置を付けていない人たちだった。

「再生可能エネルギー促進賦課金等」で負担させられていた
電力会社は負担しないどころか、「焚き減らし代」以外の設備強化や経費管理費用すら請求した。だから「付けた方が得だ」と考える人以外のすべての電気代を高くして賄われたのだ。
 

利益優先の電力会社、二酸化炭素対策は後回しへ


おかげで電力会社は自分の発電設備を二酸化炭素を排出しないものへと変換すらしなかった。

それどころか電力会社は発電単価が安いからと、最も二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電を推進していたのだ。

その結果、日本の発電による二酸化炭素排出量は改善されず、最初の基準年であった1990年と排出量が同じなのだ。

太陽光発電が普及することで二酸化炭素排出量が減少すると考えていたのは、まったく裏切られていたのだ。



電力会社にとってみれば、売れる電気の単価は変わらない。
ならば単価が安い石炭火力の比率を高めたのだ。それが二酸化炭素排出量が多いことぐらい知っていながら、それより高い石油火力を埋め、事故を起こして信頼を失った原子力発電分を埋め合わせた。

「再生可能エネルギー買取制度」を総括するとすれば、一時的に太陽光発電等の設備価格を押し下げる効果はあったが、その後には残らなかった。

今や「メガソーラー」と呼ばれる巨大なもの以外は儲からなくなった。
温暖化防止にはならず、人々の電力料金を高くした分だけ可処分所得を下げて貧しくしたと言うべきだろう。

温暖化対策を将来世代に押し付けていいのか?


昨年、若い世代のグレタ・トゥーンベリさんの温暖化対策に対する「異議」を申し立てるスピーチがあった。

「あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。被害を私たちに押し付けていて、恥ずかしくないんでしょうか」と。

これは特に二酸化炭素排出量を減少させなかった日本のような国に当てはまる。将来世代に被害を押し付けただけだからだ。
そして「おとぎ話」が「固定買取制度」だったのではないか。

少しばかりの「利益」を与えられて、温暖化防止ができると思い込んで太陽光発電の設置に邁進したのだから、まさに「お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり」だ。


その結果、地球の大気にある二酸化炭素の濃度は高まり続けている。


我が家は電気を売った方が儲かると知っていながら、オフグリッドを選択した。太陽光発電設備を設置しながら売電するのではなく、バッテリーを設置して自給を目指したのだ。


もう後戻りできる期限は過ぎた?


私は10年前の2018年に、『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか(扶桑社新書)』という本を出している。

それから10年経つ2018年以降には、何人かの人から「批判」とも「冷やかし」とも取れるメールをいただいていた。

しかし、その2018年までとなる「10年」というのは、グレタさん自身が言っているのと同じ「後戻りできなくなる期限(ティッピングポイント)」の問題だった。

すなわち、10年後すぐに死滅するのではない。
ただ温暖化に進んでしまうことを避けることができなくなる期限だ。

では、その期限は過ぎたのだろうか。
おそらく、その可能性が高まっただろう。

世界ではその逆方向の事態も少しは生まれている。
「パリ協定」の締結や、巨大企業の「RE100(再生可能エネルギーで100%賄う)運動」なども進んだ。それが進展した分だけ、ティッピングポイント到達までの期限は後ろに退いたかもしれない。

しかし、それは世界的な運動であって、日本のような「後ろ向きの国」にとってはそうではない。

未だに温暖化の最大原因である「石炭火力発電所」の建設を国内だけでなく「援助」を通じて海外にも進めてしまっている。肝心な「買取価格」も、電力会社は「焚き減らし代(発電コストの減った価格)」しか払っていないのだから、いくら人々が再生可能電気を
進めても、電力会社自らは進めない。

その結果、電力会社自身は再生可能エネルギーにしないどころか、石炭火力を進めている始末だ。

今の政府や政治体制を変えなければ、絶対に将来世代を守ることはできない。そのことをグレタさんは明瞭に主張してくれた。いくら今の政府が美辞麗句を並べても、事実、未来を生きようとする人たちに何の手助けもしていないどころか、防ごうとする努力の妨害し
かしていないのだ。



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2020年1月12日

まぐまぐ大賞2019「専門情報」部門にて受賞!

昨年末、嬉しい知らせがありました!

田中優有料・活動支援版メルマガが、
まぐまぐ大賞2019「専門情報」部門にて受賞しました!




第3位
です!



2017年度は1位、2018年度2位に続き、 3年連続の受賞 です。



田中優より

「またまた今年も賞を頂きとても嬉しいです。
ご購読者様、投票頂いた方、感謝です!

気づけば2011年12月に始めたこの有料・活動支援版メルマガも、 丸8年!
先月発行分で201号にもなりました。

今年も丹念に調べた記事を配信していきたいと思います。
どうぞ楽しみにしていてください。」



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■2019年12月
2019/12/30 第201号:「エイジハラスメント(エイハラ)なのか」
2019/12/15 第200号: ドキュメンタリーフィルム「Independent Living」


■2019年11月
2019/11/30 第199号:「木材とヒトとの関係史 」
2019/11/15 第198号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(下)


■2019年10月
2019/10/30 第197号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(中)
2019/10/15 第196号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(上)


■2019年09月
2019/09/30 第195号:「津波がなくてもフクイチ(福島第一原発)は地震でメルトダウンしていた!」
2019/09/27 特典号:田中優書籍50%オフ(半額)のご案内
2019/09/18 号外:一問一答「優さん、アースシップについてどう思う?」
2019/09/15 第194号:「備前焼の地から」


■2019年08月
2019/08/30 第193号:自殺論~自殺を「贖罪」の道具にしてはならない~
2019/08/15 第192号:「ま、いいか」というマジックワード


■2019年07月
2019/07/30 第191号:「地球温暖化を起こさない暮らしをする(下)」
2019/07/15 第190号:「地球温暖化を起こさない暮らしをする(上)」


■2019年06月
2019/06/30 第189号:「野菜も腸も、多様性が大事」
2019/06/15 第188号:「キノコ・シロアリ、カビ、CS」(下)


■2019年05月
2019/05/30 第187号:「キノコ・シロアリ、カビ、CS」
2019/05/15 第186号:「地方の活性化に休眠預金を活用する」


■2019年04月
2019/04/30 第185号:「休眠預金で奨学金ローン問題を解決する」
2019/04/15 第184号:「想定外の地震と津波」


■2019年03月
2019/03/30 第183号:「「里山資本主義」って、一体どこの里山?」
2019/03/15 第182号:「熱帯林の郷愁(下)」


■2019年02月
2019/02/28 第181号:「熱帯林の郷愁(上)」
2019/02/15 第180号:「田舎暮らしの選択肢」


■2019年01月
2019/01/31 第179号:「 新生未来バンクの未来を祝福する 」
2019/01/30 プレ179号:発行遅延のお詫び
2019/01/15 第178号:『 終わる原子力、歴史を逆回しさせるな(下)』




2019年12月25日

ドキュメンタリーフィルム「Independent Living」

12/15発行の有料・活動支援版メルマガ「田中優の未来レポート」はこちらです。

これ、障害者の方への私たちの思い上がりでは?という場面も紹介しています。

本文より一部公開中
です!↓

第200号
『 ドキュメンタリーフィルム「Independent Living」 』


ぼくの三男(田中悠輝)が映画監督になって、初めてのドキュメンタリーを撮った。タイトルは「Independent Living」と言って、同名の世界的運動の一部を映した。








そう言われてもそんな運動は知らないかもしれない。何かというと、世界的な運動である「Independent Living」は、障害者の自立生活運動だ。それは以下の三つの自立生活をめざしている。


1.ライフスタイル選択の自己決定と自己管理の権限を障害者本人がもつこと
2.自立生活に必要な能力をもつこと
3.施設や病院ではなく,地域の中で通常に生活することだ。


ちょっと自分事として考えてほしい。もしあなたが何かの事故で脊椎を損傷したとする。それ以外の原因であっても関係ないが、ここではわかりやすく脊椎損傷(以下、「脊損」と略す)にしておこう。


そうすると全身が麻痺してしまう。首から下が思い通りに動かせなくなる。するとあなたの暮らしはどうなるだろう。

最初に病院に入院する。そこでリハビリの努力をするだろう。しかし完全復帰は見込めない。神経の束が通る脊椎を損傷してしまったからだ。リハビリに効果があるのは事故から間近い時期で、それを過ぎるとますます復活しなくなる。家族がいなければ病院に長く留め置かれるかもしれない。家族がいてもその負担は厳しすぎる。やがて施設入所を勧められることだろう。


生きるために必要なことはヘルパーさんに任せられる。しかし何をヘルパーさんに頼むかは自分の自由だ。しかしこれまではそうではなかった。障害者という枠組みは、ほとんど自動的にその人の意志を顧みず、障害者の生存を確保すればよく、生存し続けたいという意志以外の意志は無視されていた。もちろん実際のヘルパーさんにはとても親切でいい人が多く、いろいろな思いに対応して世話してくれる。


(中略)


私たち健常者は自分の狭い感性の中でしか彼を理解しないし、私たちの思いあがった常識的なものに閉じ込めようとする。

「障害者はそうして生きるだけで満足していて、劣悪な条件の中で懸命に努力するものだ」というような考え方であり、まるで健常者だけが堂々と生きられるように思っていて、障害者をまるでその傍らにある「刺身のツマ」のように思っているのではないか。障害者をそのようなものとして「感動のための題材」のように扱うことを「感動ポルノ」という言い方をすることもある。


この「感動ポルノ」が成り立つのは、多くの人たちが障害者を無力で何もできない、させられない人と思い込んで、「障害者」という枠の中に押し込めるせいだ。・・






▼映画「Independent Living」 



予告編動画 https://youtu.be/pTnmMiu1Jb4  





クラウドファンディングページ https://readyfor.jp/projects/out-of-frame   


劇場公開は来年2020年 1月11日から  、 

[大阪]第七藝術劇場(1月11日~)  
[東京]ユーロスペース(3月スタート)  

ほか全国劇場にて上映予定です! 


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ *

↓メルマガの続きを読むにはこちらより↓

12月中のご登録で、無料でお読み頂けます!

https://mypage.mag2.com/ui/view/magazine/161955006?share=1

2019年10月29日

新しい住宅会社、「天然住宅西日本」

2019年10月の田中優有料・活動支援版メルマガは


『新しい住宅会社、「天然住宅西日本」』 です。


今後西日本で岡山市在住の設計士大塚尚幹さんと「
天然住宅life」というコンセプトも加えてやっていこうと思います。


その新たな天然住宅の取り組み、オフグリッドや輻射熱(ふくしゃねつ)式冷房なども紹介しています。


輻射熱式冷房装置は我が家にも取り入れたい!
これで夏のエアコンはほぼ不要になるのでは・・



↓南禅寺に大塚尚幹さんが入れた輻射熱式冷房装置です






有料・活動支援版メルマガ 登録月は無料です
ご興味のある方、どうぞよろしくお願い致します。
http://www.mag2.com/m/0001363131.html



↓岡山県和気町に完成したばかりの、初の天然住宅西日本の住宅です


2019年9月30日

備前焼の地から・・偶然の産物、和気カルデラを発見!

9/15に発行しました田中優有料・活動支援版メルマガは、

『備前焼の地から』

です。


備前焼作家さんである子どもの幼稚園仲間のお母さんから、今年の誕生日に備前焼きのコーヒーカップを頂きました。






それをきっかけに、ふと興味がわきました。

「備前焼ってどんなのなんだろう?

どんな土を使っているのかな?」



そこで発見したのは、
全く驚くような大爆発を起こした「カルデラ噴火」でした。


何に驚いたかと言えば名前もそうですが、その位置です!


ぼくの住んでいる場所は岡山県和気郡和気町で、駅から徒歩15分ほどの場所ですが、そこは“和気富士”と呼ばれる山の麓で、我が家の裏手の山はそのまま「和気アルプス」と呼ばれる連山につながっています。





なんと駅から和気アルプスにつながるあたりが
「和気カルデラ」と呼ばれる火口そのものだったのです!!


おそらくその火口は今の阿蘇山ほど大きく、そこから溶岩が溢れ落ちました。なので世が世なら、ぼくの今の家そのものが、火口そのものの中にあったことになります。 (驚)

地元の方もこの和気カルデラを知らなかった人もいるくらいです。

実に奥深いです!




▼詳しくはこちらより
http://www.mag2.com/m/0001363131.html


登録月は無料ですので、本日(9/30)中のご登録で、この号を含め9月に配信したものすべて無料でお読み頂けます☆

2019年9月20日

「田舎暮らしの選択肢」

2019年2月15日に発行しました、有料・活動支援版メルマガ「田中優の未来レポート」
バックナンバーが公式web shopに登場しました。
 

「田舎暮らしの選択肢」

<ダウンロード版>「田舎暮らしの選択肢」



すぐにお読み頂ける“ダウンロード版”、A4サイズのPDFで12ページ分です。


<主な内容はこちら>

・電気のピンチとノマド
・毎月いくらで田舎暮らしできるか
・金利優遇!【フラット35】子育て支援型・地域活性化型
・一般世帯、支出が多いものはこれだ!
・家計見直しのポイント

 

都会で刺激は多いけどアパート代に苦しみながら暮らす?

それともいっそ地方に住んで、今の都会でのアパート家賃の半額ほどのローンでマイホームを手に入れる?


田舎で暮らすという選択肢もアリかも!?

おカネにかからない暮らしを実現していくためのヒントもご紹介!


★お手続きはこちらより (
税込み 280円)
https://tanakayu.thebase.in/items/22533695

2019年5月31日

地方の活性化に休眠預金を活用する

2019年5月に発行しました、田中優有料・活動支援版メルマガはこちらです↓

第一弾 5/15発行号

『 地方の活性化に休眠預金を活用する』


地方に移住してマイホームで暮らす、という選択肢。
それをどうやったら実現しやすくなるか仕組みを考えました。


都会の場合、地方の場合、特別な仕組みを入れた場合など、それぞれのローン返済額も計算してみました。驚くべき金額が出ました。



※5/31までのご登録で無料でお読み頂けます。

現在、まぐまぐではバックナンバーの公開、販売は停止していますので、ぜひこの機会にご登録頂ければ嬉しいです! 

有料・活動支援版メルマガ 
http://www.mag2.com/m/0001363131.html


2018年12月7日

『 ゴミ問題の本当のこと』

2018.12.6発行田中優無料メルマガより

□◆ 田中 優 より ◇■□■□


『 ゴミ問題の本当のこと 』(2013.2.1)


 本当は「汚染がれき」問題の話をしたいのだが、その前に日本のゴミ問題がどうなっているのかを話さないと分からない。

 そこで今回はゴミ問題を中心に話をしたい。そのゴミ問題が理解できると、「汚染がれき」問もどう解決すべきなのか、理解できるのではないかと思うからだ。

 「汚染がれき」の話は次回にさせてほしい。まず前段から理解してほしいと思うのだ。



 ライフスタイルの話じゃないゴミ問題 

 まずゴミといえば多くの人が、「リサイクルしよう」「ライフスタイルを改善しよう」と言う。しかしゴミ問題はライフスタイルの問題ではない。絶対量が違うからだ。

 国内のゴミのうち、家庭などから出る「一般廃棄物」は9分の1なのだ。一般廃棄物の8倍も産業廃棄物が出されている。青森でも瀬戸内の豊島でも、問題を起こしていたのは産業廃棄物だ。

 その絶対量が多い上、一般廃棄物の処理費とは比較にならないほど安く処理させているからだ。処理費を値切るために不法な投棄がなされている。

 しかも今、家庭などから出る「一般廃棄物」と言ったのには理由がある。
一般廃棄物といえば家庭のゴミと思いがちだが、家庭「系」なのだ。そこには小規模な商店やオフィスからのゴミが混じりこむ。

 東京では一般廃棄物の実に3分の2までがオフィスなどの事業系のゴミだった。
東京のゴミ問題は解決したと言われるほど抑制されたが、その理由はそれら事業系のゴミを有料化したからだった。家庭だけで言うなら、海外と比較しても決して多くはないのだ*1。


*1 http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/dce89290372db9da6a23b71351fd8570






たとえばあるHPでは、以下のように答えを出している*2。

<一人あたりの一日のごみの排出量>

* アメリカ合衆国 約2.0キログラム
* オーストラリア 1.9キログラム
* ノルウェー 約1.7キログラム
* オランダ 約1.5キログラム
* デンマーク 約1.5キログラム
* オーストリア 約1.4キログラム
* ハンガリー 約1.4キログラム
* カナダ 約1.3キログラム
* イギリス 約1.3キログラム
* イタリア 約1.3キログラム
* フランス 約1.3キログラム
* ベルギー 約1.3キログラム
* ドイツ 約1.3キログラム
* ルクセンブルク 約1.3キログラム
* スペイン 約1.1キログラム
* フィンランド 約1.1キログラム
* 日本 約1.1キログラム
* 韓国 約1.1キログラム
* ギリシャ 約1.0キログラム
* スウェーデン 約1.0キログラム
* ポルトガル 約1.0キログラム
* スロバキア 約0.9キログラム
* トルコ 約0.9キログラム
* ポーランド 約0.9キログラム
* メキシコ 約0.8キログラム
* チェコ 約0.8キログラム

*2 http://www.haikisurumaeni.jp/hitori.html (図はメルマガにて公開中)


 しかもこの数字は家庭「系」のゴミだから、オフィスや商店のような事業系のゴミも含んでいるのだ。たとえば東京ではゴミ問題が言われた1990年から2000年まで、事業系のゴミが一般廃棄物の3分の2を占め、しかも産業廃棄物はその8倍もあった。つまり純然たる家庭のゴミは、ゴミ全体の27分の1しかなかったのだ*3。

*3 




 それなのに「一人ひとりの心がけ」なんて言われるのは誤りだ。いくらゴミを出さなくしても、27分の26が残る。

 それを「ゴミ問題の解決」とは言わないのだ。ゴミを有料化した結果、事業系のゴミが減った。家庭のゴミはとっくにリサイクルしていたし、日本人はおそらく世界一真面目な国民性だから、そこらに捨て散らかしたりしない。


 リサイクル先進国と言われるスウェーデンですらこの有り様だ*4

*4 (メルマガにて公開中) スウェーデンのヨーテボリ市内で撮った写真(著者)


 その結果、日本の一般ゴミ量は上の一覧よりさらに減って、いまやピークだった2000年と比較して13%も減らして、1.0キロまで減っている*5。


*5 http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/dce89290372db9da6a23b71351fd8570より




 ゴミの正体は紙とプラスチック 

 ゴミが増加したのはおおむね1985年頃からだ。毎年東京都内に札幌市一市分のゴミが増加していた。

 しかしどうにもおかしい。当時の生活感覚として、ゴミを増加させた気がしないからだ。そこで調べてみた。


 日本国内のゴミ増加量に対して、「生産されながら、リサイクルされなかった紙ゴミ」分、すなわちゴミにされた紙ゴミは、どれぐらいあるのかグラフにしてみた。それがこのグラフだ*6。


*6 初出 拙著グループKIKI「どうして郵貯がいけないの/北斗出版」1993年
 (メルマガにて公開中)



 なんと増加したゴミのうち、リサイクルされずに捨てられていた紙ゴミ増加分が約7割を占めている。「ゴミ問題じゃなくてカミ問題だな、こりゃ」と思った。


 しかしさらに調べるのがぼくの趣味だ。同時期の紙生産量の増加分を調べてみた*7

*7 初出 拙著グループKIKI「どうして郵貯がいけないの/北斗出版」1993年
 (メルマガにて公開中)




 このグラフは二つのデータを入れているので説明すると、まず棒グラフが生産された紙全体の増加量だ。

 特に1987年からは著しく増えている。もうひとつの折れ線グラフは、さまざまある紙の種類の中から、特に増加が顕著だった段ボール用の原紙、新聞用の巻紙、OA紙の三種類の紙の生産増加分だけを示したものだ。

 よく見ると紙の増加分の棒グラフを三つの紙の生産増加量が上回っている。なんと他の紙の生産は減少している中で、この三つの紙だけが増えていたのだ。


 当時、「ポケットティッシュを受け取らないようにしよう」という運動もあったが、実際にはポケットティッシュの増産が問題なのではなかった。特に増加分の半分を占めているオフィス・オートメーション用の紙、コンピューター用紙に代表されるOA紙の生産増加が問題だったのだ。

 折しも「ペーパーレス社会」などと言われたコンピュータ社会の始まりの時期、まだ家庭にコンピュータが入る前のことだ。

 家庭に入るようになったのは、ウインドウズ95が発売されて、爆発的にパソコン時代に入ってからのことだからだ。その頃言われた「ペーパーレス社会」というのは偽りだった。そう言いながら製紙会社は紙の増産を進めていたのだから。


 そう、紙ゴミを出していたのは家庭ではない。オフィスの紙ゴミが問題だった。
 しかも同じ会社でも、工場から出るゴミは産業廃棄物として自費で処理しなければならないのに、オフィスから出されるゴミは「家庭系」一般廃棄物として、ゴミの日にタダで一緒に運んで行ってもらえたのだ。だからオフィスからのゴミが増えた。

 これがゴミ問題の実際だった。

 もうひとつ、ゴミ増加分の1割を占めたのがプラスチックゴミだった。
特に増やしたのが「ほかほか弁当」や「コンビニゴミ」、そして「ペットボトル」だった。それまでは通い箱のお弁当だったのが、使い捨ての容器に変わった。ビンがなくなり、ペットボトルばかりになった。


 つまるところ、ゴミ処理費を負担しない企業が、ゴミを増やしたのだ。一方の通い箱の弁当は、自社で洗浄し、ゴミは発生させなかったのに。ちゃんと処理費を負担させていたなら、日本にゴミ問題は起こらなかった。


 ところがそこにはウソの答えが用意されていた。
 それが一億総懺悔、みんなの「ライフスタイル論」だった。



 日本だけに特殊なのは「焼却主義」 

 日本のゴミ問題は、産業廃棄物と事業系ゴミの多さが問題だった。要は負担をきちんとさせればゴミ問題は解決する。きちんと事業者はゴミ処理費を払い、メーカーは生産する時点で処理の責任を負えば、いい加減なモノなど作れないのだ。

 ところがいつもライフスタイル論に責任転嫁される。そして真面目な人ほど「まずは足元から」と、そのロジックにはまって出られなくなってしまうのだ。

 ゴミ量の多さは他国と比較して突出したものではない。いや正確に言うなら、他国よりは少ないのだ。


 では日本に突出したゴミ問題は何だろうか。

 それが「焼却主義」なのだ。


 日本ではとにかくゴミと言えば焼却しようとする。再び他国と比較してみよう。
(*8)のグラフを見てほしい。

*8



 他国がゴミ焼却に頼るのは10~30%程度、スイス、スウェーデン、デンマークは焼却が多くてゴミの50%ほどになっている。ところが日本は74%、抜きん出てゴミを焼却処理している。

 しかも日本ではゴミ発生量は他国より少ないのに、ゴミの焼却比率が74%と突出しているために焼却量が多い。


 そして面白いのが(*9)のグラフだ。

*9 



 ゴミ焼却場の一施設当たりの焼却量は大きくないのに、対人口比ではベルギー、アイスランドに次いで第三位だ。しかしベルギー、アイスランドは人口の少ない国だ。

 日本は人口が多いのに、人口に対してゴミ焼却場が多い?つまり津々浦々にまんべんなくさほど大きくないゴミ焼却場があるということだ。


 ゴミ問題が言われた時に、「域内処理」と言われた。つまり「他の地域にゴミ処理を押し付けるのではなく、自分の地域で処理しなさい」というものだ。自分のゴミすら処理しようとしなかった杉並区は論外として、ゴミの広域処理をすべきではないというのは理屈が通る。自分の見えないところに運べばいいというのは無責任だからだ。


 あれ? 環境省は確かにこう言ってきたのだ。「ゴミの広域処理はすべきでない」と。今回の「汚染がれき」処理と、全く逆のことを言ってきたのだ。


 でも不思議に思うことがある。では他国は、焼却しない代わりにどう処理しているのだろうか。

 それも先ほどの*8に載っている。


 焼却に代わる処理方法は、「リサイクル」「堆肥化」それに「埋立て」なのだ。日本はリサイクル率は高いものの、ゴミの減容化(カサを減らすこと)を進めるために焼却処理ばかりを進め、堆肥化に至ってはほとんどない状況になっている。しかも堆肥にするには事業系の有害ゴミが入り込む可能性が高く、とても有機農家が喜べるような質になっていない。


 質の低いゴミ処理、焼却主義、しかも各地に数限りなくゴミ焼却場を建てることは、産業廃棄物と処理プラントメーカーが歓迎する処理方法になっていると言えるだろう。

*8,9 http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/dce89290372db9da6a23b71351fd8570



 ゴミが増えたのは世界的現象 

 そのゴミ問題は、日本だけの問題ではない。世界的に、特に先進国に大きく起きている問題なのだ。

 その理由は何か。実に簡単だ。途上国からの資源が安すぎて、“リサイクルして再利用するより、使い捨てた方が安い”からだ。誰だってリサイクルに手間をかけるより、そのままタダで捨てられるならそちらを選ぶ。


 まさにそうした事態が先進国で進んでいた。日本でも、産業廃棄物の処理費は多くの場合、一般廃棄物処理費用の5分の1~10分の1程度でしかない。それどころか事業系一般廃棄物は、有料化が進められるまではタダで処理してもらえたのだ。それと比較したら、リサイクルなんて面倒でコストのかかることをしたがるはずもない。


 なぜゴミ問題は世界的な事態まで発展したのか。それが途上国の貧しさだった。
途上国を正確に言うと「工業発展途上国」になる。つまり「工業製品」が作れない国なのだ。では工業製品以外に売れるものは何があるだろうか。「知的所有権」、これもまた先進国がそのほとんどを支配している。


 すると途上国に残されるのは「原料」だけだ。いわゆる「一次産品」だけしか輸出品がないのだ。しかしその原料の価格は先進国のマーケットで決められる。その結果、原料価格は中国が買いまくった一時期を除き、下がり続けていたのだ。

 ゴミとは、ゴミ処理費と原料価格の対比でどちらが安いかによってゴミになったり資源になったりする。ゴミと資源は同じものを値段で呼び分けているだけなのだ。途上国が重債務にあえぎ、輸出しなければ返済ができなくなれば安くても売らざるを得ない。しかも債務にあえぐ国の数は100カ国を超えるというのに、一次産品の種類はロイター指数で30程度、日経商品指数でも40程度でしかない。


 世界の債務国が同じ品を輸出して返済しようとしたらどうなるか。

 そう、供給過剰で値崩れしたのだ *10、11。

*10(メルマガにて公開中) レスターブラウン、ワールドウォッチ研究所「地球環境白書1990-1991」
*11 著者作成 (メルマガにて公開中)




 こうして世界中できちんとリサイクルするより、税金に負担させて焼却・埋立てしてしまった方が安いから、ゴミ問題が発生したのだ。途上国を貧しくさせたのは、世界銀行やIMFによる「構造調整プログラム」という指導・強制、そして各国の思惑で支えられた「政府開発援助(ODA)」だった。


 悲しいことに、人々は援助を歓迎するが、本当に必要な援助とは何なのかを知らない。その結果、いいことをしようとして悪い現実を届けてしまっているのだ。

 ゴミ問題は、世界的に起きた途上国資源の価格低下によって起きた事態だ。
日本だけの問題ではない。


 新品価格が安すぎれば、リサイクル品は買ってもらえず、ゴミにされてしまう
のだ*12。
*12 著者作成 (メルマガにて公開中)





 露呈した「域内処理」のウソとウソくさい「絆」 


 日本には世界一数多くのゴミ焼却場がある。小さく、熱効率も高くないために発電にも使えないレベルの焼却炉が、世界の7割と言われる数がこの日本にある*13。


*13 OECDデータ、環境省データなどを元に著者作成 (メルマガにて公開中)


 焼却炉がこれほど作られたのは「域内処理」が理由だった。しかし今回の「汚染がれき問題」では、日本中に「絆」という美名の元にゴミが日本中に撒き散らされた。ということは、環境省の言ってきた「域内処理」、「ゴミの広域処理はすべきでない」という言葉も、実際には本気でなかったのだろう。


 では、なぜそう言ってきたのだろうか。

 結局のところ、「域内処理」はゴミ焼却炉メーカーにたくさん焼却炉を作らせるための方便だったのだのだろう。


 そして「汚染がれき」が日本中にばら撒かれた。そのときには「域内処理」は語られなかった。被災地では「地域で処理した方が、地域経済の活性化につながるのに」と言われたにも関わらず。


 しかも福島県南相馬市では、市がより汚染レベルの低い宮城・岩手両県の「汚
染がれき」を受け入れて、壊れてしまった防潮堤を作りたいと計画したのに、被災地同士でのやりとりは認めていないと拒否されてしまっている。


 本来、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」は完全に分離される。その両者は一切混じりこまない。それは排出者責任を明確にするためだ。ところが大規模災害では、「これは工場のゴミ、これは家庭のゴミと分別することが困難である」として、阪神淡路大震災以降、まとめて一般廃棄物として処理することにした。

 しかし実際には阪神淡路大震災でも、最後に所在が不明で処理できずに困る時点までは、一括で全部を「一般廃棄物として処理する」扱いはされていなかった。


 なぜきっちり分けるかと言えば、排出者責任に加え、処理費用のレベルが大きく違うからだ。家庭などから出される一般廃棄物は自治体の税金で処理され、かなり徹底的に費用をかけて処理されている。


 しかし事業者自身の費用によって処理される産業廃棄物は、非常に厳しく買い叩かれる。その結果、産業廃棄物の処理費は、一般廃棄物処理費の5分の1~10分の1程度しか払われていないのだ。

 ところが今回の「汚染がれき」問題では、すべて“一般廃棄物扱い”だ。
それなのに「絆」の広域処理として、産業廃棄物処理業者が扱えることになった。つまり産業廃棄物業者にとって、5~10倍も高い費用を受け取れる、とても美味しい仕事になったのだ。


 こうして従来型の「焼却主義」の一般廃棄物処理に産業廃棄物事業者が入り込み、「域内処理の原則」は捨てられた。ところが問題はそれだけにとどまらなかった。今回の「汚染がれき」には、特にセシウムを中心とする放射性物質の問題があったからだ。

 それを軽視し、デマまで流して、環境省は環境をダメにし、人々を不健康に追い込む官庁へと生まれ変わった。その話は、次回のメルマガに譲らせていただきたい。



 「燃やさないゴミ処理」は可能だ 



  解決策を提示せずに終わってしまったのでは、田中優の名がすたる。
そこで解決策を示しておこう。


 まず最初に、2000年時点での東京都のゴミを分析する。家庭ゴミには「燃えるゴミ」「燃やさないゴミ」「粗大ゴミ」がある。

 圧倒的大部分を占めるのは「燃えるゴミ」だが、その半分以上が紙ゴミで、次に多いのが「厨芥」と呼ばれる「生ゴミ」、残りは木材とプラスチック、わずかに繊維が占めている*14左


 紙は濡れやすい。しかも三分の一を占める生ゴミはほぼ8割が水分だ。その結果、ゴミの水分率は5割程度になる。これが「燃えるゴミ」なのか?特に紙がリサイクルされてしまった地域では、燃えるゴミは単独では燃えず、重油を加えて燃やしている。このおかげで東京都の市部ではどこも最大の二酸化炭素排出源がごみ焼却場になっているのだ。

 「燃えるゴミ」ではなく、「燃やされるゴミ」だろう。

 さらに粗大ゴミや燃えないゴミを加えると、全体では(*14右)のようになる。

*14 東京都資料から著者作成 (メルマガにて公開中)



 さて、これをよく見てほしい。まずは円グラフの左上に「リサイクル可能なゴミ」が入っている。

 これはもちろんリサイクルすればよいからゴミに加えなくてよい。続いて最大部分が紙なので、もちろん紙としてリサイクルすればよい。繊維も同様だ。生ゴミとごっちゃにしなければ、それもまたリサイクルできる。例外的に「他の物質を合成してしまった紙」などは、そもそも作らせないことで解決すべきだ。

 ある雑誌が本の中に印画紙を挟み込んだため、リサイクルペーパーを台無しにしたことがあるが、その責任は雑誌生産者にあることは当然の話だろう。


 次に多い厨芥(生ゴミ)は、空気に触れないところで微生物に分解させると「メタンガス」になる。別名「都市ガス」だ。ガスとして使うことができる。残る生ゴミは液体状の堆肥(「液肥」という)になり、農業で堆肥として使えるから、最後に何も残らない処理ができる。

 もちろん「有害化学物質を入れさせない」などが必要になるが、現実に福岡県大木町に導入されている。その町では生ゴミをガス化させたことで、なんと大木町のゴミ全体の44%を減らしてしまった*15。可能なのだ。


*15 大木町のバイオガス施設、ここでは糞尿もガス化している。著者撮影。





 そして木草はそのまま燃料にもできるし、ペレット化すれば燃料として移動性の高いものにすることができる。

 さて、ここまででゴミの81%が燃やさずに処理できる。残りは「その他」の4%とプラスチックの15%だけだ。「その他」には複合合成物質が多くを占めるはずなので、すでに述べたとおり作らせない規制をすべきだ*16。


*16 ゴミは燃やさず資源にできる






 では最後に残る「プラスチック」をどうしたらいいのだろうか。



 プラスチック問題を解決する 


 プラスチックには特徴がある。化学物質を除けば、紫外線以外ではほとんど分解しないほど安定している点だ。便利だから、ありとあらゆるところに使われてきた。しかも原料は石油だからふんだんに安く存在する。

 プラスチックを石油戻せるプラントもすでに作られているのだが、石油が安いために使われない。したがってゴミとして燃やされてしまっている。


 しかしこれは将来世代から考えたら、とんでもない損失だ。将来石油は否が応でもなくなる。その時には石油が欲しくて仕方ないのだが、それを作ることのきるプラスチックまで、過去の世代の人たちはゴミとして焼却してしまった。残しておいてくれれば使えたものを。


 そもそも今、リサイクルされているものには理由がある。今すぐ別なモノとして使え、経済的に成り立つからなのだ。しかし、そうでないモノは燃やされてしまっている。

 時間軸で考えてみるとよくわかる。リサイクルされているモノは今すぐ使えるもので、将来使えるモノは燃やされてしまっているのだ。だから三つ目のリサイクル方法がある*17。
*17






 今すぐ使えないモノは、安全・確実に保管しておけばいいのだ。


 幸いプラスチックは紫外線以外では分解されない。だから土の中に埋めておけばいい。いずれ枯渇して価格がつくものなら、それまでの間、保管しておけばいいのだ。それは難しくない。高知市ではプラスチックゴミに圧力をかけて大きなペレットのように成形し、そのままネットに入れてゴミの処分場に埋めている。


「将来、プラスチックが売れるようになったらどうします?」

「そんときは掘り出して売っちゃえばいい」

 そう担当者の人は言った。


 こうすれば最後に残ったプラスチックですらリサイクル可能になる。ゴミを燃やす必要はないのだ。しかも日本人だけは、一銭にもならないのにリサイクルに協力してくれる人たちだ。そうすればゴミ焼却場は一切必要なくすることができるのだ。


(次号はこれに続けて「汚染がれき」問題を書きます)



゚・*:.。..。.:*・゚゚・  メルマガ本文はここまで  *:.。..。.:*・゚ *


追記:

中国では昨年(2017年)末からプラスチックの輸入を禁止しました。
https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20180716-00089455/


今まで中国に輸出をしていたアメリカは困り、その後マレーシアに輸出。
するとマレーシアは大反発をして一切の輸入を止めました。
https://globe.asahi.com/article/11912576


それによってプラスチックゴミの行き場が失われ、各国でプラスチックゴミが積みあがった状態になってしまっています。



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