2016年5月27日

「パナマ文書」と「タックスヘイブン」

2016.5.25発行 田中優無料メルマガより


「パナマ文書」と「タックスヘイブン」


■「パナマ文書」の公開

 インターネットでは大きな問題になっている「パナマ文書」だが、アイスランドでは首相が辞任に追い込まれている。日本のメディアでも、ようやく少し報道される話となりつつあるが、なぜか日本では「脱税ではない、節税だ、合法だ」とばかり伝えられる。「タックスヘイブン」だの「オフショア取引」だのという耳慣れないカタカナのおかげで、日本で知られるには、まだ時間がかかるかもしれない。

 このタックスヘイブンは「税の逃避地」を意味する。税金を掛けられずにすむように、税の逃避地に資産を移すことだ。複数の国にまたがって取引した場合、下手すれば二重課税される。二重課税は税当局で調整するだけで足りるが、そのために各国の税制を調べると、二重課税を避けるどころか二重に「非課税を獲得する」方法が見つかるのだ。

 オフショアの仕組みを説明するのに、多くの人が使ったことがある仕組みがある。空港で国際線に乗るために出国手続きを終えると、免税品が並んでいる。そこだと税を負担せずに、「酒、タバコ、香水」などを買うことができる。ここは出国した先の場所なのでその国の税金はかからず、次に訪れる国の税関までは税のかからない「エアポケット」になっている。もちろん次の国の関税では許される量以上は課税される。これを「オフショア」という。

 ショアは波打ち際のことだから、波打ち際の外側という意味になる。国と国の間の国家支配のエアポケットなのだ。自国に金融企業を招くために「オフショア市場」を作ったり、課税前の資金のための「オフショア取引」をしたりする。



■税制の違いを税逃れに使う

 あるときパプアニューギニア(以下「パプア」と略す)の最高裁の判事が暴漢に襲われた。やっとのことで一命をとりとめたが、襲われた理由が問題だった。

 その判事は「移転価格」という貿易取引を調査し、それがパプア政府に対してどれほど損失を与えたかというレポートを作成していたのだ。そこには日本の日商岩井(現在はニチメンと合併して「双日」になっている)の名もあった。

 その「移転価格」とはどのようなものか。日商岩井はパプアで合弁会社を作り、そこで伐採した熱帯林木材を日本に輸出していた。木材そのものはパプアから日本に輸出されるのだが、その取引書類は別なルートを通る。税率が低い香港に置いた「ペーパーカンパニー(紙の上でしか存在しない会社)」の子会社を経由して日本に送られた形をとる。そしてパプアから輸出する木材は安値で利益がない形にしてパプアに納税せず、日本では逆に高値で輸入したために利益が出せずに納税しない。


 木材は直接日本に届いているのに、取引書類だけで両国の納税義務を逃れるのだ。利益を出すのは香港のペーパーカンパニーだが、そもそも香港は税率が安いために納税額は最低ですむ。

 このように価格をタックスヘイブンに置いた書類の会社に移転する仕組みを、「価格移転」と呼ぶ。

 一命をとりとめた判事はその後、レポートを完成し公表した。こうした貿易制度の悪用に対して、日本はかつて贈与処理していたが、1986年からは「移転価格税制」を作って規制している。それでも未だ税の修正申告の例は多いだけでなく、「価格移転」のための求人も行われ続けている。

 税制は各国ごとに異なるのだ。各国の税制には大きく「居住地国課税」と「源泉地国課税」があり、居住者や法人のみに課税する国と、利益が計上される国で課税する国とがある。またオランダは、「ロイヤリティー(特許権・著作権・商標などの使用料)}に課税しない国だ。

 したがって複数の国で活動する企業は、どの利益をどの国に計上れば税負担が少ないかを考えて子会社を作る。その結果税負担を逃れるか、著しく低額にすることができるのだ。こうした各国の条約を調べることを「条約あさり」と呼び、そのアドバイスをするのが特定の「国際法律事務所」だ。今回の「パナマ文書」とは、国際法律事務所からリークされた莫大な顧客データを指している。


■増税以前に税逃れの解明を

 これを「適法だ」と主張する企業があるが、節税か脱税かを問わず税逃れをされた国では税収が著しく減少する。減った分は他の一般市民の負担になる。私たち納税する側から見れば、著しい「税の不公正」であることは確かだ。そのため世界では大きな問題となり、名前が上がった政府首脳が辞職したりしているのだ。

 今回暴露されたのはパナマの一法律事務所のデータにすぎない。タックスヘイブンとして使われる地域や国は百を超え、そこに個人資産だけでも30兆ドル(日本円なら約3000兆円)の資産が隠されている。もしそれに課税できたなら、世界の税収は少なくとも30兆円増えている。日本は世界第二位のタックスヘイブン利用者のいる国で、個人以外に企業の収益もあるのだから、日本は消費税増税どころか減税できたはずだ。

 しかし日本政府は「全世界課税方式」といって、日本居住者が全世界で得た所得に対して課税し、二重課税があるなら申告後に調整する方式をとっている。

 タックスヘイブンを含めて国外で所得を得れば、税務当局へ申告しなければなら ない義務がある。これがなければ脱税なのだ。さらに「タックスヘイブン対策税制」があり、日本人に直接・間接に保有されている会社もまた、留保金などを申告する義務がある。個人も雑所得として申告する義務がある。さらに2014年からは「国外財産調書」が導入され、5000万円を超える国外財産を保有する居住者も申告を義務づけられ、懲役刑つきの重罪だ。

 ところが「国外財産調書」の提出枚数は、2013年で5639枚、2014年分で8184枚しか提出されていない。


 タックスヘイブンには莫大な資産が隠されている。この資産を国内で使うためには、マネーロンダリングが必要になり、犯罪組織マフィアにまで資金が流れていく。

 「パナマ文書」が日本で隠されようとするのには理由がある。巨大企業と資産家たちが税逃れをしているために、私たちの税負担を重くし、福祉を後退させているのだ。それらの資金を白日の下にさらさなければならない。



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2016年5月23日

5月29日(日)ワクワクする未来の暮らしセミナー 田中優「オフグリッドはこんな暮らしです」inサスティナライフ仙台

環境活動家の田中優さんの家が岡山に完成しました。

建築に使用された木材は全て国産材、くんえん乾燥木材です。
そして、サスティナライフ大工棟梁が手刻み加工しました。


新しい試みが詰まった《次世代の当たり前の家》はお金に頼らないこれからの生き方、暮らしについてのヒントが盛りだくさんです。


優さんに聞きたいこと、相談したいことなど、セミナー形式でゆっくりと。
家族3人、こだわりのオフグリッドな暮らしをご紹介します。


・オフグリッドってどういうこと?
・電気ってどう選べばいいの?



電力の自由化を迎えた今、お金に頼らないこれからの生き方、暮らしについてのヒントが盛りだくさん。
この機会に優さんと一緒に考えましょう。




★優さんの家 主な特徴★
●2つの電気の自給装置(パーソナルエナジー、自エネ組)
●太陽熱温水器、ソーラーブレンダー、ペレットストーブ
●木の成分を損なわない低温乾燥のくんえん木材、すべて国産材使用
●サスティナライフ大工棟梁が手刻み加工しました!



◇日時   平成28年5月29日(日)


◇場所   サスティナライフ森の家 本社


◇参加費  500円(ワークショップの保険料含む)


ワークショップ、セミナについては個別の参加も可能ですのでお気軽にお問合せください。


◇スケジュール   

10:00~ワークショップ開始
12:00~昼食
13:00~ワークショップ再開
15:00~田中優さんセミナー「オフグリッドはこんな暮らしです」
16:45~質疑応答
17:00 終了予定


◇服装&持ち物(ワークショップ参加の場合)

作業しやすい服装、靴、軍手、飲み物(水分補給)、おにぎり(汁物あります)(天候及び必要に応じて長靴、カッパなど雨具、着替え)


◇申込締切日  5月27日(金)


◇ お申し込み、お問い合わせ ◇

サスティナライフ森の家
TEL 0120ー318ー618 担当:萩野
FAX 022−725−2772 
info@sustainalife.co.jp

◇HPでの詳細 
http://www.sustainalife.co.jp/event/2016/05/in-3.html


◇facebookイベントページ 
https://www.facebook.com/events/625142767661406/?active_tab=posts

2016年5月19日

参加者募集中☆ 5/27~29 皮むき間伐ツアー2016@くりこま


皮むき間伐ツアー2016@くりこま

毎回、参加者の皆様のおかげで楽しく、和やかな、充実したツアーになっております。

春(皮むき)と冬(伐採)合わせて、
なんと、今まで300人もの方に栗駒まで来ていただきました。
中にはリピートしてくれる方も多数!
初めてという方も大歓迎です。


今回は、いつにもまして盛りだくさんのツアーになりそうです。
皮むき間伐はじめ林業体験、製材所見学、現地の大場さんと田中優講演、温泉、牛、馬などなど。

ぜひ、ツアーのご案内をご覧ください(^^)/
http://tennen.org/event/kawamuki.html

*****

今年もエコラの森で、皮むき間伐と植林活動の季節がやってきました!!

宮城県の鳴子温泉郷にある「エコラの森」は、260ha以上の面積がある広大な森です。一見豊かな森に見えますが、20年以上前にリゾート開発が失敗し、盗伐され、放置されていた哀しい過去を持っています。現在では、「エコラの森」を中心に持続可能な森づくりを行っている「NPO法人しんりん」が管理を行っています。

今回は、そんな「エコラの森」で皮むき間伐と盗伐された場所への植林を行います。
間伐は、放置され密集した森を間引くことで光や風を通し、木の成長を促したり、病気にかからない健康な森づくりには欠かせません。
皮むき間伐は、杉の木の特性を生かした方法で、樹皮をむくことで、水を吸い上げられずに乾燥して枯らします。半年もすれば、乾燥して重さが半分になります。軽くなった木材は伐採もしやすく、人の手で持ち上げ運ぶこともできるんです。重機をあまり使わず、森を傷つけない方法です。

エコラの森では、馬が木材を搬出する馬搬や牛による草刈りもしています。
働き者の馬さんと牛さんも皆さんを迎えてくれます。

作業に疲れたら、鳴子温泉で汗を流し、夕食はバーベキュー!!薪ストーブのある部屋で田中優の講演や、しんりんの森を守る整備の話も予定しています!!

他にも、栗駒木材の製材工場見学や森の案内など盛りだくさんになっています。

皮むき間伐をやってみたい!という方はもちろん、 持続可能な森づくりを手伝いたい!!
再生可能エネルギーの可能性を知りたい! 住宅に使われる木材のことを知りたい!
地域を元気にするために自分が出来ることを知りたい!
という方、是非ご参加ください!!
初めての方はもちろん、リピートの方、お子様連れ大歓迎です。 是非、ふるってご参加ください!

山や森、木や木材をもっと好きになれること間違い無しです!!


5/27(金)-29(日) 皮むき間伐ツアー2016@くりこま 


27日(金)
14:35  陸羽東線「川渡温泉」駅集合
15:00  オリエンテーション
15:45  温泉
17:00  夕食の準備
18:00 夕食
田中優セミナー・懇親会

28日(土)
7:00 朝食
9:00 植林体験
12:00 休憩・昼食
13:00 皮むき間伐体験
16:00 温泉
18:00 夕食・大交流会

29日(日)
7:00 朝食
9:00 湯守の森見学
10:00 栗駒木材 製材所見学
11:30 昼食
12:30 解散(東北新幹線「くりこま高原」駅まで送迎します)

行先:宮城県大崎市、栗原市

集合場所・時間:5月27日(金)14時35分/陸羽東線「川渡温泉」駅

宿泊場所:エコラの森宿泊所(宮城県大崎市)もしくは鳴子温泉郷「川渡温泉」付近の宿

定員:20人 (最低催行人数12人)

参加費:大人:15,000円 学生(高校生以上):12,000円 小中学生:7,000円 未就学児:無料
※入湯代、酒代別途徴収★プログラムの部分参加も可能です。

主催・企画:NPO法人しんりん / 天然住宅バンク

協力:NPO法人日本の森バイオマスネットワーク / (株)サスティナライフ森の家 / (株)くりこまくんえん


お問い合わせ・お申込み
天然住宅バンク事務局(担当:田中・井上)
メール info@tennenbank.org 電話 03-5726-4226
なるべくメールにてお問い合わせ下さい。

★詳細・お申込みはこちらから
http://tennen.org/event/kawamuki.html



◆◇◆◇ 2015年5月に開催した皮むき間伐ツアーの様子(youtube) ◆◇◆◇

天然住宅|皮むき間伐ツアー2015(1日目:工場見学)
天然住宅バンク主催の皮むき間伐ツアーの様子です。天然住宅の木材を供給してくれてい­る宮城県の栗駒木材の工場を見学させていただきました。製材の工程と栗駒木材のこだわ­りをご覧ください
https://www.youtube.com/watch?v=GeEhP0THx3o






天然住宅|皮むき間伐ツアー2015(1日目:大場さんの話)

天然住宅バンク主催の皮むき間伐ツアーの様子をUPします。1日目は、宮城県の栗駒木­材の工場見学をしました。栗駒木材の大場さんのお話です。

https://www.youtube.com/watch?v=2Xq9ZnVD9Xo




天然住宅|皮むき間伐ツアー2015(2日目:薪割り、湯守の森)
天然住宅バンク主催の皮むき間伐ツアーを開催しました。ツアー2日目はあいにくの雨。­予定を変更し、薪割りと湯守の森見学、鳴子温泉巡りとなりました。薪割りの様子と、栗­駒木材の森づくりについてのお話です
https://www.youtube.com/watch?v=ST-FjXD1gz0




天然住宅|皮むき間伐ツアー2015(3日目:皮むき間伐)
天然住宅バンク主催の皮むき間伐ツアー。3日目雨がやみ、はれて皮むき間伐体験ができ­ることに!子供でもできる皮むき間伐。一度体験したらヤミツキになりますよ!

https://www.youtube.com/watch?v=FqrrYt2LdrU


2016年5月18日

田中優講演会、勉強会 この日に開催してみませんか?

1人でも多くの人に、可能性や本当のことを知って欲しいと思っています。


講演会、勉強会の主催はお気軽にお問合せください。


テーマは環境問題、エネルギー、原発、オフグリッド、木材、住宅、世界の貧困や戦争、お金、農業のことなど、ご希望に応じます。


非営利団体、個人の方などの主催の場合は、講演費用もお安く検討させて頂きます。(^-^)


また、以下の日時・場所の場合は交通費もお安くなります。


・ご提案日時&場所


6/4(土)福岡近郊  (6/5が博多のため)


6/12(日)または6/14(火)岡山~東京近郊の間で 
 (6/13が東京のため)


6/19(日)または6/21(火)岡山~東京近郊の間で 
 (6/20が東京のため)


6/25(土) または6/28(火)岡山~東京近郊の間で 
 (6/26、27が東京のため)


★お申込み・お問い合わせ先 田中優公式ホームページ 
講演・取材窓口 → http://www.tanakayu.com/form/contact.html




期待大!「充電サイクルが20万回に? 研究のミスから生まれた、革新的なリチウムイオン電池」

田中優より「これが実現されたら、一日一回カラになってフル充電して一サイクルだから、10年で3650サイクル、100年で36,500サイクル、約300年使える。
他の部品が先にいかれるな。すごく楽しみ。」

  ◇   ◇   ◇   ◇  

「充電サイクルが20万回に?研究のミスから生まれた、革新的なリチウムイオン電池」

従来のリチウムイオン電池の技術は、充電サイクル7000回。
ところが、20万回もの充電サイクルをサポートする革命的な電池が、PC、スマホ、電気自動車などの充電に劇的な進化をもたらすかもしれない。

この極めて強力な革新的な電池は、金のナノワイヤーを用いて、電池の寿命を延ばす研究を進めていたカリフォルニア大学アーバイン校の研究者のミスから生み出された。

全文はこちらより  http://irorio.jp/glycine/20160502/318199/

2016年5月16日

5/21(土)天然住宅暮らし+リンクセミナー「子どもの五感を育む木育講座」@目黒

5/21(土)は、四谷のおもちゃ美術館館長、多田さんをお招きして、セミナーを開催します。
「そもそも木育って何?」
子育ての中に木を取り入れていくことの良さ、おもちゃの選び方、様々な企業が取り入れ始めている「木育」や「ウッドスタート」の取り組みなどお話しいただきます。貴重な機会をぜひお見逃しなく!




暮らし+リンクセミナー
「子どもの五感を育む木育講座」 ~日本の森と日本の木のおもちゃの魅力~ 

「木育」という言葉をご存知ですか?

家具や食器、おもちゃなどなど、
私たちの身の回りには、様々なところに木でできた製品があります。
木は、私たちの生活を支えてくれています。

その中でも、無垢の木は、鎮静効果や睡眠への効果、調湿や殺虫効果など、
私たちの暮らしに、とても良い作用を及ぼしてくれます。
木のことをより深く知り、木とのふれあいをより良質なものにしていくことは、
人生や暮らしを豊かにしていくことにつながっていきます。

子育ての中でも、木をうまく生活や遊びの中に取り入れていくことは、
五感を刺激し、感性を豊かに育ててくれます。

四谷の「おもちゃ美術館」の館長で
「木育」や「ウッドスタート」といった仕掛けで、
様々な企業とコラボレーションし、
木を使ったプロジェクトを企画してきた多田さんをゲストにお呼びし、
「木」をどのように暮らしに取り入れていくのか、
また私たちの身の回りの木製製品と森とのつながりなど、お話ししてもらいます。

荒廃する日本の森を再生するために、
「おもちゃ」や「家」が果たせる役割についても考えていきたいと思っています。

お子様を持つ親御さんや、
これから、子育てをしていく世代の皆様にも、
ぜひ、お越しいただければと思います。


【開催概要】

日時:5月21日(土)  13:30~15:30 【受付13:00~】

参加費:800円
※保育が必要な方:講演中、別室にて託児可能です。別途500円(先着6名まで)
ご希望の方は、申込フォームにチェックしてください。
※お子様と一緒に講演会会場へ入場していただくことももちろんできます。

場所:目黒区中央町社会教館(さくらプラザ)第三・四研修室
目黒区中央町二丁目4番18号

●登壇者紹介●

講師:多田(ただ) 千尋(ちひろ)(1961年東京生まれ)
芸術教育研究所所長、東京おもちゃ美術館館長。
2010年林野庁の補助事業を受託し全国100か所に子育てサロン「赤ちゃん木育広場」を開設。
2013年より始めた「ウッドスタート」は現在全国26市町村、8企業が宣言。
「木育サミット」や、昨年は東京都と共催で「森の恵みの保育環境セミナー」を開催している。
『赤ちゃんからはじめる木のある暮らし』『はじめての木育』『木育おもちゃで安心子育て』『遊びが育てる世代間交流』など著書多数。

講師:田中(たなか) 優(ゆう)(1957年東京生まれ)
未来バンク事業組合理事長、天然住宅バンク理事長、日本国際ボランティアセンター理事、ap bank監事、一般社団法人天然住宅共同代表、自エネ組相談役を務める。

お申し込みはこちらから


『5年目の311~いつ日本は「精神論」を脱するのか 』

2016.3.24発行 田中優無料メルマガ より

□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■


『 5年目の311 ~いつ日本は「精神論」を脱するのか 』


 戦時中の人々の話を読む中で絶望したくなることがある。それが『精神論』だ。
 客観的に考えて物量の差で勝ち目がないのに、人々は「神風が吹く」とか「日本は神に守られている国だ」とか、主観的な希望で世界を見ようとしているのだ。
 あげくに「B29爆撃機に竹槍」で挑んだり、「焼夷弾が落ちて来たら素手で運び出せ」と言ったりした。これを大真面目にするのだ。これが戦時中だけのことならまだいい。しかしそうではないように思えてならない。

 最近、ある経営者と話をしていて怒らせてしまった。その人は福島県にお住まいの人で、これから福島県はどうなると思うかと酒の席で聞かれた。放射能の危険性についてずっと考えてきた身としてはいい加減なことは言えない。チェルノブイリの事例に即して今年の終わり頃から多くの被害が出てしまうだろうと話した。
 「じゃ、福島から出て行けというのか」と怒鳴り、静かに「その人次第です」と答えるしかなかった。

 その人は今の暮らしを変えたくないのだろう。その気持ちはわかるが、そのために現実を自分の主観的希望に沿って捻じ曲げてしまっている。今はいいだろうが、希望通りの未来が来るわけではない。相手にしているのは放射性物質という物理法則に従うものなのに、祈れば解決するみたいに考えている。

 こうした反応を見ていると、日本は戦時中の時期から何も変わっていないのではないかと思える。私だけでなく多くの人たちが次第にその話に触れなくなり、まるでタブーのように扱われるようになる。

 しかしどんなに否定しようとそのときは来るのだ。「6年後に起きること」だ。


■6年後に起きること

 チェルノブイリ事故が起きたとき、旧ソ連でも同じことが起こった。問題を過小評価し、今の日本と同様に『ヨウ素と甲状腺がんのつながり』を否定し、他の疾病との関係を『フォビア(恐怖症)にせいだ』として精神の弱さのせいと決めつけた。

 ところが現実に多くの人が病気になり、子どもは生まれないのに人々が亡くなっていくので人口が減少していった。病気の中で最も多かったのは心臓病だ。心臓はセシウムが蓄積するは筋肉の塊で、しかも心臓の細胞の更新は低い。心臓のほとんどの細胞は、生まれたときに持っていた細胞がそのまま使われている。セシウムは筋肉に入り込んで、その場から放射線を放って細胞を傷つけ、あるいは死なせたりする。そのために心臓病が多くなるのだ。

 チェルノブイリ事故後のウクライナ北部では心臓を含む循環器系の疾病率が、実に住民の95%に上った。この大きな原因は食べ物による『内部被ばく』だ。

 外から放射線を浴びるより、体の内側に取り込んでしまうことの方が被害をとて も大きくするからだ。日本はチェルノブイリと比較して食品の汚染度は高くない。
チェルノブイリがポドソル土と呼ばれる風化の進んだ土であるのに対し、日本は火山が新たに生み出した土が多く、一度セシウムを取り込むと外れなくなる粘土分の多い地質だ。おかげで食べ物の汚染レベルはチェルノブイリほど高くはないが、それで安心できるわけではない。

 チェルノブイリでは年間被ばく量5ミリシーベルト以上の場所は強制移住させたが、日本では年間20ミリシーベルトの土地に人々を帰還させている。だからチェルノブイリの疾病の比率は、日本よりずっと汚染の低い地域に住んでいる人たちのものなのだ。しかも本来の被ばく限度は年間1ミリシーベルトまでなのに、後に謝罪・撤回したものの現丸山環境大臣自らが「何の根拠もない」などと発言しているのだ。これがどれほどの被害を生み出すのか、この大臣には考えも及ばないだろう。

 しかも食材によっては大きくセシウムを集めるものもある。シイタケなどのキノコ類、山菜やタケノコ、野生動物の肉、川魚や海の底魚、大豆やソバなどは例外的に高くなる。放射能汚染をむやみに恐れないことは大切だが、それはただ楽観することとは違う。きちんと食べ物を選ばなければならない時代になってしまった。 それが「311後の世界」なのだ。


■原発事故の風化はタブーから

 しかしそうした話に憤って怒る人たちがいる。そのおかげで本当のことが話しにくくなっている。だがそれも「6年目まで」の話だ。その後には具体的な被害が見えてくるからだ。もはや「全然平気だ」とは言えなくなるだろう。

 福島から移住した友人と話していたら、「いや、もう被害は出始めていますよ」と言われた。病院で処方される薬剤の出荷量に変化が出てきているのだそうだ。病院で処方するためには、医師の処方箋が必要だ。その出荷量の中で、切迫流産に対する薬剤の出荷が急激に増えているそうた。その他に増えている薬剤もあるが、名称が専門的で覚えきれなかったという。

 心臓病についてもすでに急増しているという。福島の急性心筋梗塞の死亡率はもともと高かった。全国平均の1.9倍あった。しかし事故後の4年間で、全国平均の2.5倍まで増えている。もちろん全国一の高さだ。「福島では、心臓病の話はもはや珍しいことではなくなった」と話していた。

 断言しておきたい。福島原発事故だけに神風が吹くことはないと。

 3月9日、再稼働したばかりの高浜原発に対して、大津地方裁判所は「住民の生命や財産が脅かされるおそれが高いのに、関西電力は安全性の確保について説明を尽くしていない」として運転の停止を命じる仮処分の決定を出した。運転中の原発に対して停止を求めるのは初めてのことだ。一方福島第一原発事故を起こしたことに対しても、勝俣元東京電力会長ら3人が業務上過失致死傷で強制起訴された。

 しかし疾病を防がなかったことに対しての過失致死は断罪されていない。ヨウ素の降り注いだ地域で多発する甲状腺がんも、今なお放射能の影響とは考えにくいとされている。こうした過小評価が人々の移住を妨げ、死傷者数を増やす。

 こちらの方がずっと多くなるであろうに。風化はタブーから始まっている。
しかし放射性物質は風化しないのだ。



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2016年5月13日

ライヴ・アースまつやま2015 田中優トーク<エネルギー編>文字起こし

2016.5.12発行田中優無料メルマガより 

昨年2015年5月17日に愛媛・松山市で行われた「ライヴ・アースまつやま 2015」での
田中優トーク<エネルギー編>の文字おこしです。



今年もこのライヴ・アースまつやまで2回トークをさせて頂きます。
今回はどんなお話になるのか、お楽しみにしていてくださいね。
http://tanakayu.blogspot.jp/2016/05/120.html



何と120ブースが出店!

オーガニックな食べ物や飲み物、雑貨やヨガ、子どもの遊び場などもあります。
http://liveearth-matsuyama.com/booth

5/14までお得な前売り券を発売中☆  http://liveearth-matsuyama.com/event

皆さまのお越しをお待ちしております!
田中優も出店ブースを周ります。見つけたら、お気軽に声をかけてください♪ 

<開催日> 2016.5.15(日)

<会場> 城山公園ふれあい交流広場(愛媛県松山市)

<ARTIST 2016タイムテーブル>
http://liveearth-matsuyama.com/artist/time-table

10:00 OPEN
10:30 ヨガ
11:00 cowbells
12:00 トークゲスト 田中優
12:30 DEWACHEN
14:10 GOMA & THE JUNGLERHYTHM SECTION
15:10 三宅洋平
16:10 トークゲスト 田中優
17:00 UA


□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■

2013年、独立電源システムパーソナルエナジーと太陽光パネルを導入して、中国電力との電線をカットしました。我が家の電気のメーターがなくなってみると、今まで言われてましたよね、「原発がなくなったら電気は足らない」「江戸時代の暮らしがしたいのか」とか、「原始時代の暮らしに戻りたいのか」とか。

ところがぼくは見ての通りちょん髷を結っているわけでもないし、マンモスを追いかけて暮らしいるわけでもない。普通の暮らし、皆さんが持っているような家電製品はだいたい揃っている家で、普通に暮らすことができるわけです。

そしてぼくにはもう一つ、やっぱり普通の人としてやっていきたいので、「努力忍耐に頼らないこと」、そして「ケチケチした暮らしにしないこと」にしたんです。これが実現できています。そうなってみると、「何で命がけでなければ電気を作れないと思い込んでいたんだろう」と思うわけですね。

そしてすでに原発が日本の中で止まって600日、原発は現に動いていません。現に動いていないのに、もう2年近く原発が止まっているのに、原発がなければ暮らせないと思っている人たちは、この600日間どうやって生き延びたのか?現に暮らせているじゃないですか。そしてさらに確実な解決策があります。

電気というのは貯められないという欠点がある。大量には貯められないんです。そのために今使う電気は、今発電した電気なんです。貯められないのだから最大電力消費の時のために発電所を作ります。

ところがその最大電力消費って、1年間にいったい何時間出ると思います?1年て24時間×365日で8,760時間あります。日本の三分の一の電気を使う東京電力で、消費が多かった事故前の2010年のデータでも、最大電力消費5,900万キロワットから6,000万キロワットに達したピークは、わずか5時間でした。東京電力の消費量は四国電力の約10倍ですね。それでも最大消費に達したのは5時間だけだったんです。

8,760分の5だけしか、電気ってひっ迫しないんです。よく「嘘つき」の人を「センミツ」と言いますね。「千に三つしか本当のことを言わない」と。それよりずっと少ないんです。ではいつひっ迫したのかとグラフを描いて調べてみると、ピークが出るときは決まっていました。『夏場の平日の昼間、午後1時から3時にかけて、最高気温を記録する時』だけなんです。これだけ条件が揃わないとピークは出ないんですよ。


ということはその日の最高気温が記録的な日ですから、あらかじめわかるわけです。ピークの日には「午後1時から3時」にピークがくるんですから、午前中工場を動かしてもらえばいいし、もしくは3時以降に工場を動かしてもらえばいい、「とにかく1時から3時だけちょっとずらしてよ」というだけのことで足りますね。

それを世界はとっくにやっています。日本の中でもやった事例があるんです。北九州市の「八幡東区」というところです。そこは九州電力の電気を買っていないんです。もともと国営企業だった「八幡製鉄」、今は名前が変わって「新日鉄」、その新日鉄という会社が電気を供給しているエリアなんです。そこでは九州電力の電気を買わずに、なるべく自分たちで作った自然エネルギーだけで賄っていきたいと進めていったんです。

しかしどうしてもピークの時だけポーンと電気の消費が増えるかもしれない。そのときは九州電力から買わなくちゃならない。ところがピークの時だけ電気を買おうとすると、九州電力はとても高い値段を言ってくるんですよ。買うのが嫌なので、どうしようかと考えました。


そこで、電気の値段を5段階に分けたんです。電気の消費量が増える時間帯になると電気の単価が徐々に上がっていって、一番高くなるときは普段16円の電気が160円まで上がるんです。10倍値段が上がります。そしたらどうなったと思いますか?

その地域の電気消費のピークは、26.4%落ちたんです。原発事故が起こる前、日本の原子力発電の比率は全体の20%でした。その20%しか原子力がないんだけど、26.4%ピークを下げられたら、原発要らないじゃないですか。

そして面白いことに東京電力のエリアは日本の3分の1の電気を消費しているんですが、そこのエリアでどんどん省エネが進んでしまって、2015年では、2010年の事故前と比べて15%も消費が減っているんです。もっと下げることできます。

どうやったら下げられるかと言うと、皆さんの家の電気料金って、使えば使うほど値段が高くなっていくようにできているんです。だから皆さん夏になると一生懸命節電する。何で節電するかと言うと、すごく家計に響くんです。使えば使うほど高くなっていくから。

それに対して、事業系の電気料金は家庭よりもはるかに安いくせに、「使えば使うほど安くなる」仕組みなんです。そのせいもあって、日本全体の3分の2は事業系の電気消費なんです。例えば役所でも、デパートでも大学でも、省エネしても得にならない状態なんです。節電したって料金は使えば使うほど安くなるんで得にならないからです。省エネ製品に投資しても元がとれないんです。なら、なるべく使った方がいいと。

これを改めさせればいい。大きな事業所の電気料金を私たち家庭と同じように、「使えば使うほど高くなる」仕組みにしたとしたら、どれくらい減るだろうか?それをざっと考えてみると、少なくとも4分の1は減らせます。先ほどの北九州市八幡東区の例では、ピークは26.4%下げられているのですから。その量は、どんな時でも十分原発をなくすことが可能です。だから原発とか発電所側から考えなくても、電気消費者の側からコントロールすれば減らすことができるんです。


そしてこれを「デマンドサイドマネージメント」、日本では「デマンドレスポンス」と呼んでいます。アメリカのカリフォルニアにある「スマッド」という電力会社はとても素敵なことをしてくれています。一般家庭の家で一番電気消費が多いのは冷蔵庫です。その冷蔵庫を省エネ冷蔵庫に買い替えて、その領収書を持って電力会社に行くと、電力会社が3万円くれます。自宅の白熱球を持っていって、「これを省エネ電球に替えたいんだけど」と持っていくと、何とその場でただで取り替えてくれます。つまり電力会社がそれだけお金を出してくれるんです。何て気前のいい電力会社だろうと思いかねないんですが、実はこれ、経済合理性があるからやっているんです。


原発1基増やさなくちゃいけない、みんなの電気消費が増えちゃってもう1基増やさなくちゃいけない。この時普通なら5000億円かかります。だったら、4000億円をみんなに配って省エネ製品にして発電所を建てずに済むようにした方が1000億円得になりますよね? つまり新たに発電所を造るよりも、発電所を要らなくなる方にお金を投じた方が経済的に得になるんです。これを「デマンドサイドマネージメ
ント」と言います。これ、海外では普通にする方法です。日本でだけやっていないんです。


日本がもしこのデマンドサイドマネージメントをやったら、もちろん電気消費が激減します。すると発電所は建てる必要がなくなります。それなのに我々はテレビ新聞で教わった通り「いや、原発がないと困るんだ」と言い続けるんですかね?もう原発止めてから600日経っているんですよ。だから原発がなくたって困りません。

さらに原発には固有の危険性がありますね。その固有の危険性でいうと、日本は1年中西風が吹いている「偏西風地帯」なので、西側の風上に原発を置くと危険なんですね。

じゃあこの松山の西側には何がありますか? 伊方原発があるじゃないですか。伊方原発はここの地域にとって、最も危険な位置に立っています。しかもそこは残念ながら日本を横切っていく中央構造線のすぐそばに建っています。ほとんど中央構造線の上に乗っていまして、その中央構造線の長さ、断層の長さと震度は比例するんです。これ1000キロ以上あるんですよ。1000キロの断層が一気に動いたらどうなるの? ものすごい地震になるんです。


そのために何と伊方原発は54kmの断層しか動かない、小さな規模の地震しか起こらないって想定しているんです。1000キロあるんですよ本当は。それなのに54kmのエリアでしか地震は起こらないことにしてある。そしてもう一つ心配な問題がありますね、要は東南海地震、特にこちらでは南海トラフ地震ですが、この南海地震はちゃんと周期ごとに起こっていますね。東海、東南海、南海は連続して地震が起こ
るわけですが、これが起こってしまうとどうなるか?
東日本大震災が起こった時、実は他の原発もみんな事故寸前でした。例えば女川原発という宮城県にある原発、これは何と地下で火災が起こった。緊急用の電源も水没した。そういう事態に見舞われてギリギリでした。

そしてまた青森県の東通原発これもまた事故寸前でした。福島第二原発、ここはみんなで1トンの電線を一生懸命肩で担いで運んでそれでやっと事故をおさえられた。東海原発なんてもっとひどくて、東海原発は津波が起こる可能性があるからということで一生懸命防波堤を作ったんですよ。防波堤ができて1週間後です、地震があったのは。もし、その防波堤ができていなかったらすでに沈んでいました。
だから原発の事故の時には他の原発も危ないんです。


そしてもう一つ、みんな他の発電所も、冷却水をとるために海沿いに立っているんですよ。じゃあ東京電力の電気はどうなっていたの?実は東日本大震災の時、原発以外の発電所もみんな水没して動かなくなったんです。

じゃあ四国どうなるの? 四国の場合に他のところから電気を持って来れればいいですけど、ところが他の地域も南海トラフ地震で影響を受けますね。そして火力発電所もみんな水没していきますね、そうすると電気がこなくなっちゃうということが、真面目に考えられるわけです。それが送電線がつながっていれば大丈夫だよと言いますが、いや送電線以前に、西日本一帯の発電所が使えなくなればダメなわ
けで、そのときに伊方原発が電気を必要としてもダメなんです。


その伊方原発を動かすというのはぼくは本当にバカげたことだと思っています。
だからそれはもうやめましょうよ。そんな伊方原発に頼って電気を作るんじゃなくて、もっとみんなが自由になれる形になっていった方がいいんじゃないかと思います。


そしてもし自宅で賄える人は自宅でオフグリッドして自分の家で電気をまかなうようにしちゃえばいい。そしてそれ以外のこともどんどんやっていくことができます。

ぼくの家はまず太陽光発電で送電線をちょん切っちゃったあとですね、うーんそうなってみると水道管ってジャマだよなと思って庭を探したら井戸が敷地内にあったので、復活させて水道を切っちゃいました。

そしてそうなってみるとNTTの回線が邪魔な気がしたんですね。NTTの回線これ何とかならないかなと。我が家はほとんどインターネットを利用して、しかも携帯電話を使っているので固定電話の必要がほとんどなかったんです。じゃあこれも変えちゃえということで無線に替えちゃいました。だから我が家今ちょうど改築中なんですが、その改築したあとは電線は1本も繋がらなくなります。水道管もつながり
ません。そして我が家の暖房器具はペレットストーブ、木材カスをきゅっと固めたものを燃料にして暮らしています。そうすると近所に山がいっぱいあると、製材カスが必ず出るわけですね。それを固めてペレットストーブの燃料にしているので、我が家は灯油を1滴も買っていないんですよ。


この次にぼくが入れたいのが電気自動車です。今日みたいな晴れの日に電気が生まれて余っちゃうんです。使い切れないんです。それがもったいなくて我が家では電動草刈機を買ってきたり、電動のこぎりを買ってみたり、電動と聞くと何でも買いたくなってしまうのが今の性質ですが、あり余るんですね。そのあり余った電気を、今度は電気自動車のバッテリーにプールしたい。そうできるようになったら、
もしフル充電しちゃったらドライブに出かければいいですよね。だから毎日晴れちゃったら否が応でも毎日ドライブに行っちゃう、みたいな暮らしにしちゃうのが面白いなと思います。


そうやっていくともう一ついいことがありました。お金がほとんど要らなくなるんです。我が家の場合近所の人たちがみんな有機無農薬で野菜を作っていて、その人たちが我が家に野菜を届けてくれるんですよ。なのでさらにお金が要らなくなってきたんですね。


今、世界の中では貧富の差ががんがん広がっていて、このままじゃ取り返しのつかない状態になると思うけど、だけど貧しいんだったら貧しい側の人たちが今度は別の生き方をしてしまえばいいじゃないか、我が家の場合は生活費が月に10万円あれば足りちゃうんです。子どもの保育料も含めても。そうすると年間120万円で足りちゃう。

だったらぼく自身は、無理にお金を稼がなくてもいいですね。そうするとブラック企業に勤めなくてもいいですね。しかも10万円くらい月に稼ぐと考えると原稿料くらいで何とかなっちゃいますね。そうするとぼくは原稿さえ書けば何とか生きていけるという暮らしになるわけですね。そんな暮らしができるようになったら、みんなもっと自由になれるでしょう?もっと我々自由になるためには、お金に頼っていた部分を、お金がなくても暮らせるような暮らしに切り替えていくことが重要だと思うんです。


そしていくら自給すると言っても閉じこもることにはなりません。地域の人たちと一緒に作っていくというのが一番大事なところで、色んな人たちと一緒に、お互いの能力を出し合って、補い合って進めていくというのが一番いいと思います。ジグソーパズルのピースみたいなものです。人には得意なこと苦手なところがあって、それをうまく組み合わせると全体の絵が作れるわけですね。その時に一番邪魔な人は、何でも一人でやっちゃう人、何でもできるスーパーマンみたいな人です。そういう人はリーダーにならないで欲しい。

色んな人たちがちょっとずつ関わることで全体ができていく、こういう社会にしたら、この世に無駄な人なんていないし無駄なものなんて何ひとつなくなります。そういう社会を目指して行った方が楽しいんじゃないかと思うんですね。


この間、農業のことを調べていて、ついでに生き物の進化の歴史を見てみたんですね。そうしたら面白いことに気づきました。進化論の中では、よく競争に敗北して滅びた生物っていう言い方しますね、この世にそんな生物はいないんです。この世には人間に滅ぼされた動物はたくさんいるけど、それ以外にお互いに敵対して滅んだなんて生物はいないんです。どうするかというと、みんな棲み分けるんですよ、ぼくはここがいい、じゃぼくはこっちと。

そして我々の体は60兆の細胞からできていますが、その細胞核の中に「ミトコンドリア」って入っていますね。このミトコンドリアってなんと別の生き物だったんですよ。大昔に、細胞と細胞が融合して2つの生き物が1つの生き物になっちゃったんです。だから面白いことに我々のDNAとミトコンドリアのDNAって別なんですよ。

ミトコンドリアのDNAを追いかけていくと、これは母からしか遺伝していかないので、最初の母というのを探すことができます。その最初の母、ラッキーマザーというのは、アフリカにいたというのが現在わかっています。しかも大腸菌やら善玉菌の乳酸菌やら、体の細胞よりも多いほどの微生物が体に住み着いていて共生しているんです。だから我々の体すら生き物が共有して共存して生きていこうというのに、その私たちがなにかの教義みたいに「弱肉強食」だという。

そんなことないですよ。弱者が全部強者に食われていたら、強者はとっくに食べるものがなくて滅びています。だから生物の歴史はみんな「共存の歴史」なんです。その共存の歴史にもう一度戻ることができたとしたら、私たちの未来は明るくなると思います。


そして生活の中のなにか1つでいいから入れてみてください。太陽温水器、発電じゃなくて温水器、あれ値段の割には非常に効率が良いので、例えば太陽温水器を入れてみて下さい。そうするとガス代が半値に下がります。だいたい3年ほどで元がとれちゃいます。そうすると、もっと他のこともやってみたいと考えるようになる。

そうやって次にこれを入れたらどう変わるのかって進めていったら、未来にワクワクしていくことができるんですよ。未来にワクワクしながら次の時代を構想する。そしてその構想した未来に向けて、どう自分たちが進んでいくのかということを考えたら、もっと楽しい暮らしにしていくことができると思います。

ワクワク感から動く人が出てくると、これは周りの人に伝播します。え、そんなことができるの?それだったらぼくもちょっとやってみようかなと。それによって次の未来を作ることができるとしたら、それが最高の未来を作ることになると思います。

ですからみんなでワクワクしながら次の未来を作っていきましょう。


2015年5月17日 ライヴ・アースまつやま 2015 にて 

(書き起こしにあたっては、読みやすくするために必要最低限の編集を行っています。 
文章作成:田中優スタッフ)


★田中優トークの途中からのツイキャス動画が、こちらでご覧頂けます★
http://twitcasting.tv/togura04/movie/169285715
togura04(小倉 正)さん配信をありがとうございました!

2016年5月12日

強度を高めても無駄


田中優より「日本は地震国だから下からの力を考えて建てるべきだ。
ところが建築基準法は例によって西洋かぶれした人たちが西洋から導入したから、建物上部への荷重しか考えないものにしている。下からなら昔からの石場建てやしなやかに揺れを吸収する京屋家屋のような建て方の方が優れている。
根本的な考え方の誤りだから、その強度を高めても無駄だと思う。」


こちらもご参考ください 



田中優宅の古民家は石場立てだった

  ◇   ◇   ◇   ◇  

震度7の連続地震、耐震強度1.5倍必要 京都大解析」 (京都新聞2016.5.11)

 熊本地震のような2回の震度7の地震に建物が耐えるためには、現行の耐震基準より5割増の強度が必要になることが、京都大工学研究科の竹脇出教授(建築構造学)の研究グループの解析で分かった。1回の震度6強~7の地震に耐えることしか想定していない現基準の建物では、立て続けに震度7級の大きな揺れに襲われると倒壊の危険性があるという。
全文はこちらより

2016年5月11日

5月17日(火)天然住宅バンクミーティング

天然住宅バンク主催のミーティングです。
月に一度、天然住宅バンク代表、田中優を中心にミーティングを開催しています。
非営利バンクの金融の仕組みを利用しながら様々な活動につなげていくためのミーティングです。

無料&どなたでも参加いただけます。


■日時: 5月17日(火) 19:00~21:00 (開場:18:50)


■場所:東京都新宿区歌舞伎町2-19-13 ASKビル4F


■参加費:無料


■お申し込みはこちらから 
http://tennen.org/event/bankmtg-2.html