2018年5月31日

「最初っから畑付きの家」~吉田俊道さんと~

天然住宅コラム第105回

▼菌ちゃん野菜の吉田俊道さん

吉田俊道さんと田中優



 天然住宅は「菌ちゃん野菜」で知られる吉田俊道さんとも親しい。そこで家を建てるまでの期間に、庭を菌ちゃん野菜の作れる発酵した土づくりをしてみた。荒れていた土に廃菌床を混ぜて整備した。今度その家で見学会を行う。どんな土が作れたかを見るのが楽しみだ。

 他の人の家を見学しても、家庭菜園をしている人が多い。家を天然住宅にして光熱費が下がると、自給に向けて進みたくなるみたいだ。

建築中と同時に土づくり
写真:建築と同時に土づくりをしている様子。(右側に移っているのは建物の基礎)


▼キクイモ

 ※松本さんの家でキクイモをもらってきた。生命力の強いイモで、形はショウガのようだが、甘く、サラダにしても美味しいそうだ。何よりチェルノブイリでは、それを食べていた人は放射能汚染がなかったというのだ。体からの排出効果が高く、汚染対策になるという。それが生命力旺盛で、勝手に育つというのだ。奥さんに「庭の端に植えた方がいい」とアドバイスされた。育ちすぎて、畑を埋め尽くすというのだ。


▼五大栄養素+α(プラスアルファ)

 キクイモだったら埋め尽くされてもいい。松本さんは盛んに「食物繊維」の効果の話をしてくれた。これは第六の栄養素と呼ばれていて、第七の栄養素と呼ばれるのが吉田俊道さんの勧めるフィトケミカル(ファイトケミカル)という植物の持つ抗酸化物質だ。それらを持つ野菜を自宅で育てたら、食費と医療費が要らなくなる。

 理想的だと思わないだろうか。農薬も肥料も使わず毒物のない野菜で、第六、第七の栄養素を多量に含んだ野菜を自給する。「エディブル・スクールヤード(食べられる校庭)」が流行し始めているが、「エディブル・ハウス」ができたらもっと身近になる。


 家づくりはその第一歩にしたい。断熱した家は小さく、断熱の要らないモノのためには物置を建て、庭を広くとって暮らしたい。なるべく自給したら、それだけ収入はなくても暮らせるのだ。


※ 松本さんはhttp://tennen.org/yu_column/ishi.html を参照

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6/10(日)東京・八王子市にて


「吉田俊道さん×田中優「げんきな野菜を育てる土づくり」見学&セミナー」を開催します!



~吉田俊道さんと「げんきな野菜を育てる土づくりワークショップ」その後~


2017年4月、吉田俊道さんとの「土づくりワークショップ」を開催しました。

天然住宅の建て主様の建築中の住宅のお庭で、「引っ越したらすぐに野菜作りをできる」よう土づくりをしました。

ワークショップの様子はこちらから
http://tennen.org/blog/tanaka-blog/tsuchi.html

こちらの土が、雑草も生えないくらい固く、とてもそのままでは、畑にはできないような土でした。
その土を参加者の皆様と耕し、身の回りにある雑草などを利用し改良しました。

7月、再度ワークショップを開催し、みんなで改良した土の状況を確認したところ、カチカチの土が、ふかふかに変化していました!

そしてその後、、、建て主様がお引越しされ、種を植え、昨年、収穫を迎えることができました。

今回、ワークショップ後の、土の様子を見ていただくと同時に、土づくりのことや、また元気な野菜を食べることの大切さなど、吉田俊道さんにお話ししてもらいます

また、代表の田中優からも、身の回りの食べ物のこと、子どもたちの健康を守るために必要な知識について、お話させていただきます

前回お越しになった方はもちろん、前回来られなかった方もぜひご参加いただき、土づくりから始まる健康な暮らしづくりについて、見て、聞いて、触って、学んでいただければと考えております!

ぜひ、ご参加ください。


▼詳細・お申込みはこちらより
http://tennen.org/event/tsutsi.html


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田中優が共同代表を務めます非営利の住宅会社「天然住宅」のHPでは、田中優のコラム「住まいと森のコラム」を配信中です。

「森を守って健康で長持ちする」住宅や森の再生へのヒントなどがたくさん入っています。

☆--★ コラムは 第105回 まで更新中!☆---★  

田中優の「住まいと森のコラム」 

■目次一覧 http://tennen.org/yu_column 


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・施工例 http://tennen.org/gallery
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・住宅コーディネートって何? http://tennen.org/coordinate
・資料請求 http://tennen.org/request


他にもたくさんのこだわりがあります。
ぜひHPでチェックしてみて下さい。

2018年5月28日

『 第六、第七の栄養素 』

▼新たな栄養素  


 人間の摂取しなくちゃいけない「五大栄養素」というのがある。「たんぱく質、脂質、炭水化物、無機質、ビタミン」の5種類だ。ではそれだけで大丈夫かというとそうでもない。6番目に大事だとされたのが「食物繊維」だ。それがないと腸内の微生物を健全な状態にしておくことができないからだ。    


 そして今、第7の栄養素として注目されているのが抗酸化作用を持つ「フィトケミカル(ファイトケミカル)」だ。「フィト」は植物の意味で、植物の持つ化学物質ということになる。番号だけで見ると簡単だが、ここに考えが至るまでには革命的な考え方の違いがある。それについて書かれた本が「あなたの体は9割が細菌」という本だ。原題は「10%ヒューマン」になっている。





  私たちが自分と感じているのは自分の体を組成する60兆個もの細胞だと思うだろうが、それをはるかに上回る数の細菌たちの力によって生かされているのだ。

腸内だけでも100兆の微生物がいて、それがヒトの生存を支えている。


▼バイキンマンの時代

 20世紀までの最も大きな健康への脅威は感染症だった。麻疹や結核、梅毒やコレラ、赤痢、そうしたものに感染して命を落とすことが多かった。それらは革命的な「抗生物質と予防接種」によって解決した。それ自体は素晴らしいことだ。

 ところが21世紀になると、今度は別なものに人々は苦しめられることとなった。
アトピーやアレルギー、自己免疫型の疾病、自閉症の多発などだ。これはどうしたことなのか、幸福な暮らしへの扉が開いたはずではなかったのか。その理由を細菌の役割にまでさかのぼっていったのがこの本だ。


 感染症の細菌に対して抗生物質が効いたのだが、抗生物質は他の細菌にも効いてしまう。体内の細菌を皆殺しにしてしまうのだ。もちろん偶然抗生物質に触れなかった個体は生き残るが、腸内に棲んでいた細菌のほとんどが殺されてしまう。



 するとその微生物が担っていた機能は失われる。その腸内細菌こそがアトピーやアレルギー、自己免疫型の疾病、自閉症の多発などを起こさせない役割を担っていたのではないかという考えにたどり着く。そして幾多の実験データにより、それが実証されていく。



 ある死に至るほど深刻な消化器疾患の難病に対して、糞便移植を行ったところ回復した。移植した健全な糞便が腸内に細菌のコロニーを作り、バランスが保たれるようになったのだ。しかしただ治すだけでなく自立していくためには、腸内細菌のバランスを保ち続けたなければならない。そのためには持続した細菌への食物摂取の協力が必要になる。



  人類は必要に迫られて抗生物質を開発した。バイキンマンを退治するためだ。

しかし抗生物質はバイキンマン以外も皆殺ししてしまう。皆殺しされた細菌の中にどうやら21世紀病とも言える自己免疫型の疾患を起こさせないための重要な細菌類がいたようだ。それらがわずかなバイキンマンを退治するために失われたのだ。今や過剰な抗生物質や殺菌・抗菌・滅菌グッズが売られていて、そのせいで大切なバイキンマン以外の細菌まで巻き添えにされているのだ。抗生物質が生命ある細菌にしか効かず、ウイルスには効果がないのに細菌による炎症予防にと投与されるのだ。


▼21世紀病の対策


 単なる偶然だが、私は以前にリン・マルグリスの書いた「ミクロコスモス」を読んでいた。そこでは「細胞内共生説」が書かれている。私たちの細胞内に複数あるミトコンドリアが、外部にいた生物を細胞内に取り入れ、共生させたものだったことが書かれている。それに比べれば、独立した細菌が有益だからと体内で共生することぐらい簡単に理解できる。少なくともそれなりに自由に生きられて、独立していられるのだから。


 その体内・体表面の共生細菌(常在菌)が、私たちの生命機能の一端を担っていたとしても不思議ではない。その中の腸内細菌は、植物を摂り入れるために存在していた。食物繊維を吸収できるように分解していた。ヒトは直接的に細菌を皆殺しにしないように気を配り、腸内細菌に食物繊維を与え続けなければならない。食物繊維は細菌群を元気にすると共に、余分な有害物質を洗い流してくれるのだ。


 今では糞便移植のための非営利組織があり、細菌を選んで人工糞便を作る研究も続けられている。それは本人ではなく共生する細菌たちのバランスのためだ。逆に言えば私たちは人間として単独で生きているわけではない。他の生物たちと共存することで成り立っているのだ。その細菌たちのための努力が必要だった。体内の細菌の多様性を下げてしまう毒物は摂らない方がいい。


 遺伝子組み換え作物は、撒いても枯れない遺伝子と、他の植物を枯らすための除草剤がセットで使われる。除草剤は「グリホサート」という成分だが、アメリカの密集した環境で畜産をするための「抗生物質」としても認定されている。ということは多くの場合、アメリカ産の肉類を食べると、そのグリホサートという抗生物質も摂取することになる。それはあなたの体の中で、罪もない免疫を支えていた細菌を皆殺しするのだ。


 もしかしたら第七の「フィトケミカル」もそれ以上の役割を担っているかもしれない。植物を中心に食べていたとみられる人間が、外側にある「抗酸化効果物質」を利用せずにいたとは思えないからだ。すると抗酸化物質の持つ力を、前提にした免疫力になっているかもしれない。

 出産・授乳の時点で、母親は「必要な細菌のセット一式」を新生児へプレゼントしている。ところが世界では、必要もなしに「帝王切開と人工乳育児」を利用する人たちも少なくない。しかし人間は無菌室で育つものではない。菌を毛嫌いするあまり、必要不可欠な友人を失わない方がいい。


 私たちを形作っている90%を占める細菌と、友好条約を結んでいこう。そうすれば私たちは21世紀病を克服し、いよいよ幸福な共存が可能になるかもしれない。生物学的にも、私たちは孤立した存在ではないのだ。








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田中優有料・活動支援版メルマガ 2018.5.15発行 第162号


『 健康に暮らすための第六、第七の栄養素 』


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■ 2018/05/30 第163号:「フェアに生きようとする軋轢」
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田中優×船越康弘さん 対談動画~食、住宅、健康、エネルギー、生き方について~
■ 2018/05/15 第162号:「 健康に暮らすための第六、第七の栄養素 」


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2018年5月25日

特典号『田中優 ×船越康弘さん 対談動画』

5月25日、田中優有料・活動支援版メルマガ“特典号”として、

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食のこと、住まいのこと、健康のこと、エネルギーのこと、これからの生き方について・・約1時間の対談です♪
 


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ご興味のある方はぜひご覧ください☆

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動画より・・
 

船越さん
 「その通り!!だから私は常に面白がって生きていると、面白がっている人に出会えるって言っているので。もっと若い人たちにその本当の意味での面白さっていうのを伝えたいですよね。」
 

田中優

「ほんとにね。みんな何か閉じ込められちゃっているように見えるよね、色んな常識だの学歴だのに。色んなしがらみの中で閉じ込められて生きているみたいだからさ、自由になって欲しいですね。」
 

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★船越康弘さんプロフィール★

自然食料理人

1956年、岡山県生まれ。

20歳の時、食養を世界に広めた故桜沢如一氏の思想に出会い、食べ物を変えると人生が変わることを実感。

その後、食養料理の大家、故小川法慶氏に師事。

1986年、岡山県の吉備高原の山奥で自然食の宿「百姓屋敷わら」をスタート。

自然食を単なる健康志向ではなく、幸せと感謝の生きかたに進化発展させる。

2000年、まずは自分から自分を楽しませることを実現させるため、ニュージーランドに移住。

食をゆったり楽しんでもらう宿「オーベルジュ WARA NZ」を開業し、成功させる」

2006年12月、日本に拠点を戻し、百姓屋敷わらでのイベントを軸に、全国でセミナー、講演会、料理教室などを行っている。

著書に「わらのお話」、おいしく楽しくありがたく」「穀物菜食動物・人間」

船越かおりとの共著に「野菜たっぷり重ね煮レシピ」、「わらのごはん」、「わらの料理」がある。

百姓屋敷わらのホームページ http://wara.jp/






2018年5月24日

6月3日(日)「持続可能な食」&「持続可能な住まい」講演会@六本木

同じ会場で違うテーマの2講演をさせて頂きます!


 
第3回ホリスティック コミュニティ Day

テーマ「持続可能な未来~今できること~」
みんなの意識が変わった時に社会は変わる!!

特別ゲスト 田中優さんから学ぶ“持続可能な未来のつくり方”



■日時 2018年6月3日(日)11:00~19:00
 
■会場 株式会社ホリスティックウェルネス 乃木坂スタジオビル


 東京都 港区六本木7-4-14  
http://holistic-wellness.jp/holistic_community_day2018#access

 千代田線 乃木坂駅 3番出口から徒歩3分
 大江戸線 六本木駅 7番出口から徒歩4分
 日比谷線 六本木駅 4a番出口から徒歩5分

  東京ミッドタウン西交差点より徒歩1分
ホリスティックウェルネス 乃木坂

入場料:1,000円(当日支払)

・2階のイベントプログラム(特別講演は別途1,500円)、地下にご入場いただけます。
・1階の飲食、路面のマルシェのみのご利用の場合は必要ありません。


17:30~田中優さんの特別講演について
入場料+特別講演 =2,500円  ※早割⇒5/31までの事前振込み 2,000円

席数に限りがあるため(定員30名)、事前予約のご協力をお願いします。

1)メールフォームにて、イベント名・ご氏名・ご住所・連絡先などをお知らせください。⇒ http://holistic-wellness.jp/holistic_community_day2018#form

2)事前振り込みの場合は、お申し込み後1週間以内に、下記口座へお振り込みください。
 ※「申込人名」と「振込人名」が異なる場合は、ご連絡ください。
 ※ご入金が確認できない場合は、キャンセルとさていただくことがあります。

<お振込先> 
三井住友銀行 六本木支店 普通 7586921 カ)ホリスティックウェルネス


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■田中優講演はこちら
 
14:00~14:40 「持続可能な住まい」
入場料1000円の中に入っています


田中優より

「今の住まいは持続可能でない。住まいのほとんどはシックハウスにつながる化学物質にまみれていて、鈍感な人でなければ健康に暮らせない。
 
 中国では「中国の白血病患者児童の9割の住宅が高級リフォームされており、毎年210万人の子供が内装材料が原因で死亡している」と中国工程院院士の呼吸疾病専門家の鐘南山(しょうなんざん)氏が報告している。さらに記事は「化学物質を使わなければ建築ができないとしている。

 しかし私たちのする非営利の「天然住宅」では、有害な化学物質を排除し、300年もつように住宅を建て、しかも値段で叩かれて青息吐息の山側にしっかり支払いをする住宅建築を行っている。しかも高くない価格で。

 実現は不可能ではないのだ。健康を保つには空気が一番大事だ。私たち人間は飲食で体内に入れる重さの五倍も呼吸から体内に入れている。食品以前に空気が大事なのだ。さらに今は電気や水、熱の自給をめざしている。その「天然住宅」も設立して10年経つ。新たな仕組みによって持続可能な住まいを選択できるようにした。どんな仕組みで建てるのかを紹介したい。」
 

 
  
特別講演 17:30~19:00「持続可能な食」 


定員30名様、特別講演につき、入場料+1,500円(5月31日までの事前振り込み2,000円)

田中優より

「主要農産物種子法」がこの4月から廃止され、種子が企業に支配されようとしている。遺伝子組み換え作物は除草剤を撒いても枯れない種を開発する。ということは除草剤を使うことが前提だ。MIT(マサチューセッツ工科大学)の報告によれば。それによって2025年には子どもの半数が自閉症になる可能性があるという。日本の種子はどうなるのか。

 それ以前に日本では、「要指導児童数」が激増している。ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症、情緒障害などで、今や教育機関が崩壊しかけている。100人に一人だったものが10人に一人となった。同時期に販売量が増加したのが「ネオニコチノイド農薬」だった。

 体を維持するための食事が体を壊してしまうのだとしたら、「食べるべきか食べないべき」なのだろうか。大切な食を守るには丈夫な作物を育て、素材を活かせる調理をし、その前提となる「土地づくり」をしなければならない。しかしそれを簡易に実現できる原則がわかってきた。今や年間の出生数が100万人を切ってしまった。子どもを大切にできる社会には何が必要なのだろうか。」


 
■主催  株式会社ホリスティックウェルネス
 

【お申込み・詳細はこちらへ】
http://holistic-wellness.jp/holistic_community_day2018
http://holistic-wellness.jp/holistic_community_day2018#form


★田中優特別講演のフェイスブックイベントページはこちら
https://www.facebook.com/events/238894973357424/






2018年5月23日

vol.1 田中優1『電力の未来はオフグリッドしかないかも』~オフグリッドトークライブ書き起こし 

株式会社Re様のホームページにて、田中優×オフグリッドの生みの親でありパーソナルエナジー開発・販売をされている粟田さんとの対談イベントでの書き起こしを公開中です。

イベントは2016.2.20に開催されました
https://tanakayu.blogspot.jp/2016/02/off-grid-live2016.html





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vol.1 田中優1『電力の未来はオフグリッドしかないかも』
    http://re-energy.co.jp/news/97/


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 ぼくは電気の専門ではないですが、電気の話で出回っているニュースが結構ウソだらけな状況だと思います。

 その辺については後で粟田さんの方から紹介して頂くということで、早速ぼくの方からプレゼンテーションを始めていきたいと思います。


▼”電力の未来はオフグリッドしかないかも”

 最初のスライドは、パリ協定が決まった時のCOP21の写真、その時にみんな大喜びをして環境NGOは良かったと京都議定書以来のパリ協定が決まって、これで地球温暖化は止めていけるかなというような話になったんですが、実はこのパリ協定が何でまとまることができたのかと見ていくと、二重底なんですよ。

 二重底の協定で、各国が法的拘束力を受けるのは「合意」、法的拘束力を受けないのは「決定」、というように「合意」と「決定」に分かれていまして、何と各国がこれだけ二酸化炭素を減らしますよ、というのは法的拘束力がある「合意」なんですね。

 ところが、それを守るかどうかについては「決定」なので、守らなくても全然法的にサンクション(社会的制裁)を受けないですね。

 それ以外のところでも各国、途上国のところでも被害が出てくるから、その原因を作ったのはほとんど先進国だから、被害が出てきたところにちゃんと賠償をしましょうとか、そこに費用を流しましょうとか言うのはみんな決定事項になっていまして、「合意」ではないんですよ、法的拘束力がないんです。

 だから結構これって、さすがはフランスだなと感じます。ごまかし見事でだからこれで「合意」ができたんだなぁという状況になっています。


 そしてアメリカがまた色んなものを文句をつけまして、賠償責任とか、何せ地球温暖化を起こしたのは先進国の出したCO2なので、先進国が原因者なんですが、それに対する賠償については一切やらない、ということをアメリカが強引に中に入れ込んじゃったんですね。

 そういうような形でかなりこれは問題あるパリ協定です。


 そしてそのパリ協定ですね、これがまだ発行していないわけですね。発行するための条件というのが55か国及び世界の排出量合計の55%の国が合意した、批准した時にこれについては発行するんですが、何とそういう風に55%にしてしまうと、アメリカと中国とロシアこの3か国が拒否権を持つことになってしまうんです。

 つまりその3か国の内のどれかが「オレやらないよ」と言ったらこれはつぶれちゃうんですよ、この協定。

 ですので実質的にアメリカ・中国・ロシアが嫌だと言ったら、これはもう協定は発行しなくなるんです。


 だからNGOが、例えば日本の大きなNGOとかがかなりこのパリ協定が出来て良かった!これで地球の未来は救われた!みたいなことを言っているんだけど、中身見ろよ、とぼくは正直言って思いますね。これでは残念ながら地球温暖化を防止することはできない、という状況の協定になっています。

 そこから考えると、この地球温暖化防止というのがじゃあ今回ので楽観的になれるかというと、到底なれないですね。


▼経済のグローバリゼーションの光と影

 さらに問題があります。さらに問題があるのは、この協定って国家同士の協定なので、国家と国家をまたがるところについては規制を受けないんですよ。例えば今、地球上で貿易がすごいですね。貿易で言うと例えばシンガポールから東京まで荷物を運んだ場合の運賃と、神戸から東京まで荷物を運んだ場合の運賃と、どっちが安いかご存知ですか?

 実はシンガポールから運んだ方が安いんですよ。何でシンガポールから運んだ方が安いか?

 これは国境線を超える燃料は税金がかからないんです。だから我々は今リッター100円とかでガソリンを入れているけど、その内の63円くらいが税金です。その63円が国内では税金としてとられるから荷物を運ぶと高くなるんですよ。

 ところが国境線を超えて運んでくるときにはその分が全然課税されないので37%、リッター100円で言うと37円ですね、それで物を運んでくることが出来るんです。だから今のグローバリゼーションというのはこんなものトリックで、あのグローバリゼーションが成り立っているのは、国境線を超える燃料が非課税になるからです。

 もし国内と同じように課税したら、アメリカ以外の国はガソリンにかなり税金をかけていまして、日本がガソリン税が高い高いと言うけどヨーロッパの方が高いですよ。

 アメリカ以外の国では税金が非常に大きく掛かっているので、その結果もし国内と同じように国境線を超える輸送に税金をかけたならば、その日のうちにグローバリゼーションって終わります。だって運んだって近い方が安いもの。

 それが近くじゃない遠くから運んだ方が安くなるのは、これは税金が作ったトリックなんですよ。


 そのおかげでグローバリゼーションが発達してきて、実はここで農業をして何かを作った、それを東京に運ぶよりも韓国に送って韓国から東京に運んだ方が安くなるんですよ。なんでかと言うと国境線を超える燃料には税金がかからないからです。その結果経済のグローバリゼーションが成り立っているわけですね。
 
 それは皆さんも体験したことがあるはず。例えば今2月だけど、2月にロサンゼルスに飛行機で飛んで帰ってくる、いくらかかるか知っていますか?2万円くらいですね、ロサンゼルスまで。日本国内で一番安いLCCに乗って羽田から2万円で往復するとなると、北九州くらいなんですね安い飛行機で。

 じゃあ北九州の隣にロサンゼルスがあるの?ということになりますよね。実は距離と全然関係がなくて、それは国境線を超える燃料が税金がかからない、それだけのことで成り立っている仕組みなんです。

 ここの部分が今どんどん増えているんです。そのせいで国内で物を運ぶよりも国境線を超えた方が得じゃないということになっていっちゃっている。


 これに対処しているのは何とヨーロッパだけでして、ヨーロッパは面白いことにそれを「二酸化炭素の取引で穴埋めをしろよ」という条約というか、EUの中の協定を作っていまして、ヨーロッパではヨーロッパの上空を飛んだ飛行機には全部課税されるんですね。

 それに怒り狂っていたのが何と日本政府でして、日本政府は何でお前のところ勝手に税金をとるんだよなんてことを言っていますが、これが本来あるべき姿なのに、残念ながらこのパリ協定の中には入っていない。


 もう一つ巨大なものが入っていません。戦争軍事のCO2です。戦争軍事のCO2はどこの国でも全部シークレット扱いなんですよ。おかげで全然わかっていない。

 どれくらいあるの?一応レスターブラウンが調べた結果では、地球全体の二酸化炭素の10%くらいだと言っているんですね。

 直接の戦争・紛争で3~4%、あとそれを製造するために6%くらい使っているので、合計で10%くらいは戦争・紛争、こういったものから出されている。

 これは自由なんですよ、パリ協定の対象ではない。そうするとどうなりますか?
パリ協定を大喜びしてこれで地球は救われたとやっていると、戦争と貿易のおかげでみんなで滅びる、という結果を招くんですね。これだからぼくはダメだって思います。


▼国家に頼むのもうやめたらどう?現実にCO2を出さない暮らししちゃおうよ

 じゃあどうしたら良いのかと考えると、国家に頼むのをもうやめたらどう?って思うんですね。国家とかに頼んで何とか解決してもらえるって思いこむのは、もうやめたらどう?それよりも現実に二酸化炭素を出さない暮らししちゃおうよ、それによって現実に我々解決できているんだけど、何であなた解決できないの?という風に言っていくことの方が大事じゃないかという風に思うんですね。

 そして日本の中の二酸化炭素の排出についてよく言われるのは、皆さんのライフスタイルの問題だ、皆さんが努力すれば解決します、というような言い方ばかりされていますが、国内の中で家庭が出している二酸化炭素は5%だけ。
 
 そして間接的に出しているものがあります。我々が電気を使うんだけども、発電所で出している分がある。その間接排出量を含めても16%しかないんですよ。

 だから我々がそれこそ爪に火を灯すような暮らしをして、CO2をゼロにしようと努力したとしても、16%減るだけ。全然解決しないですね。

 じゃあその二酸化炭素は一体どこのどいつが出しているんだということが気にかかるわけですが、ここのこいつです。


▼日本国内のCO2排出量の50.1%は超大口の企業から

 日本の中の二酸化炭素を出しているのは、超大口の企業132事業所、これだけで50.1%。日本の中の二酸化炭素の半分を出しているのは、132か所の超大型工場だけです。だからもし地球温暖化を止めたかったら、テロリストを雇って132か所を吹っ飛ばせば半分減るという状況ですね。

 そしてその中の分類でいくと一体どこが一番CO2を出す原因になっているのって見ると、発電所です。

 ですからね、ここ名古屋では中部電力が問題なんですよ。地球温暖化って聞かれたら、あぁ中部電力の問題ねって思ってください。それが一番正しい理解であって、皆さんのライフスタイルを変えたってこれっぽっちも変わらないですよ。

 何でかというと、例えばよく言われるのが一日一分シャワーの時間を短くしましょう、なんてことを言われるわけだけど、水はほとんどCO2に関係しない。そしてガスも大した量じゃない。そんなことをやっても解決しないんです。

 解決するとしたら、発電所を何とかすること。そして132か所の大口の中に発電所が入っていますが、こういうようなところを対処することが大事だというような構図になります。

 「でも我々電気を使っているよ」と思うわけですが、その電気の中で家庭や小さなお店が消費している電気の量というのは、なんと事故前、2010年が多かったので2010年でデータをとってみると、22%に過ぎないんです。家庭だけでないですよ小さな事業所も含めて。それでも22%ぽっちしかない。

 じゃあどこが電気を使っているの?産業用特別高圧、業務用特別高圧、高圧線が直接工場に入っているところ、そこが消費をしていて3分の2の電気消費をしているわけです。

 だからやるべき事はこの大きな工場がライフスタイルを変えるべきなんです。
なのに家庭のことばかり言われているというのが現状ですね。




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<<現在vol.7まで公開中☆>>

▼vol.2 田中優2 『電力の小売り自由化と家庭のエネルギー消費』
http://re-energy.co.jp/news/222/

▼vol.3 田中優3
『自然エネルギーにも使い方があるんだ』
http://re-energy.co.jp/news/228/

▼vol.4 粟田隆央1『パーソナルエナジー誕生秘話』
http://re-energy.co.jp/news/252/ 



▼vol.5 粟田隆央②『震災、原発事故、橋の下世界音楽祭』
http://re-energy.co.jp/news/257/

▼vol.6 粟田隆央③『すべてのエネルギー消費者が、エネルギー生産者になる』
http://re-energy.co.jp/news/263/

▼vol.7 粟田隆央④『オフグリッドを切り拓いてきたからこそわかる事』
http://re-energy.co.jp/news/268/



2018年5月17日

「緊急警報 恐れていた時代が来てしまった」

▼年間の出生数が100万人を切る

 列車に乗っていて嫌な気持ちになった。泣き叫ぶ子どもと母がいて、その母をたまたま乗っていた無関係の初老の男が怒鳴った。「泣かせるな、迷惑だ」ということらしい。そこにまた無関係の男が初老の男に怒鳴った。「子どもの前で母親を怒鳴るな、子どものことは無視していろ」と。ぼくは圧倒的に後者の味方だ。子どもは泣くものだから怒ったって仕方ないと思う。こんなことがあると、母親は電車に乗れなくなってしまう。

 この子どもに冷たい初老の男を見ていて、嫌な社会だと思った。その男はいかにも皆を代表して怒鳴ったつもりの態度でいるようだ。

 そんな社会の中、ついに新たな子どもが生まれなくなってしまった。なんと年間の出生数が、100万人を切ったのだ。しかも二年連続で。単純な計算で1億人の人口を養うのだとしたら、一人が100人を養わなければならない。100万人の100倍でやっと一億人だ。

 しかもADHDだったりLD、自閉症といった『要指導児童』と呼ばれる子どもたちが激増し、10人に一人以上となった。子どもたちを大切にしない社会の罰のようだ。



厚生労働省HPより

▼子どもたちを大切しよう



 すでに遅いけれど、子どもたちを大切にしよう。毒物を食べさせたりするのではなく、毒物だらけの住宅に住まわせるのでなく。まず大量に摂取してしまう室内の空気を気にしよう。家に使う木材自体に、ぼくが問題の根源と思っている農薬「ネオニコチノイド」殺虫剤が使われているのだから。

 そしてゴキブリ対策の薬やペットのノミ取り薬もガーデニングの薬も気にしよう。それは子どもの脳に作用するばかりか妊娠の確率すら下げている可能性もある。子どもの脳の中にドーパミンを分泌させて、「勉強どころじゃないんだ、今これをしないと」と集中力を拡散させる。それは関門を潜り抜けて母体から胎児に、臍帯血から脳へと入り込んでしまう可能性がある。



▼自発的年金辞退資金


 ぼくらの作ったNPOバンク(天然住宅バンクなど)に緊急の資金プールを作りたい。題して「自発的年金辞退資金」のプールだ。かつかつな人は無理しなくていいが、とにかく私たちの世代だけが甘い思いをしてツケを次の世代に残すのは嫌だ。だからもちろん全額でなくていいから、少しでも年金を辞退して、次の世代に渡したいのだ。

 友人が「信頼資本財団(カネが信頼になる時代を超えて、信頼こそが資本になる時代へ)」という公益財団を立ち上げてくれている。私もその評議員の一人となっているが、そこであれば寄付控除が受けられる。税負担の一部が免除されるのだ。そうして次の世代の負担を少しでも減らしたいと思うのだ。


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◆田中優より・・

今回の皮むき間伐ツアー、ぼくが行けるのは土日のみになりますが、土曜夜の講話では、これら子どもの学習障害などに対する解決策の話をしたいと思っています。
体調が万全でなくて間伐に役立つほど体力があるかどうか不安ではありますが。
興味ある方はぜひご参加ください。


◆◇◆◇◆ 5/26(土)-28(月) 皮むき間伐ツアー2018 in くりこま ◇◆◇◆◇

今年もエコラの森で、皮むき間伐&植林体験ツアーを開催します!!

このハイブリッド林業を体験できます。
ご興味のある方はぜひご参加ください。
http://tennen.org/event/kawamuki2018.html

皮むき間伐ツアー2018

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田中優が共同代表を務めます非営利の住宅会社「天然住宅」のHPでは、田中優のコラム「住まいと森のコラム」を配信中です。

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