ぼくが信頼する印鑰(いんやく)智哉さんのまとめ。
なかなか拡がらなかった種苗法改定批判、このところになって、有名人の方たちに取り上げられるなど急に拡がり始めました。一方、複雑すぎて、どこが悪いのか、よくわからない、という話もよく聞きます。じゃあ、手っ取り早くどこが問題なのよ、ということを、まとめます。
種苗法改定法案、ココが問題
1. 登録品種の一律許諾制=許諾なければ農家は自家増殖できなくなる(登録外品種や家庭菜園はOK)
2. 新品種の育成者権と農民の権利は車の両輪、バランスさせなければならないのにそのバランスがない。
3. 新品種の特性表の活用など、一方的に育成者権を強化し、自家採種を抑え込むことにより、農業の根幹技術が衰退してしまいかねない。
4. 米国、EUなどでも主食など重要な産品は自家増殖禁止の例外になっているのに、その例外が存在しない。小規模農家への免除規定も存在しない→農家の経営に打撃を与える可能性大
5. 国や地方自治体が行ってきた公的種苗事業の「民営化」につながる(公的資産の大企業による私物化)
6. 地域の多様な種苗が得にくくなり、民間企業の数少ない品種に限られかねない(人びとの健康、気候変動にも否定的な影響を与える)
7. 許諾料は地方自治体の種苗であれば安価なものに過ぎないというが、民間企業に移行させる方針を農水省は出しており、年々上がっていくことは必至である
8. 多様で価格の安定した農産物が作れなくなれば、消費者にも打撃を与える。地域経済にもマイナスになる。
9. 多様な在来の種苗は農民が培ってきた遺伝遺産であるのに、それを守る法制度、政策が存在しない→種苗法改定よりも在来種保全・活用法の制定が先にあるべき
10. 都市、工業、企業を優先させ、農民、農村を衰退させる政策の中で、一方的に農民の負担を増やすことによって知財を増やそうとすることは国内の農業のさらなる衰退を招き、食料保障を危うくする
番外編:国内の農家に種苗法改定により自家増殖を抑制させるだけでなく、その影響は海外の農家にも及ぶ。
農水省は植物品種等海外流出防止総合対策事業に5億6700万円、農業知的財産保護・活用支援事業に3億9300万円の予算概算要求して自家増殖させない体制を構築しようとしている。
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無理矢理短くしたのでこれだけじゃわからないかもしれません。後ほど、Webに移して、それぞれの項目の詳細説明つけたページを作ろうと思います。
このまとめの後にはよくある誤解を整理してFAQにまとめたいところ。その2つを読めば、はっきりわかる、そんなものにまとめたいと思います。
そして、PARCが今だけ無料にしている映像があり、この印鑰さんが監修している「種子」についての映像作品があります。
見たけどとても良かったのでどうぞ。
2020.5.6までです
PARC映像作品の期間限定無料公開│PARC NPO法人アジア太平洋資料センター
http://www.parc-jp.org/video/sakuhin/free_edu.html?fbclid=IwAR0IplyCOtfTULnxBZa8Zws8ufy0Op9fqhdZabXjenoZT6E2-BEyIPwO868 より
【期間限定無料公開 4/22~5/6】
食の源である種子。農業も豊かな食文化も、すべては1粒の種子から始まりました。
しかし「緑の革命」以降、工業化された大規模農業が推進される中で、種子は知的所有権の対象となり、グローバル大企業による支配が進められてきました。
2010年以降、ラテンアメリカを駆け巡った通称「モンサント法案」をめぐる攻防を追い、人びとの種子を守り、地域の経済や文化、食料主権を守る闘いを描きます。
■日本語版監修:印鑰智哉
■日本語版製作:アジア太平洋資料センター(PARC) 2018年
■原題:SEMILLAS, ?bien comun o propiedad corporativa?
■制作:Radio Mundo Real/2017年
■分数:41分
■日本語版製作:アジア太平洋資料センター(PARC) 2018年
■原題:SEMILLAS, ?bien comun o propiedad corporativa?
■制作:Radio Mundo Real/2017年
■分数:41分
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