2015年12月3日

COP21への懸念

田中優「印鑰(いんやく)さんのCOP21への懸念は正鵠を射ていると思います。
日本での排出者はグラフの通り。味わい深いですよ。」




印鑰さんfacebookより


「COP21を相変わらず先進国と発展途上国との利害の衝突と描くマスコミ、しかし、この国単位の攻防、それがないとはもちろん言わないが、それではまったく本質はすり抜けてしまう。

 気候変動問題とは何か? 企業が自己の利益のために、政府を買収し、政治を変え、化石燃料を浪費させていること、さらには化石燃料を使った工業化農業を推し進めている。このような状況の中で、企業を規制することが課題なのに、ほとんどどの政府もやろうとしていない、マスコミもまったくスルーしているという現実をどう変えるか。

 もし、こうした気候変動を押し隠し、政策をねじ曲げている巨大多国籍企業がなければ気候変動はとっくの昔に解決の方向に向かっていただろう。しかし、現在はとても深刻な事態にある。なぜなら、多国籍企業連合は、この気候変動を作り出した真犯人であるにも関わらず、彼らは今、気候変動問題の解決者として登場し、御用学者を動員し、国際機関を動員し、彼らの利益をさらに確実にする、彼らの「解決策」をこのCOP21で実現しようとしている。
 

 しかもそれは彼らの資金で行うのではない。国際機関の予算、各国政府の税金、つまり世界の人びと、われわれの税金を使って行おうとするものだ。


 いくつかを紹介すれば、その1つは原発による気候変動解決というウソであり、もう1つはClimate Smart Agriculture、つまり気候変動を生み出している工業化農業を使って、その気候変動に対応すると称する農業を世界的に推進しようというものなのだ。その推進の中心勢力はまさにモンサントをはじめとする遺伝子組み換え企業であり、バイオテク企業、そして穀物メジャー、ウォールマートやコカコーラ、日本では住友化学や日産化学、そして味の素のような企業である。


 これはまさに世界を破滅的な方向に導くものであるにも関わらず、日本ではほぼ報道されそうにない。いくつかの民衆運動団体によって、その危険な動向は明らかにされつつある。ジャーナリストや発信力のある人にはCOP21での多国籍企業の問題にぜひご注目いただきたい。」