2014年8月11日

ガザ、停戦で納得しないで声をあげ続けよう!


□◆ 田中 優 より ◇■□■□


「今回の停戦で納得しないでください!
また塀に囲われて出られず、
監視に止められて病人が死に、モノが届かず生活は困窮し、
時々あちこち爆撃される日常に戻るということなのです。

それは解決ではありません!

ぼくが今回の停戦に大きかったと思うのは
世界の批判とボイコットだと思います。

それを継続してほしい。

きちんと塀が取り除かれて恣意的に爆撃されず、
普通に生活できる状態を取り戻せるまで。


==========

【ガザレポート】
京都の岡真理さんがガザの様子を翻訳して伝えてくれています。
MLより。


■拡散歓迎■ 京都の岡真理です。

72時間の停戦が発効し、カイロで、イスラエルと、
ハマースを含むパレスチナ代表団が停戦に向けて協議しています。

双方が合意に達し、ほんとうに一刻も早く、
停戦が実現することを願ってやみません。
ガザのサイード・アブデルワーヘド教授のメールをご紹介します。

5年半前の冬、アブデルワーヘド教授のメールを毎日、毎日、日本語に
訳して、MLに発信していたことを思い出します。
あのときと同じ言葉、同じ文章が繰り返されていることに、
いえ、同じではありません、あのときよりはるかにスケールアップして
繰り返されていることに、衝撃を受けます。

エンドレス・フィルムのように繰り返される虐殺。舞台も登場人物も同じ。
違うのはスケールアップする兵器と桁違いの犠牲者の数。

なぜ、同じことが、繰り返されるのでしょう?
これは、また、数年後、繰り返されるのでしょうか?
さらにスケールアップして?
ようやく復興し、再建されたガザをまた、瓦礫の町にするのでしょうか?

ガザの死者数は2000人に達しようとしています。
日本の人口比に換算すると、13万人が亡くなった勘定になります。
(広島の原爆の死者が、1945年12月までで約14万人です。)

■■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガザ通信2014
サイード・アブデルワーヘド

■2014年8月1日 金曜日

イスラエルが発電所とその燃料タンクを攻撃したため、私たちは94時間、
電気がない。このメールは小さな自家発電機を使って送っている。
我が家のアパートがある建物の屋上のタンクへ水をくみあげるために使っ
ている発電機だ。水道も水が出ない。我が家は幸運にも、うちの地下に井
戸があり、それを使っている。だが、ガザ市の誰もがそうだというわけで
はない。

シュジャイヤ地区を追われた5000人もの人々が、隣のブロックにある4つ
の国連の学校に避難しているが、ひどい状況だ。ガザのアズハル大学のふた
つのキャンパスにも、何千人という避難者がいる。大学の隣のブロックには
国連の学校が3つあるが、ここも避難民で溢れかえっている。目の不自由な
人のための国連の学校があるが、ここもまた、1000人の避難民で占められて
いる。いま、私が述べたのは、我が家の建物から1キロ四方の話に過ぎない。

イスラエルの戦車に砲撃された、ジャバリヤ難民キャンプのアブー・フセイ
ン国連学校の教室では、パレスチナ人たちが、ばらばらになった体の部位を
集めている。私たちのアパートのある建物では、シュジャイヤ地区から逃れ
てきた50人もの人々が親族のアパートにすし詰めになっている。隣の建物で
は、ベイト・ハヌーン地区から逃れてきた、やはり50人かそれ以上の人々が
親族の家に身を寄せている。これらの人々は、ときに水もなければ電気もな
く、心の平安にいたってはまったくない!本当にひどい状況だ。さらに、行
くところがどこもない者たちもいるのだ。彼らは公園や病院の庭にいるしか
ない。

この残虐な戦争のあいだにも、ガザ地区のパレスチナ人の女性たちは1400人
もの赤ん坊を生んだ。イスラエルのガザ殲滅は成功しない。

国連による人道的停戦が今朝、宣言され、救急車や医療隊や消防隊が境界エ
リアに派遣された。フザーア地区で彼らが目にしたのは、たくさんの腐乱し
た遺体だった。家族全員が殺された一家も複数ある。なかでも痛ましいのは
風呂場で射殺された家族だ。全員が腐乱していた。イスラエル軍がこれまで
犯してきた犯罪のすべてに、またひとつ、露骨な戦争犯罪が加わった。

民家に対する空爆で一家全員が殺された家族もたくさんある。イスラエルは
救急車も狙い撃ちしている。救急車の62歳になる運転手が射殺され、4人の
医療チーム・メンバーと10人のメディア記者も殺害された。1470人のパレ
スチナ人が殺され、その半数が女性や子供だ。

負傷者は8000人以上、その中には、手足を失ったり、障害を負うことになっ
た者たちもいる。3000軒以上の家や建物が、F16爆撃機の空襲で破壊
された。国連のいう停戦などフェイクだ。

停戦開始の2時間で、8人のパレスチナ人が殺された。イスラエルのスナイパ
ーが撃てる者は誰彼かまわず追いかけている。イスラエルは、この世界のす
べてを無視している。イスラエルは、血に飢えた指導者たちと政党の国だ。
停戦が長時間もつなどという期待は抱いていない。ラファその他の場所が、
いま、散発的に砲撃されている。8人のパレスチナ人がこの2時間のあいだに
イスラエルに殺されているのだ。メディアのアクティヴィストたちが、イス
ラエルの無人機につけまわされ、標的にされている。これまでに10人のアク
ティヴィストと記者が殺された。


■8月2日 土曜日

130時間にわたり電気がない。我が家では、灯りと、建物の屋上にあるタンク
に水をくみ上げるために自家発電機を使うしかない。ときにはそれもできず、
仕方なく、近くの小さな店で水を買うこともあるが。
この発電機のおかげで、世界中の友人たちとの通信が可能になっている。

イスラエル軍はガザ国境の複数の地点で部隊を再配置しているが、砲撃と空
襲が依然、イスラエル軍の主たる攻撃となっている。重大な暴虐と罪がこの
軍隊によって犯された。住民たちが家の中にいるのに民家を攻撃し、一家の
すべてが殺されている。ズルーブ家は、女性や子供、年寄りや若者を含む親
族25名を失った。

同軍は、アル=ナッジャール外科病院に退避して病院を閉鎖しろと脅した。
病院は、小さなキャパしかない産婦人科病院と別の私立の病院に移った。
その結果、病院の上には遺体袋に入った遺体が積まれている。息子や娘の遺
体を埋葬するため確認しに来るようにと言われた者たちもいる。混乱のなか
で、イスラエル軍はラファの全市民に電話で家の中にいるよう命じ、さもな
ければ軍によって撃たれるか標的にされると 伝えた。

言いかえれば、イスラエル軍はラファを閉鎖された軍事地域にしたと宣言し
たということだ!身の毛のよだつ状況だ。これは、この48時間でラファの人
々の身に起きた物語の一つに過ぎない。

[翻訳:岡 真理]