2014年1月6日

ラジオ出演書き起こし 12/27 FMふくやま

2014.1.6発行 田中優無料メルマガ より

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 ◆ ラジオ出演書き起こし 12/27 FMふくやま

 ~とにかく大事なのはやっぱりあきらめないこと。   いつでも未来に対してワクワク感を持つことが大事~

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ラジオに生出演をした時の書き起こしです。


■放送日時    12月27日(金)12:15~13:00 生放送
■ラジオ局    FMふくやま RADIO BINGO 77.7MHZ
■番組名     「ありがとうの広がる町」
■パーソナリティ 環境カウンセラーの落合真弓さん




田中優「こんにちは、お久しぶりです。」



-お久しぶりです。6月に優さんのお宅に訪問しまして、電線をプチンと切った 状況を見させて頂いたんですが、このお話をしても皆さんなかなかご理解できな いと思うのですが、まずは岡山に引っ越しされたこと、そこのところからお話頂 けますでしょうか?


田中優

「そうですね、引っ越したのがちょうど1年前の12月25日で、それまでずっと50何年東京に住んでいたんですが、ぼくはよく福島などに講演会で招かれて行くんですね、その時に、ここはなるべくだったら放射能の線量が高いから住まない方がいい、でも住まざるをえないのであればこうして欲しいという話をしてくるんです。
 ところが気づいてみたら東京も放射能汚染されているのに、人に出て行った方がいいと言っておきながら自分が出ないのもおかしいなという風に思って、それで引っ越すことにしたんです」


-なるほど。優さんらしいですね。

 田中優「そうかもしれません(笑)」


-示してみせるということですね

 田中優「というか自分の中で納得ができないことは、ちょっとスッキリしなかったので」


-それで引っ越しをされて、大きな素敵な古民家のおうちだったんですが、電気を自給していくということで、太陽光発電パネルを大きいのをつけられて、また蓄電をする機械をつけられていたんですが、ここまでのいきさつをお願いできますか?


田中優

「以前に、慧通信技術工業(株)という会社の粟田さんという人とパネルトークで一緒になったことがありまして、その人が蓄電して電気をコントロールできる機械を作っていたんですね。ちょうど(2013年)今年に入ってからの1月早々にその粟田さんのところに訪ねて行って、この装置はすばらしいからぜひ広げていこうよみたいな話をして、世間に知らせるためのイベントをやったんです。
 その後ふとしたことから結局誰かが買わなくちゃねって言ってて、みんな買いたいですか?と聞くとはーいとか言ってたのに、ところが実際に買う段階になったらあんまり現れなくて、じゃあオレが買っちゃえということで我が家に入れることにしたんです。」


-高いんですか?

 田中優「太陽光発電パネルとバッテリーなを全部込みで500万円(税抜き)しました。」

-500万円ですか!

田中優「うん、ちょっと・・値段が高いんだけど。それを入れて、それでやっていけるんだけど、ところが雨が続くとバッテリーが足りなくなっちゃうんですよ。その時のために発電機を買ったんだけど、ところが夜に発電機を動かすとゴォーと言ってうるさいんですよね。
 それが気にかかるもんだから、あまり夜遅くなるとまずいなということで使えなくなっていて、じゃあどうしようと考えた時に、また別の友人が自エネ組、自給エネルギーチームという人たちが、その太陽光発電パネルとバッテリーのセットを(税抜き)100万円で作っていたんですよ。
 これ人に勧められるなぁと思ったんだけど、ちょうどうちが困っていたこともあるし、人に勧めるのに自分が使っていないのも嫌だし、それでそっちのキットを入れたんですね。
 だから2キットを我が家には入って、それでもう全然電力会社に頼らなくてもいいやということで送電線を切っちゃったわけです。」



-すっごいですよね。私は送電線を切るというところまでいくっていうのは、私にとってはすごいことをやっているなぁと思うんです。というのは、世の中の仕組みを送電線を切ることによって全然違うものに変えちゃったわけですから。
 この辺の想いとかどうしてそのように送電線を切ってしまったのかを教えて頂けますか?



田中優
「ぼくとしては、やっぱりもちろんずーっと長年原発に反対してきているわけだけども、でもやっぱり自分が使っているというのはスッキリしなかったんですね。
 そしてじゃあいつかタイミングが合えば切っちゃおうと思っていたんだけど、それで切れる状況になったんですが。
 もう一つすごく重要なのが実は電力会社の利益、これは東京電力だけど、大きな工場には1kwh7円とかで売っているんですよ。ところが一般家庭には25円以上で売っている、その結果東京電力の利益の大きなところは62%も電気を使っているくせにそこから得ている収益は9%だけなんですよ。残りの38%が家庭と小さなお店の契約なんですが、そっちから91%の利益をとっているんです。」


-えーー!?ちょっとこれはおかしいでしょう

田中優

「おかしいでしょう?ところがこれから先もどんどんと一般の家庭に不都合なコストは全部乗せていこうと考え方が電力会社なので、それは乗る気にならないし、だとしたらどうしたいいかと考えたら、やっぱりオフグリッド、送電線を切っちゃうことが一番良いですよね。
 そう思ったもんですから、切る事によって電力会社の利益をお前たちの好きなようにはできないぞと言えるようになりますね。
 原発を止めていくのに、1つは政治を変えようというのがあるし、1つはムーブメントを起こそうというのもあるけど、もう1つがあるんだ、それはもう電力会社なんて頼らないよ、あんたなんかに別に頼りにしなくたって暮らせるんだというのを見せることが大事かなぁと思って」



-いつも言われている“第三の道を示す”ということですね

 田中優「そうですね。」



-それで楽しく“電気富豪”になられて、お過ごしでいるということで(笑)。
 自分は原発に全然加担しないし、自分は自分でこういう風な生活ができているんだということですから、小さなトゲが随分とれましたね



田中優
「そうですね、スッキリしますね。
 あと、太陽光発電って、実はスケールメリットがなくって、大きくやっても発電効率は変わらないんですよ。だから小さくやっても大きくやっても同じだったら、小さくやる方がメリットが出るんですよね。」


-そうですよね。ということは、あちこちに送電ロスとかがあるから、もっと隣近所で分け合った方が良いってことですよね?


田中優

「ほんとはね。隣近所で分け合えれば本当はそれが一番良くて、ところが今は電気事業法で隣の家に売っちゃったら犯罪になっちゃうので、だから今できないので、そうするとそれぞれの家でつけて自給するには太陽光発電ってすごく良い仕組みなんですね。」


-なるほど。送電線を切るということを進める人がどんどん増えていったらいいなぁということで、私は今新しい第三の道を教えて頂きまして、大塚尚幹さんでしたかね?自エネ組は。100万円(税抜)でできるということでぜひ皆さんも色々お話を聞いてそちらの方を進めていけたらなと思います。
 それとまだまだ政治の方の動きとしてエネルギー基本計画の原案が示されてパブコメを今求めている状況ですが、この政府のエネルギー基本計画の原案というのはどういう原案なんですか?


田中優

「結局のところ、原発を再稼働させて“重要な基幹エネルギーである”ということをもう一度認めるということで、前回のパブリックコメントがあった時に、8割以上の人がいますぐ原発を止めろって言ったのに、それを全く無視してこれまで政治の中でも原発はゼロにしていく方向だというのも全部無視して原発推進に舵を戻した、というのが今回の原案ですね。」


-ちょっとそれってすごいことじゃないですか、国民の言うことを何にも聞かんということですよね?

田中優「そういうことですね。」


-国民の命と財産を守るのがこの政治のする仕事なんですが、これは国民の命と財産を守っているのではなくて何を守っているんですかね

田中優

「これは結局大きな原発に関わるメーカーと、それと金融機関を守りたいということで、結局一番これまでの原発で得をした人たちの利益を守る、というのが最大の部分ですね」


-やっぱりそうなんですよね、これちょっとしっかりパブコメを皆さん出してもらって、そして私たちは子どもたちの未来の社会を悪いものにしたくないから反対だと声をあげて欲しいなと思います。



田中優
「これね、難しいことを書く必要がなくて、“私は原発を止めて欲しいです”とその一言でも良いんですよ。もともと2000字以内となっているから長く書く必要がないので。インターネットでもそのままパブリックコメントを入れられるし、手紙でも良いし、簡単に考えてもらって出してもらえると良いですね。」


-そうですね、1月6日までが締切なので皆さんぜひ“エネルギー基本計画に対する国民の意見”を募集していますので、どんどん出して子どもたちの未来にちゃんとバトンを渡せるように、私たちの小さなトゲを残さないようにやっていきたいなと思います。


田中優

「気にかかるのは、実際の事故の経過をたどってみると、実は報告書に17時19分に原子炉建屋で放射能があったと東電の報告書に書いてあるんです。その早い時点で放射能汚染を、しかも五重の防護と言われていた一番外側のところで検出しているということは、“津波の電源を失う前に放射能は漏れている”んですよ。」


-え?ということは、“津波ではなく地震で放射能が漏れた”ということですね?

田中優

「ええ、津波じゃないですね。だから政府の話だとその日の夜に漏れたことになっているんだけど、ところが17時19分でもう放射能が漏れていましたから、ということはこれは地震で壊れたとしか言えないので。
 そうするとね、今、規制委員会とかでやっている話だと津波対策でしょ?そして津波が来ても届かないように防波堤を高くするとか対応をしているわけでしょ?それは“骨折に絆創膏を貼るようなもの”ですね。」


-そうですね。でもこの情報を政府が隠しているのかわからないですが、17時19分だったということがわかれば、やっぱりみんな声の出し方も違ってきますよね?

田中優
 「そうですね、でもちゃんと報告書にも書いてあるんですが。17時19分に建屋内が放射能だらけだったのは事実だから、福島第一の一号炉ですけどね。」


-おかしいですよね、それでこういうような状況で秘密保護法が決まっちゃった、今日は靖国神社へも行った、辺野古の埋め立ても認可したというような情報が次々と流れて来ているんですがこれからどうなるのかなと思って、大きな不安を抱えている人もいるかと思うんですが、優さんは、私たちがどういう風にしていけばいいと思いますか?

田中優
 「やっぱり我々のやれる方向は3方向で、政治方向、それとムーブメントを起こす方向、もう一つは自分で“それらのものを必要のない状態”にしちゃうこと、その3通りがあるので、今の時点で言うと残念ながら政治方向は全然ダメじゃないですか、今は臥薪嘗胆(がしんしょうたん)というか耐えて我慢するしかないけど、他の2つの方向をやっておいた方が良いよね。」


-そうですね、ムーブメントということでデモとか声を出して色んなところに話をしていく、そのためには自分もそういう情報をしっかり知っていくというのが必要になってきますよね。


田中優

 「それと、絶対にあきらめちゃいけませんよね。
 だからぼくは秘密保護法のせいでみんながブログとかを出さないようにとか自己規制をしちゃうことが怖いんですよ。だから自己規制をせずに。
 この法律は廃案にすることは簡単にできますから。次の政権が変わった時に、この法律をいついつから廃止するというのを一条文加えるだけでその法律は廃案にできますから。だからやっぱりそれをやる必要があると思うんですね。」



-そうですね、あきらめないで言い続ける。

田中優
 「とにかく大事なのはやっぱりあきらめないことで、いつでも未来に対してワクワク感を持つことが大事だなと思うんですよ。だからこういう風に変えればこういう風にできるかもしれないっていう可能性をいつでも持ち続けること、それがないとやっぱり憂鬱になっちゃうじゃないですか。
 ぼくはチェルノブイリ事故の後に原発問題を危機感で訴えたんですよね。その時はとっても力がいっぱい集まったんだけど、残念ながら長続きしないんですよ、危機感て。
  それがぼくの想いにあるので、今の時点で考えるとやっぱり長続きのできる運動は ワクワク感だなぁと思うんです。」



-そうですよね、楽しいところには皆さん集まってくるし、危機感だけでどんどん落ち込んでその時は集まっても長続きはできませんからね。
 ワクワク感ですか。じゃあその送電線を切ったという第三の道のワクワク感はすごくありますよね。


田中優

 「ついでに言うとうちは井戸も復活をさせて水道も切っちゃったんですよ。下水道はついているんだけど、基本料金しかかからないし、ストーブは全部ペレットストーブで近隣の木材カスを使っているんですよね。
 そうなってみると、お金に頼らなくても生活できるというのがぼくにとっては今一番楽しいところですよね。」



-お金の中のシステムが今できているけれども、お金に頼らなくても生きていける、生活できるということが楽しみになってくると・・うらやましい!

田中優
 「こっち(岡山)にいると近所の人が野菜を分けてくれて今その野菜をせっせと食べているんですけど。勝手に(畑から)とっていってくれとか言われていてすごく嬉しいですね。」



-そちらの方は結構有機農法をされている方とか

 田中優「はい、皆さん無農薬なんです。」


-この前吉田俊道さんの菌ちゃん野菜の講座もそちらの町でありましたよね。

田中優
 「そうなんです。吉田俊道さんは本当にぼくは優れた農業の仕組みを確立した人だと思っているんだけど、その彼が実に簡単に有機無農薬で抗酸化物質のすごく多い、体に良い野菜を作っちゃっているんですよね、簡単に。」


-そうなんですよ。私もこの前人参を注文してすごく注文が来たらしいんですよ。
 ジュースにして飲んだら、甘い甘い。


田中優
 「美味しいんだよねー。
 オレも彼のところで飲ませてもらったけど、すっごく旨かった!」


-各地でこういう風に自立していく活動が広がっているのはすごく嬉しいことで、そういう仲間が集まって世の中変えていく、本当にワクワク感が広がる世の中にしていきたいなと思います。
 優さんも今年色々活動されたんですが、来年1年もどういう風なことをやっていこうとの想いはありますか?

田中優
 「色々考えついたことがあるので、それを現実の場に移していくことが大事だなぁと思っていて、実は林業も手伝っていて、3~4日前まで間伐しに行っていたんですよ。その皮むき間伐の仕組みをきちんとさせて、木材って本当に良い状態にして簡単にコストを安くしながらすごく良い木材を出すことができるんです。

 それを実現してスタンダードを変えたいんですよ。外材が良いなんて、間違ったことを言うんじゃなくて。やっぱり国産の木材の方がシロアリには喰われにくいし、とっても良い性質をいっぱい持っているので、そっちが成り立つ仕組みとかね。

 あと友人のペレットストーブ屋がすごいんですよ。新潟のさいかい産業さん、何と最大で3万台作れる巨大工場を建てちゃったんですよ。栗駒木材(宮城県)もさいかい産業もどちらも障害者の人を雇ってそれでやってもらうようにしていて、しかも仕組みを見てみたら、仕事に人を合わさせるんじゃなくて、人に仕事を合わせるんです。だからその人たちができるようなやり方に変えていくんですよ。」


-それは素晴らしいですね


田中優
 「ICを取っ払っちゃって、全部ICじゃなくコントロールするようにしてるの。
 なんで?って聞いたら、ICだったら大きな工場でしか作れなくなるじゃないですかと。良いですよね、そういう発想って。」


-なるほど、どこにでもできるのをちゃんと作るって、これはすごいですね。
 来年もどんどん活躍される年になると今聞いて確信しました。
 ありがとうございました!

田中優「ありがとうございました。」