優さんメルマガ 第21号より~~
http://archive.mag2.com/0000251633/20080905201535000.html
□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■□■□
FUNKISTが好き!
「豪快な号外」をやり、「天国はつくるもの」という映画を作って自主上映している「てんつくマン」という人物がいる。ぼくは彼のことを、どんなことがあっても信頼できるヤツだと思っている。決して器用でないし、間違ってばかりいるが。その彼に頼まれて、二年ぶりに小豆島でワークショップ合宿をした。「旬夏集島(しゅんかしゅうとう)」という二泊三日のイベントで、「田中塾」と銘打たれていた。
それ自体がものすごく楽しいものだったが、その話はさておき、そこで最近メジャーデビューしたばかりのバンド、FUNKISTのメンバーたちと知り合った。彼らは合宿にずっと参加し、その上楽しい発表までし、最後には合宿場前のきれいな浜辺で参加者だけのためにライブをしてくれた。
リーダーでボーカルの染谷くんのことは聞いていた。南アフリカの白人と日本人のハーフで、子どもの頃はいじめられていたこと、彼はバンドはしていたものの引きこもっていて親の勧めで南アフリカの実家に送られたこと、そこでもゲームばかりしていた彼を業を煮やした家族が連れ出したこと、そして「バナナトレイン」という観光列車に乗せられたことだ。列車はバナナ畑の山を登っていく。バナナの森を抜けるとそこは突然開けてかつての黒人居留区に出る。列車の周囲にはぼろをまとった貧しい黒人の子どもたちが集まる。用意周到に列車の中ではワゴンでキャンディーやガムが売られ、それを子どもたちに投げつける。子どもたちは奪い合うようにキャンディーを拾い、列車の客たちはそれを見ながら歓声を上げる。しかし染谷くんはショックを受け、握り締めたキャンディーを投げることすらできずに号泣してしまう。自分はなんという側に生まれてきていたのかと。列車はそのままバーベキュー会場に着き、食べきれない豪華な食事が用意される…。
そのときのことを歌にしたのが「バナナトレイン」という曲だ。彼はバンド仲間にそれを歌いたいと言う。今までの曲と全然違ってしまうのだがと。しかしバンド仲間たちは「こういう曲をやるためにバンドをやってきたんじゃないか」と染谷くんに伝えたと。
話は知っていたのだから、ぼくは衝撃を受けないはずだった。しかしその曲を聞いたとき、ぼくはものすごいショックを受けた。まさかこれほどリアルな曲だとは思わなかった。恥ずかしいことに涙が出てきて止まらなかった。
以来この曲を、途上国で被害を受けている側の人たちのことを伝えるときに、流させてもらっている。それが一番リアルに伝わると思うからだ。会場の反響はいつもものすごく大きい。伝えるということは、こういうことだと思う。
ぼく自身は講演をし、原稿を書く。しかしそれが偉いとは思っていない。可能なら本当はマンガが書きたい。そのほうが多くの人に伝えられるからだ。それと同じように、音楽が伝える感動もとても大きい。
人にはその人なりの伝える方法があって、自分の想いをアウトプットすることがその人の生きた証ではないかと思うのだ。そのアウトプットの方法は限定されたものではなく、その人なりに最も自然な形であればいい。この自分に見合った表現方法を見つけられた人は幸せだと思う。
それ以来、ぼくはFUNKISTのファンだ。彼らの音楽がとても好きだ。荒削りで、もう少しなんとかならんかと思う音も多いのだが、それ以上に伝わるものがある。もちろんシリアスな曲ばかりではないし、タテノリのご機嫌な曲のほうが彼ららしくもあるのだが。
メンバーもみんなごく普通の飾りのない、気持ちのいい青年たちだ。ぼくは次に会えるのはいつなのか、なんだか恋してるみたいにわくわくする。この感じが楽しい。
「バナナトレイン」の歌詞はあえて書かないが、ぜひ一度聴いてみてほしい。たぶんこのブログ担当の小原さんが、CDの販売を受託してくれると思うので、もし必要があれば問い合わせてほしい。
ぼくはFUNKISTがもっと知られるバンドになってほしいと願っている。
http://archive.mag2.com/0000251633/20080905201535000.html
□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■□■□
FUNKISTが好き!
「豪快な号外」をやり、「天国はつくるもの」という映画を作って自主上映している「てんつくマン」という人物がいる。ぼくは彼のことを、どんなことがあっても信頼できるヤツだと思っている。決して器用でないし、間違ってばかりいるが。その彼に頼まれて、二年ぶりに小豆島でワークショップ合宿をした。「旬夏集島(しゅんかしゅうとう)」という二泊三日のイベントで、「田中塾」と銘打たれていた。
それ自体がものすごく楽しいものだったが、その話はさておき、そこで最近メジャーデビューしたばかりのバンド、FUNKISTのメンバーたちと知り合った。彼らは合宿にずっと参加し、その上楽しい発表までし、最後には合宿場前のきれいな浜辺で参加者だけのためにライブをしてくれた。
リーダーでボーカルの染谷くんのことは聞いていた。南アフリカの白人と日本人のハーフで、子どもの頃はいじめられていたこと、彼はバンドはしていたものの引きこもっていて親の勧めで南アフリカの実家に送られたこと、そこでもゲームばかりしていた彼を業を煮やした家族が連れ出したこと、そして「バナナトレイン」という観光列車に乗せられたことだ。列車はバナナ畑の山を登っていく。バナナの森を抜けるとそこは突然開けてかつての黒人居留区に出る。列車の周囲にはぼろをまとった貧しい黒人の子どもたちが集まる。用意周到に列車の中ではワゴンでキャンディーやガムが売られ、それを子どもたちに投げつける。子どもたちは奪い合うようにキャンディーを拾い、列車の客たちはそれを見ながら歓声を上げる。しかし染谷くんはショックを受け、握り締めたキャンディーを投げることすらできずに号泣してしまう。自分はなんという側に生まれてきていたのかと。列車はそのままバーベキュー会場に着き、食べきれない豪華な食事が用意される…。
そのときのことを歌にしたのが「バナナトレイン」という曲だ。彼はバンド仲間にそれを歌いたいと言う。今までの曲と全然違ってしまうのだがと。しかしバンド仲間たちは「こういう曲をやるためにバンドをやってきたんじゃないか」と染谷くんに伝えたと。
話は知っていたのだから、ぼくは衝撃を受けないはずだった。しかしその曲を聞いたとき、ぼくはものすごいショックを受けた。まさかこれほどリアルな曲だとは思わなかった。恥ずかしいことに涙が出てきて止まらなかった。
以来この曲を、途上国で被害を受けている側の人たちのことを伝えるときに、流させてもらっている。それが一番リアルに伝わると思うからだ。会場の反響はいつもものすごく大きい。伝えるということは、こういうことだと思う。
ぼく自身は講演をし、原稿を書く。しかしそれが偉いとは思っていない。可能なら本当はマンガが書きたい。そのほうが多くの人に伝えられるからだ。それと同じように、音楽が伝える感動もとても大きい。
人にはその人なりの伝える方法があって、自分の想いをアウトプットすることがその人の生きた証ではないかと思うのだ。そのアウトプットの方法は限定されたものではなく、その人なりに最も自然な形であればいい。この自分に見合った表現方法を見つけられた人は幸せだと思う。
それ以来、ぼくはFUNKISTのファンだ。彼らの音楽がとても好きだ。荒削りで、もう少しなんとかならんかと思う音も多いのだが、それ以上に伝わるものがある。もちろんシリアスな曲ばかりではないし、タテノリのご機嫌な曲のほうが彼ららしくもあるのだが。
メンバーもみんなごく普通の飾りのない、気持ちのいい青年たちだ。ぼくは次に会えるのはいつなのか、なんだか恋してるみたいにわくわくする。この感じが楽しい。
「バナナトレイン」の歌詞はあえて書かないが、ぜひ一度聴いてみてほしい。たぶんこのブログ担当の小原さんが、CDの販売を受託してくれると思うので、もし必要があれば問い合わせてほしい。
ぼくはFUNKISTがもっと知られるバンドになってほしいと願っている。
FUNKIST オフィシャルサイトhttp://funkist.info/index.php