2020年1月24日

元凶は電力会社?太陽光発電が増えてもCO2排出量は減らない日本の闇=田中優


 田中優の2020.1.15発行の有料・活動支援版メルマガが、MONEY VOICEにて取り上げられました。

以下転載です。ぜひ拡散頂ければ嬉しいです。



元凶は電力会社?

太陽光発電が増えてもCO2排出量は減らない日本の闇=田中優


2019年末、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が終了した。

太陽光発電は普及したが、なぜかCO2排出量は減少していない。

その元凶は電力会社にある。


環境より利益優先。

電力会社の損失は一般家庭の電気代へ上乗せ…


家庭の太陽光発電「固定価格買取制度」は終了へ


2019年末に「FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)」が終了したことにより、家庭に取り付けられた太陽光発電で作った電気は、有利な固定価格で買い取ってもらえなくなった。

2009年から買い取りが始まり、家庭に設置したものなら10年間、事業者が設置したものに対しては20年間、買い取られる。だから今回終了するのは「家庭向け」装置で、家庭の有利な買い取りは終わり始める。

買取価格は年ごとに低下したが、売り始めた年の買取価格が10年間だけ維持される。事業向けと装置が同じであっても同じだ。

つまり、まだ使えて発電していても、優遇価格で一部の会社に買い取ってもらうか、従来通りの電力会社に安い価格で買い取られるかの選択を迫られるのだ。


太陽光発電を「していない人」に負担を強いる電力会社


最低の電力会社の買取価格は「焚き減らし代」と言って、火力発電所の発電が節約された分での買取価格になる。買取制度があった時にはキロワット当たり48円で買い取られていたものが、ほぼ7~8円に下がる。

ところが電力会社のこの買取価格は、「固定買取制度」のあるときも、電気そのものに対してはその価格でしか買い取っていなかった。高値の分を誰が負担していたのかと言えば、太陽光発電装置を付けていない人たちだった。

「再生可能エネルギー促進賦課金等」で負担させられていた
電力会社は負担しないどころか、「焚き減らし代」以外の設備強化や経費管理費用すら請求した。だから「付けた方が得だ」と考える人以外のすべての電気代を高くして賄われたのだ。
 

利益優先の電力会社、二酸化炭素対策は後回しへ


おかげで電力会社は自分の発電設備を二酸化炭素を排出しないものへと変換すらしなかった。

それどころか電力会社は発電単価が安いからと、最も二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電を推進していたのだ。

その結果、日本の発電による二酸化炭素排出量は改善されず、最初の基準年であった1990年と排出量が同じなのだ。

太陽光発電が普及することで二酸化炭素排出量が減少すると考えていたのは、まったく裏切られていたのだ。



電力会社にとってみれば、売れる電気の単価は変わらない。
ならば単価が安い石炭火力の比率を高めたのだ。それが二酸化炭素排出量が多いことぐらい知っていながら、それより高い石油火力を埋め、事故を起こして信頼を失った原子力発電分を埋め合わせた。

「再生可能エネルギー買取制度」を総括するとすれば、一時的に太陽光発電等の設備価格を押し下げる効果はあったが、その後には残らなかった。

今や「メガソーラー」と呼ばれる巨大なもの以外は儲からなくなった。
温暖化防止にはならず、人々の電力料金を高くした分だけ可処分所得を下げて貧しくしたと言うべきだろう。

温暖化対策を将来世代に押し付けていいのか?


昨年、若い世代のグレタ・トゥーンベリさんの温暖化対策に対する「異議」を申し立てるスピーチがあった。

「あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。被害を私たちに押し付けていて、恥ずかしくないんでしょうか」と。

これは特に二酸化炭素排出量を減少させなかった日本のような国に当てはまる。将来世代に被害を押し付けただけだからだ。
そして「おとぎ話」が「固定買取制度」だったのではないか。

少しばかりの「利益」を与えられて、温暖化防止ができると思い込んで太陽光発電の設置に邁進したのだから、まさに「お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり」だ。


その結果、地球の大気にある二酸化炭素の濃度は高まり続けている。


我が家は電気を売った方が儲かると知っていながら、オフグリッドを選択した。太陽光発電設備を設置しながら売電するのではなく、バッテリーを設置して自給を目指したのだ。


もう後戻りできる期限は過ぎた?


私は10年前の2018年に、『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか(扶桑社新書)』という本を出している。

それから10年経つ2018年以降には、何人かの人から「批判」とも「冷やかし」とも取れるメールをいただいていた。

しかし、その2018年までとなる「10年」というのは、グレタさん自身が言っているのと同じ「後戻りできなくなる期限(ティッピングポイント)」の問題だった。

すなわち、10年後すぐに死滅するのではない。
ただ温暖化に進んでしまうことを避けることができなくなる期限だ。

では、その期限は過ぎたのだろうか。
おそらく、その可能性が高まっただろう。

世界ではその逆方向の事態も少しは生まれている。
「パリ協定」の締結や、巨大企業の「RE100(再生可能エネルギーで100%賄う)運動」なども進んだ。それが進展した分だけ、ティッピングポイント到達までの期限は後ろに退いたかもしれない。

しかし、それは世界的な運動であって、日本のような「後ろ向きの国」にとってはそうではない。

未だに温暖化の最大原因である「石炭火力発電所」の建設を国内だけでなく「援助」を通じて海外にも進めてしまっている。肝心な「買取価格」も、電力会社は「焚き減らし代(発電コストの減った価格)」しか払っていないのだから、いくら人々が再生可能電気を
進めても、電力会社自らは進めない。

その結果、電力会社自身は再生可能エネルギーにしないどころか、石炭火力を進めている始末だ。

今の政府や政治体制を変えなければ、絶対に将来世代を守ることはできない。そのことをグレタさんは明瞭に主張してくれた。いくら今の政府が美辞麗句を並べても、事実、未来を生きようとする人たちに何の手助けもしていないどころか、防ごうとする努力の妨害し
かしていないのだ。



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※本記事は有料メルマガ『田中優の‘持続する志’(有料・活動支援版)
2020年1月15日号の一部抜粋です。

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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

吉田俊道さんと視察

1月初旬、菌ちゃん農法を実践される吉田俊道さんと、北陸のとある場所にて視察調査をしました。


吉田さんいわく、
「新発想の木材乾燥機を応用して、まだどこにもない、新発想の野菜乾燥機ができる可能性についての調査でした。」とのこと。

実現が楽しみですね!


2020年1月23日

暗闇から電気を作り出せる「アンチソーラーパネル」について

この仕組み、面白いんだけど地球温暖化のメカニズムを考えたら当然の帰結。

太陽から届く紫外線の熱と地球から宇宙に出ていく赤外線の熱は同じだから温度が一定に保たれてきました。


それが出ていく赤外線を二酸化炭素が遅らせる部分が増えたから温暖化するのです。

この熱は莫大で、他の熱量などとは比較になりません。
だから原理的にはよくわかります。






以下抜粋


太陽熱発電のソーラーパネルは太陽の熱と地面の冷たさによる温度差を発電に利用しますが、アンチソーラーパネルでは逆に夜の大気の冷たさと地上に残る太陽熱の温度差を利用します。


この研究を行うスタンフォード大学のShanhui Fan電気工学教授は「地球の温度がほぼ一定範囲に収まっていることから分かるように、太陽から地球に降り注ぐ熱と地球から熱放射で出ていく熱量はほぼ同じだ。その分の熱量からは莫大なエネルギーを生み出せるはずだ」と述べています。


熱電気発電機を基礎とした装置を用い、放射冷却を受動的な冷房メカニズムとして温度差を生じさせ、アンチソーラーパネルを稼働させるというのが基本的な構造です。

2020年1月21日

2/9(日)天然住宅 完成見学会@横浜市都筑区 田中優セミナーも






















2月中旬に完成お引き渡しを迎える新築の住宅です。


陽当たりを考え、2階にリビングをつくりました。

子供スペースは、当初はリビングの一部として、将来は、間仕切ることもできる可変性のある間取りになっています。子供室から使えるロフトもつくりました。

スリット階段に大きめの開口部を配し、1Fの廊下や居室にも明かりをとっています。


国産無垢材100%、合板集成材不使用、自然素材をふんだんに使用した住宅です。

無垢杉の香りと、柔らかさ、暖かさ、自然素材でつくる空間の気持ちよい空気感をぜひ体感いただければと思います。

天然住宅特有の「新築のにおい」をぜひ体感しにいらしてください。


★建物データ
敷地面積:150.91㎡
延床面積:91.11㎡
間取り:2LDK
工法:木造(強化筋交い)


~見学会の内容~

【午前の部】見学会
お引渡し直前の住宅の完成見学会を開催します。
予約制の見学会です。スタッフがご案内いたします。

【午後の部】セミナー付き見学会
天然住宅代表田中優から家づくりの際に気にしてほしいことや、家づくりから社会を変える方法についてお話いたします。











■日時 2020年2月9日(日)
10:00~11:30(予約制見学会)
11:30~13:00(予約制見学会)
14:00~16:00(見学会+田中優セミナー)


■場所 神奈川県横浜市都築区(横浜市営地下鉄ブルーライン「仲町台」駅より徒歩)

■参加費 無料

■下記フォームよりお申込みください
https://tennen.org/event/tsuzukiku.html


2020年1月12日

まぐまぐ大賞2019「専門情報」部門にて受賞!

昨年末、嬉しい知らせがありました!

田中優有料・活動支援版メルマガが、
まぐまぐ大賞2019「専門情報」部門にて受賞しました!




第3位
です!



2017年度は1位、2018年度2位に続き、 3年連続の受賞 です。



田中優より

「またまた今年も賞を頂きとても嬉しいです。
ご購読者様、投票頂いた方、感謝です!

気づけば2011年12月に始めたこの有料・活動支援版メルマガも、 丸8年!
先月発行分で201号にもなりました。

今年も丹念に調べた記事を配信していきたいと思います。
どうぞ楽しみにしていてください。」



☆メルマガご登録はこちらより☆
http://www.mag2.com/m/0001363131.html



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ *

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☆バックナンバーリスト☆
https://www.mag2.com/archives/0001363131/2019/
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ご興味のある方は、この機会にぜひご登録をよろしくお願いします。



■2019年12月
2019/12/30 第201号:「エイジハラスメント(エイハラ)なのか」
2019/12/15 第200号: ドキュメンタリーフィルム「Independent Living」


■2019年11月
2019/11/30 第199号:「木材とヒトとの関係史 」
2019/11/15 第198号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(下)


■2019年10月
2019/10/30 第197号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(中)
2019/10/15 第196号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(上)


■2019年09月
2019/09/30 第195号:「津波がなくてもフクイチ(福島第一原発)は地震でメルトダウンしていた!」
2019/09/27 特典号:田中優書籍50%オフ(半額)のご案内
2019/09/18 号外:一問一答「優さん、アースシップについてどう思う?」
2019/09/15 第194号:「備前焼の地から」


■2019年08月
2019/08/30 第193号:自殺論~自殺を「贖罪」の道具にしてはならない~
2019/08/15 第192号:「ま、いいか」というマジックワード


■2019年07月
2019/07/30 第191号:「地球温暖化を起こさない暮らしをする(下)」
2019/07/15 第190号:「地球温暖化を起こさない暮らしをする(上)」


■2019年06月
2019/06/30 第189号:「野菜も腸も、多様性が大事」
2019/06/15 第188号:「キノコ・シロアリ、カビ、CS」(下)


■2019年05月
2019/05/30 第187号:「キノコ・シロアリ、カビ、CS」
2019/05/15 第186号:「地方の活性化に休眠預金を活用する」


■2019年04月
2019/04/30 第185号:「休眠預金で奨学金ローン問題を解決する」
2019/04/15 第184号:「想定外の地震と津波」


■2019年03月
2019/03/30 第183号:「「里山資本主義」って、一体どこの里山?」
2019/03/15 第182号:「熱帯林の郷愁(下)」


■2019年02月
2019/02/28 第181号:「熱帯林の郷愁(上)」
2019/02/15 第180号:「田舎暮らしの選択肢」


■2019年01月
2019/01/31 第179号:「 新生未来バンクの未来を祝福する 」
2019/01/30 プレ179号:発行遅延のお詫び
2019/01/15 第178号:『 終わる原子力、歴史を逆回しさせるな(下)』




2020年1月9日

鎚起銅器職人、大橋保隆さんと

14年来の新潟の友人である大橋保隆さんと、お正月に飲み語らいをしてきました。
とても楽しい時間でしたよ。





鎚起銅器(ついきどうき)という、一枚の銅の板から金槌で叩き起こして、色々な器を作る、新潟県燕市の伝統技術を親子で継承されている職人さんです。

HPも素敵なのでぜひご覧ください。
https://tsuiki-oohashi.com/


こちらの作品づくりの動画もわかりやすいです

2019年12月26日

2020年度「ネオニコチノイド系農薬に関する企画」 の公募中です


2020年度「ネオニコチノイド系農薬に関する企画」
の公募が始まりました!


ネオニコチノイド被害の問題点が大分解明されてきています。

来年は「今年度は、引き続き「調査・研究」カテゴリーに重点を置きつつ、研究成果を一般向けに伝える「広報・社会訴求」カテゴリーも対象とします。ぜひご応募を。




▼応募要項、申請書などの関連書類一式はこちらからダウンロードしてください。

https://www.actbeyondtrust.org/program/kobo2020/



1. 応募資格:
 ネオニコチノイド系農薬(およびフィプロニル)に関する問題提起や、使用の削減 ないし中止に取り組む個人および団体(ボランティアグループ、NPO/NGO、公益法人、研 究機関、生産者など。地域、法人格、活動実績は不問) 

2. 助成分野と金額: 
調査・研究部門もしくは広報・社会訴求部門(いずれかを選択)
 1 企画あたりの助成額:上限 100 万円 

3. 助成対象期間: 2020 年 4 月 1 日~2021 年 3 月 31 日の間に実施される活動 

4. 応募受付期間: 2019 年 12 月 4 日~2020 年 2 月 3 日 

5. 問い合わせ先: 一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト 助成係 
電話:070-6551-9266(10:00~19:00) 
Email:grant@actbeyondtrust.org 
http://www.actbeyondtrust.org 
https://www.facebook.com/actbeyondtrust


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なお、abtではネオニコチノイド系農薬の問題点について当法人サイトに独自のアーカイブ(資料集)を設け、科学者による知見と参考文献を一般向けにまとめたダイジェスト版「ネオニコチノイド系農薬の危険性を、科学者が警告しています。」(2019年度版)も用意しました。世界的な研究動向は日々進展していますが、応募の検討材料にしてください。

◆ネオニコチノイド系農薬問題アーカイブ
http://www.actbeyondtrust.org/link/

◆ネオニコチノイド系農薬の危険性を、科学者が警告しています。
https://www.actbeyondtrust.org/wp-content/uploads/2019/11/alert2019.pdf

2019年12月25日

ドキュメンタリーフィルム「Independent Living」

12/15発行の有料・活動支援版メルマガ「田中優の未来レポート」はこちらです。

これ、障害者の方への私たちの思い上がりでは?という場面も紹介しています。

本文より一部公開中
です!↓

第200号
『 ドキュメンタリーフィルム「Independent Living」 』


ぼくの三男(田中悠輝)が映画監督になって、初めてのドキュメンタリーを撮った。タイトルは「Independent Living」と言って、同名の世界的運動の一部を映した。








そう言われてもそんな運動は知らないかもしれない。何かというと、世界的な運動である「Independent Living」は、障害者の自立生活運動だ。それは以下の三つの自立生活をめざしている。


1.ライフスタイル選択の自己決定と自己管理の権限を障害者本人がもつこと
2.自立生活に必要な能力をもつこと
3.施設や病院ではなく,地域の中で通常に生活することだ。


ちょっと自分事として考えてほしい。もしあなたが何かの事故で脊椎を損傷したとする。それ以外の原因であっても関係ないが、ここではわかりやすく脊椎損傷(以下、「脊損」と略す)にしておこう。


そうすると全身が麻痺してしまう。首から下が思い通りに動かせなくなる。するとあなたの暮らしはどうなるだろう。

最初に病院に入院する。そこでリハビリの努力をするだろう。しかし完全復帰は見込めない。神経の束が通る脊椎を損傷してしまったからだ。リハビリに効果があるのは事故から間近い時期で、それを過ぎるとますます復活しなくなる。家族がいなければ病院に長く留め置かれるかもしれない。家族がいてもその負担は厳しすぎる。やがて施設入所を勧められることだろう。


生きるために必要なことはヘルパーさんに任せられる。しかし何をヘルパーさんに頼むかは自分の自由だ。しかしこれまではそうではなかった。障害者という枠組みは、ほとんど自動的にその人の意志を顧みず、障害者の生存を確保すればよく、生存し続けたいという意志以外の意志は無視されていた。もちろん実際のヘルパーさんにはとても親切でいい人が多く、いろいろな思いに対応して世話してくれる。


(中略)


私たち健常者は自分の狭い感性の中でしか彼を理解しないし、私たちの思いあがった常識的なものに閉じ込めようとする。

「障害者はそうして生きるだけで満足していて、劣悪な条件の中で懸命に努力するものだ」というような考え方であり、まるで健常者だけが堂々と生きられるように思っていて、障害者をまるでその傍らにある「刺身のツマ」のように思っているのではないか。障害者をそのようなものとして「感動のための題材」のように扱うことを「感動ポルノ」という言い方をすることもある。


この「感動ポルノ」が成り立つのは、多くの人たちが障害者を無力で何もできない、させられない人と思い込んで、「障害者」という枠の中に押し込めるせいだ。・・






▼映画「Independent Living」 



予告編動画 https://youtu.be/pTnmMiu1Jb4  





クラウドファンディングページ https://readyfor.jp/projects/out-of-frame   


劇場公開は来年2020年 1月11日から  、 

[大阪]第七藝術劇場(1月11日~)  
[東京]ユーロスペース(3月スタート)  

ほか全国劇場にて上映予定です! 


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ *

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12月中のご登録で、無料でお読み頂けます!

https://mypage.mag2.com/ui/view/magazine/161955006?share=1

2019年12月9日

12/21(土)天然住宅完成見学会@中野区 午後の部は田中優セミナーも




14時からの回は田中優セミナーつきです


~住みつなぐ家~


お母様から娘様へ、そしてお孫様へ。
ぜひ住みつないでいってほしい。そんな家です。


親子3世代で伐採していただいた大黒柱を中心に、2階リビング空間が広がります。
畳スペースには回転障子を設け、開けたり閉じたりが可能な空間に。

家事がしやすいように、洗面室・キッチン・リビングの動線は流動的にしています。


くんえん杉のフローリングの下には、蓄熱式の床暖房。
壁は内外ともにシラス壁。外部の木材には自然由来の塗料を塗っています。


その他、すまうとさんとのプロジェクト「住まいの道具」によるタオル掛けなど、細かいところにもこだわった御宅です。


★建物データ
敷地面積:127.79㎡(38.66坪)
延床面積:149.27㎡(45.15坪) ※ロフト含む
間取り:3LDK+ワンルーム
工法:木造(強化筋交い)


■日時 2019年12月21日(土)
10:00~11:30 (予約制見学会)
11:30~13:00 (予約制見学会)
14:00~16:00 (見学会+田中優セミナー)


■場所 東京都中野区
西武新宿線「新井薬師前」駅から徒歩5分


■参加費 無料


■お申込み
下記フォームよりお申込みください
https://tennen.org/event/1221araiyakushi.html

2019年12月6日

人はいつ死ぬのか ~中村哲さんの死を悼む前に~

この度の中村哲さん訃報についての田中優コメントを2019.12.6発行の無料メルマガで配信しました。

 ペシャワール会の中村哲さんが銃弾によって殺された。

 ぼくはJVC(日本国際ボランティアセンター)の理事をしていたので、中村さんとは面識もなかったが同じアフガンの支援活動で知っていた。それ以前から素晴らしい活動をしている人だと感心していた。

 今回銃弾に倒れてとても残念に思ったが、SNSで見るような大げさに感じるほどの感銘はなかった。  


 気になるのはその人たちの大げさに見える悲しみ方だ。人は肉体が滅した時に死ぬと思うのは私たちがとらわれている社会常識だ。しかしそれは地によって大きく異なる。マレーシアの先住民たちは、死んだときに悲しみはするが死ではない。死はその人が人々の記憶から失われるときに訪れるのだ。  


 それに倣うなら中村哲さんは私には生きたままだ。そのやや過激に思えるほどの主張も、何に憤るのかという気持ちも生き続けている。だから彼が許せなかった政権の行動も主張も、血となり肉となって私の中に生き続ける。  


 思うのは大げさに悲しむ人たちが、その生き方を継承しているかどうかだ。涙を流した後、すぐに死なせてしまうのではないかと心配に思う。  


 これは自分が還暦を超えたから思うのかもしれない。マレーシアの先住民のように、生きたいと思うのだ。私が人々の思いの中に生き続けたいと願うように、中村哲さんもそう思うのではないか。そうでないと肉体を滅した途端に無に帰してしまうからだ。  


 その生き様に共感してほしい。できれば同じように生きてもらえないかと願うのだ。私は中村哲さんのような素晴らしい活動は残せなかったが、それでも自分なりに頑張ったし何よりまだ生きている。明日の活動を決められるチャンスを持っているのだ。  


 中村哲さんが生きているならそう願うだろう。死とは終わりではない。
終わりは人々の記憶の中から消えるときに訪れるのだ。忘れずにいて、その思いを実現する一助になれたらいいと思う。


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▼「武器ではなく命の水を」  追悼番組 放送決定しました

NHKドキュメンタリー 中村哲さん

2019年12月7日(土) 午後11時00分(60分)
2019年12月12日(木) 午前0時00分(60分)

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259690/index.html



▼「武器ではなく命の水を 医師中村哲とアフガニスタン」
https://youtu.be/Fu_iiTKIeos


この動画、以前観てとても良かった。
医師の中村哲氏がなぜ土木屋さんになっていったのか。
ぼくもこういう方向性の努力をしたいと思う。




▼「【京都環境文化学術フォーラム】記念講演(中村 哲)」
https://youtu.be/zuEY9Ib9wAM

中村哲さんの思いと願い。
このビデオにまとまって語られている。




▼中村哲さん「戦よりも食糧自給」を

https://tanakayu.blogspot.com/2014/10/blog-post_35.html より





この同じ場所での二枚の写真、すごいなぁ。
ブルドーザーに乗る医師。

中村哲さん
「私は医師ですけれども、普段はブルドーザーに乗っています。」

緑が戻った村には、次々と人々が帰ってきます。
動物たちも水を求めてやってきて、
砂漠の中に文字通り「オアシス」が誕生したのです。

「戦よりも食糧自給だ」と、中村さんは力強く語ります。



2019年12月4日

「想定外」の危険な災害

2019.12発行 メルマガより

 
多くなる災害廃棄物

 今年の台風の被害は大きかった。

 連日テレビに映る被災地では、水害後の道路にはうず高く廃棄物が置かれ、ほとんど丸々一軒の家屋が廃棄物となっている。  

 畳を上げ、床を剥がし、床下や壁の内側に使われたベニヤ板を捨て、停電で腐った冷蔵庫の食品も、もちろん水を浴びた電化製品や家具類もまた廃棄されている。  

 前から災害のたびに、これほど大量の廃棄物が出されていたのだろうか。 もちろん水害のせいもある。水害では自分の命を守るのにやっとで、家財など命に比べたら物の数ではないだろう。それにしても家一軒丸ごと廃棄物にすることはなかったのではないか。しかも水害の保険は加入していたにしても床上浸水でなければ保険金が下りず、床下までは保険の対象にならない。   

 どうやらこれは家の造りに原因があるようだ。今の家は集成材で作られ、ベニヤ板で補強され、家具もMDF(中密度繊維板)と呼ばれるは、木材チップを原料としてこれを蒸煮・解繊したもの に合成樹脂を加えて成形したものだ。 

 これらのものは水に触れると膨れ上がって歪み、元の形に戻らなくなる。しかも樹脂が固める際には防腐剤を大量に加えているはずなのに、腐ってカビだらけになって、気味の悪いとりどりの色になる。 

 昨年ぼくの住む岡山にも水害があり、手伝いに行った人々が嘆いていた。無垢材で建てた家は洗って干せば使えたし、歪んでいるなら削って直せたのだが、今の家はどうにもならないと。 そう、かつては再生できたのに、最近建てられた家ほど捨てるしかないのだ。 これは建物の話だが、修復が効かないものが社会全体を覆ってしまっているようだ。


 
何が洪水を防いだか

 東京の東側にある利根川水系では水害が少なく、西側の世田谷区・大田区、神奈川県川崎市では水害が大きかった。調べてみると水害の防止に大きく役立ったのが、利根川水系にある「遊水地」だった。鉱毒事件を発端として作られた渡良瀬川添いの遊水地や、周辺の遊水地が溢れる水を一時的に貯留し、水位が下がると川に戻して水害を防いでいたようだ。   


 政府は偶然「試験湛水中」だった八ッ場ダムのおかげで洪水が防げたかのような宣伝をしているが、もしそうならダム建設後に予定している水位では、洪水防止効果はほとんどなくなってしまう。

 しかし今回の豪雨でも八ッ場ダムの貯水効果は、利根川中流域でもわずか17センチほどしかなかった。 もともと河川水位から見て、水害を心配するレベルには達していなかったのだ。 ダムが川の水位を下げる効果は下流に行くほど小さくなるので、八ッ場ダムは東京の洪水防止には影響しなかったのだ。   


 多摩川水系には遊水地を造れるほどの余地がなく、しかも堤防が決壊しないように造られてなかったことが被害を大きくした。しかし「堤防」を決壊しないように造ることはできるのだ。 旧建設省が二年間だけ採用していた「フロンティア堤防」というものがある。 河川が越流し、堤防を溶かして大水害にしまうことで被害が拡大するのを防ぐのに、堤防の天端に鋼矢板を刺して補強し、堤防の弱点となる住宅地側のり面(裏のりという)を安価なシートなどで保護して補強すればよかったのだ。ところがそれは「(簡単に対策できるので)ダム建設の妨げになる」という理由の反対があり、そしてお蔵入りしてしまった。   

 今回の水害で、長崎県で建設を推進している石木ダムの担当課長が、「相次ぐ大型災害はダム建設にとって追い風」という発言をして問題になった。後に撤回したが、この発言のように、水害はダムを造るための理由として利用されている。ダムよりもっと安くて簡単な方法があるのに、彼らの利権を守るために無視される。 

 もし川の水位上昇が心配なら、河床を掘削して水位を下げられるようにすればいい。放置して河床を上げるから、水害時の越水を心配しなければならなくなるのだ。 ダム推進のためにすべきことを怠り、対策をなおざりにする。


 
「事前放流」せずに「緊急放流」する  

 もう一つ気になるのがダムの運用だ。ダムは事前に放流して水位を下げておけばそれだけ貯められる量が増える。しかしダムは完璧な対策ではないから、ダムが大きくなるとそれだけ万が一の水害を大きくする。「安全保障のための軍事拡大」のようなイタチごっこを招くのだ。安全性を考えてダムを大きくすると、万が一の際の被害を大きくする。   

 それに加えて危険にしているのが「多目的ダム」だ。洪水防止が唯一の目的ならダムを空にしておくのがいい。ところが発電目的や工業・農業用水目的が加わると、貯まった水は「おカネ」と同じになってしまうのだ。   

 事前にダムの余力を作るための「事前放流」も、それらの関係機関と協議してからでないと「事前放流」ができない。いよいよこのままではダムが破壊されるという時点になって、「緊急放流」して貴重な人命や財産を危険にさらすのだ。緊急放流の怖さは昨年の愛媛県・肱川や岡山の高梁川で嫌というほど目にしたというのに。   

 そんな中で突然に「記録的な短時間大雨情報」が出されるようになった。降水量は海水の温度に比例して大きくなり、しかも日本近海の海水温は上がり続けている。 地震の多い日本に原発が無理であるのと同じように、今後さらに短時間の降水が予想される日本の水害に、ダムで対策するのは無理になる。   

 「ダムで水を受け止める」という発想ではなく、「しなやかに流れを受け止められる」方向に進むべきだ。そのことは国や自治体だけではない。私たちがどこに住むかを考えるときにも、どのような家を建てるかを考えるときにも必要な発想になる。 今回、国も自治体も「想定外」という言葉を連発した。想定外の豪雨だとか想定外の台風とか。ならば想定すればいい。地球温暖化が進展している以上、その言い訳は通用しない。  

 私たち自身が問題を理解しないと危険な時代になった。 他人任せにはできないのだ。


 
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2019年11月25日

アマゾンの山火事

田中優天然住宅コラム 第136回 『 アマゾンの山火事 』
https://tennen.org/yu_column/amazon-kaji.html

▼アマゾン火災



(2019年8月現在)アマゾンの森が燃えている。
アマゾンに行ったのは1992年、ブラジル会議の時だ。今からだと26年前になる。
それでもまるで最近行った場所のように感じる。同じような場所にその後出会っていないからかもしれない。


アマゾンはとんでもなく広大で、全体を見たつもりには到底なれない。なにせアマゾン川の中州だけで九州の大きさがあるのだ。飛行機でアマゾンからリオに行くだけでも一日かがりになるのだ。そこに山火事が起こった。


今回の山火事は毎年の乾季に起こることで、今回が特別大事件ではないという意見や、政治的に問題にされただけだという意見もあった。実のところどうなのか。


ぼくの信頼するいんやく智也さんはブラジルに長くいて、知り合ったのもブラジルだった。その彼によればブラジル大統領は相当強権的で、大企業の利権に寄り添い、先住民などの人権に対し理解がないようだ。

そしてブラジルの半乾燥地であるセラード地域の開発や、アマゾンでの牛の放牧地開発に対して非常に甘いようだ。


そしてそれに抵抗する市民勢力を嫌い、「山火事はNGOのせいだ」などと無責任に放言している。「ブラジルのトランプ」と呼ばれる存在なのだ。
山火事は過去最大ではなかったものの、それを招いてもおかしくない存在なのだ。


しかし日本からは遠い。地球の裏側にあるので最も遠い場所なのだ。
そのこともあってやれることは少ない。身近な問題ではなくやれることも少ないし、ただ燃やされていく森の有様に、ただ不快で悔しい思いをしているしかない。


▼奇蹟の森


世界地図で見てみると、アマゾンは赤道付近から南回帰線につながる周囲にある。
この回帰線のあたりということは、砂漠になっていてもおかしくない地域だ。

事実、ブラジルには砂漠のような地域もあれ、セラードのような生物の多様な半乾燥地もある。日本はそこの開発を政府開発援助の資金を用いて行い、その不思議な生態系を破壊しておきながら、「成功した援助例」として宣伝している。

なんとそれを‘成功例‘だからといって、日本とブラジル政府の共同開発で、アフリカのモザンピーグで実施しようとしている。


地理的に見て、アマゾンの熱帯林地帯は当然の存在ではない。むしろ奇蹟的に存在する南回線近くに残された森なのだ。その森が燃えていくことに危機感を覚える。
持続可能な暮らしを考えようとすると、こうした事態に目が向くのだ。


▼黄金郷にあったもの

かつて、アマゾンには黄金郷と訳される「エルドラド」が実在したようだ。
その昔にアマゾンを探検した探検家がいて、その記録には「黄金でできた都を見た」という。いよいよ大航海時代になって大勢がその話を調べようとアマゾンを探検した。するとそんな人口が集積した都もなく、人々は未開人よろしく少数の集まりが点在するのみで、そんな黄金郷などなかった。


しかし後にわかったのは、かつてはアマゾンの各地に「テラ・プレタ」と呼ばれる黒い土の耕地があり、アマゾン各地のそれを集めると、フランス一国の大きさになった。

「テラ・プレタ」の土は連作障害も起こさず、豊かな作物をもたらしていた。
ところがその豊かさを壊したのは少数の先進国から来た人々がもたらした「伝染病」だった。もし伝染病に先住民が倒れることがなかったら、フランス一国分の広さのもたらす農作物は、黄金郷を作っていただろうと今や広く信じられるに至ったのだ。


それほどの可能性を持つ土地を、新たな侵略者は破壊してしまったのだ。今燃え広がるアマゾンの山火事も、別な可能性をなくさせているのかもしれない。

それをたかだか牧畜のもたらす金銭利益のために破壊していいはずがない。知られてもいない未知の動植物をこのまま失わせてはいけない、と私は思う。



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2019年11月22日

悲しい木材市場

DMMオンラインサロン 田中優ラボ - 七世代先の未来に責任を持とう - に、
コラム「悲しい木材市場」をアップしました!
https://lounge.dmm.com/content/4411/


実際に木材市場に行ってみた感想&レポートです。

ものすごく安く売られていてショックでした。。。


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「悲しい木材市場」




10月半ば、友人に誘われて奈良県の木材市場を見学しました。

前日は大学の授業で、横浜まで日帰りで出かけてきました。午前様になったんですが岡山の和気に帰ると、午前四時過ぎには友人が迎えに来てしまう・・睡眠不足でしたが市場の開く日がそうなのだから仕方ありません。  午前四時に起きて車に乗り込みました。


運転してくれるのは天然住宅西日本を一緒に始める大塚尚幹さんです。アクティブな彼は「寝ていいよ」と言いながら運転してくれます。快適な車で、ブログデザインを担当してくれるT氏と共に乗り込みました。  


奈良には予定より早く着き、事前に木材市場に集められた木材を見て歩きました。

すごい木材が並んでいるんです。

特に樹齢400年というスギは圧巻で、どう使ったらいいか想像もつかないほどの大きさです。

市場の建物の中にもたくさんの木材があります。新潟、八海山で取れたという埋没林の木材まで並んでいました。そこにいるだけでウキウキします。



そうこうするうちに競りが始まりました。木材の上に立ち、木材を競っていきます。


始めはヒノキからです。
ヒノキは根に近い側が、値が高いのです。節が少ないためです。その中で最高値の木材が売れました。
単位はすべて一立方メートル当たりの価格です。


安い・・驚くほど安い。


ほんの3万円ほどで買われていきます。

木材が1立方メートルあったとしても(通常はそれほど大きくありません)、わずか3万円です。

これがあの吉野の地のヒノキの価格なのです。  

高い木材は22万円ほどで売れました。
それはヒノキの二番玉であろう(根元から二番目の木材)が、枝落としがきれいにされていて、通直で節のなさそうな部分でした。しかし素人が見てもそれだけがなぜ高いのかわからないようなものでした。  

もっと驚いたのは、先ほど見たスギの競りの時でした。・・・

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