2017年4月19日

主要作物種子法廃止の行く末

田中優より

主要作物種子法廃止に進んでいて、調べるにつれて印鑰(いんやく)さんの言っている通りのことだと思うようになりました。

たくさんの努力の結果が失われて、それをアグリビジネスの商品作物が埋めていくことになると思います。

種子法が廃止されたあかつきには、種が民間企業に売り払われる。
もちろん海外のアグリビジネスも買えるだろう。


これを進めるのが愛国者?


「農業競争力強化支援法案要綱 ( H29.2.14農業競争力強化支援法案要綱より)
(四)種子その他の種苗について、民間事業者が行う種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進する(第八条関係)」


として、民間事業者への提供を促進すると書いてある。





 森友学園だの加計学園だの内閣がいくつ吹き飛んでもおかしくないスキャンダルが続いて、感覚が麻痺してしまっているのかもしれない。


 この主要農作物種子法廃止法はすさまじい公的資源の投げ売り法であり、これ自身がスキャンダルだ。すべての都道府県で70年間にわたり毎年毎年、さまざまな品種の原種、原原種をとり続けるという気が遠くなるような営為の総体として、現在の日本の種子制度がある。その維持にかかった金額は森友だの第2森友合わせたって比較にならないものだろう。それを今後、民間企業に無償で払い下げることができてしまうことになる。


 現在の種子制度は合計すれば莫大な税金と儲けにはならない作業を地域のためにと協力を続けてきた農家の努力の結果としてある。民間への提供の際には契約をしっかり結びます、などと答弁しているが、森友学園の例をみなくとも、限りなく無償のダンピングにならない保障は何もない。さらにその民間企業にはモンサントなども排除されないわけだ。その規模、森友級をはるかに凌ぐ。スキャンダル報道が続く白日の下で、こんなあからさまな新たな税金横領がやすやすとできてしまうことが成立しようとしていても、マスコミは動かない。


 結局は「お友だち」に公的財産を勝手に分け与えてしまう。次から次へと公共の富を売り続けなければ、お友だちからの支援も止まってしまう。だから限りなく私たちの公共財産は蝕まれ続ける。私たちはますます貧しくなる。でももし、それを拒むことができたらどうなるだろうか? 利権分配で大勢の力を集めてきたこの政治はそれができなくなった時点で縮小を始める。


 政権に群がるものたちが高尚な理想で結ばれているわけではないことは安倍首相と籠池前理事長のやりとりを見れば明らか。こうした公共の財産の泥棒行為を1つ1つ止めていけばこうした政権はすぐに干上がるだろう。 (印鑰さんフェイスブックより)