2014年3月9日

取材日記:島根の埋没林~もののけ姫の世界~



田中優より

昨日、次の本のために島根県の三瓶山(さんべさん)にある「小豆原埋没林(あずきはらまいぼつりん)」に行ってきました。

この巨木は4000年前の噴火の土石流によって水田の下に隠されていました。
水田の耕地整理のときに出てきた巨木の根を掘ろうとしたのですが、どこまでいっても根に届かず、そのまま放置されました。

その写真を偶然に見た元高校教師の松井さんが私財をなげうって調査、地表から13メートルも下に巨木が眠っていたのです。それが地中に保存されています。写真がそうです。

しかもこの巨木、今や二次林ばかりの中国地方のものなんです。
写真でイメージできますか? 

50メートルの巨木のあった太古の神秘の世界を。
中国地方には古い森がほとんどないのですが、それは「たたら」のせいでした。
そう、「もののけ姫」の世界なんです。

この数日前には富山の埋没林を見にいってました。
どちらもぼくら以外には誰もお客がいませんでした。もったいないなぁ。
すごくイマジネーションが広がるのに。