2017年2月2日

2017.3月から岐阜にて重水素実験、核融合実験装置開始&トリチウムの危険性について

「土岐市の自然科学研究機構・核融合科学研究所が3月に始める重水素実験を前に、外部の専門家による重水素実験安全評価委員会(委員長=片山幸士〈ゆきお〉・人間環境大学名誉教授)が先月末、研究所で開かれた。実験の準備状況について安全性が最終確認された。


 実験は将来の核融合炉設計につなげるため超伝導核融合プラズマ実験装置で実施する。安全評価委員会の委員は、実験で発生する放射性物質トリチウムの除去装置などを視察し、準備状況を説明した研究所側と質疑をした。・・・」


http://www.asahi.com/articles/ASJDP61Z2JDPOHGB01H.html
(添付写真は上記サイトより引用)自動代替テキストはありません。
 


今からさかのぼること4年前の2013.3.28の田中優無料メルマガにて、
この実験の調印式があったことと、『トリチウムの危険性について』配信しています。
再度転載します。




□◆ 田中 優 より ◇■□■□


(2013年3月28日13時現在)
今日、岐阜県内の重水素実験が調印されます。
http://nonuke-tajimi.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-059b.html


トリチウムの危険性がないかどうか、このNHK番組をご覧ください。
実際の影響が出てきます。
 → http://www.at-douga.com/?p=4738


ただし、調印されたからと言って実際に実験はまだされていません。


…………………………………
 
「 トリチウム 」
 
 トリチウムとトリウムとリチウム、なんだか名前が似てるよなぁ。
 
 しかも「重水素、三重水素」のどっちも重水素と呼んでるし。
 
 というわけでちょっとだけ説明します。
 水素の陽子はひとつだけ、化学記号の最初に来るヤツだ。普通の水素は電子も一つ回っているだけ。でも一番内側の電子の軌道は二つあるからそのままでは安定せず、普通は水素が二つ集まって軌道に二つの電子を共有して安定している。
 これと酸素が反応したものが私たちが飲んでいる水だ。
 この水素がたまたま中性子をもう一つ持ったものが「重水素」、中性子を二つ持ったものがトリチウム(三重水素)だ。「トリ」ってのは三つのことだからね。
 
 でもかつては両方とも重水素と呼んでいたから混乱する。今は三重水素がトリチウムで、中性子ひとつのものは重水素となっている。「重と三重じゃ数字が合わないじゃん」と思うかもしれないが、陽子の数も入れたんでそうなったんだろう。


 このトリチウムは自然界にもある、「自然放射能」のひとつだ。宇宙線のおかげで常に生成している。「そっか、オレら慣れてるじゃん」と言いたいところだが、これを増やすと大変なのだ。体の外にあるときは何の問題もない。
 
 これが電子を一つ発すると「中性子」の一つが「陽子」に変わる。すると周期表の水素の次、ヘリウムに物質が変わる。その「中性子」が「陽子」に変わるときに捨てるのが「電子」だ。この電子を捨てて安定することを「ベータ崩壊」といい、飛びだす電子線を「ベータ線」という。トリチウムのベータ線のエネルギーは弱く、皮膚も突き抜けない。だから安心なのだ。


 問題なのは「体の中に入れてしまったとき」だ。
 残念ながら水と完全に一体化してしまうので、水に含まれてしまう「スパイ」のようなヤツなのだ。
 
 これを垂れ流すのが今回、岐阜県瑞浪市で実験されようとする施設で、これが水に混じってしまう。水は私たち人間が最も多く摂取する物質で、呼吸を除くとほぼ半分になる。そこにスパイが入り込むのだ。ところが体の中でこれがベータ崩壊すると、体の内側からだから防げない。
 
 ピストルで撃たれたとき、突き抜けたときの方がエネルギーが出るので被害が少ないが、この場合はその逆になる。抜けて体外に出ることがないのでダメージが大きくなる。そしてわずかな量なのに被害が出るのだ。


 ちなみにICRP(国際放射線防護委員会)などの被曝に関するダメージ量(シーベルト値)などは、特に内部被曝の場合は信じない方がいい。外部被曝も過小評価だが、さらに桁外れにデタラメだからだ。


 このスパイをばんばん増やして撒こうというのが岐阜県の施設の計画だ。研究者は被曝の現実の専門家ではないので、純粋に研究したいのだろうが危険性を理解していない。人柄がいくら良くても健康面からは信頼できない。
 
 このトリチウムを増やす危険性から、ノーベル賞受賞者の小柴氏も京大の小出さんも反対しているのだ。


http://tanakayu.blogspot.jp/2013/03/blog-post_31.html より