2019年12月9日

12/21(土)天然住宅完成見学会@中野区 午後の部は田中優セミナーも




14時からの回は田中優セミナーつきです


~住みつなぐ家~


お母様から娘様へ、そしてお孫様へ。
ぜひ住みつないでいってほしい。そんな家です。


親子3世代で伐採していただいた大黒柱を中心に、2階リビング空間が広がります。
畳スペースには回転障子を設け、開けたり閉じたりが可能な空間に。

家事がしやすいように、洗面室・キッチン・リビングの動線は流動的にしています。


くんえん杉のフローリングの下には、蓄熱式の床暖房。
壁は内外ともにシラス壁。外部の木材には自然由来の塗料を塗っています。


その他、すまうとさんとのプロジェクト「住まいの道具」によるタオル掛けなど、細かいところにもこだわった御宅です。


★建物データ
敷地面積:127.79㎡(38.66坪)
延床面積:149.27㎡(45.15坪) ※ロフト含む
間取り:3LDK+ワンルーム
工法:木造(強化筋交い)


■日時 2019年12月21日(土)
10:00~11:30 (予約制見学会)
11:30~13:00 (予約制見学会)
14:00~16:00 (見学会+田中優セミナー)


■場所 東京都中野区
西武新宿線「新井薬師前」駅から徒歩5分


■参加費 無料


■お申込み
下記フォームよりお申込みください
https://tennen.org/event/1221araiyakushi.html

2019年12月6日

人はいつ死ぬのか ~中村哲さんの死を悼む前に~

この度の中村哲さん訃報についての田中優コメントを2019.12.6発行の無料メルマガで配信しました。

 ペシャワール会の中村哲さんが銃弾によって殺された。

 ぼくはJVC(日本国際ボランティアセンター)の理事をしていたので、中村さんとは面識もなかったが同じアフガンの支援活動で知っていた。それ以前から素晴らしい活動をしている人だと感心していた。

 今回銃弾に倒れてとても残念に思ったが、SNSで見るような大げさに感じるほどの感銘はなかった。  


 気になるのはその人たちの大げさに見える悲しみ方だ。人は肉体が滅した時に死ぬと思うのは私たちがとらわれている社会常識だ。しかしそれは地によって大きく異なる。マレーシアの先住民たちは、死んだときに悲しみはするが死ではない。死はその人が人々の記憶から失われるときに訪れるのだ。  


 それに倣うなら中村哲さんは私には生きたままだ。そのやや過激に思えるほどの主張も、何に憤るのかという気持ちも生き続けている。だから彼が許せなかった政権の行動も主張も、血となり肉となって私の中に生き続ける。  


 思うのは大げさに悲しむ人たちが、その生き方を継承しているかどうかだ。涙を流した後、すぐに死なせてしまうのではないかと心配に思う。  


 これは自分が還暦を超えたから思うのかもしれない。マレーシアの先住民のように、生きたいと思うのだ。私が人々の思いの中に生き続けたいと願うように、中村哲さんもそう思うのではないか。そうでないと肉体を滅した途端に無に帰してしまうからだ。  


 その生き様に共感してほしい。できれば同じように生きてもらえないかと願うのだ。私は中村哲さんのような素晴らしい活動は残せなかったが、それでも自分なりに頑張ったし何よりまだ生きている。明日の活動を決められるチャンスを持っているのだ。  


 中村哲さんが生きているならそう願うだろう。死とは終わりではない。
終わりは人々の記憶の中から消えるときに訪れるのだ。忘れずにいて、その思いを実現する一助になれたらいいと思う。


--*--*-*--*--*--*--


▼「武器ではなく命の水を」  追悼番組 放送決定しました

NHKドキュメンタリー 中村哲さん

2019年12月7日(土) 午後11時00分(60分)
2019年12月12日(木) 午前0時00分(60分)

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259690/index.html



▼「武器ではなく命の水を 医師中村哲とアフガニスタン」
https://youtu.be/Fu_iiTKIeos


この動画、以前観てとても良かった。
医師の中村哲氏がなぜ土木屋さんになっていったのか。
ぼくもこういう方向性の努力をしたいと思う。




▼「【京都環境文化学術フォーラム】記念講演(中村 哲)」
https://youtu.be/zuEY9Ib9wAM

中村哲さんの思いと願い。
このビデオにまとまって語られている。




▼中村哲さん「戦よりも食糧自給」を

https://tanakayu.blogspot.com/2014/10/blog-post_35.html より





この同じ場所での二枚の写真、すごいなぁ。
ブルドーザーに乗る医師。

中村哲さん
「私は医師ですけれども、普段はブルドーザーに乗っています。」

緑が戻った村には、次々と人々が帰ってきます。
動物たちも水を求めてやってきて、
砂漠の中に文字通り「オアシス」が誕生したのです。

「戦よりも食糧自給だ」と、中村さんは力強く語ります。



2019年12月4日

「想定外」の危険な災害


▼多くなる災害廃棄物  

 今年の台風の被害は大きかった。連日テレビに映る被災地では、水害後の道路にはうず高く廃棄物が置かれ、ほとんど丸々一軒の家屋が廃棄物となっている。

 畳を上げ、床を剥がし、床下や壁の内側に使われたベニヤ板を捨て、停電で腐った冷蔵庫の食品も、もちろん水を浴びた電化製品や家具類もまた廃棄されている。

 前から災害のたびに、これほど大量の廃棄物が出されていたのだろうか。
もちろん水害のせいもある。水害では自分の命を守るのにやっとで、家財など命に比べたら物の数ではないだろう。それにしても家一軒丸ごと廃棄物にすることはなかったのではないか。しかも水害の保険は加入していたにしても床上浸水でなければ保険金が下りず、床下までは保険の対象にならない。  


どうやらこれは家の造りに原因があるようだ。今の家は集成材で作られ、ベニヤ板で補強され、家具もMDF(中密度繊維板)と呼ばれるは、木材チップを原料としてこれを蒸煮・解繊したもの に合成樹脂を加えて成形したものだ。

これらのものは水に触れると膨れ上がって歪み、元の形に戻らなくなる。しかも樹脂が固める際には防腐剤を大量に加えているはずなのに、腐ってカビだらけになって、気味の悪いとりどりの色になる。  

昨年ぼくの住む岡山にも水害があり、手伝いに行った人々が嘆いていた。無垢材で建てた家は洗って干せば使えたし、歪んでいるなら削って直せたのだが、今の家はどうにもならないと。


そう、かつては再生できたのに、最近建てられた家ほど捨てるしかないのだ。
これは建物の話だが、修復が効かないものが社会全体を覆ってしまっているようだ。


▼何が洪水を防いだか  
東京の東側にある利根川水系では水害が少なく、西側の世田谷区・大田区、神奈川県川崎市では水害が大きかった。調べてみると水害の防止に大きく役立ったのが、利根川水系にある「遊水地」だった。鉱毒事件を発端として作られた渡良瀬川添いの遊水地や、周辺の遊水地が溢れる水を一時的に貯留し、水位が下がると川に戻して水害を防いでいたようだ。  


政府は偶然「試験湛水中」だった八ッ場ダムのおかげで洪水が防げたかのような宣伝をしているが、もしそうならダム建設後に予定している水位では、洪水防止効果はほとんどなくなってしまう。しかし今回の豪雨でも八ッ場ダムの貯水効果は、利根川中流域でもわずか17センチほどしかなかった。

もともと河川水位から見て、水害を心配するレベルには達していなかったのだ。
ダムが川の水位を下げる効果は下流に行くほど小さくなるので、八ッ場ダムは東京の洪水防止には影響しなかったのだ。  


多摩川水系には遊水地を造れるほどの余地がなく、しかも堤防が決壊しないように造られてなかったことが被害を大きくした。しかし「堤防」を決壊しないように造ることはできるのだ。

旧建設省が二年間だけ採用していた「フロンティア堤防」というものがある。
河川が越流し、堤防を溶かして大水害にしまうことで被害が拡大するのを防ぐのに、堤防の天端に鋼矢板を刺して補強し、堤防の弱点となる住宅地側のり面(裏のりという)を安価なシートなどで保護して補強すればよかったのだ。ところがそれは「(簡単に対策できるので)ダム建設の妨げになる」という理由の反対があり、そしてお蔵入りしてしまった。  


今回の水害で、長崎県で建設を推進している石木ダムの担当課長が、「相次ぐ大型災害はダム建設にとって追い風」という発言をして問題になった。後に撤回したが、この発言のように、水害はダムを造るための理由として利用されている。ダムよりもっと安くて簡単な方法があるのに、彼らの利権を守るために無視される。


もし川の水位上昇が心配なら、河床を掘削して水位を下げられるようにすればいい。
放置して河床を上げるから、水害時の越水を心配しなければならなくなるのだ。
ダム推進のためにすべきことを怠り、対策をなおざりにする。


▼「事前放流」せずに「緊急放流」する  

もう一つ気になるのがダムの運用だ。ダムは事前に放流して水位を下げておけばそれだけ貯められる量が増える。しかしダムは完璧な対策ではないから、ダムが大きくなるとそれだけ万が一の水害を大きくする。「安全保障のための軍事拡大」のようなイタチごっこを招くのだ。安全性を考えてダムを大きくすると、万が一の際の被害を大きくする。  


それに加えて危険にしているのが「多目的ダム」だ。洪水防止が唯一の目的ならダムを空にしておくのがいい。ところが発電目的や工業・農業用水目的が加わると、貯まった水は「おカネ」と同じになってしまうのだ。  


事前にダムの余力を作るための「事前放流」も、それらの関係機関と協議してからでないと「事前放流」ができない。いよいよこのままではダムが破壊されるという時点になって、「緊急放流」して貴重な人命や財産を危険にさらすのだ。緊急放流の怖さは昨年の愛媛県・肘川や岡山の高梁川で嫌というほど目にしたというのに。  


そんな中で突然に「記録的な短時間大雨情報」が出されるようになった。降水量は海水の温度に比例して大きくなり、しかも日本近海の海水温は上がり続けている。
地震の多い日本に原発が無理であるのと同じように、今後さらに短時間の降水が予想される日本の水害に、ダムで対策するのは無理になる。  


「ダムで水を受け止める」という発想ではなく、「しなやかに流れを受け止められる」方向に進むべきだ。そのことは国や自治体だけではない。私たちがどこに住むかを考えるときにも、どのような家を建てるかを考えるときにも必要な発想になる。


今回、国も自治体も「想定外」という言葉を連発した。想定外の豪雨だとか想定外の台風とか。ならば想定すればいい。地球温暖化が進展している以上、その言い訳は通用しない。  

私たち自身が問題を理解しないと危険な時代になった。
他人任せにはできないのだ。


イメージ

2019年11月25日

アマゾンの山火事

田中優天然住宅コラム 第136回 『 アマゾンの山火事 』
https://tennen.org/yu_column/amazon-kaji.html

▼アマゾン火災



(2019年8月現在)アマゾンの森が燃えている。
アマゾンに行ったのは1992年、ブラジル会議の時だ。今からだと26年前になる。
それでもまるで最近行った場所のように感じる。同じような場所にその後出会っていないからかもしれない。


アマゾンはとんでもなく広大で、全体を見たつもりには到底なれない。なにせアマゾン川の中州だけで九州の大きさがあるのだ。飛行機でアマゾンからリオに行くだけでも一日かがりになるのだ。そこに山火事が起こった。


今回の山火事は毎年の乾季に起こることで、今回が特別大事件ではないという意見や、政治的に問題にされただけだという意見もあった。実のところどうなのか。


ぼくの信頼するいんやく智也さんはブラジルに長くいて、知り合ったのもブラジルだった。その彼によればブラジル大統領は相当強権的で、大企業の利権に寄り添い、先住民などの人権に対し理解がないようだ。

そしてブラジルの半乾燥地であるセラード地域の開発や、アマゾンでの牛の放牧地開発に対して非常に甘いようだ。


そしてそれに抵抗する市民勢力を嫌い、「山火事はNGOのせいだ」などと無責任に放言している。「ブラジルのトランプ」と呼ばれる存在なのだ。
山火事は過去最大ではなかったものの、それを招いてもおかしくない存在なのだ。


しかし日本からは遠い。地球の裏側にあるので最も遠い場所なのだ。
そのこともあってやれることは少ない。身近な問題ではなくやれることも少ないし、ただ燃やされていく森の有様に、ただ不快で悔しい思いをしているしかない。


▼奇蹟の森


世界地図で見てみると、アマゾンは赤道付近から南回帰線につながる周囲にある。
この回帰線のあたりということは、砂漠になっていてもおかしくない地域だ。

事実、ブラジルには砂漠のような地域もあれ、セラードのような生物の多様な半乾燥地もある。日本はそこの開発を政府開発援助の資金を用いて行い、その不思議な生態系を破壊しておきながら、「成功した援助例」として宣伝している。

なんとそれを‘成功例‘だからといって、日本とブラジル政府の共同開発で、アフリカのモザンピーグで実施しようとしている。


地理的に見て、アマゾンの熱帯林地帯は当然の存在ではない。むしろ奇蹟的に存在する南回線近くに残された森なのだ。その森が燃えていくことに危機感を覚える。
持続可能な暮らしを考えようとすると、こうした事態に目が向くのだ。


▼黄金郷にあったもの

かつて、アマゾンには黄金郷と訳される「エルドラド」が実在したようだ。
その昔にアマゾンを探検した探検家がいて、その記録には「黄金でできた都を見た」という。いよいよ大航海時代になって大勢がその話を調べようとアマゾンを探検した。するとそんな人口が集積した都もなく、人々は未開人よろしく少数の集まりが点在するのみで、そんな黄金郷などなかった。


しかし後にわかったのは、かつてはアマゾンの各地に「テラ・プレタ」と呼ばれる黒い土の耕地があり、アマゾン各地のそれを集めると、フランス一国の大きさになった。

「テラ・プレタ」の土は連作障害も起こさず、豊かな作物をもたらしていた。
ところがその豊かさを壊したのは少数の先進国から来た人々がもたらした「伝染病」だった。もし伝染病に先住民が倒れることがなかったら、フランス一国分の広さのもたらす農作物は、黄金郷を作っていただろうと今や広く信じられるに至ったのだ。


それほどの可能性を持つ土地を、新たな侵略者は破壊してしまったのだ。今燃え広がるアマゾンの山火事も、別な可能性をなくさせているのかもしれない。

それをたかだか牧畜のもたらす金銭利益のために破壊していいはずがない。知られてもいない未知の動植物をこのまま失わせてはいけない、と私は思う。



<< 天然住宅コラムは 第140回 まで更新中!>> 

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2019年11月22日

悲しい木材市場

DMMオンラインサロン 田中優ラボ - 七世代先の未来に責任を持とう - に、
コラム「悲しい木材市場」をアップしました!
https://lounge.dmm.com/content/4411/


実際に木材市場に行ってみた感想&レポートです。

ものすごく安く売られていてショックでした。。。


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「悲しい木材市場」




10月半ば、友人に誘われて奈良県の木材市場を見学しました。

前日は大学の授業で、横浜まで日帰りで出かけてきました。午前様になったんですが岡山の和気に帰ると、午前四時過ぎには友人が迎えに来てしまう・・睡眠不足でしたが市場の開く日がそうなのだから仕方ありません。  午前四時に起きて車に乗り込みました。


運転してくれるのは天然住宅西日本を一緒に始める大塚尚幹さんです。アクティブな彼は「寝ていいよ」と言いながら運転してくれます。快適な車で、ブログデザインを担当してくれるT氏と共に乗り込みました。  


奈良には予定より早く着き、事前に木材市場に集められた木材を見て歩きました。

すごい木材が並んでいるんです。

特に樹齢400年というスギは圧巻で、どう使ったらいいか想像もつかないほどの大きさです。

市場の建物の中にもたくさんの木材があります。新潟、八海山で取れたという埋没林の木材まで並んでいました。そこにいるだけでウキウキします。



そうこうするうちに競りが始まりました。木材の上に立ち、木材を競っていきます。


始めはヒノキからです。
ヒノキは根に近い側が、値が高いのです。節が少ないためです。その中で最高値の木材が売れました。
単位はすべて一立方メートル当たりの価格です。


安い・・驚くほど安い。


ほんの3万円ほどで買われていきます。

木材が1立方メートルあったとしても(通常はそれほど大きくありません)、わずか3万円です。

これがあの吉野の地のヒノキの価格なのです。  

高い木材は22万円ほどで売れました。
それはヒノキの二番玉であろう(根元から二番目の木材)が、枝落としがきれいにされていて、通直で節のなさそうな部分でした。しかし素人が見てもそれだけがなぜ高いのかわからないようなものでした。  

もっと驚いたのは、先ほど見たスギの競りの時でした。・・・

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続きはオンラインサロンメンバーに入会後、無料でお読み頂けます。


▼サロン詳細・ご入会手続きはこちらより
https://lounge.dmm.com/detail/962/

2019年11月12日

東京新聞に天然住宅が掲載『住む人と森 守りたい』


2019.11.10付けの東京新聞に天然住宅が掲載されました

『住む人と森 守りたい』  ~シゴト×ヒト 株式会社天然住宅 田中竜二~ 


有害な化学物質を使わず、100%国産の木材を使った住宅を設計・施工している株式会社天然住宅。住む人の健康と自然環境を守るため、自然由来の素材や工法にこだわった家づくりを2008年から続けてきた。

西東京市谷戸町の西武池袋線ひばりケ丘駅近くの、木の香りに包まれる事務所で、代表の田中竜二さんに話を聞いた。


「私たちの考えとして、建て主さまの暮らしがベースにあるんです。合板を使わず国産の無垢材だけを使用するのも、住む人の健康を守りたいから。その上で、国産材を使うことで日本の林産地を支えて、自然環境も守っていきたいんです。


天然住宅を立ち上げたわたしの父は、環境活動家でもある人で。昔から一緒に川のゴミ拾いをしたり、ダム建設によってなくなってしまうかもしれない町や渓流に行ったりしていました。当時の経験は、今のわたしの価値観にも強く影響していると思います。

わたしたちの建築に使用する杉は、植えてから建材になるまで50年以上かかります。広葉樹の場合はもっと長くて、100年から200年ものあいだ森を守り続けなければいけない。そうなると子や孫の世代まで自然を守る意志を引き継ぐ必要があるんです。

これまで守られてきた思いを受け継ぎながら、わたしたちの合言葉である『森を守って健康長もち』の家づくりを、これからも続けていきたいですね。」



▼日本仕事百貨に掲載の記事はこちら

https://shigoto100.com/2019/07/tennen.html
 


※天然住宅では、現在も現場監督を募集しています。

ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
詳細はこちらより https://tennen.org/news/saiyou.html

一緒に家づくりを通して健康や環境を守る仕事をしてみませんか?


 
自然素材での家作りなら天然住宅

2019年11月11日

究極の防災、エネルギー自給



今年の台風被害  

今年9月9日、台風15号が首都圏を直撃した。中心付近の最大風速は約40メートル、最大瞬間風速は約60メートルで、関東に上陸した台風では過去最強クラスとなったという。それによって交通網は麻痺し、強風でさまざまなものが破壊され、強い雨は浸水被害をもたらした。

特に深刻だったのは房総半島南端の館山などで、風に倒された高圧鉄塔などを完全に復旧させるのに、ひと月近くはかかるだろう。  


しかし交通網が麻痺していることを知っているはずなのに人々は駅に並び、学校や会社に行こうとする。たどり着いたとしても働けるのはわずかな時間だろう。
なんと虚しい作業なのか。仕事の相手先も同じだ。停電に加えて通信がつながりにくい事態なのに。こんな日は休めばいいのにと思う。  


それにしても普段の暮らしを続けるのに、停電していることの影響は極めて大きい。もちろんオール電化住宅にしてしまった人はもちろん、そうでなくとも冷蔵庫の中身は腐ってしまうし、窓も空かないマンションでエアコンも効かなかったら、生命にかかわるほどの暑さだ。

懸念の通り、台風が過ぎると入れ替わるように酷暑が訪れた。もう9月に入ったというのにこの夏一番の暑さを記録したと報道されている。我が家も暑かった。夜になれば涼しくなるのが普通だが、夜になってからも暑かった。  

それでエアコンをつけた。暑くて眠れないのは翌日にこたえるからだ。電気を自給しているから少しだけ心配になるが、明日の天気予報も「快晴」だから、すぐに電気も回復できるだろう。涼しいと気持ちよく眠れる。翌日、予想通りの快晴で電気はどんどん回復していく。


 不便なはずの「電力自給」が便利な暮らしになり、便利なはずの都会暮らしが、自分を閉じ込める檻のようになっていく。


▼エアコンの新しい形  

それでもエアコンを動かすための電気消費量は大きい。そこに電力自給を進めている自給エネルギーチーム「自エネ組」が、新たな冷房のための仕組みを作った。


京都の「南禅寺修行堂」にも導入した仕組み※だが、岡山の「蔭凉寺」にも導入されている。  


実際に行ってみると風の流れはないにも関わらず涼しくて心地良い。広い面積の大きな壁に装置があり、そこから音もなく涼しさが広がってくる。


実は熱の伝達には三つあり、一つ目は普通のエアコンのような「対流熱」、冷やした空気を循環させて涼しくする。二つ目はフライパンを熱することで把手まで熱くなる「伝導熱」、そして三つ目が冷たいものから出る冷たい熱の「放射(輻射)熱」で涼しくする方法だ。対流は熱を保存できない「空気」で涼しさを伝えるので効率が悪い。


効率よく熱を伝えるには、コンクリートより蓄熱性の高い「水」を使って輻射熱を伝えるのがいい。そこでこの冷房装置では、井戸水が一年中ほぼ15℃程度の水温であることを利用して、井戸水を壁に循環させて涼しさを伝える。伝えるのは熱伝導性の高い銅管とアルミのラジエターだ。モノの表面の温度がその熱源になり、そこから放射熱(放射線の熱)が出て他のものに熱を伝える。伝えられたモノの表面からも輻射熱が放射されるので、光の乱反射のように放射熱を伝えていく。  


これにはしっかり法則があって、「シュテファン‐ボルツマンの法則」といって絶対温度の温度差の四乗倍も熱が伝えられる。「四乗倍」なのだから、他の熱伝導とは比較にならないほど効率が高い。だから鍾乳洞に入った時のような涼しさが、風もなく伝わるのだ。  

この熱源に井戸水を使っているから、夏場も冬場も15℃程度の放射熱で快適になるのだ。もちろん夏場は配管に結露が起きる。空気中の湿度を結露させて室内の湿気をわずかながら下げるのだ。これが実に快適で、冷えすぎることもなく暑さを消してくれる。


▼おカネに頼らないで暮らす  

この輻射熱の冷房装置を入れたい。我が家は井戸だから水には困らない。そうすれば井戸の電動ポンプ以外は電気も消費せずに冷房できる。しかも井戸ポンプは最近省エネのものが発売され、それに変えてからの我が家のポンプの電気消費量は半分近く減った。もしそれをエアコンに変えて普及できれば、電気消費量は劇的に下がるはずだ。  




 しかも我が家のポンプの電源もまた太陽光発電で作り出したものだ。わずか四枚のソーラーパネルの電気をバッテリーにプールして使っているだけで足りるのだ。そんな仕組みだったなら、停電などちっとも怖くない。我が家の子どもは台風と停電のニュースを見ながら「ウチは大丈夫なんだよね」と言っている。確かに導入するときは勇気がいるほどの費用(100万円強)が掛かる。しかしそれで安心して暮らせる上、原発も地球温暖化を起こす発電所も不要になるのだ。  


日本の家庭の電気消費は世界の中でも、ずば抜けて少ない。それなのに遠い発電所から延々と送電線で運んでくる。実際には7割以上の電気を消費する企業の電気消費のついでに家庭に電気を届けているからだ。あの鬱陶しい電柱をなくして、小さな電気消費量なのだから、なるべく自給してしまおう。  


小さな電気消費なら八畳一間ほどの広さ(2キロワットのパネル)で足りる。エアコンが輻射式になればもっとわずかな電気消費で足りるし、冷蔵庫も省エネ型にすれば少しの電気で動く。これで停電の心配がなくなり、以降毎月の電気料金を払わずにすむのだ。  


生活を安定させるには、収入を増やすことではなく、毎月支払わなければならない必要経費を減らすことだと思う。我が家は井戸に太陽光発電、太陽温水器のおかげで毎月の支払いが非常に少なくなっている。年金では足りないという心配もないだろう。


究極的な防災は「自給」だと思う。大らかに自分で賄えば、楽しい暮らしができるのだと思う。食べ物は近所の友人たちからの「おすそ分け」でほとんど足りる。するとおカネに頼らない暮らしに近づく。おカネに頼らないで暮らせることが、一番の安心ではないかと思う。



※これこそ自然な冷房の仕組み。大塚尚幹さんらしい本物。

「南禅寺僧堂輻射冷房装置完成」
https://www.facebook.com/tanakayupage/posts/2342134395843200/

12/21(土)天然住宅完成見学会@中野区 午後の部は田中優セミナーも

☆ 14時からの回は田中優セミナーつき です ~住みつなぐ家~ お母様から娘様へ、そしてお孫様へ。 ぜひ住みつないでいってほしい。そんな家です。 親子3世代で伐採していただいた大黒柱を中心に、2階リビング空間が広がります。 畳スペースには...