2020年1月24日

元凶は電力会社?太陽光発電が増えてもCO2排出量は減らない日本の闇=田中優


 田中優の2020.1.15発行の有料・活動支援版メルマガが、MONEY VOICEにて取り上げられました。

以下転載です。ぜひ拡散頂ければ嬉しいです。



元凶は電力会社?

太陽光発電が増えてもCO2排出量は減らない日本の闇=田中優


2019年末、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が終了した。

太陽光発電は普及したが、なぜかCO2排出量は減少していない。

その元凶は電力会社にある。


環境より利益優先。

電力会社の損失は一般家庭の電気代へ上乗せ…


家庭の太陽光発電「固定価格買取制度」は終了へ


2019年末に「FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)」が終了したことにより、家庭に取り付けられた太陽光発電で作った電気は、有利な固定価格で買い取ってもらえなくなった。

2009年から買い取りが始まり、家庭に設置したものなら10年間、事業者が設置したものに対しては20年間、買い取られる。だから今回終了するのは「家庭向け」装置で、家庭の有利な買い取りは終わり始める。

買取価格は年ごとに低下したが、売り始めた年の買取価格が10年間だけ維持される。事業向けと装置が同じであっても同じだ。

つまり、まだ使えて発電していても、優遇価格で一部の会社に買い取ってもらうか、従来通りの電力会社に安い価格で買い取られるかの選択を迫られるのだ。


太陽光発電を「していない人」に負担を強いる電力会社


最低の電力会社の買取価格は「焚き減らし代」と言って、火力発電所の発電が節約された分での買取価格になる。買取制度があった時にはキロワット当たり48円で買い取られていたものが、ほぼ7~8円に下がる。

ところが電力会社のこの買取価格は、「固定買取制度」のあるときも、電気そのものに対してはその価格でしか買い取っていなかった。高値の分を誰が負担していたのかと言えば、太陽光発電装置を付けていない人たちだった。

「再生可能エネルギー促進賦課金等」で負担させられていた
電力会社は負担しないどころか、「焚き減らし代」以外の設備強化や経費管理費用すら請求した。だから「付けた方が得だ」と考える人以外のすべての電気代を高くして賄われたのだ。
 

利益優先の電力会社、二酸化炭素対策は後回しへ


おかげで電力会社は自分の発電設備を二酸化炭素を排出しないものへと変換すらしなかった。

それどころか電力会社は発電単価が安いからと、最も二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電を推進していたのだ。

その結果、日本の発電による二酸化炭素排出量は改善されず、最初の基準年であった1990年と排出量が同じなのだ。

太陽光発電が普及することで二酸化炭素排出量が減少すると考えていたのは、まったく裏切られていたのだ。



電力会社にとってみれば、売れる電気の単価は変わらない。
ならば単価が安い石炭火力の比率を高めたのだ。それが二酸化炭素排出量が多いことぐらい知っていながら、それより高い石油火力を埋め、事故を起こして信頼を失った原子力発電分を埋め合わせた。

「再生可能エネルギー買取制度」を総括するとすれば、一時的に太陽光発電等の設備価格を押し下げる効果はあったが、その後には残らなかった。

今や「メガソーラー」と呼ばれる巨大なもの以外は儲からなくなった。
温暖化防止にはならず、人々の電力料金を高くした分だけ可処分所得を下げて貧しくしたと言うべきだろう。

温暖化対策を将来世代に押し付けていいのか?


昨年、若い世代のグレタ・トゥーンベリさんの温暖化対策に対する「異議」を申し立てるスピーチがあった。

「あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。被害を私たちに押し付けていて、恥ずかしくないんでしょうか」と。

これは特に二酸化炭素排出量を減少させなかった日本のような国に当てはまる。将来世代に被害を押し付けただけだからだ。
そして「おとぎ話」が「固定買取制度」だったのではないか。

少しばかりの「利益」を与えられて、温暖化防止ができると思い込んで太陽光発電の設置に邁進したのだから、まさに「お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり」だ。


その結果、地球の大気にある二酸化炭素の濃度は高まり続けている。


我が家は電気を売った方が儲かると知っていながら、オフグリッドを選択した。太陽光発電設備を設置しながら売電するのではなく、バッテリーを設置して自給を目指したのだ。


もう後戻りできる期限は過ぎた?


私は10年前の2018年に、『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか(扶桑社新書)』という本を出している。

それから10年経つ2018年以降には、何人かの人から「批判」とも「冷やかし」とも取れるメールをいただいていた。

しかし、その2018年までとなる「10年」というのは、グレタさん自身が言っているのと同じ「後戻りできなくなる期限(ティッピングポイント)」の問題だった。

すなわち、10年後すぐに死滅するのではない。
ただ温暖化に進んでしまうことを避けることができなくなる期限だ。

では、その期限は過ぎたのだろうか。
おそらく、その可能性が高まっただろう。

世界ではその逆方向の事態も少しは生まれている。
「パリ協定」の締結や、巨大企業の「RE100(再生可能エネルギーで100%賄う)運動」なども進んだ。それが進展した分だけ、ティッピングポイント到達までの期限は後ろに退いたかもしれない。

しかし、それは世界的な運動であって、日本のような「後ろ向きの国」にとってはそうではない。

未だに温暖化の最大原因である「石炭火力発電所」の建設を国内だけでなく「援助」を通じて海外にも進めてしまっている。肝心な「買取価格」も、電力会社は「焚き減らし代(発電コストの減った価格)」しか払っていないのだから、いくら人々が再生可能電気を
進めても、電力会社自らは進めない。

その結果、電力会社自身は再生可能エネルギーにしないどころか、石炭火力を進めている始末だ。

今の政府や政治体制を変えなければ、絶対に将来世代を守ることはできない。そのことをグレタさんは明瞭に主張してくれた。いくら今の政府が美辞麗句を並べても、事実、未来を生きようとする人たちに何の手助けもしていないどころか、防ごうとする努力の妨害し
かしていないのだ。



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2020年1月15日号の一部抜粋です。

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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

吉田俊道さんと視察

1月初旬、菌ちゃん農法を実践される吉田俊道さんと、北陸のとある場所にて視察調査をしました。


吉田さんいわく、
「新発想の木材乾燥機を応用して、まだどこにもない、新発想の野菜乾燥機ができる可能性についての調査でした。」とのこと。

実現が楽しみですね!


2020年1月23日

暗闇から電気を作り出せる「アンチソーラーパネル」について

この仕組み、面白いんだけど地球温暖化のメカニズムを考えたら当然の帰結。

太陽から届く紫外線の熱と地球から宇宙に出ていく赤外線の熱は同じだから温度が一定に保たれてきました。


それが出ていく赤外線を二酸化炭素が遅らせる部分が増えたから温暖化するのです。

この熱は莫大で、他の熱量などとは比較になりません。
だから原理的にはよくわかります。






以下抜粋


太陽熱発電のソーラーパネルは太陽の熱と地面の冷たさによる温度差を発電に利用しますが、アンチソーラーパネルでは逆に夜の大気の冷たさと地上に残る太陽熱の温度差を利用します。


この研究を行うスタンフォード大学のShanhui Fan電気工学教授は「地球の温度がほぼ一定範囲に収まっていることから分かるように、太陽から地球に降り注ぐ熱と地球から熱放射で出ていく熱量はほぼ同じだ。その分の熱量からは莫大なエネルギーを生み出せるはずだ」と述べています。


熱電気発電機を基礎とした装置を用い、放射冷却を受動的な冷房メカニズムとして温度差を生じさせ、アンチソーラーパネルを稼働させるというのが基本的な構造です。

2020年1月21日

2/9(日)天然住宅 完成見学会@横浜市都筑区 田中優セミナーも






















2月中旬に完成お引き渡しを迎える新築の住宅です。


陽当たりを考え、2階にリビングをつくりました。

子供スペースは、当初はリビングの一部として、将来は、間仕切ることもできる可変性のある間取りになっています。子供室から使えるロフトもつくりました。

スリット階段に大きめの開口部を配し、1Fの廊下や居室にも明かりをとっています。


国産無垢材100%、合板集成材不使用、自然素材をふんだんに使用した住宅です。

無垢杉の香りと、柔らかさ、暖かさ、自然素材でつくる空間の気持ちよい空気感をぜひ体感いただければと思います。

天然住宅特有の「新築のにおい」をぜひ体感しにいらしてください。


★建物データ
敷地面積:150.91㎡
延床面積:91.11㎡
間取り:2LDK
工法:木造(強化筋交い)


~見学会の内容~

【午前の部】見学会
お引渡し直前の住宅の完成見学会を開催します。
予約制の見学会です。スタッフがご案内いたします。

【午後の部】セミナー付き見学会
天然住宅代表田中優から家づくりの際に気にしてほしいことや、家づくりから社会を変える方法についてお話いたします。











■日時 2020年2月9日(日)
10:00~11:30(予約制見学会)
11:30~13:00(予約制見学会)
14:00~16:00(見学会+田中優セミナー)


■場所 神奈川県横浜市都築区(横浜市営地下鉄ブルーライン「仲町台」駅より徒歩)

■参加費 無料

■下記フォームよりお申込みください
https://tennen.org/event/tsuzukiku.html


2020年1月12日

まぐまぐ大賞2019「専門情報」部門にて受賞!

昨年末、嬉しい知らせがありました!

田中優有料・活動支援版メルマガが、
まぐまぐ大賞2019「専門情報」部門にて受賞しました!




第3位
です!



2017年度は1位、2018年度2位に続き、 3年連続の受賞 です。



田中優より

「またまた今年も賞を頂きとても嬉しいです。
ご購読者様、投票頂いた方、感謝です!

気づけば2011年12月に始めたこの有料・活動支援版メルマガも、 丸8年!
先月発行分で201号にもなりました。

今年も丹念に調べた記事を配信していきたいと思います。
どうぞ楽しみにしていてください。」



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■2019年12月
2019/12/30 第201号:「エイジハラスメント(エイハラ)なのか」
2019/12/15 第200号: ドキュメンタリーフィルム「Independent Living」


■2019年11月
2019/11/30 第199号:「木材とヒトとの関係史 」
2019/11/15 第198号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(下)


■2019年10月
2019/10/30 第197号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(中)
2019/10/15 第196号:新しい住宅会社、「天然住宅西日本」(上)


■2019年09月
2019/09/30 第195号:「津波がなくてもフクイチ(福島第一原発)は地震でメルトダウンしていた!」
2019/09/27 特典号:田中優書籍50%オフ(半額)のご案内
2019/09/18 号外:一問一答「優さん、アースシップについてどう思う?」
2019/09/15 第194号:「備前焼の地から」


■2019年08月
2019/08/30 第193号:自殺論~自殺を「贖罪」の道具にしてはならない~
2019/08/15 第192号:「ま、いいか」というマジックワード


■2019年07月
2019/07/30 第191号:「地球温暖化を起こさない暮らしをする(下)」
2019/07/15 第190号:「地球温暖化を起こさない暮らしをする(上)」


■2019年06月
2019/06/30 第189号:「野菜も腸も、多様性が大事」
2019/06/15 第188号:「キノコ・シロアリ、カビ、CS」(下)


■2019年05月
2019/05/30 第187号:「キノコ・シロアリ、カビ、CS」
2019/05/15 第186号:「地方の活性化に休眠預金を活用する」


■2019年04月
2019/04/30 第185号:「休眠預金で奨学金ローン問題を解決する」
2019/04/15 第184号:「想定外の地震と津波」


■2019年03月
2019/03/30 第183号:「「里山資本主義」って、一体どこの里山?」
2019/03/15 第182号:「熱帯林の郷愁(下)」


■2019年02月
2019/02/28 第181号:「熱帯林の郷愁(上)」
2019/02/15 第180号:「田舎暮らしの選択肢」


■2019年01月
2019/01/31 第179号:「 新生未来バンクの未来を祝福する 」
2019/01/30 プレ179号:発行遅延のお詫び
2019/01/15 第178号:『 終わる原子力、歴史を逆回しさせるな(下)』




2020年1月9日

鎚起銅器職人、大橋保隆さんと

14年来の新潟の友人である大橋保隆さんと、お正月に飲み語らいをしてきました。
とても楽しい時間でしたよ。





鎚起銅器(ついきどうき)という、一枚の銅の板から金槌で叩き起こして、色々な器を作る、新潟県燕市の伝統技術を親子で継承されている職人さんです。

HPも素敵なのでぜひご覧ください。
https://tsuiki-oohashi.com/


こちらの作品づくりの動画もわかりやすいです