2020年3月22日

コロナ対策を考える(天然住宅コラム)

天然住宅コラム 第147回、148回より


どうしたら健康でいられるか


「新型コロナウイルス」を機会に考えたい。

いろいろ調べたのだけれど、結局のところ自分の免疫力に頼るしかないのだと気づく。
というのはウイルスだから抗生物質は効かないし、新型だからワクチンも特効薬もない。
「手洗い・うがい」で感染を防いでも完全に防げるものでもない。

ウイルスはどんどん形を変えるしいつかは体内で戦わなくちゃならない。
それが体内に入ってきても大丈夫な状態にしておかないと、いつまでも自分だけ感染しないようにしておくわけにもいかない。
しかも感染力の強い新型コロナウイルスは、どうしても世界中に広まってしまう見通しだ。さて、どうしたらいいのだろう。

免疫力を落とさないこと



わかったのは、治るのは結局自分の免疫力が頼りだということだ。

しかも白血球の六割を占める「好中球」が頑張ってくれていて、それがウイルスを食べて不活化させるには、「抗体」という目印を付けられるようになるしかない。むしろ心配なのは免疫が頑張りすぎて暴走して、「サイトカインストーム」を起こせば命に関わる。

免疫を正常化させるには、腸内細菌の「クロストリジウム菌」の一種が頑張って「酪酸」を増やしてもらうしかない。

元を正せばきちんと暮らして免疫力を上げ、「水溶性食物繊維」を摂って酪酸を増やして、免疫力を弱めるものを摂らない努力をすることになる。

好中球の減少




ここに良い話が一つと悪い話が一つある。

悪い話はこの「好中球」が関東の放射能汚染のあった地域で減っているということだ。
白血球の中の成分の比率を「白血病分画」というのだが、例えば福島県では男児の好中球が二割以上も減っている。
もちろんこれは放射能の影響と考えられるが、もちろん政府は認めていない。


市民の味方である三田先生だけが伝えている事実だ。「白血病分画」の調査自体は珍しいものではなく、放射線技師などは定期的に調べられているものだ。

それを三田先生は「免疫力が弱まるというような被害にはならない、好中球自体が最後の砦の役割をしているからだ」と述べている。

でも、どうやら今回の新型コロナウイルスは、「最後の砦」の出番のようなのだ。

スペイン風邪と昆布の相関

良い話の方は、百年前のスペイン風邪が世界的流行を起こした時に、日本は死者の比率が低かったことだ。絶対数ではなく、死者数の割合が世界的に見て少なかったのだ。

この時、何が違っていたのだろうか。

ここにスペイン風邪での死者の比率の高かった県と、昆布の消費量の多かった県のグラフがある。同じ年に比較されたものではないのでその点は注意してほしい。
スペイン風邪の死者数の多かった県と、昆布の消費量の多い県とは見事に逆相関しているのだ。

「あれから全然食べない県になった」とかそういうことがない限り、この傾向は健在だろう。

そうするとスペイン風邪と新型コロナウイルスが似ているとすれば、これに対しても日本人の死亡率は高くないかもしれない。




▲スペイン風邪の死者数



▲昆布の消費量

食物繊維と微量ミネラル


そもそも最近の腸内細菌フローラの重要性から見ると、昆布は、「フコイダン」(海藻のぬめり成分に含まれる天然成分)という海藻類の成分を出すまでもなく、それ自体が「水溶性食物繊維」として重要な成分だ。

自己免疫の暴走である「サイトカインストーム」を避けたいと思うのであれば重要な成分なのだ。
それだけで万全とは言えないだろう。

私たちの免疫機能には食物の微量ミネラルが重要で、それは農薬などで弱った植物ではなく、頑丈に育った植物の化学物質が重要だからだ。
それを(植物の)フィト・(化学物質)ケミカルで補うことが重要になる。

だから植物を摂ることは重要だが、頑強な野菜の持つ「フィトケミカル」を摂ることはさらに重要なのだ。

吉田俊道さんの野菜


世界では「食べる庭(エディブル・ガーデン)」が広がっているが、天然住宅では小さな庭でも「食べる庭」作りを実施している。しかも今回の新作映画「発酵の楽園」で取り上げられている吉田俊道さんが参加・監修して作った庭だ。そこで採れた野菜をおいしく食べさせてもらったことがある。

とても美味しくて感動すらした。
あんな美味い野菜を食べていて、その上さらに免疫力が上がるのだとしたら、少なくとも僕は他に何もいらない。ビールは欲しいとは思うが。

そう、この「発酵の楽園」という映画、ぜひ観てほしい。
これが免疫力の源だったのかもしれない。

▲吉田俊道さんとの土づくりワークショップの様子