youtubeチャンネル 「TANAKAYUinfo」より
『田中優宅 古民家から天然住宅仕様へ
基礎断熱・コンクリート・ソーラーウォーマー説明編 』
撮影日 2015.10.15 岡山 田中優宅にて
田中優宅に導入する新たな試みの断熱方法、ソーラーウォーマー、
セメント比で大きく決まるコンクリート寿命などについて説明しています。
☆内容☆
だいぶ住宅の方が進んできて、ここの床を見て欲しいんですが元のコンクリートの上に断熱材が塗ってあるんですね。普通、断熱材と言うと住宅の外側に塗ったり床の下に断熱材を入れたりしますが、この家ではそうではなくて、「基礎断熱」と言って、基礎(コンクリート)そのものに断熱材を塗っています。
それで内側に塗るだけではなくて、その後に今度はこちら側の外側にも基礎断熱の断熱材をここの上にも塗っていきます。
こちらの地域ではやっぱり左官屋さんがきちんと現役でいて、東京などでは左官屋さんは本当に仕事がなくてみんなバチンバチンタッカーで留めたり、ベニヤ板を貼ってそれで終わってしまうんですが、こっちの地域ではまだちゃんと左官屋さんがいるんですね。
その左官屋さんがこうやって塗って仕上げてくれていますが、その左官屋さんに話を聞いてみたらとっても面白いことがありました。
ここのコンクリートを見て欲しいんですが、このコンクリート、普通だと水セメント比で水が65%を入れられるんだけど、ここの場合には「50%」しか入れていないんです。50%以下の固練りしたコンクリートだと、コンクリート自体「300年」使えるようになる、ということで固練りして打ってありますが、何とあまりにも見事にツルツルに密にコンクリートを打ってあるので、最初に塗ろうとしたら普通のコンクリートならスルスルと塗れるのに、このコンクリートは滑ってしまって塗れないという事態が生じたそうです。
でももちろんこんな基礎断熱なんていう例はたぶん全国的にもほとんどないし、そしてその断熱材のためにこうやって「パーライトを含んだ鉱石」を塗り付けるという例もないと思います。
もちろんその業者さんの方はこんなのは初めてだと言っていて、そしてこんなに固く打ったコンクリートを見るのも初めてだとも言っていました。
おかげで今こうやって内側が断熱がされて、そしてこの後床のところに普通断熱材を入れるんですが、この家では床下には断熱材を入れません。何せ基礎が断熱してあるので、その必要がないからです。
そして、こうやってコンクリートで打ってしまうと、最初の1~2年はどうしてもコンクリートから湿気が出てくるので、その湿気がずっと上がってきてしまうのではないかと普通は心配します。もちろんぼくも心配しました。
そこでここに穴が空けてありまして、この穴は何かと言うと、「ソーラーウォーマー」というのをつけるための穴なんです。ここにソーラーウォーマーという窓ガラスみたいなのを置いて、それは外の電源は一切使いませんが、その中にはどんどん空気が温まってくると、そのソーラーウォーマーには太陽光発電パネルも少しだけついていて、そのパネルで発電をした電気でここからファンで温かい空気を送り込むんです。
それをすることによって床下暖房と同じことを実際にやってしまおう、そして床下で暖房をすると同時に乾燥した空気が入っていくわけなので、それによってコンクリートの湿度を抑えてしまおう、飛ばしてしまおう、ということで、ここにソーラーウォーマーが後から設置されることになっています。
そんな形で今作っていて、今度は外側のところに左官屋さんが断熱材を塗るんですが、これがあまりにもツルツルなので、今度塗る時には多少キズをつけてそのコンクリートの上にその左官屋さんがパーライトを含んだ鉱物を塗りやすくするつもりだと言っていました。
ですからこのコンクリートはかなり密に打たれていて、ぼくとしては人に見せたいコンクリートなんですが、残念ながら断熱材で囲まれてしまうので、外からは今後は見えなくなってしまうということになる予定です。
それが床についてのこだわりです。
https://www.youtube.com/watch?v=Rd6YyrXziO8
*** 2016.2.14 は
田中優宅「完成披露見学会」
~伝統工法で作る天然住宅仕様&オフグリッドミニマムハウス~ です!***