2013年12月29日

「電気は自給があたりまえ ~脱原発の新たな形~」 

メルマガ http://www.mag2.com/m/0000251633.html より

□◆ 田中 優 より ◇■□■□ 


『 電気は自給があたりまえ ~脱原発の新たな形~ 』



■ オフグリッド

 我が家が完全オフグリッドして半年経つ。
オフグリッド、つまり送電線網につながっていない。原発を止めると「江戸時代に戻るつもりか」「原始時代に戻りたいのか」なんて言われてきたが、特にチョンマゲをすることも、マンモスを追うこともなく普通に暮らしている。いや、たぶん普通の人より電化製品は多いだろう。なにせ晴れた日には電気がふんだんに余ってしまうので、使うのに苦労しているほどだ。おかげで電動草刈り機だの電動ノコギリだの、さまざまな電化製品に魅力を感じて買ってしまうのだ。

 一方で8月の終わりに台風が二連発でやってきたときには、ついに電気が足りなくなった。太陽光発電にバッテリーだから、長く天気が悪いと足りなくなる。発電機を用意していたけど、ど田舎とはいえ深夜に動かすのは気が引けて早寝していた。

 でも電気のない暮らしはつらいので、もうひとセット太陽光発電+バッテリーの仕組みを導入した。

 先に入れたのは世界一高性能で機能的なパーソナルエナジーだが、ぼくはこの性能ならと納得して買ったのだが、500万円の価格が「高い」と多くの人に言われた。

 

パーソナルエナジー





 しかし新たに導入したものは太陽光発電パネル2kw弱とバッテリー12kwhというもので、充電コントローラ、インバーターもろもろ入れて100万円+税だ。


 


 

 「どうだ!」と思ったのだが、意外と反応は少ない。もしかしたら多くの人が評論家か観客になってしまっているのではないかと心配になる。社会は動けば変わるが、動かなければ変わらないからだ。省エネ製品を使っていれば、この仕組みで十分電気をオフグリッドして暮らすことができる。

 安くできた大きな理由は太陽光発電パネルの値下げと鉛バッテリーの再生技術にある。
鉛バッテリーは寿命が短く、電極の金属にサビがついてしまうと寿命だった。ところが東北大の小澤氏が開発した「アクティベーター」という活性剤を加えることで、再生できてしまうのだ。すると環境負荷が大きいからと敬遠してきたバッテリーが、再生するごとに負荷が半減していく。価格はリチウムイオンバッテリーの約20分の1だ。

 そもそも日本の家庭の電気消費は少なく、さらに最近の省エネ家電を使えばこれで足りてしまうのだ。


■ 電気料金は国内でも違う
 我が家も最初は完全にオフグリッドしていなかった。万が一を考えて、電力会社の送電線につながっていたのだ。

 しかし縁が切れないのがなんとも悔しくて、ついに切ってしまった。しかし電気料金を計算してみると、中国・関西・四国電力は最低電気料金の仕組みがあって、300円/月程度の負担ですむから最低だけつないでいてもよかった。東京電力では最低でも1200円/月も取られるのだから。

 しかし東京電力には、「アンペア契約」がある。契約アンペア数を下げるごとに、毎月の基本料金が安くなるのだ。だから東電管内に住んでいるならアンペアダウンするのがいい。

 計算してみると、最も得になるのは省エネ家電を使うことだ。努力忍耐ではない。
もしフロンガス、代替フロンガスを使った古い冷蔵庫があるなら、最近の省エネ冷蔵庫に買い替えるといい。すると年に3万円程度電気料金が安くなり、わずか3年で元が取れる。廃棄のエネルギーを含めても、今後1年半以上使うなら今すぐ買い替えた方がいい。

 他の電化製品は、買い替え時期になったら省エネ製品を選ぶのがいい。
消費が多いのは冷蔵庫に続いて照明器具、テレビ、エアコン、暖房便座だが、それらもこの10年で半分以下まで省エネしている。だから買い換え時期はチャンスなのだ。それらを全部買い替えても合計で40万円程度ですむ。この40万円を何年で投資回収できか計算してみた。関西電力管内で5年、東京電力では3.9年だった。やはり省エネは最大の貢献をするのだ。

 では省エネ製品に太陽光発電キット、さらにバッテリーを増量して171.5万円かけて完全自給したらどうなるだろうか。関西電力で14.1年、東電で12.5年で投資回収できる。


電気スイッチを入れて切り替える
 しかし完全にオフグリッドするのは不安だ。万が一、雨がずっと続いたら電気が足りなくなってしまう。

 そこで省エネ製品40万円に自給キット100万円を足して、普段は自給していて足りない時だけ電力会社から電気を買う仕組みにしてはどうだろうか。

 それをするには「電気の三叉スイッチ」を入れればいい。
 普段は太陽光とバッテリーで自給し、万が一の時だけスイッチを切り替えて電力会社の電気を使う。こうすれば万が一電気が足りない時だけ電力会社を使えばいい。

 だいたい月に最低15kwh/月買えば十分だ。それで計算してみると、関西電力で11.9年東電で11.6で投資回収できる。これは意外な結果だった。関西電力の最低電気料金の方が安いのに、どうして東電の方が早く回収できてしまうのか。答えは東電の電気料金が高すぎるせいだった。自給を考えるべきなのは、電気料金の高い北海道電力や東京電力だったのだ。

 そうすれば、電力会社に大きな利益を与えずにすむ。もし値上げしてきたらバッテリーを増量して完全自給してしまえばいい。

 こうして自給率を高めていくと、電力会社はこれまでのように好き勝手な値上げができなくなる。東電の利益の91%は、わずか38%の消費しかしていない一般家庭や小さな商店などから取られ、電気の62%を消費している大会社からはわずか9%の利益しか得ていない。不都合なコストは家庭等に押しつけられているのだ。

 だから家庭が電気の自給率を上げれば、電力会社は儲けられなくなる。すると初めてコストを意識するだろう。するとコストの高い原発は進められなくなるのだ。

 ただし電気の自給が得になるには、少し時間がかかるだろう。それでも「たかが電気に命を賭けない」選択肢が生まれるのだ。電気の自給は家庭菜園に似ている。

自分で育てながら自給していくのだ。こんな形の脱原発の選択肢が生まれたのだ。

(問い合わせは「自エネ組HP」
http://jiene.net/ か
 私 
http://www.tanakayu.com/form/contact.html にどうぞ)

( 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。) 





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・パーソナルエナジー
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・魔法の粉でバッテリー再生
・太陽光発電自給キット
・どう入れるか~まず節電を
・一部オフグリッドから完全オフグリッドへ
・電気の自給を投資回収年数でイメージする



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元凶は電力会社?太陽光発電が増えてもCO2排出量は減らない日本の闇=田中優

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