2013年12月21日

『考え方は違っていい、信頼できる仲間なら』

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田中優の“持続する志”

優さんメルマガ 第284号
2013.12.13発行

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※このメルマガは転送転載、大歓迎です。
http://www.mag2.com/m/0000251633.html


2013/12/09発行
未来バンク事業組合ニュースレター No.77/2013年12月より
http://archive.mag2.com/0001300332/index.html



□◆ 田中 優 より ◇■□■□



『考え方は違っていい、信頼できる仲間なら』



■抜け駆けのラブレター

 よく人から聞かれることがあるので書いてみようと思う。「山本太郎さんのしたこと
についてどう思うか」と、「小泉純一郎氏の意見を本当だと思うか」というものだ。

 太郎ちゃんのことは選挙の前からよく知っていた。何度も同じ場にいたからだ。
彼は本当にまじめで、気づかいがあってよく勉強する好青年だ。それが政治家に向いて
いるのかどうかはわからない。

 しかしその彼が選挙に出てくれたこと、しかも当選してくれたことは本当にありがた
い。少なくとも国政の場で、放射能の危険性について話してくれるのはありがたい。
 このままでは「20ミリシーベルト/年までは大丈夫(原子力規制委員会)」なんて言
う日本でしか通用しないデタラメばかりになってしまうから、それだけでもありがたい
のだ。

 しかし天皇に手紙を渡したのはなんだか釈然としない。しかしそれは自民党議員たち
が騒ぐような「嫉妬」からではない。

 天皇という存在は、個人的には誠に気の毒な、法的に言うならば全く無力化しなけれ
ばならないものだからだ。戦前まで天皇は現人神であり、人々が従わなければならない
神格化された存在だった。一方で日本の神格化は、他国のように完璧な存在としての神
格化ではなく、「赤子」も同時に兼ねたものだった。人々は守らなければならない無垢
の存在として天皇を奉り、一方で大きな自然の象徴だった。単純化して言うならば、日
本人が感じる「自然=天」として存在していたのだ。

 しかし戦後、天皇は「人間宣言」した。ひとりの人間に戻ると同時に、「国家及び
日本国民統合の象徴」とされたのだ。しかし法制度上、天皇は政治的な行動は一切でき
ないものとされた。

 したがって、太郎ちゃんが渡した手紙は請願ではあり得ない。請願は政治的な力を持
つものに対して要請するもので、政治的な行動の一切できない天皇への請願はあり得な
いからだ。だから宮内庁が受け取るとなっているのであって、私的なお便りまでを宮内
庁で預かる権利はない。
 だから法的に追及される内容は存在しない。

 しかし一方で気になるのは、天皇に知ってもらおうと考えたこと自体の効果だ。それ
によって権威づけしようとしたか、理解してもらおうとしたのであれば、やはり不適切
だ。

 なぜなら再び天皇を神格化させかねないからだ。天皇を「ひとりの人間として」知
らせようとしたと考えたとしても、やはり同じだ。そこには「ちまたにありふれた人々
への手紙」とは違った位置づけがされているからだ。

 しかし自民党の国会議員たちの騒ぎはそんなところにあるのではない。彼らはいつも
天皇を政治的に利用しようとしている。「主権回復の日」に天皇を臨席させ、こともあ
ろうに「天皇陛下万歳」と叫んだ。それこそ憲法で禁じている天皇の政治利用だからだ。

 しかし彼らのロジックでは、それは格の高い首相レベルや叙勲を受けた人にだけ許さ
れるものというものだったのだろう。ところが一介の一年生議員が手紙を渡したのだか
ら内心穏やかでない。いわば大好きな彼女に、「抜け駆けしてラブレターを渡した後輩」
みたいな嫉妬心が彼らの心理の中心にあったのだと思う。

 ばかばかしいから国会議員の嫉妬をコメントする気にならなかった。


■「何を信じたらいいかわからない」?

 小泉元首相が脱原発を唱えたことについても、あれこれ詮索する論議があるが、素直
な意見として受けとめている。イラク戦争を推進したことも、中央アジアを歴訪してカ
ザフスタンのウラン買付契約を段取りしたことも知っている。
 しかしそれでも個人の意見として脱原発を主張することが許されないわけではない。
「だまされて利用される」と心配する人たちがいるが、そんなに他人を信奉する方が間
違っている。

 よく「今や何を信じたらいいのかわからない」という声を聞くが、宗教じゃないのだ
から、何も信じるべきではない。

 自分の判断を信じればいいだけのことだ。

 そこに働いている意識を考えると、やはりまた権威づけの意識がちらちらする。
 「元首相だから」という権威主義だ。別に元首相だから大事なのではない。飲み屋で
ぐだ巻く親父の意見と同等なのだ。

 しかし人は自分の影響力を利用するから、飲み屋でぐだ巻く親父よりは影響力が大き
いだけのことだ。それ以前に政治家の権力を大きく見積もりすぎているのではないか。

 そもそも普通の人なのだ。何かをよく理解して知っているわけではない。もちろん
議事に参加するのだから、ただの会社員よりは知っている。それだけのことだ。

 誰かの意見によって左右される人たちのほうが、よほど問題だ。
 大学の先生だから何でも知っているわけではないし、弁護士だからすべての法を
知っているわけではない。そしてその人たちもまた、ただのひとりの人間に過ぎない
のだ。

 ぼく自身最近気づいたのだが、〇〇士になろうとすることは、テーブルになりたい、
椅子になりたいということと変わりがないのだ。たとえば「公認会計士」になったか
らといって、人間が変わるわけではない。職業のひとつに過ぎない。

 では何になりたいかと言えば、結局のところ「理想とする自分自身」を目指してい
るに過ぎないのだ。そこから見ると、〇〇士というのはテーブルや椅子になりたいと
言っているのと変わりがないだろう。

 だから単純に味方が増えたと喜べばいいだろう。そこに過度の期待をするから
「だまされるのではないか」と悩むことになるのだ。


■思想より信頼を

 そうしてみると、権威が嫌いなぼくは変わり者で、多くの人の期待に沿えないことに
なる。実際、今しているあるプロジェクトの代表は、通常なら大学の学長か学部長の座る
ポストだそうだ。しかし自分としてはそんなことはどうでもいいし、人に言いたくもない。

 ぼくはぼくであればいいだけなのだから。

 ある原発推進の提灯持ちが、ぼくのことを「夜間大学を卒業した人をバカにするつもり
はないが、田中優は夜間大学しか出ていない」とツイートしていた。しかしその人は調べ
が足りない。ぼくは夜間大学の前に、高校すら卒業できていないのだ。

 しかし、そんな「中傷」らしきものが効果があるらしい。あるところでは「田中優は
査読つき論文の意味がわかっていない」と書かれた。しかし残念ながら、査読つき論文も
出している。世界中で30人程度しか読まないであろう学術論文など、書く意味がないと感
じているから、たくさん書こうとは思わないのだ。しかしそれもまた効果的な「中傷」な
のだろう。

これが効果があるということは、そして太郎ちゃんや小泉元首相の話がこれだけ流布さ
れるところをみると、人々は内容ではなく権威を信じようとしているのだろう。

 このことが情けない。

 人は「自分の理想とする自分」に近づけばいいだけなのに、かけ離れた権威に憧れて、
ただの椅子やテーブルを崇拝する。なんと馬鹿げた人生なのだろう。

 何がしたくて生まれてきたのか、どんな人になりたかったのか、すべてを見失ってし
まっている。
 未来バンクのメンバーたちは、考えてみると不思議なくらいそうした権威主義とは無縁
の人たちだ。だから未来バンクを崇拝しないし、必要なら解散させることも、他の人に
代わってもらうことも躊躇していない。

 ただ信頼だけは裏切らない。それだけのことだ。

 その昔、学生運動が華々しかった時代があった。その頃の人たちは「思想が同じなの
だから連帯しよう」と言って散々に分裂していった。

 逆ではないか。そもそも思想が同じになるなんて気持ちが悪い。
人は人それぞれであればいいのだ。そうではなく、信頼できるから連帯するのではないか。

 意見はそれぞれあっていい。しかし信頼し合えるならそれでいいと思う。
 そうした連帯の下、未来バンクの運営を続けていきたいと思う。


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