2009年1月4日

田中 優より  

あけましておめでとうございます。
新年第一号のメルマガ「田中優の持続する志」より、
新年のご挨拶をご紹介します。

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あけましておめでとうございます。
田中 優です。

 仕事を辞めてから、初めてのお正月です。しかし全然暇にはなりませんでしたね。

 今年は何をしようかと思うわけですが、まずは何より天然住宅の仕組みを順調なものにしたいです。そのためには多くの人に知らせられることからですね。

 次に実現したいのは、「可能性」という夢のタネを多くの人に届けたいですね。ぼく自身もよく絶望感に打ちひしがれるんですよ。「こうなったらこうなる・・・」と、すぐに先まで考えてしまう性格ですから。

 でもそこから、逆手に取った仕組みを考えるんです。さらにそれが成り立つかどうか、データを集めだすんです。そうすると、多くはないけど可能性は見出せる。可能性を見出すことが、今の時代にとても重要だと思うんです。

 今回は新年早々、暗い絶望的な話題から始まって申し訳ないんだけど、これも現実です。みんなで追い詰めて、逆手にとって新たな社会を作っていきましょう!!




「いないいない病」


ミツバチ失踪事件

 昨年こんな事件があった。「全米でミツバチ突然消える、被害20州超える」というものだ。「全米各地で、ミツバチの巣から女王バチを除く大半のハチが突然消える異常現象の報告が相次いでいる。ミツバチの「いないいない病」と命名された異常現象は昨秋以降、東海岸から西海岸へと広がり、被害地域は20州を超えた。原因は分かっておらず、ミツバチに授粉を頼るアーモンドやリンゴなどの収穫にも影響が出るのではないかと心配されている。昨秋にペンシルベニア、ジョージア、フロリダの3州で発生した後、全米に拡大した。民間調査会社ビー・アラート・テクノロジーによると、2008年2月13日現在、確認された被害地域は22州にのぼる。その後、ワシントンなど2州からも報告が寄せられているといい、被害の拡大が続いているとみられる」と。

 この事件はアメリカだけではない。日本でもたくさんの被害が出ている。ぼくが四国の山間部に訪ねていったときも、このごろ急にミツバチが減ったので、キウイの受粉を手でしてやらないと実をつけないと聞いた。

 しかし不思議なのはそこから先だ。受粉しなければ植物は実をつけることがない。すると作物の大半が作れなくなるのではないか、という深刻な問題であるというのに、なぜか多くのメディアが取り上げようとしていないのだ。

 原因については、「はっきりは分からないが、感染性の病気でハチが大量死しているのではないか」と言う。ミツバチを連れてアーモンドの授粉を請け負う業者の移動経路が、今回の「いないいない病」の拡大経路と重なることが根拠だ。一方で、農薬をはじめとする化学物質の影響も指摘されている」というものだ。それ以外に「電磁波」の被害とするものや、働かせすぎた結果とする「過労説」まであった。


ネオニコチノイド

 しかし、先日船瀬俊介さんと対談したときに、ぼくの質問に対して船瀬さんが自分の著書を出して教えてくれた。「悪魔の農薬、ネオニコチノイド」という本だ。確かにインターネットで調べたときに、「巣箱にあった花粉を調べたところ、予想を上回る50近い数の農薬が発見される。なかでも、ネオニコチノイド系の殺虫剤は害虫を駆除する力がきわめて強く、大規模農園の効率的な生産には役立つものの、一方ではミツバチの神経を破壊して方向感覚を狂わせ、巣に戻れなくさせる可能性をもつ劇薬だった」とは書かれていた。だからそれが免疫力を下げて、他の感染症を招いたのだろうと考えていた。つまりネオニコチノイドは、原因のワンノブゼムだと考えていたのだ。しかしそんな甘いものではなかった。

 ネオニコチノイドは、これまで使われてきた「スミチオン」のような有機リン系の農薬が効かなくなり、さらに人体への害が知られることになって現れたものだ。有機リン系の農薬に虫が耐性を持つようになり、いくら撒いても効果が出なくなったのだ。しかも有機リン系の農薬は神経毒性があり、うつや記憶力・知力の低下、言葉が話せなくなる統合失調症になるなどの被害が現れる。これをマツクイムシに効かそうと、じゃんじゃん飛行機から空中散布していたのだ。進化の発展途上にある生物は、こうした環境の変化に対して敏感に反応できる。その結果、農薬が効かなくなったのだ。しかし人間のように進化がかなり進んでしまっていて、しかも世代交代にかかる時間が虫よりずっと長い生物では対応できない。つまり農薬は、短期的に虫を殺せるが、長期的には続かない。長期的には世代交代までの時間の長い、人間などを効果的に殺傷できる薬品なのだ。

 有機リン系農薬の次に進められたのが、このネオニコチノイドだった。ほとんど立証できる証拠はないのに「低毒性」を謳い、水溶性で持続性がある。タネを薬に漬けておけば、その後も害虫が殺せる、地面そのものから殺虫効果が持続するというものだ。しかも無味・無臭・無色であるために、ミツバチは有機リン系農薬のときのように、避けることができなくなった。ミツバチはそれを巣の中に持ち込んでしまい、他のミツバチも汚染される。翌朝飛び立つことはできたものの、神経毒性のために巣に戻ることができなくなるのだ。研究は数少ないが、「心電図に著しい不整脈を示す患者が急増、人間の行動を抑制する神経に悪影響を与える可能性」が指摘されている。要はキレる形の神経毒性があるのだ。

 多くの公害病と同じように、この被害とネオニコチノイドとの因果関係を立証することは困難だ。しかしこの散布とミツバチ被害との間には蓋然性(がいぜんせい=密接な関係性のこと)がある。フランスでは裁判所が認定し、ネオニコチノイドを使用禁止にしている。こうなるとはっきりしてくるのが農薬メーカーの圧力だ。これほど深刻なレベルの問題だというのに知らされないのは、最初に製造したドイツのバイエル社(商品名アドマイヤー)の圧力と、その後すべての農薬会社が作った既存農薬とネオニコチノイドとのカクテルが、その大きな収益源となっているためだろう。


「絶望」を逆手に取る

 ミツバチが死ねば、植物は実をつけない。一年草であれば翌年にはこの世から消える。人にも大きな被害が出るが、それを除いても破滅的だ。生物のピラミッドの一番下で光合成する植物を滅ぼすのだから。今すぐにネオニコチノイドは禁止すべきだ。農薬に頼るのではなく、時間と労力がかかっても自然の知恵を生かすべきだ。そうでないと生物は滅びてしまうのだから。

 しかし農薬で食べている人たちは「たいしたことはない」と繰り返す。しかし誰もが気づいているのではないか? これを繰り返していたら、利潤のために人は滅びてしまうと。そんな未来に対抗したい。こんなプランはどうだろうか。

 ミツバチは農薬に対する指標生物だ。だからミツバチが存在していられた場所は有機作物の認定ができる。敵対して皆殺しにしてきた生物種を逆に、有機認定の程度として活用するのだ。もちろん一種類が大量に発生すれば作物は収穫できない。だから多種多様な生物種が少量ずつ生存していることが、その畑の健全さの指標になる。

 日本では日本ミツバチを利用した養蜂家が、日本各地を回って蜜を集めてきた。その彼らは農家と直接の利害関係はない。その彼らに認定させることで、今よりはるかに簡単な有機農家の認定ができはしないだろうか。カナリヤが鉱山の指標なら、ミツバチは農業の指標だ。その次に倒れるのは人間なのだ。

 今、国内でも大量のネオニコチノイドが使われている。中国でも同様だ。アメリカの22州を襲いながら知られてこなかったのは、「企業にやさしい」ブッシュ政策のせいでもある。まずはこの話、本当かどうかから調べてみてほしい。