2019年2月6日

『新バンクを作る意味を 』  

いよいよ2019年2月、新生未来バンクの誕生です! 

未来バンク事業組合ニュースレター No.97/2019年1月 より
 
『新バンクを作る意味を 』
 
  未来バンク事業組合 理事長  田中 優


今年、新生「未来バンク」という新しいNPOバンクが誕生する。

これまでの「未来バンク事業組合」が「天然住宅バンク」と合併し、若いメンバーが中心の「天然住宅バンク」が新たに運営をしていくのだ。私は両方のバンクの代表をしているが、今後は新生「未来バンク」だけに移る。これだけだとまるで変わらないが、要は「いいところ取り」をめざしたのだ。

これまで信頼を作ってきた「未来バンク事業組合」を引き継ぎながら新しい血を「天然住宅バンク」から受け継ぐのだ。個人的なことだが去年、人生二回目の脳出血をして入院した。出血したのは文字通り「頭に血が上った」せいだった。検査してもらうと、頭の中には何度かの出血痕があった。自分なりに思い起こしてみると、腹を立ててカッとしたときに出血していたようなのだ。
 

以来、きちんと毎日血圧を下げる薬を飲み、いわゆる「頭にくる」のが危険だと気がついてそんな事態にはならないようにした。不誠実な人間には合わないこととし、信頼できない人とは極力つきあわないことにした。命取りになりかねないからだ。
 

私はものすごく短気だ。この性格は治りそうもない。不誠実な対応をする人に会うといきなり「カッ」とする。これはどうにも治りそうにない。今更治そうと思ってもいないのも事実だ。ならばそうなるような場面にいないことが大事だ。だからそんな「不誠実」と思う人とは縁を切り会わないようにした。信頼できる人たちの間で生き続けるのなら、生きつづけることも無理ではないからだ。
 

これは個人的体験と事情による変化だが、もう少し一般化して言おう。自ら活動するときには「信頼できる人」だけと行なうことが大事だと思う。信頼できないと気づいたらすぐさま縁を切る勇気が重要だと思う。そして翻って自らの行動原理に戻れば、絶対に裏切らない信頼を得ることが必要だと思う。

もちろん信頼はカネにならないし、カネを大事に考える人たちは裏切ることが多い。となるとカネに左右されない代わり、カネと縁が薄い人になる可能性が高くなる。とすれば逆に、最初からカネに左右されない暮らしをしておくのがリスクヘッジになる。そうした暮らしをめざしてほとんどを自給できる暮らしに近づけている。

新生「未来バンク」では信頼できる関係の中で進めたい。


それでは新年に当たって、これからをどうするか考えた。そのひとつは今の土地で新たに家を建てようとするときに役立つ融資制度を作りたいと思っていることだ。もちろん第一にその人個人の信用だが、住宅取得を補えるような融資の仕組みを準備したい。


例えば「フラット35」というローンを利用する仕組みで、都会にそのまま住み続けるより有利になる仕組みを作れないだろうか。長く住むことが有利になるような住宅とローンが作れたらいい。その仕組みの中に、その人が信頼を長年得たことが有利になる仕組みを入れられないだろうか。
 

金融は無機質な仕組みなのではなく、もっと有機的で人間的なものであっていいのではないかと思う。返済されない時に悩まされたり手間が掛かったりすることを考えると、そんな心配のないつながりから融資制度を活かせないかと思うのだ。
 

長年やってきた私が発言するよりも若い人たちの芽を伸ばしたい。幸い私の子どもたちは親の私が言うのもなんだが、信頼できる親切な子ども達に育った。三人ともそれぞれの役割を活かして天然住宅バンクを支えるメンバーになってくれた。長男は非営利の住宅建設をする天然住宅のスタッフに、二男は弁護士としてこうした活動を支える役割を、三男はこうした活動を映像にするドキュメンタリー監督をし始めた。


私は少し手が空く立場になった分、新たな分野を開拓する以上に考えを深化させていきたい。もっと深堀りして、役立つ仕組みを考えたい。もっと有機的で、簡潔な仕組みがあるのではないか。それを試行錯誤していきたい。


※PDF版は次のURLから御覧頂けます。

https://drive.google.com/file/d/1w4PvXX568bFjMgW25s1rCQRwRBAN7_PN/view?usp=sharing



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『 新生未来バンクの未来を祝福する 』
です!

1994年に未来バンクが誕生した経緯、その理由やこれからのことなど、代表の田中優がお伝えします!


(本文より)

「それは金融機関に留まらない。要は預金者自身の態度の反映なのだ。
日本で非常に人気のある貯金先に郵便貯金がある。それが何に融資され、どんな事態を引き起こしているのかを問題にしたのが 「どうして郵貯がいけないの」(北斗出版 絶版)だった。日本が戦争を続けたり、世界中でダムを造ったりして環境破壊ができたのは、人々が郵便貯金にお金を預け続けた結果だった。 」



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