2016年5月13日

ライヴ・アースまつやま2015 田中優トーク<エネルギー編>文字起こし

2016.5.12発行田中優無料メルマガより 

昨年2015年5月17日に愛媛・松山市で行われた「ライヴ・アースまつやま 2015」での
田中優トーク<エネルギー編>の文字おこしです。



今年もこのライヴ・アースまつやまで2回トークをさせて頂きます。
今回はどんなお話になるのか、お楽しみにしていてくださいね。
http://tanakayu.blogspot.jp/2016/05/120.html



何と120ブースが出店!

オーガニックな食べ物や飲み物、雑貨やヨガ、子どもの遊び場などもあります。
http://liveearth-matsuyama.com/booth

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皆さまのお越しをお待ちしております!
田中優も出店ブースを周ります。見つけたら、お気軽に声をかけてください♪ 

<開催日> 2016.5.15(日)

<会場> 城山公園ふれあい交流広場(愛媛県松山市)

<ARTIST 2016タイムテーブル>
http://liveearth-matsuyama.com/artist/time-table

10:00 OPEN
10:30 ヨガ
11:00 cowbells
12:00 トークゲスト 田中優
12:30 DEWACHEN
14:10 GOMA & THE JUNGLERHYTHM SECTION
15:10 三宅洋平
16:10 トークゲスト 田中優
17:00 UA


□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■

2013年、独立電源システムパーソナルエナジーと太陽光パネルを導入して、中国電力との電線をカットしました。我が家の電気のメーターがなくなってみると、今まで言われてましたよね、「原発がなくなったら電気は足らない」「江戸時代の暮らしがしたいのか」とか、「原始時代の暮らしに戻りたいのか」とか。

ところがぼくは見ての通りちょん髷を結っているわけでもないし、マンモスを追いかけて暮らしいるわけでもない。普通の暮らし、皆さんが持っているような家電製品はだいたい揃っている家で、普通に暮らすことができるわけです。

そしてぼくにはもう一つ、やっぱり普通の人としてやっていきたいので、「努力忍耐に頼らないこと」、そして「ケチケチした暮らしにしないこと」にしたんです。これが実現できています。そうなってみると、「何で命がけでなければ電気を作れないと思い込んでいたんだろう」と思うわけですね。

そしてすでに原発が日本の中で止まって600日、原発は現に動いていません。現に動いていないのに、もう2年近く原発が止まっているのに、原発がなければ暮らせないと思っている人たちは、この600日間どうやって生き延びたのか?現に暮らせているじゃないですか。そしてさらに確実な解決策があります。

電気というのは貯められないという欠点がある。大量には貯められないんです。そのために今使う電気は、今発電した電気なんです。貯められないのだから最大電力消費の時のために発電所を作ります。

ところがその最大電力消費って、1年間にいったい何時間出ると思います?1年て24時間×365日で8,760時間あります。日本の三分の一の電気を使う東京電力で、消費が多かった事故前の2010年のデータでも、最大電力消費5,900万キロワットから6,000万キロワットに達したピークは、わずか5時間でした。東京電力の消費量は四国電力の約10倍ですね。それでも最大消費に達したのは5時間だけだったんです。

8,760分の5だけしか、電気ってひっ迫しないんです。よく「嘘つき」の人を「センミツ」と言いますね。「千に三つしか本当のことを言わない」と。それよりずっと少ないんです。ではいつひっ迫したのかとグラフを描いて調べてみると、ピークが出るときは決まっていました。『夏場の平日の昼間、午後1時から3時にかけて、最高気温を記録する時』だけなんです。これだけ条件が揃わないとピークは出ないんですよ。


ということはその日の最高気温が記録的な日ですから、あらかじめわかるわけです。ピークの日には「午後1時から3時」にピークがくるんですから、午前中工場を動かしてもらえばいいし、もしくは3時以降に工場を動かしてもらえばいい、「とにかく1時から3時だけちょっとずらしてよ」というだけのことで足りますね。

それを世界はとっくにやっています。日本の中でもやった事例があるんです。北九州市の「八幡東区」というところです。そこは九州電力の電気を買っていないんです。もともと国営企業だった「八幡製鉄」、今は名前が変わって「新日鉄」、その新日鉄という会社が電気を供給しているエリアなんです。そこでは九州電力の電気を買わずに、なるべく自分たちで作った自然エネルギーだけで賄っていきたいと進めていったんです。

しかしどうしてもピークの時だけポーンと電気の消費が増えるかもしれない。そのときは九州電力から買わなくちゃならない。ところがピークの時だけ電気を買おうとすると、九州電力はとても高い値段を言ってくるんですよ。買うのが嫌なので、どうしようかと考えました。


そこで、電気の値段を5段階に分けたんです。電気の消費量が増える時間帯になると電気の単価が徐々に上がっていって、一番高くなるときは普段16円の電気が160円まで上がるんです。10倍値段が上がります。そしたらどうなったと思いますか?

その地域の電気消費のピークは、26.4%落ちたんです。原発事故が起こる前、日本の原子力発電の比率は全体の20%でした。その20%しか原子力がないんだけど、26.4%ピークを下げられたら、原発要らないじゃないですか。

そして面白いことに東京電力のエリアは日本の3分の1の電気を消費しているんですが、そこのエリアでどんどん省エネが進んでしまって、2015年では、2010年の事故前と比べて15%も消費が減っているんです。もっと下げることできます。

どうやったら下げられるかと言うと、皆さんの家の電気料金って、使えば使うほど値段が高くなっていくようにできているんです。だから皆さん夏になると一生懸命節電する。何で節電するかと言うと、すごく家計に響くんです。使えば使うほど高くなっていくから。

それに対して、事業系の電気料金は家庭よりもはるかに安いくせに、「使えば使うほど安くなる」仕組みなんです。そのせいもあって、日本全体の3分の2は事業系の電気消費なんです。例えば役所でも、デパートでも大学でも、省エネしても得にならない状態なんです。節電したって料金は使えば使うほど安くなるんで得にならないからです。省エネ製品に投資しても元がとれないんです。なら、なるべく使った方がいいと。

これを改めさせればいい。大きな事業所の電気料金を私たち家庭と同じように、「使えば使うほど高くなる」仕組みにしたとしたら、どれくらい減るだろうか?それをざっと考えてみると、少なくとも4分の1は減らせます。先ほどの北九州市八幡東区の例では、ピークは26.4%下げられているのですから。その量は、どんな時でも十分原発をなくすことが可能です。だから原発とか発電所側から考えなくても、電気消費者の側からコントロールすれば減らすことができるんです。


そしてこれを「デマンドサイドマネージメント」、日本では「デマンドレスポンス」と呼んでいます。アメリカのカリフォルニアにある「スマッド」という電力会社はとても素敵なことをしてくれています。一般家庭の家で一番電気消費が多いのは冷蔵庫です。その冷蔵庫を省エネ冷蔵庫に買い替えて、その領収書を持って電力会社に行くと、電力会社が3万円くれます。自宅の白熱球を持っていって、「これを省エネ電球に替えたいんだけど」と持っていくと、何とその場でただで取り替えてくれます。つまり電力会社がそれだけお金を出してくれるんです。何て気前のいい電力会社だろうと思いかねないんですが、実はこれ、経済合理性があるからやっているんです。


原発1基増やさなくちゃいけない、みんなの電気消費が増えちゃってもう1基増やさなくちゃいけない。この時普通なら5000億円かかります。だったら、4000億円をみんなに配って省エネ製品にして発電所を建てずに済むようにした方が1000億円得になりますよね? つまり新たに発電所を造るよりも、発電所を要らなくなる方にお金を投じた方が経済的に得になるんです。これを「デマンドサイドマネージメ
ント」と言います。これ、海外では普通にする方法です。日本でだけやっていないんです。


日本がもしこのデマンドサイドマネージメントをやったら、もちろん電気消費が激減します。すると発電所は建てる必要がなくなります。それなのに我々はテレビ新聞で教わった通り「いや、原発がないと困るんだ」と言い続けるんですかね?もう原発止めてから600日経っているんですよ。だから原発がなくたって困りません。

さらに原発には固有の危険性がありますね。その固有の危険性でいうと、日本は1年中西風が吹いている「偏西風地帯」なので、西側の風上に原発を置くと危険なんですね。

じゃあこの松山の西側には何がありますか? 伊方原発があるじゃないですか。伊方原発はここの地域にとって、最も危険な位置に立っています。しかもそこは残念ながら日本を横切っていく中央構造線のすぐそばに建っています。ほとんど中央構造線の上に乗っていまして、その中央構造線の長さ、断層の長さと震度は比例するんです。これ1000キロ以上あるんですよ。1000キロの断層が一気に動いたらどうなるの? ものすごい地震になるんです。


そのために何と伊方原発は54kmの断層しか動かない、小さな規模の地震しか起こらないって想定しているんです。1000キロあるんですよ本当は。それなのに54kmのエリアでしか地震は起こらないことにしてある。そしてもう一つ心配な問題がありますね、要は東南海地震、特にこちらでは南海トラフ地震ですが、この南海地震はちゃんと周期ごとに起こっていますね。東海、東南海、南海は連続して地震が起こ
るわけですが、これが起こってしまうとどうなるか?
東日本大震災が起こった時、実は他の原発もみんな事故寸前でした。例えば女川原発という宮城県にある原発、これは何と地下で火災が起こった。緊急用の電源も水没した。そういう事態に見舞われてギリギリでした。

そしてまた青森県の東通原発これもまた事故寸前でした。福島第二原発、ここはみんなで1トンの電線を一生懸命肩で担いで運んでそれでやっと事故をおさえられた。東海原発なんてもっとひどくて、東海原発は津波が起こる可能性があるからということで一生懸命防波堤を作ったんですよ。防波堤ができて1週間後です、地震があったのは。もし、その防波堤ができていなかったらすでに沈んでいました。
だから原発の事故の時には他の原発も危ないんです。


そしてもう一つ、みんな他の発電所も、冷却水をとるために海沿いに立っているんですよ。じゃあ東京電力の電気はどうなっていたの?実は東日本大震災の時、原発以外の発電所もみんな水没して動かなくなったんです。

じゃあ四国どうなるの? 四国の場合に他のところから電気を持って来れればいいですけど、ところが他の地域も南海トラフ地震で影響を受けますね。そして火力発電所もみんな水没していきますね、そうすると電気がこなくなっちゃうということが、真面目に考えられるわけです。それが送電線がつながっていれば大丈夫だよと言いますが、いや送電線以前に、西日本一帯の発電所が使えなくなればダメなわ
けで、そのときに伊方原発が電気を必要としてもダメなんです。


その伊方原発を動かすというのはぼくは本当にバカげたことだと思っています。
だからそれはもうやめましょうよ。そんな伊方原発に頼って電気を作るんじゃなくて、もっとみんなが自由になれる形になっていった方がいいんじゃないかと思います。


そしてもし自宅で賄える人は自宅でオフグリッドして自分の家で電気をまかなうようにしちゃえばいい。そしてそれ以外のこともどんどんやっていくことができます。

ぼくの家はまず太陽光発電で送電線をちょん切っちゃったあとですね、うーんそうなってみると水道管ってジャマだよなと思って庭を探したら井戸が敷地内にあったので、復活させて水道を切っちゃいました。

そしてそうなってみるとNTTの回線が邪魔な気がしたんですね。NTTの回線これ何とかならないかなと。我が家はほとんどインターネットを利用して、しかも携帯電話を使っているので固定電話の必要がほとんどなかったんです。じゃあこれも変えちゃえということで無線に替えちゃいました。だから我が家今ちょうど改築中なんですが、その改築したあとは電線は1本も繋がらなくなります。水道管もつながり
ません。そして我が家の暖房器具はペレットストーブ、木材カスをきゅっと固めたものを燃料にして暮らしています。そうすると近所に山がいっぱいあると、製材カスが必ず出るわけですね。それを固めてペレットストーブの燃料にしているので、我が家は灯油を1滴も買っていないんですよ。


この次にぼくが入れたいのが電気自動車です。今日みたいな晴れの日に電気が生まれて余っちゃうんです。使い切れないんです。それがもったいなくて我が家では電動草刈機を買ってきたり、電動のこぎりを買ってみたり、電動と聞くと何でも買いたくなってしまうのが今の性質ですが、あり余るんですね。そのあり余った電気を、今度は電気自動車のバッテリーにプールしたい。そうできるようになったら、
もしフル充電しちゃったらドライブに出かければいいですよね。だから毎日晴れちゃったら否が応でも毎日ドライブに行っちゃう、みたいな暮らしにしちゃうのが面白いなと思います。


そうやっていくともう一ついいことがありました。お金がほとんど要らなくなるんです。我が家の場合近所の人たちがみんな有機無農薬で野菜を作っていて、その人たちが我が家に野菜を届けてくれるんですよ。なのでさらにお金が要らなくなってきたんですね。


今、世界の中では貧富の差ががんがん広がっていて、このままじゃ取り返しのつかない状態になると思うけど、だけど貧しいんだったら貧しい側の人たちが今度は別の生き方をしてしまえばいいじゃないか、我が家の場合は生活費が月に10万円あれば足りちゃうんです。子どもの保育料も含めても。そうすると年間120万円で足りちゃう。

だったらぼく自身は、無理にお金を稼がなくてもいいですね。そうするとブラック企業に勤めなくてもいいですね。しかも10万円くらい月に稼ぐと考えると原稿料くらいで何とかなっちゃいますね。そうするとぼくは原稿さえ書けば何とか生きていけるという暮らしになるわけですね。そんな暮らしができるようになったら、みんなもっと自由になれるでしょう?もっと我々自由になるためには、お金に頼っていた部分を、お金がなくても暮らせるような暮らしに切り替えていくことが重要だと思うんです。


そしていくら自給すると言っても閉じこもることにはなりません。地域の人たちと一緒に作っていくというのが一番大事なところで、色んな人たちと一緒に、お互いの能力を出し合って、補い合って進めていくというのが一番いいと思います。ジグソーパズルのピースみたいなものです。人には得意なこと苦手なところがあって、それをうまく組み合わせると全体の絵が作れるわけですね。その時に一番邪魔な人は、何でも一人でやっちゃう人、何でもできるスーパーマンみたいな人です。そういう人はリーダーにならないで欲しい。

色んな人たちがちょっとずつ関わることで全体ができていく、こういう社会にしたら、この世に無駄な人なんていないし無駄なものなんて何ひとつなくなります。そういう社会を目指して行った方が楽しいんじゃないかと思うんですね。


この間、農業のことを調べていて、ついでに生き物の進化の歴史を見てみたんですね。そうしたら面白いことに気づきました。進化論の中では、よく競争に敗北して滅びた生物っていう言い方しますね、この世にそんな生物はいないんです。この世には人間に滅ぼされた動物はたくさんいるけど、それ以外にお互いに敵対して滅んだなんて生物はいないんです。どうするかというと、みんな棲み分けるんですよ、ぼくはここがいい、じゃぼくはこっちと。

そして我々の体は60兆の細胞からできていますが、その細胞核の中に「ミトコンドリア」って入っていますね。このミトコンドリアってなんと別の生き物だったんですよ。大昔に、細胞と細胞が融合して2つの生き物が1つの生き物になっちゃったんです。だから面白いことに我々のDNAとミトコンドリアのDNAって別なんですよ。

ミトコンドリアのDNAを追いかけていくと、これは母からしか遺伝していかないので、最初の母というのを探すことができます。その最初の母、ラッキーマザーというのは、アフリカにいたというのが現在わかっています。しかも大腸菌やら善玉菌の乳酸菌やら、体の細胞よりも多いほどの微生物が体に住み着いていて共生しているんです。だから我々の体すら生き物が共有して共存して生きていこうというのに、その私たちがなにかの教義みたいに「弱肉強食」だという。

そんなことないですよ。弱者が全部強者に食われていたら、強者はとっくに食べるものがなくて滅びています。だから生物の歴史はみんな「共存の歴史」なんです。その共存の歴史にもう一度戻ることができたとしたら、私たちの未来は明るくなると思います。


そして生活の中のなにか1つでいいから入れてみてください。太陽温水器、発電じゃなくて温水器、あれ値段の割には非常に効率が良いので、例えば太陽温水器を入れてみて下さい。そうするとガス代が半値に下がります。だいたい3年ほどで元がとれちゃいます。そうすると、もっと他のこともやってみたいと考えるようになる。

そうやって次にこれを入れたらどう変わるのかって進めていったら、未来にワクワクしていくことができるんですよ。未来にワクワクしながら次の時代を構想する。そしてその構想した未来に向けて、どう自分たちが進んでいくのかということを考えたら、もっと楽しい暮らしにしていくことができると思います。

ワクワク感から動く人が出てくると、これは周りの人に伝播します。え、そんなことができるの?それだったらぼくもちょっとやってみようかなと。それによって次の未来を作ることができるとしたら、それが最高の未来を作ることになると思います。

ですからみんなでワクワクしながら次の未来を作っていきましょう。


2015年5月17日 ライヴ・アースまつやま 2015 にて 

(書き起こしにあたっては、読みやすくするために必要最低限の編集を行っています。 
文章作成:田中優スタッフ)


★田中優トークの途中からのツイキャス動画が、こちらでご覧頂けます★
http://twitcasting.tv/togura04/movie/169285715
togura04(小倉 正)さん配信をありがとうございました!

「想定外」の危険な災害

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