2018年4月18日

「ホームバイオガス」

田中優が共同代表を務めます非営利の住宅会社「天然住宅」のHPでは、田中優のコラム「住まいと森のコラム」を配信中です。

「森を守って健康で長持ちする」住宅や森の再生へのヒントなどがたくさん入っています。

 ガスの自給・・良い情報があれば教えてください!

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□◆ 田中 優 より ◇■□   天然住宅コラム 

 

『 ホームバイオガス 』


■ホームバイオガス

 先日知ったのだが、イスラエルに拠点を置く会社が「ホームバイオガス」を開発したそうだ。食品廃棄物や有機廃棄物をクリーンな調理用ガスに変換するバイオガスシステムで、ガス生成過程で生じる副産物は液体肥料(液肥)として使えるものだ。



写真はgreenzより

 その仕組みも組み立ても簡単で、家庭の裏庭に設置できる。期間限定価格995ドル、日本円にして10万円ほどの価格だ。電気も不要で1日に約3時間の調理に使えるガスを作り出し、電気に直すと約6キロワット時のエネルギーを作り出すそうだ。しかしどの程度の有機物を使っての話なのかは不明、家庭内で大きな量を占めるであろう糞尿は使わないもののようだ。


■自立するために

 西欧の考え方では糞尿というものはかなり汚い物という認識なので、使わないのかもしれない。しかし使えればトイレの汚水を流す必要もなくなるから、かなり役立つことになる。そして肝心な有機物投入量が知りたい。膨大に必要なのでは、日本のように食料廃棄物が多くない国では足りなくなるかもしれない。それを考えると、やっぱり国産のものがほしい。

 我が家がオフグリッドにしていることはさんざん伝えた。電気も水も自給、温水は太陽温水器、暖房はペレットストーブ、電話もインターネットも無線だからつながるものがないと。

 しかしそれでも必要なのがプロパンガスだ。お湯の温度が低い時や煮炊きには、どうしてもガスが必要になってしまうのだ。これが解消されれば、まるで離れ小島に暮らしているみたいに自給可能になれる。別に孤立して生きたいわけじゃない。ただ自立して生きられる部分を広げたいのだ。それができるかもしれないと思うと、冷静ではいられなくなる事態なのだ、はぁはぁ。


■メタンガスの可能性

 もともと有機物を空気に触れないところで分解させるとメタンガスができる。メタンガスは別名「都市ガス」だから、熱利用することは可能なのだ。メタン発酵させるには60℃程度の温度が最適だから、日本では寒すぎるかもしれない。でも6キロワット相当のガスなら、貯めておけば加熱にも使えそうだ。第一、太陽光に適さない冬場の日本海側で使えたら、冬も発電してさらに余熱で暖房ができるかもしれないのだ。

 こんなふうにしてライフラインを自分で持つことができるようになったら、私たちの生き方は相当自由なものになれそうに思う。誰か日本で作ってくれないかな。そう思っていたら株式会社アミタホールディング社会長の熊野さんが我が家に訪ねてきてくれた。アミタ社はバイオガスを実現している。「なんとか小さなものを作れないか」と言ってみた。

 「小さなものは難しいんですよ」

 そりゃそうだと思う。でもそれができたら、より独立して暮らすことができるのだ。清潔性・利便性を失わずにできる日が来ると思っている。




☆--★ コラムは101回まで更新中!☆---★  


田中優の「住まいと森のコラム」 


■目次一覧 http://tennen.org/yu_column 


第1回 住むんだったら健康な家がいい
第2回 そのどこがエコなの?
第3回 天然住宅は高い?
第4回 蚊を殺すのにバツーカ砲
第5回 いい湯だな、バハン
第6回 次の世代に引き継げる林業に
第7回 本物「小林建工」さんとの出会い
第8回 日本ミツバチ
第9回 カビを寄せつけない技術
第10回 温泉三昧、雨ときどき間伐
第11回 小屋礼賛
第12回 皮むき間伐の弱点
第13回 低周波騒音問題
第14回 上下階騒音問題
第15回 住宅リテラシーを
第16回 湿気で溶けていく家
第17回 住宅貧乏
第18回 家を担保にした超・長期ローンを
第19回 「私、研究所の者です」
第20回 鉄筋にアースを
第21回 太陽パネルの電気自給は「冬場」が大事
第22回 男なら天然住宅!
第23回 男なら天然住宅!~男ならスペックにこだわれ~
第24回 男なら天然住宅~男なら「マイホーム主義」~
≪番外編≫寺田本家さんに共感する
第25回 暮らしに家を合わせる
第26回 次の世代の住まいとは
第27回 「未完」の家
第28回 カナダからの見学者
第29回 気候の事情、個人の事情
第30回 健康を害さない防音ルーム
第31回 電力自由化でどこを選べばいいの?
第32回 エアコンは「熱を電気でつくる」もの?
第33回 電力自由化を契機に節電を
第34回 24時間換気の不要な家
第35回 「カネを出せば買える家」じゃない
第36回 「普通の」家
第37回 自宅の完成見学会
第38回 森を守って、健康長持ち
第39回 ネオニコ住宅の恐怖
第40回 ベランダって必要なの?
第41回 年収300万円台からのマイホーム
第42回 抵当権を登記しない融資を
第43回 木造の「継ぎ手」が同じという不思議
第44回 伝統大工は頑固なままで
第45回 木材に要注意
第46回 楽しいハイブリッド林業
第47回 自立的なウマ、琴姫
第48回 この世にムダなものはない
第49回 天然住宅にすむのに必要なもの
第50回 ホタル族、ホタルに会う
第51回 ホームバイオガス
第52回 いびきが消えた
第53回 高知県興津海岸は、こうして残された
第54回 太陽温水器の裏ワザ
第55回 「Low-Eガラス」の功罪
第56回 不都合を楽しむ
第57回 音と暮らす生活
第58回 においの環境問題
第59回 空気が吸えない恐怖
第60回 秋雨前線と電気不足
第61回 家が変わると暮らしが変わる
天然住宅バンク出資のお願い
第62回 湘南発、未来へ
第63回 おカネに頼らず暮らす
第64回 虫対策、その後
第65回 おカネに依存しない暮らし、自営
第66回 おカネに依存しない仮想通貨
第67回 天然住宅はホコリが少ない?
第68回 住宅教育が必要だ
第69回 住宅費用のイニシャル、ランニング
第70回 無煙炭化器
第71回 偉いぞ、炊飯器
第72回 中国のシックハウス問題
第73回 のらぼう菜
第74回 孤独になる?自給生活
第75回 「自給住宅」と食べ物
第76回 ガーデンパーティー
第77回 「自給の家」の「たべるにわ」
第78回 「居ていい場所」というコミュニティー
第79回 我が家の庭でBBQ
第80回 自給の家と「たべるにわ」
第81回 連休は出かけちゃダメ?
第82回 ネオニコチノイド農薬ふたたび
第83回 松枯れにネオニコチノイド農薬散布は無意味だ
第84回 ネオニコチノイドが水を汚染する
第85回 不吉な虫、その名も「死番虫」
第86回 湿気のない腐らない家
第87回 阪神淡路大震災のあった土地は危険?
第88回 病気の話
第89回 ヒノキチオール
第90回 美意識の差? 宮大工と船大工
第91回 電気不足の日
第92回 ローカルイベント
第93回 「日本一の駄菓子屋」発見
第94回 伊豆の「進化する家」
第95回 家の分母
第96回 「すまうと」さんの家具
第97回 子どもの異変
第98回 大河内さんという人
第99回 シロウトを集めた林業
第100回 「シックハウスの猫」アレルギー
第101回 「末代物」の思想


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