2017年6月21日

大田昌秀・元沖縄県知事死去のニュース&田中優『慰霊の日から考える沖縄の未来』

もうすぐ今年も沖縄の慰霊の日がやってきます。

その日を迎える前に、大田昌秀・元沖縄県知事が6月12日に(この日は大田さんのお誕生日でもあったそうです)死去されたとのニュースが飛び込んできました。

「元沖縄県知事 大田昌秀さん死去、92歳 米軍基地問題の解決訴え続ける」
 https://www.j-cast.com/2017/06/13300467.html?p=all


田中優もイベントをご一緒させて頂いたことが何回かありました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。


こちらは2010年6月23日慰霊の日に沖縄にて田中優が大田氏とイベントをした際の、イベントへ向けての田中優コメントです。
http://tanakayu.blogspot.jp/2010/05/2310.html より



『慰霊の日から考える沖縄の未来』

 本当の話をしよう。ぼくが生まれる前のこと、まるで関係ない人たちのように沖縄をアメリカに差し出した。内地人は沖縄を見捨てたのだ。

 今回、再び普天間基地の代替措置に辺野古の海を差し出そうとしている。
国家同士は平等なのに、なぜか日本政府はアメリカにだけ配慮し、自ら代替地を差し出そうとしている。それは、再び沖縄を見捨てることではないのか。
政府に怒る以前に情けなくなる。


 沖縄の人からメールが届く。結局内地人は沖縄人を差別しているのだと。
そう言われても自分に力があるわけではない。しょせん政府の決定に抗議する程度のことしかできない。反発すれば沖縄を特別視することになるし、批判を受け容れることもできない。ただ、沖縄の人たちの落胆を思うとつらくなる。


 慰霊の日は、沖縄だけが内地人に無視され侵略され、直接攻撃されたことを忘れないための日ではないか? 

 都合良く、とかげのしっぽ切りにされたことを忘れないための日ではないか? 


 沖縄は豊かな文化を持ち、誰もがうらやむような生活スタイルを持っている。
それに敬意を持って接したいと思う。同じ時代に生きる者として、沖縄だけに基地被 害を押しつけるような政権に抗議し続けたいと思う。基地を受け容れる必要はないと思うが、もし仮に受け容れるのだとしたら、沖縄だけに押しつけるのはおかしくないか?


 沖縄が「本土並み」になることは、沖縄を内地と同じにしてしまうことではない。各地域が独立心を持って、独自の文化と暮らしを持って暮らしながら、差別されないことだ。今なお内地の人々があこがれてやまない沖縄の暮らしを維持しながら、さらに独立した経済圏を確立してほしい。差別とそれに対する代償措置で、プラスマイナスゼロになるわけではないのだ。

 沖縄の未来が「差別と代償措置」で成り立つ社会ではなく、豊かな文化の中で経済的にも独立して暮らせる地域になってほしい。そのために 何の助力ができるか自分なりに考えてみたい。

 慰霊の日が昔の苦しみに再び苦しみを上塗りする日ではなく、失われた過去の霊に「豊かで安心できる日になったよ」と報告できる日にしたいと願う。



2010年6月23日、沖縄慰霊の日に那覇市桜坂で行われたトークイベント

「琉球魂’10~慰霊の日から考える沖縄の未来~」動画 ↓

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