2011年3月15日

あなたのネットワークで被災者の受け入れを

□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■□■□


「あなたのネットワークで被災者の受け入れを」


遠隔地の支援が大事!!

 「遠隔地で募金しかできることがない」という声をよく聞きます。とんでもない!
 遠隔地だからできることがあるんです。残念ながら今回の震災には放射能汚染という恐ろしい二次被害がついてきてしまいました。私たちにとっては必然的で、全然「想定外」の事態ではないですが。
 ということは、これから必要になるのは一時的にか長年に渡ってか分かりませんが、被災地の人たちを受け入れられる比較的安全な土地になります。ですから「私の地域で何人、いつまでだったら受け入れられる」と言ってもらえることが一番重要です。本来は政府が考えるべきことですが、先日阪神・淡路被災者が立ち退きを求められたように、政府はまともな対策を打ったことがありません。
 しかし長年に渡っては困るということももちろんあります。だから契約書の形を作った上で受け入れる必要があると思います。

 緊急度の高い人から順に 現実に、今放射能が流れ始めていて、小さな子どものいる人たちは気が気でない思いをしていることでしょう。まだ原発事故はどうなるか予断を許しませんから、当面は一時的なシェルターでいいから受け入れてあげることが必要でしょう。しかも、だれかれかまわずしたのでは困ってしまいます。だから緊急度の高さから考えて、福島原発からの距離の近い人、被害を受けやすい妊婦さんや小さなお子さんをお持ちの方、などから順に受け入れることになると思います。受け入れるとしても、自分で勝手に生きられるタイプの人からそうでない人もいます。そうでない人のほうが緊急度が高いものです。家族を分けてはいけないので家族数を含めてそのバランスで、受け入れを直接相談していく必要があると思います。今、ある団体でそれができないか、相談しているところです。


原発保険の活用を

 データ把握も大事なんです。こうした費用も本来は保険でカバーされるべきものだからです。原発には「原子力損害賠償制度」があって、一炉心、一事故あたり1200億円まで保険から賠償され、それを超える部分は政府から補てんされることになっています。今回の事故では賠償しきれないと思います。だからとりまとめて早めに申請することが大事だと思うのです。ちなみに保険会社はこの保険をさらにイギリスのロイズだと思いますが再保険をかけていて、そこから1200億円は賠償されるはずです。この保険はイギリス貴族の大金持ちたちが個人で保証しているはずなので、今ごろ真っ青になっているでしょう。

 この再保険、最初に日本に原発がつくられた時、相談して断られています。「地震国日本に、そんな保険がかけられるはずないだろう」と。それで支払上限額を600億円までにして、それで再保険に加入することができたのです。当時、一炉心あたり3億円弱の保険料だったはずなので、当時は200年に一回支払う計算だったことになります。日本には54基もあるのだから、4年に一回は支払う計算だったわけですね。それほど原発は安全ではないものなのです。でもそんな話、こんなときでなければ誰も聞きません。
 この「原子力損害賠償制度」もきちんと活用して、電力会社と政府にも、きちんと賠償させなければなりません!


足元からの支援を

 だからむやみに支援に出かけなくていいんです。そうではなくて、あなたの地域で生きている場所でできることをしてください。私たちは名声を受けたいわけではないし、自己満足したいわけでもないでしょう。本来、こうした気持ちを実現することは、自分の生きざまのためのことなのです。
 みんなで連絡し合って、できることを地域から考えてほしいと願うのです。