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2010年4月15日
『天然住宅から社会を変える30の方法』
『天然住宅から社会を変える30の方法』
田中 優(一般社団法人天然住宅 共同代表)
相根 昭典(一般社団法人天然住宅 代表)〔編〕
A5判変形/144ページ
ISBN978-4-7726-0460-4
定価 1300円+税
===== メルマガ第71号より、一部抜粋 =========
天然住宅の試みが評価され、その仕組みをもって森と街を結びつけ、林産地側を豊かに、街側を健康でエコで経済的にしていく試みに対してJST( 科学技術振興機構)の助成がつきました。
関わってくれている学者のみなさんがすごい。それぞれの分野の第一人者のかたがたです。この助成は出して終わりというものではなくて、直接JSTの専門委員の人たちも関わります。ものすごくアクティブな研究なのです。
今進めているのは、天然住宅側では「コモンズの森」をみんなの出資で実現するもの、天然住宅認証を作って中古住宅市場を作り上げていこうとするもの、林産地側の負担を減らせる「皮むき間伐」の実行、乾燥装置の開発などです。 埼玉大、早稲田大では、天然住宅の温熱環境を調査して実質的にCO2ゼロを実現していくための調査をします。 名古屋大では日本の代表的な樹木であるスギの物性を調査して、使えるようにしていくための調査をしています。
これから進めていくのは、そこから関係する人たちと一緒に検討していく、ラウンドテーブルの設置です。といっても堅苦しいものではなく、毎月続けている「天然住宅バンク」のミーティングのようなものをイメージしています。
ぼくからすると、20年以上環境運動に参加してきて、その中から気づかされたことの結晶でもあります。つまり批判や反対だけでは解決できないとき、もう一つの方法が「自分たちでやってみせる」ということ。それをしてみようということです。 ぼくの性格からして、反対運動は好きだし、人に知らしめることもとても大事だと思っています。だけどそれだけでは足りないとき、あきらめるのではなく、実際にやってみせることがパンドラの箱の底に残されていると感じるのです。
すでに16年前からやっていた「NPOバンク」と呼ばれる市民自身による非営利バンクの活動、20年前から活動していた熱帯林問題や国内の森の劣化など、現実問題として解決したいのです。それが相根昭典さんというエコ・健康住宅を20年も続けてきた建築家と組むことで、実現できる可能性が出てきた。それを実証したいのです。
今月中には新たな本、『天然住宅から社会を変える30の方法』(合同出版)も発売になります。それを具体的に実現していく場として、この研究・調査を使いたいと思っています。
例によって天然住宅も非営利組織です。営利を否定するのではなく、営利を超えた活動として非営利を選択しています。営利では新たな発明も収益のために隠さなければなりません。しかしそんなで共有していくためには非営利でなければ困難です。簡単にたとえると、ウィンドウズに対抗してできたリナックスのようなイメージです。
みんながそれぞれに自分を役立てられる部分に参加することで、各地に次々に自分たちに必要な社会を作っていく--それが社会の問題を解決していくイメージではないかと思っています。 ぼくらは無力ではなく微力なのです。微力は微力なりに仕組みを作って強くなるか、力を合わせて強力になるかすべきではないでしょうか。もともと力の強いものは嫌いです。すぐれた独裁者についていくなんて、もっての外です。
これから、ここに多くの人が参加してくれるとうれしいです。
◎田中優の“持続する志” のバックナンバーはこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000251633/index.html
この週末は、本屋さんに行ってみてはいかがでしょうか?