『バッテリーはまだまだ過渡期』
パワーウォール
『テスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」がいよいよ日本に上陸する。
劇的な安さと高機能で持続可能な社会実現へ』という記事が出て、自分にも使えるのだろうかと質問が来た。
その返信にこう書いた。
残念ながら「パワーウォール」を買っただけでは使えない。交流にして、日本の電気のスタイルに合わせなければならない。動いたとしても10年で保証期間が終わり、その後のリサイクルの方法もない。
買った分だけ資源の無駄になるのではないかと思う。これは買わない方が賢明ではないかと思う。
一方の鉛バッテリーは今や鉛が不足してリサイクルされるようになったが、素人が手を出すにはいくつかの問題がある。
天然住宅も関わっている「自エネ組(自給エネルギーをめざす運動)」で鉛バッテリーをおすすめしているので、その問題点というか危険性についても、述べておかなければならない。
鉛に限らずバッテリーには危険性がつきまとう。充電している時、バッテリー液からは水素が出る。その水素は福島原発を吹き飛ばしたように爆発性がある。
その危険性があるから放置していてはいけないのだ。
電気の自給自足を目指したのに、ここで事故が起こってしまったら元の木阿弥、もっと悪いように言われかねない。だから開放型のバッテリーではなく、MF型(メンテナンス・フリー型)という密閉型のバッテリーにした方がいいことになる。
しかし密閉型だと、もう一方のメリット、「ITEアクティベーター」というバッテリー
の再生材が使えない。「ITEアクティベーター」は、元ユニオンカーバイド社フェローであり、元東北大学教授の小澤博士が発明したものだ。年一回、カレースプーン一杯程度の粉を注ぐことで、バッテリーの「サルフェーション(硫黄分が析出してしまう現象)」を防ぎ、再生してしまうという優れモノだ。
再生することで同じバッテリーが20年近く使える。
密閉型では、これが使えなくなってしまう。ただの使い捨てになってしまうのではもったいない。
ということは、アクティベーターを使いながら、バッテリーを何度も再生して使っていくためには「手入れが必要」ということだ。
なぜ水素の問題が生まれるのか。
充電しているときに水素が発生するのは避けられない。しかし水素は軽いので上に飛んでいく。きちんと換気するか、換気する必要のない開放的な場所に多すぎない数を設置したほうが良い。あまり密閉性の高い場所に閉じ込めて設置するのは危険だ。
また、バッテリー液をきちんと補充していないと水素が多く発生しやすくなる。
特に夏場や乾燥している時期にはバッテリー液が不足しやすい。
安全性を考えると、二週間に一度程度は確認し、液が不足していたら補充して手入れしなければならない。
さらにバッテリーを痛めつけるような使い方をしてはいけない。
鉛バッテリーは、エンジンのスターターの時に一時的に電気を流すための装置で、何度も継続的に使うようには作られていないし、大きな電気を一瞬に流せるようにも作られてはいない。
家庭で使う時に気を付けなければならないのは、電化製品を点けるときに一瞬流れる大きな電流だ。
これを「電気の突入」といい、これがインバーターとバッテリーを痛めるのだ。
これまで使っていた電力会社の電気とは、この点が大きく違う。家庭に届く電力会社の電気には大きな余裕があり、一時的に大きな電流が流れてもブレーカーが落ちることはほとんどないが、自作したものではそこに余裕がない。
しかも家電製品にインバーター式のものが多くなり、「電気の突入」を起こしやすい。電気消費量の大きな冷蔵庫や、エアコン、ドライヤー、掃除機など、もともと電気消費量の大きな家電製品に、スイッチを入れた瞬間に大きな電流が流れることがあるのだ。
解決策は何より「省エネ・節電」だ。
大きな電気を消費する家電は買わない、使わない。
使いたいのであれば、その部分だけでも電力会社の電気にすべきかもしれない。
オフグリッドにするには、省エネ後でなければ難しいのだ。
我が家ではドライヤーを一つ買うにも消費電力量を確認する。
掃除機も消費電力量を調べて買い替えたほどだ。
さらにバッテリーは液と電気を変換するときに、熱を出して変形したりする。
膨らんでしまうのだ。下手すれば爆発するリスクもある。
電気を化学的に作ったり貯めたりするのだから宿命のようなものだ。急激で多量な充電や消費は避けなければならない。
サーモスタットをつけて管理することが必要になる。この変化も多量に変化させなければ、液量の残り量などを気にしていれば防ぐことができる。
そしてこのことはバッテリーだけではないが、電気の通る配線などを絶縁する必要がある。うかつに電極に金属を置けば金属が解けるほどだし、人などひとたまりもない。
直流の電気は電気の流れがゼロになるポイントがないので、感電した手が離れなくなるのだ。
人や金属などだけではない。ヤモリが張り付いてショートしたという事例もある。
何を起こすかわからないのだから、電気の流れるところはきちんと絶縁しておく必要がある。
以前、携帯電話をポケットに入れていて爆発したとか、火を噴いたとか問題になった。
爆発性のないリチウムイオンバッテリーもあるが、衝撃によってショートしたり、故障したりする危険もあるのだ。
要はきちんと手入れできる人でなければ使えない。
手入れがきちんとできない人には電力会社の電気がいい。
次は慧通信の「パーソナルエナジー」だろう。
その次にMF型の鉛バッテリーとサーモスタットのついたインバーターを入れるのがいい。
蓄電装置は安全性の価格なのだ。よく手入れすることのできる人にだけ使ってほしい。
電気に詳しい人は、一般人は何をするかわからないので怖いという。
「だから電気を使うな」というのではない。
電気を知ってきちんと使えるようになってほしい。
電気を誰か任せにすることから原発事故まで招いた。
電気をちゃんと知って扱えるようにる必要が、私たちにはあるのだ。
田中優天然住宅コラム第143回
https://tennen.org/yu_column/battery.html より
その返信にこう書いた。
「テスラの利益獲得方法に疑問があります。パワーウォールを予約販売してから二年半も経って、ようやく出荷です(まだ不明ですが)、予約で資金を集めて、宣伝効果で株価を上げて儲けるやり方のように思えるからです。
アメリカでは詐欺同然(このようなテクニカルの手法で)のやり方でカネを儲ける方法が時々あります。
捕まった「エンロン社」もそうでした」
と。アメリカでは詐欺同然(このようなテクニカルの手法で)のやり方でカネを儲ける方法が時々あります。
捕まった「エンロン社」もそうでした」
残念ながら「パワーウォール」を買っただけでは使えない。交流にして、日本の電気のスタイルに合わせなければならない。動いたとしても10年で保証期間が終わり、その後のリサイクルの方法もない。
買った分だけ資源の無駄になるのではないかと思う。これは買わない方が賢明ではないかと思う。
一方の鉛バッテリーは今や鉛が不足してリサイクルされるようになったが、素人が手を出すにはいくつかの問題がある。
天然住宅も関わっている「自エネ組(自給エネルギーをめざす運動)」で鉛バッテリーをおすすめしているので、その問題点というか危険性についても、述べておかなければならない。
バッテリーは爆発の危険性がある
鉛に限らずバッテリーには危険性がつきまとう。充電している時、バッテリー液からは水素が出る。その水素は福島原発を吹き飛ばしたように爆発性がある。
その危険性があるから放置していてはいけないのだ。
電気の自給自足を目指したのに、ここで事故が起こってしまったら元の木阿弥、もっと悪いように言われかねない。だから開放型のバッテリーではなく、MF型(メンテナンス・フリー型)という密閉型のバッテリーにした方がいいことになる。
しかし密閉型だと、もう一方のメリット、「ITEアクティベーター」というバッテリー
の再生材が使えない。「ITEアクティベーター」は、元ユニオンカーバイド社フェローであり、元東北大学教授の小澤博士が発明したものだ。年一回、カレースプーン一杯程度の粉を注ぐことで、バッテリーの「サルフェーション(硫黄分が析出してしまう現象)」を防ぎ、再生してしまうという優れモノだ。
再生することで同じバッテリーが20年近く使える。
密閉型では、これが使えなくなってしまう。ただの使い捨てになってしまうのではもったいない。
鉛バッテリーには手入れが必要
【自エネ組のシステム】
ということは、アクティベーターを使いながら、バッテリーを何度も再生して使っていくためには「手入れが必要」ということだ。
なぜ水素の問題が生まれるのか。
充電しているときに水素が発生するのは避けられない。しかし水素は軽いので上に飛んでいく。きちんと換気するか、換気する必要のない開放的な場所に多すぎない数を設置したほうが良い。あまり密閉性の高い場所に閉じ込めて設置するのは危険だ。
また、バッテリー液をきちんと補充していないと水素が多く発生しやすくなる。
特に夏場や乾燥している時期にはバッテリー液が不足しやすい。
安全性を考えると、二週間に一度程度は確認し、液が不足していたら補充して手入れしなければならない。
「電気の突入」
さらにバッテリーを痛めつけるような使い方をしてはいけない。
鉛バッテリーは、エンジンのスターターの時に一時的に電気を流すための装置で、何度も継続的に使うようには作られていないし、大きな電気を一瞬に流せるようにも作られてはいない。
家庭で使う時に気を付けなければならないのは、電化製品を点けるときに一瞬流れる大きな電流だ。
これを「電気の突入」といい、これがインバーターとバッテリーを痛めるのだ。
これまで使っていた電力会社の電気とは、この点が大きく違う。家庭に届く電力会社の電気には大きな余裕があり、一時的に大きな電流が流れてもブレーカーが落ちることはほとんどないが、自作したものではそこに余裕がない。
しかも家電製品にインバーター式のものが多くなり、「電気の突入」を起こしやすい。電気消費量の大きな冷蔵庫や、エアコン、ドライヤー、掃除機など、もともと電気消費量の大きな家電製品に、スイッチを入れた瞬間に大きな電流が流れることがあるのだ。
解決策は何より「省エネ・節電」だ。
大きな電気を消費する家電は買わない、使わない。
使いたいのであれば、その部分だけでも電力会社の電気にすべきかもしれない。
オフグリッドにするには、省エネ後でなければ難しいのだ。
我が家ではドライヤーを一つ買うにも消費電力量を確認する。
掃除機も消費電力量を調べて買い替えたほどだ。
電気を知る
さらにバッテリーは液と電気を変換するときに、熱を出して変形したりする。
膨らんでしまうのだ。下手すれば爆発するリスクもある。
電気を化学的に作ったり貯めたりするのだから宿命のようなものだ。急激で多量な充電や消費は避けなければならない。
サーモスタットをつけて管理することが必要になる。この変化も多量に変化させなければ、液量の残り量などを気にしていれば防ぐことができる。
そしてこのことはバッテリーだけではないが、電気の通る配線などを絶縁する必要がある。うかつに電極に金属を置けば金属が解けるほどだし、人などひとたまりもない。
直流の電気は電気の流れがゼロになるポイントがないので、感電した手が離れなくなるのだ。
人や金属などだけではない。ヤモリが張り付いてショートしたという事例もある。
何を起こすかわからないのだから、電気の流れるところはきちんと絶縁しておく必要がある。
【田中優宅のパーソナルエナジー】
以前、携帯電話をポケットに入れていて爆発したとか、火を噴いたとか問題になった。
爆発性のないリチウムイオンバッテリーもあるが、衝撃によってショートしたり、故障したりする危険もあるのだ。
要はきちんと手入れできる人でなければ使えない。
手入れがきちんとできない人には電力会社の電気がいい。
次は慧通信の「パーソナルエナジー」だろう。
その次にMF型の鉛バッテリーとサーモスタットのついたインバーターを入れるのがいい。
蓄電装置は安全性の価格なのだ。よく手入れすることのできる人にだけ使ってほしい。
電気に詳しい人は、一般人は何をするかわからないので怖いという。
「だから電気を使うな」というのではない。
電気を知ってきちんと使えるようになってほしい。
電気を誰か任せにすることから原発事故まで招いた。
電気をちゃんと知って扱えるようにる必要が、私たちにはあるのだ。
田中優天然住宅コラム第143回
https://tennen.org/yu_column/battery.html より
田中優 天然住宅コラム →https://tennen.org/yu_column