ぼくの最近の講演「また騙されたいのか?~原発事故は津波の前に起きている」の様子を、参加者の田中 文夫さんにわかりやすくレポート頂いています。ありがとうございます。
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以下、田中文夫さんFacebookより
東京電力というのは、とことん隠蔽体質の会社だと思う。
2019年9月14日、大阪で環境活動家・田中優さんの講演を聴いた。
タイトルは「また騙されたいのか?~原発事故は津波の前に起きている」。
東電で長い間、「炉心屋」をしていて原子炉の構造と安全性に深い知見を持っている木村俊雄氏の記事(文藝春秋9月号)を分かりやすく解説してくれた。
福島第一原発事故は津波ではなく地震で炉心の配管がふっとんで起こった。
炉心の中には燃料を冷やすために冷却水が「自然循環」している。地震発生後、1分30秒で炉心流量はゼロになっていたことが、木村氏が東電に情報開示を求めた炉心流量データの解析で分かった。
「自然循環」が止まったのは地震動により、圧力容器につながる細い配管である「ジェットポンプ計測配管」が破損したことが原因である可能性が極めて高い。
水量がなくなると燃料被覆管の表面に「気泡」が張り付き冷やすことができなくなり「ドライアウト」が起こった。
つまり、再稼働したいがために、津波対策をどのように施しても大きな地震が来て細い配管が破損したら、ドライアウト、メルトダウンする可能性は常にある、ということである。
これは沸騰水型(BWR)型原発の構造上の欠陥であるということなのだろう。
地震大国でいたるところに活断層が走っている日本列島で原発を稼働させるということは「みんなでまた騙される」ことだ、日本人はフェイク好きですね、と優さんは憂えた。
以下、東電刑事裁判の東京地裁無罪判決も受けて、木村俊雄さんの記事から引用します。
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東電の「企業体質」という問題も無視できません。原発事故後に東電は、過渡現象記録装置のデータを隠蔽していたわけですが、私の在籍中も、都合の悪いことは隠す体質でした。
例えば核分裂生成物を放出する恐れのある燃料の落下事故や制御棒の破損事故が起きても、国に報告していませんでした。恥ずかしながら、私自身も事故情報の隠蔽に加担したことがあります。
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東電は「津波によってメルトダウンが起きた」という主張を繰り返しています。そして、その「津波」は、「想定外の規模」で原子力損害賠償法の免責条件にあたるとしています。しかし「津波が想定外の規模であったかどうか」以前に、「津波」ではなく「地震動」で燃料破損していた可能性が極めて高いのです。
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(本投稿の文責は田中文夫です。優さんの講演と木村氏の記事を基にして要約しました。文藝春秋の画像はKindleより)