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田中優 メガソーラー反対メッセージ(10分バージョン)
「皆さんこんにちは。田中優です。
メガソーラー問題ということでお話をしてくれと依頼をされまして、そもそもぼくは自然エネルギー、太陽光発電には反対ではありません。
しかしながら「メガソーラー」というようなやり方については反対です。
メガソーラーについては全く悪いことばかりで良いことは何一つないと思っています。
その理由ですが、まずそもそもソーラーそのものというものが「大規模に設置することによってメリットが出てこない」ものだからです。そもそもその太陽光発電パネルというのは、スケールメリットがない。大きく設置したとしても、それによって得られる利益はないわけです。
一つ一つのパネルで発電をする電気は、巨大に発電したとしても、だからと言って発電量が増えるわけではありません。発電量は小さくても大きくても変わらないんです。
じゃあどのように使うべきか?という時にもう一つ、今度は「電気のニーズ」について考えて欲しいんです。電気のニーズには大企業が使うような大きな電気と、私たちの暮らしのような小さな電気の消費と2つあります。
その割合ですが、実は日本の電気の中で大きな企業が消費する“特別高圧”という電気は、実は全体の「3分の2」を占めます。電気の消費は圧倒的に大きな企業が消費しているんです。
それに対して私たちのような電灯電球とか呼ばれる小さな電気は、私たち家庭や小さな事業所を含めても、合計で「22%」しかありません。つまり電気のほとんどは大きな企業が消費していて、私たちはそのおこぼれを使うような形になっているんです。
ところが「電気料金」は逆でして、ほとんど我々一般家庭の方からとられます。
それに対して大きな電気消費の方は大量の電気を使うにも関わらず、非常に電気料金の値段が安い。
それに加えて「料金の問題」があります。私たち家庭の電気料金は、「使えば使うほどその単価が高くなる」んです。
それに対して大きな企業は、電気を「使えば使うほど単価が下がる」ようになっています。だから大きな企業は、より多くの電気を使った方が得になります。
それに対して私たち家庭の電気は使うと電気料金が高くなるので、一生懸命節約するわけです。
その結果、日本の電気は実は家庭の電気で見ていくと世界の中でも極めて少ないです。
だから私たちの使う電気は統計上一日当たり10kwhと言うけれども、実は3~4kwhくらいで十分な量になっていることが多いです。ということは「小さな電気」と「大きな電気」があるんだと、考えて頂いて良いと思います。
ところがその小さな電気、私たちの消費のようなものを賄うために、電気は何と一旦「高圧送電線」にまで持っていかれて、そこから配られてくる形です。これは「大きな電気」に合わせているからです。大きな電気に合わせて高圧電流にして、それから配られてきてものすごく小さな100ボルトと
いうような小さな電圧の電気が届いてくるわけです。
ここに大きな問題があります。そもそも家庭の消費する電気は、消費量が少ない。なおかつ電圧が低い。ならば、最初から「その場で作った電気をその場で消費」をした方が有益です。
なのにメガソーラーで作られていく電気は、その電気のシステムに合わせて大きな電気にしやすいように大きな電圧にしているわけです。その電圧を作り出すには広大な面積の山を切り倒し、そこを全部太陽光発電パネルに変える、というようなことがされています。これがもともとの間違いではないかとぼくは思っています。
もともと太陽光発電パネルは「小さくても大きくても効率は同じ」ですから、「小さく発電して小さな消費に対して電気を届けていく」というのが、賢い仕組みだと思います。
わざわざ高圧線につなげて、その電気のおこぼれをもらっていくというような形にする必要はないと思っています。だからぼくは将来の形としては、大きな電気は従来のように高電圧のものを届けていく、というような形が必要になるでしょうが、家庭に対しては、それぞれの地域でそれぞれ発電をして小さく電気をを貯めて消費をしていく、そのよう形になっていくのが望ましいと思います。
だから今までのような電気の使い方は大企業だけ。それに対して家庭の方は、それぞれ独立して自分で電気を賄っていく、という方が賢い仕組みになると思っています。
そこから考えると、メガソーラーは何のためかがハッキリします。メガソーラーは“おカネ”のためです。おカネを儲けたい人たちがおカネを儲けるために進めているのがメガソーラー。それらのものは良いことはありません。
結局その電圧を上げていくために多くの電気が捨てられ、多くの環境が捨てられ、結局使える電気はその内のごくわずかになってしまうからです。
それを考えると、ぼくはそれぞれの地域でそれぞれ電気を作り出して、小さく貯めて小さく消費をしていく方が良いと思います。
ぼくの家は実際に電気を自給しています。太陽光発電パネルを小さくつけてそしてバッテリーを並べてそこの中に電気を貯めて、その電気を例えば夜とか雨の日はバッテリーから使っていくという形で実際にもう5年以上こういう暮らしをしています。
そのような形に進んでいくべきものであって、メガソーラーというような大きな仕組みに依存するべきではない、という風に思っています。
それを考えると、太陽光発電パネルが多く設置されることによって価格が下がったのはありがたいですが、それ以上やる必要はないのではないかと思っています。
だから太陽光発電はもうこれ以上広げたくはない。
それぞれの庭先のところで小さく小さく発電して使っていくのが良いと思います。
その時大事な方法は「電気の節約=節電」です。
その節電をしていくことによって、家庭の電気はもっと減らしていくことができます。それによってそれぞれが自分の管理できる範囲内の小さな部分で電気を作り電気を消費していく、それが望ましい形だと思っています。
メガソーラーは結局何の役にも立っていない。
そのメガソーラーを設置することによって山がどんどん切り倒されて、今どんどん近隣のところでも山が崩されています。
そのような方向は全く望ましくない。
山を壊すくらいだったら太陽光発電なんかつけるな、と思います。
太陽光発電が役に立つのは、小さな電気を小さく消費する時であって、メガソーラーのような大きな電気を作って大きく消費するというような余地はないものだと思います。
だからメガソーラーには反対します。それぞれ小さく分割してそれぞれ必要なところにつけていけば良いのではないかと思うからです。」
書き起こし:田中優スタッフ