ページ

ページ

2017年8月7日

『 農薬空中散布が子どもを壊す 』

田中優無料メルマガより

■最初は「安全」、終わりは「超危険」

 「低毒性」の謳い文句で始まり、重篤な被害で禁止される。これが農薬のいつものパターンだ。ビル内の害虫駆除を理由にして撒かれてきたスミチオンなどの「有機リン系農薬」は、神経毒性が認められて下火になり、その後に伸びてきたのが「ネオニコチノイド系農薬」だ。これまた「昆虫には効くが、人間には影響がない」という謳い文句で登場した。そして全世界的なミツバチ失踪の原因物質の一つとなった。

 日本では単位面積当たりの農薬使用量が世界で中国・韓国に次いで三番目に高く、有機リン系に続いてネオニコチノイド系が使われた。しかも両方を混ぜて使う事例も多かった。

 それが脳細胞の神経伝達に影響を及ぼし、子どもたちのADHD(注意欠如・多動性障害)などを多発させているという報告がされたのは。ミツバチの失踪が問題になった後になってからだった。特に幼少期であればあるほど、脳細胞への影響は大きくなる。

 それについて、千曲市で現実に起きてしまっている事態があるので、「松本の松枯れを考える住民の会」にある動画から一部書き起こしてその実態をお伝えしたい。


■千曲市の小学校での実態 

「私は、千曲市在住で2015年まで薬剤空中散布を行っていた場所のすぐ近くに住んでおり、高1、中1、小4と3人の子どもがおります。2番目の子どもである次女が今年の3月まで通っていた小学校のクラスの子どもたちの状態についてお話したいと思います。この子たちのクラスは保育園のときから問題があると言われていました。特別支援の先生が必ずついていました。

 しかし先生たちからの説明は私たちに一切ありませんでした。保育園の頃から、園庭のど真ん中で大騒ぎをしている子がいたり、教室の中にいなければいけない時間でもいない子がたくさんいたりしました。小学校1年生に上がってからも同様でした。

 小学校では1クラス27人ですが、授業の時に騒いでしまう子、教室中に外にいる子、遠足の時でも班行動ができない子、教室も団体で行動ができず、自由時間を設けないと成立しないような状態でした。たまたま娘の忘れ物を私が届けに行った時のことです。クラス担任だけではどうにもならず、教頭先生と校長先生も子どもたちを見ていて、隣の部屋を段ボールで仕切って、子どもたちを一人一人を囲って何かをしているという様子を見てしまいました。それを見たときに、どういう教育なのかとすごくビックリして、すぐ先生に聞きました。

 すると先生は、「それはプライバシーの問題なので話せません」と言いました。
おかしな光景を私が見たにもかかわらず、学校側は説明は遠慮させてもらいたいという事でした。自分の子が他の子たちと同じ教室で一緒に勉強をしている状況に置かれているにもかかわらず、保護者には知る権利がない状態なのです。

 小学校5年生の頃は、1組27人のうち、1人が子ども病院を入退院していましたので残り26人でした。しかし全員で授業を受けられる状態ではなく、別々に授業を受けていました。

 まず言語障害といったはっきりとわかるような障害を持つ子たちが2人いました。次に、7人のクラスがあります。その7人をさらに2つに分けています。
4人は不登校になりそうな子たちで、娘曰く、国語と算数が著しくできない子たちです。みんながいる教室の方に来る時もありますが、その時の気分や来られる授業だけ来て、あとはお菓子作りとゲーム遊びをして、とにかく学校から出ていかないようにしています。授業ではないのです。もう半分の3人に加えて違う学年の子もいます。とにかくじっとしていられず、教室にいられない、個別に先生が見ていなければならないような子たちでした。

 残り17人のうち、9人の子たちが普通に授業が受けられますが、8人の子たちは教室から出てしまったり、おとなしくじっと座っているけれど全然勉強ができなかったりという状態でした。でもかろうじて教室にはいられるから、一緒のクラスになっていたようです。

 つまり1組27人のうち普通に授業を受けられるのは3分の1の9人だけで、あとの子は授業にならないのです。担任の先生は時折教室を出てしまったりする8人の隣に、授業を受けられる子9人を座らせ、授業を成り立たせようとしていました。

 そのため私の子は、「隣の子の面倒を見ながら授業を受けている」と言っていました。普通に授業が受けられる子は「優等生」のような扱いでした。

 私は2011年頃に「農薬の空中散布」に関心を持ち説明を受けましたが、市からは散布した後は安全だと言われました。6月に農薬を散布する日が、ちょうどプール開きという時もありました。散布の連絡は有線放送だけで学校からの連絡はなく、先生たちの認識も全然ないという状態で散布され、散布当日もプールには前日から水が張ってありました。」


■子どもたちが壊される

 今や学習障害(LD)、ADHD、自閉症などは多発するようになり、世界的にはその原因は農薬などの外部環境に求めるしかないと定説化している。以前は「自閉症遺伝子」や「母親の育て方」に原因を探し回った時代もあったが、どれも一部を説明するものでしかなかった。今では有害化学物質の影響が大きいと考えられている。

 有機リン系、ネオニコチノイド系農薬は、どちらも神経伝達を阻害して虫を殺す。有機リン系もネオニコ系も神経伝達をオンにし続けることで阻害する。これが脳の発達障害を招き、ADHD、知能低下、自閉症を招く。

 この農薬がガーデニング、コバエ取り、ペットのノミ取り、家の木材の木材処理やシロアリ防除にも使われている。見渡せば殺菌・殺虫剤まみれの家庭は、農薬に囲まれているのだ。残留性が高く、種類によっては数年持続し、しかも水に溶けやすいので野菜の表面ではなく中身を汚染する。だから果物、お茶、野菜は洗っても落ちない。それが子どもの脳を襲うのだ。

 松本市では一部地域の空中散布を延期したが、それでも散布を中止してはいない。そこで地域の市民は提訴した。そこまでして農薬メーカーを擁護するのはなぜなのだろう。子どもより大切なものとはどうしても思えないのだが。



☆★ こちらの情報もご参考ください ☆★

グリーンピース
「ネコのノミとりにも? 身近にあるネオニコ商品」 より抜粋
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/48766/





子どもの脳や発達神経への悪影響や、
ミツバチの大量死の一因でもあるネオニコチノイド系農薬。
わたしたちの身近な生活にも潜んでいること、知っていますか?

農薬(殺虫剤)により野菜や果物に、
ネオニコ系農薬が残留していることはご存知かと思いますが、
犬や猫のノミとり、ゴキブリやアリの駆除、
そして台所に置くコバエとりやガーデニングの肥料にまで使われています。

すでにヨーロッパやアメリカでは、
ミツバチの大量死とネオニコチノイド系農薬の関連を重く見て、
暫定的に使用禁止されています。


けれども、日本では未だに何も対策は取られておらず、
多くの農薬メーカーが販売を続けています。

農薬メーカーの一社である住友化学は、
「EUのネオニコチノイド剤規制に対する住友化学の見解」という声明を出しており、
ネオニコチノイド系農薬とミツバチの死に因果関係は無く、
EUの措置は行き過ぎだと批判しています。

しかし、因果関係が決定的になってから規制するのでは手遅れです。


身近にあるネオニコ商品(カッコ内はメーカー・販売元など)をまとめてみました。

ネオニコではないものの、似た分子構造を持ち、
EUで規制されているフィプロニルも含めています。