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2013年5月25日

【インタビュー】 8bitnews ペイフォワード環境情報室  「長年放射能と闘ってきた優さんが考える、311後の生き方」

8bitnews での番組「ペイフォワード環境情報室」にてインタビューをして頂きました。

「長年放射能と闘ってきた優さんが考える、311後の生き方」
  (収録日2013.4.20)


※「8bitnews」とは元NHKアナウンサーの堀潤さんが立ち上げた市民発信メディア。
  その一番組として今回のペイフォワード環境情報室があります。

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-今度、本を出されるそうですね。


 はい、そうなんです。
 今度「放射能下の日本で暮らすには」というタイトルで筑摩書房から本を出すことにしています。(2013.7月出版)

-なかなかタイトルとしてはシビアなタイトルになってますが、優さんは今のこの日本をどう認識されていますか?  日本で一番問題なのがとにかく被害を過小評価し過ぎているので、それが心配なんですね。  例えば福島も今や1年間に20ミリシーベルトという地域でも、再び人が戻って行って住むという状態になってしまったのですが、本来これは1ミリシーベルトまで、と上限が決まっているのに、それが20ミリシーベルトまで上げられてしまたんですね。  それを考えると、あまりにも過小評価なのではないか、そして人々の方も困ったことに、日本人というのはどうしても「空気を読む」んですよね。  周りの人たちがどうかということをいつも空気を読んでそれで行動を決めていくから、その結果、実際には危ないのではないかと思ったとしてもテレビやラジオや新聞で大丈夫だ大丈夫だということばかり報道されていくと、そうすると言えなくなってしまうんですね。  そうなっていくと、いつの間にか誰もがその危険性について言わなくなっていってしまう、ということが一番懸念していることです。 -そうですね、周りの家族や友人が危険だと言いますが、それをどこまで信じたらいいのか、何を信じたらいいのかわからなくなることがあると思うんですが、どの程度危険だと優さんは認識されていますか?  その点はちょうど汚染レベルがよく似ているのがチェルノブイリ原発事故の時のウクライナなどの状況とよく似ているんです。そのウクライナだけはその後にどんなことが起こったことかについて、国家が徹底的に調査をして発表もしているんです。ですからそのウクライナのデータを見てもらうのがいいなと思っていて、そこからまず判断していって欲しいなと思っています。 -ウクライナ、ベラルーシ、ロシアの中で、ウクライナだけが25年経ったあとで中身的には衝撃的な報告書を出されてましたよね?  おっしゃる通りです。それこそ100万人を超えるような人たちのデータを全部取り揃えてそれで出しているんですね。  それを見ていくと、とても怖いのは子どもたちに対して出ている影響なんですね。例えば2005年位のデータでも、子どもの8割くらいに病気が出ているんですね。  よくガンが出ると言われるんですが、ガンよりより怖いのが病気でその病気が出ている原因というのは一体どにあるのかと見ていくと、結局のところ一番大きいのは「体内被曝」、放射線を体の内側に食べる、呼吸で吸うなどして体の中にいれてしまったことが一番大きいようだ、それを考えるとただ安全だ、食べて支えようとかいうことではなくて、きちんと放射能汚染されたものを避けるというのが大事だと感じています。 -今の日本の食品汚染地図というのは暫定値で一時期は500ベクレルと言われていて昨年4月に100ベクレルまでおちましたが、この新基準自体はいかがですか?  ベラルーシにゴメリ医科大学というのがあってそこの学長をなさっていたバンダジェフスキーという人が徹底的な調査をしているんですが、その結果によると体の中の体重1kgあたりのセシウムが5ベクレルを超えると心臓に不整脈などが出てくるんですね。  それをみていくと、体の中にいれていいのはおそらく最大で体重1kgあたり5ベクレル、そうすると食品になおしてみると、「食品1kgあたり1ベクレルを超えるものはその体の中の5ベクレルを超えてしまう」んです。  だから日本政府の言っている基準は、100倍甘いように見えます。 -ドイツの基準が子どもは4ベクレル、大人が8ベクレルと言われますよね?  これも優さんの1ベクレルからするとある程度許容せざるを得ないリスクの中で決められていると。できれば目標値としては1ベクレルというものが本来であればあるべきはないかということでしょうか?

 はい、そう思います。


-年齢に応じて被爆の影響が違う、特にお子さんについては心配ということですが、今後どういった形で対応していけばいいんでしょうか?

 それはまず、放射能汚染されたものを体の中に入れない、とり込まないということが一番大事なのでが、その時やっぱり汚染されている可能性があるものは避けるということがまず大事です。

 今言われたように大人の場合は大丈夫なんじゃないかという見解があるのですがところがベラルーシでは今一番の死亡原因が心臓病になっているんですね。これは世界的にみても、普通はガン(新生物)になるわけですが、それが心臓病になっているというのは奇妙なのです。
 その心臓には筋肉の塊なのでセシウムが貯まりやすいんですね。

 それを考えるとまずは食べてとり入れることを避けるというのがまず第一で、その次に大事なのが今度は体の中にいれても外に出す効果のあるものが、そういうものをなるべく食べてほしいんですね。

 具体的には食物繊維です。よくセロリをかじった時につーっと歯の間から伸びる繊維、あれを食物繊維だと思う人がいるとけっこういるんですが、あれは植物の繊維で、食物繊維ではないんですよ。食物繊維というのは“ぬるぬる”です。わかめ、こんぶ、おくらなどのぬるぬるしたものが食物繊維で、あれを体の中にいれるとセシウムをひっかけて体の外に出してくれる効果があるんです。
 そういうものをとってほしいなと思うのが二つ目です。


-東日本を中心とした太平洋側の海産物の中でそういったぬるぬるしたものをとろうとしたとき、逆にストロンチウムの心配などがあるかと思いますが、具体的にどんな風に体の中に良いものをとっていけばいいと思いますか?

 海の汚染は結構勘違いされているのですが、要は日本は非常に強い海流があって、黒潮という流れが犬吠埼の先端からハワイ側に流れているんですね。その海流のおかげで福島から流れ出てしまった放射線は南に下りて犬吠埼からは今度はハワイ側に向かってしまっているんです。


 一部乱流がありますから少ーし汚染が他にも流れていはいますが。

 主な汚染はほとんど福島沖、茨城沖、そのあとはハワイ方向に向かってしまっているのでそれ以外の海域というのは比較的大丈夫なんです。


-あとは個人レベルの場合、測定してもらったものを取り込みたいところですよね。

 そうですね、今は生協やイオングループも放射能レベルを調査したりしているのでそういうものを選択するのが良いかと思います。


-そういうところを私たちも積極的に動いてとりいれることが、そういうお店もだんだん増えてくるということでしょうか?
 そうだと思います。


-日々食卓を担当されているお母さん方にメッセージを頂けますか?

 そうですね、あともうひとつ体が強くなる要因というのはやっぱり免疫力が高くなると強くなるんですね。
 その免疫力はやっぱり高い人がいるわけですが、その人たちは押並べて前向きな人たちなんです。とにかく絶望してしまったりあきらめてしまったりすると、免疫力が弱くなるので常に前向きに考えてほしいということ。

 それと免疫力を高めるには“抗酸化物質”をとるのが良くて、この抗酸化物質はほとんど野菜に含まれているので、野菜は汚染をあまり集めていない食品のひとつですからそういうものを選んでなるべく野菜を食べてもらうということ、もう一つ日本の食文化は発酵食品が多くて、発酵食品はなぜか免疫力を高めるのでその発酵食品、要は日本的な食をするということに心がけてもらうのが良いかなと思います。


-そういった内容が今度の優さんの新刊に書かれているんでしょうか?

 そうなんです、そこをとにかく講演に行くたびに色々と聞かれるので徹底的に書きました。


-それは楽しみにしていたいと思います。ありがとうございました。

 こちらこそありがとうございました。

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※書き起こしにあたっては、読みやすくするために必要最低限の編集を行っています。
 文章作成:田中優スタッフ