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2012年8月1日

田中優より パブコメ、3つの選択肢の真相について

7月30日に、田中優 「有料・活動支援版メルマガ」にて今話題の
エネルギー・環境に関するパブコメについてのお話を掲載いたしました。

一部内容をご紹介いたします。(グラフなども一部のご紹介となります)

こちらの田中優有料・活動支援版メルマガ http://www.mag2.com/m/0001363131.htmlは、
地域活性化やおカネの回し方、身の立て方など具体的に活動するための方法や
徹底的に調査した情報などを掲載しています。

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 □◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■ 
 
「原発比率、「ゼロ、15%、20~25%」の選択

大化けするか「パブコメ」


 パブリックコメントは新たな仕組みを政府が提案するときに、国民に意見を求める仕組み
だ。「聞き置く」だけのことで、たいして重視もされていない。しかし今回だけは大化けする
可能性る。

 もともとは細野原発大臣も、聞き置くだけのつもりでいた。しかし今回のパブコメには多くの
人々が反応し、そのせいでパブコメの締め切りは延長され、このままなら数万~数十万人の
パブコメが集まりそうな勢いとなった。ここまで大きくなってくると、実質的には「国民投票」の
ような様相を帯びる。

 もし「国民投票」レベルになったら、票が基盤になっている政治家としても無視できなくなる。


2030年の電源全体に対する原子力発電所の割合を、ゼロにするのか、15%にする
のか、20~25%にするのかという「エネルギー・環境選択肢」の問いは、今や国民投票に
匹敵する意思表示になってきているのだ。

 もともと国家戦略室の取り上げたパブコメは、原発推進に導くための恣意的なもの
だった。
「原発ゼロ」には「経済的に大きな負担が伴う」と、わざわざ注意書きがなされ、もともと
なかったゼロと20~25%の間に、中途半端な15%が置かれた。

-中略-

 同じく「2030年原発15%案」も、極端を嫌う民族性の日本人に「選ばせるため」のもの
だった。ところが国民投票でなかったことが幸いした。パブコメでは積極的な人々だけが
応募するため、逆に「原発ゼロ案」が多数選ばれることになったのだ。


 
2030年のGDP、省エネ率、電源選択の三段階


-中略-


 前提は「経済成長率とエネルギー消費量は比例する」というものだが、ここに面白い
データがある。ドイツと日本のGDPとGHG(グリーンハウスガス=温室効果ガス排出量)
との対比だ。GHGは直接エネルギー消費量とイコールになるものではないが、実際には
その9割以上が二酸化炭素で、ほとんどがエネルギー由来だからほぼイコールと考えて
いい。それでみるとこうなっている。
 



 いまや日本のGDP成長率とGHGとは一致せず、特にドイツを見ると一致しない
どころか、
逆に反比例 している。もはやエネルギー消費量が経済成長を意味するではなく、経済成長
がエネルギー消費を抑制していくのだ。
 
-中略-

 しかし再びドイツと比較してみると、1990年から2010年にかけての電気消費量の伸びは、
日本が1.4倍であるのに対してドイツは1.1倍しか伸ばしていない
ここまでの20年間の消費の伸びの放置分だけでも、日本はもっと節電できる余地がある。
 
具体的に言うなら、日本で進めてきた「オール電化」のような無駄な消費、照明や冷蔵庫
などの改善された省エネ率の活用、ガスヒートポンプエアコンの利用による急激な節電だ。



-中略- 



  費用負担の妨げもなく、省エネすることができるのだ。

 
-中略- 



そして電源構成だが、不徹底な節電の結果を根拠にして、原発を維持しない限り
経済的負担が重くなっても再生可能エネルギーの導入を促進が必要になると
書いている。

-中略-

 さて、本来の電源構成は、最大消費ピーク時の発電設備について考えることを指す。
年間平均ではないのだ。電気は貯められないので、最大消費ピークに合わせて発電所を
建てなければならないからだ。

本当ならここで、再生可能エネルギーは「ピーク時に使えない電源だから」と、
原発推進派
欠点をあげつらいたいところだ。

 しかしその点は原発も同じなのだ。原発は事故の危険性があるために、出力を
弱火に
することができない。その点は再生可能エネルギーと同じなので、推進派はそこを「弱点だ」
と騒げないのだ。

-中略- 



 ジャンプの電源構成は、本来ピーク時をまかなう電源構成で考えるべきなのに、
全体的な電気の消費量を考えるふりをして、弱火にできない原発の弱点を隠し、しかも
岩波新書「原子力のコスト」に明瞭に立証された「最も高くつく原子力発電コスト」
を隠したままでいる。 ここでそのコストの比較を示しておこう。


-中略-

 原子力発電を選択肢に残した場合の方が、「経済的負担が重くなる」のが現実だ。

このパブコメは、ウソの上にウソの上塗りをすることで成り立っている。しかしここで人々が
「原発ゼロシナリオ」を選択するなら、こんなずさんなシナリオのままで、進めることが不可能
なる。
 だからこそ、パブコメを多くの人に提出してほしいのだ。



原発15%も、20~25%も虚構の数字だ

 政府はすでに、「原発の寿命を40年まで」と言っている。
 一方で「原発の新設はしない」とも述べている。


では現状の原発を動かしていったならどうなるだろうか。

 今、福島第一原発1~4号機が廃炉されたことで、日本の原発は50基になった。

その原発を予定通り40年で廃止していくと、2030年中途に柏崎の二基の原発が廃止され、
2030年以降に残るのは18基だけになる。

 
それは発電施設全体に対してわずか8%、発電量にして11.75%を占めるに
すぎない。

 これは原発比率「15%」にも、「20~25%」にも達しない


つまり原発比率「15%」、「20~25%」にするにも、どうしても
原発増設か稼動延長かを前提にしなければならない

 これは現状維持ですらない「
原発推進プラン」なのだ。

-中略- 



 今までだったらぼく自身も、虚構と分かっていてもあきらめなければならなかった
だろう。なぜなら多くの人は興味を持ってくれなかったし、また伝える術もなかったからだ。

しかし今は違う。多くの人が福島第一原発の信じられない事故を目の当たりにし、悲惨な

被害を見ている。そのおかげで多くの人々の意識が向いてくれている。しかもインターネット
やSNSが、多くの人に情報を伝えることを可能にしてくれたのだ。


 さて、
パブコメを書いて、実質「国民投票」に、大化けさせよう!
 http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf


************


★ 今回のパブコメとは?

 6月29日、政府の「エネルギー・環境会議」(長:古川国家戦略担当大臣)は 、
2030 年の
エネルギー・環境に関する3つ選択肢(原発依存度を基準に、ゼロシナリオ15%シナリオ
20 ~25% シナリオを取りまとめました 。


これについて国民の皆さんに意見を求め、それらを参考に今後の国としての
方針を決めて
いくものです。

年齢制限など一切なく、誰でも意見を送ることができます。

 方法 下のいずれか  
 1.HP  
 2.FAX  
 3.郵送
     http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702_2.pdf


 期日 平成 24 年8月12日(日)18 :00までに必着


★優さんより、パブコメを書く際のポイント

 ● 「御意見の概要」欄に「原発ゼロシナリオ(即時)と明記した方がいい。
 ● 御意見及びその理由」欄には100字以内で記入を。


こちらのサイトもご参考ください

http://611kanagawa.org/?action=common_download_main&upload_id=454