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2012年7月6日

『 市民がカネを支配する 』

 「市民が自分たちで金融をする」、そんなNPOバンクを最初に始めたとき、 周囲はうまくいくはずがないと言い、金融機関には相手にもされませんでした。  

 しかし今や全国に市民が作るNPOバンクがたくさん生まれ、市民が市民の力と 融資で起業することも可能な時代に入りました。金融機関にも市民事業に融資するところが増え、城南信金のように意志を示す金融機関も登場しました。  

 私自身がNPOバンクを始めてから19年目。こうして進展できたのは、全国の各バンクの人たちの誠実な活動の賜物だと思います。  
 もし私たちが騙したり嘘をついたりしていたら、今の状態はなかったはずです。 

 よく言われるように信用は作るのに10年かかりますが、壊すのは1回で足ります。 
人は誰でもおカネのこととなると神経をとがらせますから。  

 そんな中、東日本大震災によって引き起こされた原発事故は社会を一変させてしまいました。それまで無償で得ていた野草も山菜も果物も魚も水も汚染され、カネを出さなければ買えないものにされてしまいました。  

 私の理想は「カネがなくても暮らせる社会の実現」です。そのためにカネを使おうと考えてきたのです。カネは単なる手段ですが、カネを得るのが目的になったとき、カネは人を支配する道具になります。この主客逆転が社会を貧しくしているのです。今や東北の人々は後ろ盾だった自然を奪われ、都会のようにカネがなければ暮らせない場所に変えられつつあります。  

 私たちは奴隷労働するために生まれたのではありません。私は市民の金融の仕組みを使って目的化したカネを、元の道具に戻したいと思います。私たちはカネの手綱を握り、役に立つ道具に飼いならさなければなりません。  

 NPOバンクは、目的化したカネを手段に戻し、私たちの望む社会を形成するための機関だと思います。 これからも皆で力を合わせて、市井の市民の作る社会を実現させたいと思います。 


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こちらは、7/7~7/8に福岡で開催されます「全国NPOバンクフォーラム」
に向けて、代表である田中優からのメッセージを転載いたしました。

(7/6発行の田中優無料メルマガでも掲載しております
http://archive.mag2.com/0000251633/20120706190558000.html

フォーラム詳細 ⇒ http://npobankforum.com/

今年は福岡にて開催!フォーラムのみ参加は当日でも受け付けております!