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2014年11月27日

11/27まで!ODA大綱改定案パブコメ~必要なのは連携ではなく多様性~

田中優より

ODA大綱改定案のパブコメ、今日11/27までです。


▼開発協力大綱案についての意見募集



ぼくは急きょ、以下のように書いて送りました。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


開発協力大綱を改定するにあたり、
まずこれまでの不満足点について注意すべきである。

世界銀行調査の「世界汚職指導者番付」では、
日本が重点的に援助してきたインドネシア・スハルト、フィリピン・
マルコス大統領などが上位にランクされ、日本の援助の正当性が疑問視される。


またフィリピン政府が調査した「不当な債務」では、
11の項目のうち5項目が日本と関わるものであった。

まずはこうしたことが再発しないように、
援助内容を公開しとNGOの意見を取り入れて吟味するようにすべきだ。


貧困問題の最大原因である途上国の債務額に対して、
最大に貸し出しているのが日本政府となっており、
それが途上国の社会発展の妨げになっていることを認識すべき。


「貧困層を対象とした直接的な社会開発支援に高い優先順位を与える」
現大綱と異なり、
新大綱では、貧困をなくすために
「経済成長に高い優先順位」が置かれている。

しかし従来からの言われてきた「トリックルダウン効果」は全く機能せず、
いまや世界は大富豪85人が残りの地球上の35億人と同じ資産を持つに至っている。


また、MDGsが進めた金額ベースの貧困対策は、
現実に持続可能な非貨幣経済に暮らす人々をプランテーション開発などで追い立て、
GDPは増えても生活できない人を増やしている。


援助は援助が必要な人たちに届くものに変えるべきで、
市場経済化に巻き込むことだけと解すべきではない。


生活の多様性を認めるべき。


「国益」と言う前に被援助者の利益を第一に考えなければならない。


また新大綱案は
「II 重点政策 (1)重点課題」の
「イ 普遍的価値の共有、平和で安全な社会の実現」において
「さらに、安定・安全への脅威は、経済社会発展の阻害要因となることに鑑み、
海上保安能力を含む法執行機関の能力強化、テロ対策や麻薬取引、
人身取引対策等の国際組織犯罪対策を含む治安維持能力強化、
海洋・宇宙空間・サイバー空間といった国際公共財に関わる開発途上国の
能力強化等、必要な支援を行う」としている。

これは従来なかったODAの軍事利用に道を開く懸念がある。


宇宙基本法の「基本計画案」に宇宙空間の軍事開発と市場拡大があったことと
考え合わせると、ODAの開発援助がその先棒を担ぐことが懸念される。

「海上保安能力強化」や「治安維持能力強化」、
「非軍事名目での軍や警察への支援」が政治弾圧や人権侵害につながる可能性が
あるばかりでなく、日本を戦争に巻き込む可能性があるため、
こうした強化は撤回すべきである。


「「開発」を広くとらえ…我が国政府及び政府関係機関によるそれ以外の資金・
活動(ODA以外の公的資金(OOF),国際連合平和維持活動(PKO)等)
や開発を目的とする又は開発に資する民間の資金・活動(企業や地方自治体,
NGOを始めとする多様な主体による資金・活動)との連携を強化し,
開発のための相乗効果を高めることが求められる」

としているが、必要なのは多様性である。


NGOが政府と連携した主体と思われるなら、
日本政府に対する評価によって攻撃対象となり得る。


必要なのは多様性であって「連携」ではないので削除されたい。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇