2018.8.30に発行しました有料・活動支援版メルマガはこちらです。
「なぜメガソーラーに反対するのか(上)」
全国各地で建設されていくメガソーラー、本当に役に立っているのでしょうか?
内容
・太陽光発電設備の特徴
・今回の豪雨で崩れたメガソーラーパネル
・美味しすぎた「固定価格買取制度(FIT)」の今
・明白に「投資目的」メガソーラー
・送電ロスで消えていく電気 など
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2018年8月31日
2018年8月28日
「水俣病」と同じ仕組みで世界を汚染するトリチウム ~トリチウム放出をさせてはいけない~
8月15日、田中優有料・活動支援版メルマガにて、こちらのメルマガを発行しました!
『「水俣病」と同じ仕組みで世界を汚染するトリチウム
~トリチウム放出をさせてはいけない~』
・・トリチウム放出は危険です!
その根拠が解説されています。登録月は無料です
本文より抜粋
田中優有料・活動支援版メルマガ ご登録はこちらより
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『「水俣病」と同じ仕組みで世界を汚染するトリチウム
~トリチウム放出をさせてはいけない~』
・・トリチウム放出は危険です!
その根拠が解説されています。登録月は無料です
本文より抜粋
「トリチウムは濃縮されないとしてきたのだが、それは調査不足で、実際にはOBT(有機物と結合したトリチウム)の形で濃縮されムラサキイガイ、タラ、海ガモなどに濃縮されるというのだ。
しかもこのOBT(有機物と結合したトリチウム)は、結局海から飛散する埃に乗って、内陸地も汚染するのだ。これと同じことはイギリスの再処理工場でも起きている。なんと家庭の中の掃除機のゴミを調べると、そこに海から飛散したと思われる放射性物質が見つかるのだ。 」
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2018年8月23日
「 ヒノキチオール 」~蚊殺しの木~
今回はヒバのお話です。
田中優宅、3年間蚊取り線香をたいていません!(蚊がいないんです!)
田中優天然住宅コラム 第89回
『 ヒノキチオール 』
▼ヒノキチオールを含む木とは
ふざけた話だが、「ヒノキ」に「ヒノキチオール」はほとんど含まれていない。
あの虫が嫌ってカビをつけさせない成分であるヒノキチオールは、日本の「ヒノキ」に含まれていないのだ。ではそれなのになぜ「ヒノキチオール」と呼ぶのか。
それは発見したのが日本人で、海外で成分を分析したせいかもしれない。
▼注目されない「ヒバ」
その名の通り、「ヒノキチオール」の発見者は日本人だ。しかし日本の「ヒノキ」の成分から発見したのではないのだ。なんと台湾ヒノキを研究していて、抽出・分離・発見したようだ。ところがその後調べてみると、その成分は「日本のヒノキ」には見つからない。
なんとそれを多量に含んでいたのは「ヒバ」の方だった。「ヒバオイル」なり「ヒバチオール」にしておけばよかったのだが、それは後の話。
おかげでヒノキはいわれなく人気が出て、ヒバの方はいわれなく人気が出なかった。「ヒバ」よりも「アスナロ」の名の方が知られている地域もあるかもしれない。同じ木なのだがこれを漢字で書くと「明日檜」と書くのだから、間違いというのも酷な気がする。
▼蚊殺しの木
何がいいかと言えば殺菌性能が著しく高いことだ。我が家もシロアリを避けるために、土台の木材はわざわざ「能登ヒバ」を使った。ヒバは別名、「蚊殺しの木」とも言われる。なんとこの夏も、一匹の蚊すら家の中で見なかった。建てて三年は蚊やゴキブリなどは出ないという(ゴキは見つけた。窓の網戸から入ったらしい)。
その殺菌力は抜群だ。家ダニもまた三日で死んでしまう。この効果を多く持つのがヒバとスギ、次にヒノキ、マツなのだ。家を建てるときにそのことを知っていると便利だ。布団は外に干すのではなく、ふんだんにそれらを使った室内に干すのがいい。三日で撲滅できるほどなので、わざわざダニを吸い取れる掃除機を買わなくていいのだ。
https://tennen.org/yu_column/hiba.html
☆--★ コラムは 第112回 まで更新中!☆---★
田中優の「住まいと森のコラム」
目次一覧→ http://tennen.org/yu_column
★☆★ 天然住宅 はこちら ★☆★
ホームページ http://tennen.org/
・施工例 http://tennen.org/gallery
・お客様の声 http://tennen.org/voice
・こだわり ~高断熱適気密・お家で森林浴・工法~ http://tennen.org/kodawari
・プラン集 http://tennen.org/plan
・見学会のお知らせ http://tennen.org/event
・住宅コーディネートって何? http://tennen.org/coordinate
・資料請求 http://tennen.org/request
他にもたくさんのこだわりがあります。
ぜひHPでチェックしてみて下さい。
田中優宅、3年間蚊取り線香をたいていません!(蚊がいないんです!)
田中優天然住宅コラム 第89回
『 ヒノキチオール 』
▼ヒノキチオールを含む木とは
ふざけた話だが、「ヒノキ」に「ヒノキチオール」はほとんど含まれていない。
あの虫が嫌ってカビをつけさせない成分であるヒノキチオールは、日本の「ヒノキ」に含まれていないのだ。ではそれなのになぜ「ヒノキチオール」と呼ぶのか。
それは発見したのが日本人で、海外で成分を分析したせいかもしれない。
▼注目されない「ヒバ」
その名の通り、「ヒノキチオール」の発見者は日本人だ。しかし日本の「ヒノキ」の成分から発見したのではないのだ。なんと台湾ヒノキを研究していて、抽出・分離・発見したようだ。ところがその後調べてみると、その成分は「日本のヒノキ」には見つからない。
なんとそれを多量に含んでいたのは「ヒバ」の方だった。「ヒバオイル」なり「ヒバチオール」にしておけばよかったのだが、それは後の話。
おかげでヒノキはいわれなく人気が出て、ヒバの方はいわれなく人気が出なかった。「ヒバ」よりも「アスナロ」の名の方が知られている地域もあるかもしれない。同じ木なのだがこれを漢字で書くと「明日檜」と書くのだから、間違いというのも酷な気がする。
▼蚊殺しの木
何がいいかと言えば殺菌性能が著しく高いことだ。我が家もシロアリを避けるために、土台の木材はわざわざ「能登ヒバ」を使った。ヒバは別名、「蚊殺しの木」とも言われる。なんとこの夏も、一匹の蚊すら家の中で見なかった。建てて三年は蚊やゴキブリなどは出ないという(ゴキは見つけた。窓の網戸から入ったらしい)。
その殺菌力は抜群だ。家ダニもまた三日で死んでしまう。この効果を多く持つのがヒバとスギ、次にヒノキ、マツなのだ。家を建てるときにそのことを知っていると便利だ。布団は外に干すのではなく、ふんだんにそれらを使った室内に干すのがいい。三日で撲滅できるほどなので、わざわざダニを吸い取れる掃除機を買わなくていいのだ。
https://tennen.org/yu_column/hiba.html
田中優宅の能登ヒバの土台
☆--★ コラムは 第112回 まで更新中!☆---★
田中優の「住まいと森のコラム」
目次一覧→ http://tennen.org/yu_column
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ホームページ http://tennen.org/
・施工例 http://tennen.org/gallery
・お客様の声 http://tennen.org/voice
・こだわり ~高断熱適気密・お家で森林浴・工法~ http://tennen.org/kodawari
・プラン集 http://tennen.org/plan
・見学会のお知らせ http://tennen.org/event
・住宅コーディネートって何? http://tennen.org/coordinate
・資料請求 http://tennen.org/request
他にもたくさんのこだわりがあります。
ぜひHPでチェックしてみて下さい。
2018年8月22日
がんじがらめの社会にサヨナラを ~苦しんで学校に行くより行かない方がいい~
今週くらいから夏休みが終わりますね。
夏休みが終わる頃~9月1日が、1年で一番“18歳以下の子の自殺者”が多いと聞きました。
▼緊急メッセージ 明日、学校に行きたくないあなたへ(不登校新聞 2015.8.18)
田中優はなんと、7回高校をクビになっていて、高校を卒業できていません!
(昔で言う大検で合格しています)
でもその後公務員となり、大学院でも非常勤講師として授業をしていたこともあります。
田中優もこうメッセージを出しています。↓
そんな学校に馴染めなかった田中優が以前インタビューで話していたことを再度掲載させて頂きます。
これからの活動などでヒントになれば幸いです。
☆仕事は「させられる」から「する」へ。
☆1つの収入源だけでは不安定。
色んな自分の得意なもので複数の仕事で生業を持つ・・“生活の百姓”を目指そう
--*--*-*--*--*--*-
【がんじがらめの社会にサヨナラを】
▼「させられる」から「する」側へ
――田中さんはどんな学生時代を送りましたか?
俺は高校を7回クビになったの(笑)。昔から、なぜか試験だけはやたらに強くて、いい成績で学校に受かるんだけど、すぐ中退になっちゃう。どこの高校に入ってもすぐケンカを売られるし、教師とはぜんぜん意見があわない。それと押しつけられるのが絶対にイヤだから、まあ、学校にはまったく向かないタイプ(笑)。
ただ、当時はやっぱり高校を卒業したくて。毎回「今度こそは」っていう気持ちで入学してた。最後まで諦めがつかなかったなあ。親に援助を受けるのがイヤで、働きながら、何度も何度も高校に出たり入ったりして……、あのころは圧倒的にコンプレックスが強かったね。「人間のくずっていうのは俺みたいなヤツだ」って、そう思ってたから。
――その後、大学に進学されていますが
結局、最初の高校入学から5年後に大検を取ったの。
大検は楽だったよ、最初から、受けときゃよかった(笑)。
大検を取って、その後は夜間大学に入学しました。
一年目は車の免許を取ったので、乗りまわしているのが楽しくて楽しくて。
仕事をして、明け方までドライブをして……、もう寝る時間もないんだから、学校行く時間はもっとない(笑)。
そのまま辞めようと思ってたんだけど、学生運動が後期試験をつぶしてくれた。
試験の代わりに送られてきたレポートを好き勝手に書いたら、全部いい成績で評価された。生まれて初めて評価されたんだ。「大学も悪いところじゃないな」って思っていく気になったんだ。それで2年目からはすこしまじめに、3年目にはさらにまじめに通った。結局4年間で、あり余るほど単位を取って卒業したんだ。
――いつから環境問題を考え始めたのですか?
やっぱり、自分の子どもができてからかな。
それまでは、モラトリアム人間って言われるほど、責任をとらずにやってきたの。
でも、子どもができたら逃げられないじゃない。正直、ビビったよ(笑)。
けど、子どもは親しか頼れないわけだから、さすがに「何とかしなければ」っていう気持ちになりました(笑)。子どもが生まれたことと1986年のチェルノブイリ事故が重なったのが、大きかったんでしょうね。
――学校や会社「組織」が人を苦しめる仕組みになっていますよね。
いわゆる「発展途上国」に行くと、「生きていければ何をやってもいい」という自由さが当たり前にある。けれども、日本の場合は、組織のなかで徹底的に自分の考えや発想が規制されて、協調性が求められる。結果、しつけられちゃう。
原発の必要性を聞けば、学生の半数以上が「原発はよくない」って答えるのに、電力会社の社員になると全員が「必要だ」と答える。
社員のほうは、まったく自分の頭で考えていない。もう社畜と言っていい。
組織はさまざまなキャラクターが集まるほど活性化する。
組織が個性をなくさせるのだったら、そんな組織はないほうがいい、そう思うんですよ。
「発展途上国」に行くと、子どもたちが、とにかくおもしろがって生きてる。
「生きるのがおもしろい」っていうのが大前提。
そう感じられない社会や組織のほうが、やっぱりおかしい。
▼安全な働き方
――しかし、「会社」に属さなければ経済的には苦しくなります。
自分の収入源が「会社だけ」と一本化してしまうと苦しいね。
結果的にクビにされるのが怖くて、社畜にすらなってしまう。
もし、会社だけでなく、別の稼ぎ口がいくつかあると、生活のセキュリティ(安全性)という面では向上します。
絵が好きだったり、写真が好きだったり、そういう自分の好きなことを同時進行させて稼ぎ口にしていく。形にしたことは、臆せずにコンテストとか、いろんな場所に発表したらいいと思う。他流試合というか、そういう場に出すことで、自分の可能性を試していくのが大事でしょうね。
僕も含めて、学校社会にあわない人は、早くサヨナラしたほうがいい。
そして、開き直って自分を信じられたらもっといいと思う。
――個人の可能性を見つけられるかは大事ですね。
「発展途上国」に対して、識字率向上のための教育運動があるでしょ。
NGO関係者って高学歴の人が多いですよ。そういう人が、識字教育向上を考えると、たいがい「学校をつくりましょう」っていう発想になっちゃう。でも俺は文字をマンガで覚えた。いま、世界で一番おもしろいストーリーマンガは日本にしかないんだから、マンガを現地語にして売ればいいんだよ。おもしろいマンガがあれば、すぐ文字なんて覚える。学校なんかつくっちゃダメ(笑)。
いろんなところにニーズがある。俺もNGO活動を始めたころは「権威」にビビってたところもあったんだけどね(笑)。「学歴がないから」と、みんなが寄りつかないことが、本当はネックになってるかもしれないね。
▼お金持ちがより金持ちに
――ひきこもりやニートをどう思われてますか?
ひきこもり・ニートが、なぜ生まれたのか。構造的な問題だと思う。
いま、日本を含めていろんな国で少子化が起きている。原因はどこもいっしょで、高学歴が高収入につながるから。だから、親は高学歴のために高額の学費をかけていく。当然、学費が払える範囲でしか子どもをつくらないから、少子化が進むよね。バーンと学費をかけたのに、子どもが一浪し二浪し何もしなくなって、親は気づく。「学校に行かせるより安上がりだな」って(笑)。親の稼ぎで食えるうちは、それでいいじゃない。
それよりも、とにかく、この輪廻のような、がんじがらめになっている社会からどう抜けるかだよ。別に家で何年もグダグダ過ごしてもいい。学校や会社……、がんじがらめの社会に、どれだけ自分がとらわれていたのか、逆にどう抜け出すかを考える機会にすればね。
社会の構造全体が閉塞的な構造になっている。このどうにもならない状況を素直に認めてるしかないと思う。ムリに幻想を持って合わせようとする必要はない。
それより自分たちがどんな社会を目指したいのかを探すほうがいい。その前段階として、時間をかけて自分や社会を問うってのはいいと思う。「おかしいぞ」って疑い始めることが積極的に動く、「する側」へまわりはじめるきっかけになるんだから。
これは、ひきこもりだけの問題ではなく、この社会では、多くの人が受動的に「させられ」ているんだ。「させられる社会」ってのは、まったくおもしろくないよ。ミスをしても責任をとらなくていいけど、逆に何一つ自分の功績にはならない。自発的に「する」側に切り替わらないと、おもしろいことは起きない。
――多くの人が徹底的に「させられ」ていますね。
やっぱり社会のほうがおかしくなったんだよ。しかも、本当にどうにもならないところまできちゃった。どんなにクソまじめに働いたって、たいした報酬が得られるわけじゃない。200年ほど前のマルクス・エンゲルス時代から比べると、はるかに労働生産性が向上しているんだから。以前よりはるかにすくない労働ですむはずなのに何も変わっていない。
原因は誰かがかすめ取って、お金持ちがよりお金持ちになる仕組みになっているからだよね。こんな社会に順応しなくていいと思う。
できることの一つとして、生活費から考えるとおもしろいよ。
たとえば、生活費全体の10%程度を携帯料金に支払っているとする。
もし携帯電話に代わる仕組みをつくって、その仕組みに100人の人が乗っかってきたら……、10人の人の生活費が出せることになる。
それは電気料金でも家賃でもいいけど、生活費のなかで大きなパーセンテージを占めるものを、別の仕組みに転換してしまえばいい。
それと、何か「やろう」と思ったら、仲間を巻き添えにすることだよね。
共感できる仲間を集めて、いっしょに次の時代の仕組みを築いていく。
俺の考えでは仕組みを変えなくては、どうしようもならないと思っているから。
自分と相手、相互に「利」がある仕組みをどうつくってけるか、それが大事だと思っています。
不登校新聞 【公開】未来バンク・田中優さんに聞く
https://futoko.publishers.fm/article/1629/
--*--*-*--*--*--*--
こちらもご参考に
▼「学校がつらい君へ 「頑張って家を出るな」著名人の言葉」(朝日新聞2018.8.19)
8月下旬から9月上旬の夏休み明け近くは、子どもの自殺が多くなる傾向がある。
「学校に行くのがつらい」。そう思い悩む子どもたちの力になれればと、不登校や引きこもりを経験した若者たちが動き始めた。
「子どもの自殺が多い9月1日を前に何かしたい」。不登校や引きこもりの現状を伝える「不登校新聞」(発行元・NPO法人全国不登校新聞社)に、ポプラ社からこんな相談があり、今月2日、「学校に行きたくない君へ」が出版された。
同紙の子ども若者編集部の記者たちが著名人にインタビューした記事から、20人分を載せる形で書籍化。記者は不登校や引きこもりの経験者らで、ボランティアで新聞製作に携わっている。
「『夜明け前の夜が一番暗い』というのは真理でしょう。
でも『明けない夜はない』というのもまた真理だ」。
不登校新聞のインタビューでこう語った漫画家の山田玲司さん(52)は、
「頑張って家を出るなと言いたい。学校以外の選択肢はたくさんある。
5年たてば社会も変わる。
社会にはたくさんの『親』がいるし、過去の偉人にも学べる。
正しいと思う誰かを探し続けてほしい」
と話す。
夏休みが終わる頃~9月1日が、1年で一番“18歳以下の子の自殺者”が多いと聞きました。
▼緊急メッセージ 明日、学校に行きたくないあなたへ(不登校新聞 2015.8.18)
田中優はなんと、7回高校をクビになっていて、高校を卒業できていません!
(昔で言う大検で合格しています)
でもその後公務員となり、大学院でも非常勤講師として授業をしていたこともあります。
田中優もこうメッセージを出しています。↓
『子どもの自殺が突出するのが8月下旬から9月1日。
苦しんで学校に行くより行かない方がいい。 宿題程度の悩みならしないで行った方がいいけど、
死ぬほど悩むんなら行かない方がいい。
ぼくは学校に行かないことが多かったけど、なんとか普通に生きています。』
そんな学校に馴染めなかった田中優が以前インタビューで話していたことを再度掲載させて頂きます。
これからの活動などでヒントになれば幸いです。
☆仕事は「させられる」から「する」へ。
☆1つの収入源だけでは不安定。
色んな自分の得意なもので複数の仕事で生業を持つ・・“生活の百姓”を目指そう
--*--*-*--*--*--*-
【がんじがらめの社会にサヨナラを】
▼「させられる」から「する」側へ
――田中さんはどんな学生時代を送りましたか?
俺は高校を7回クビになったの(笑)。昔から、なぜか試験だけはやたらに強くて、いい成績で学校に受かるんだけど、すぐ中退になっちゃう。どこの高校に入ってもすぐケンカを売られるし、教師とはぜんぜん意見があわない。それと押しつけられるのが絶対にイヤだから、まあ、学校にはまったく向かないタイプ(笑)。
ただ、当時はやっぱり高校を卒業したくて。毎回「今度こそは」っていう気持ちで入学してた。最後まで諦めがつかなかったなあ。親に援助を受けるのがイヤで、働きながら、何度も何度も高校に出たり入ったりして……、あのころは圧倒的にコンプレックスが強かったね。「人間のくずっていうのは俺みたいなヤツだ」って、そう思ってたから。
――その後、大学に進学されていますが
結局、最初の高校入学から5年後に大検を取ったの。
大検は楽だったよ、最初から、受けときゃよかった(笑)。
大検を取って、その後は夜間大学に入学しました。
一年目は車の免許を取ったので、乗りまわしているのが楽しくて楽しくて。
仕事をして、明け方までドライブをして……、もう寝る時間もないんだから、学校行く時間はもっとない(笑)。
そのまま辞めようと思ってたんだけど、学生運動が後期試験をつぶしてくれた。
試験の代わりに送られてきたレポートを好き勝手に書いたら、全部いい成績で評価された。生まれて初めて評価されたんだ。「大学も悪いところじゃないな」って思っていく気になったんだ。それで2年目からはすこしまじめに、3年目にはさらにまじめに通った。結局4年間で、あり余るほど単位を取って卒業したんだ。
――いつから環境問題を考え始めたのですか?
やっぱり、自分の子どもができてからかな。
それまでは、モラトリアム人間って言われるほど、責任をとらずにやってきたの。
でも、子どもができたら逃げられないじゃない。正直、ビビったよ(笑)。
けど、子どもは親しか頼れないわけだから、さすがに「何とかしなければ」っていう気持ちになりました(笑)。子どもが生まれたことと1986年のチェルノブイリ事故が重なったのが、大きかったんでしょうね。
――学校や会社「組織」が人を苦しめる仕組みになっていますよね。
いわゆる「発展途上国」に行くと、「生きていければ何をやってもいい」という自由さが当たり前にある。けれども、日本の場合は、組織のなかで徹底的に自分の考えや発想が規制されて、協調性が求められる。結果、しつけられちゃう。
原発の必要性を聞けば、学生の半数以上が「原発はよくない」って答えるのに、電力会社の社員になると全員が「必要だ」と答える。
社員のほうは、まったく自分の頭で考えていない。もう社畜と言っていい。
組織はさまざまなキャラクターが集まるほど活性化する。
組織が個性をなくさせるのだったら、そんな組織はないほうがいい、そう思うんですよ。
「発展途上国」に行くと、子どもたちが、とにかくおもしろがって生きてる。
「生きるのがおもしろい」っていうのが大前提。
そう感じられない社会や組織のほうが、やっぱりおかしい。
▼安全な働き方
――しかし、「会社」に属さなければ経済的には苦しくなります。
自分の収入源が「会社だけ」と一本化してしまうと苦しいね。
結果的にクビにされるのが怖くて、社畜にすらなってしまう。
もし、会社だけでなく、別の稼ぎ口がいくつかあると、生活のセキュリティ(安全性)という面では向上します。
絵が好きだったり、写真が好きだったり、そういう自分の好きなことを同時進行させて稼ぎ口にしていく。形にしたことは、臆せずにコンテストとか、いろんな場所に発表したらいいと思う。他流試合というか、そういう場に出すことで、自分の可能性を試していくのが大事でしょうね。
僕も含めて、学校社会にあわない人は、早くサヨナラしたほうがいい。
そして、開き直って自分を信じられたらもっといいと思う。
――個人の可能性を見つけられるかは大事ですね。
「発展途上国」に対して、識字率向上のための教育運動があるでしょ。
NGO関係者って高学歴の人が多いですよ。そういう人が、識字教育向上を考えると、たいがい「学校をつくりましょう」っていう発想になっちゃう。でも俺は文字をマンガで覚えた。いま、世界で一番おもしろいストーリーマンガは日本にしかないんだから、マンガを現地語にして売ればいいんだよ。おもしろいマンガがあれば、すぐ文字なんて覚える。学校なんかつくっちゃダメ(笑)。
いろんなところにニーズがある。俺もNGO活動を始めたころは「権威」にビビってたところもあったんだけどね(笑)。「学歴がないから」と、みんなが寄りつかないことが、本当はネックになってるかもしれないね。
▼お金持ちがより金持ちに
――ひきこもりやニートをどう思われてますか?
ひきこもり・ニートが、なぜ生まれたのか。構造的な問題だと思う。
いま、日本を含めていろんな国で少子化が起きている。原因はどこもいっしょで、高学歴が高収入につながるから。だから、親は高学歴のために高額の学費をかけていく。当然、学費が払える範囲でしか子どもをつくらないから、少子化が進むよね。バーンと学費をかけたのに、子どもが一浪し二浪し何もしなくなって、親は気づく。「学校に行かせるより安上がりだな」って(笑)。親の稼ぎで食えるうちは、それでいいじゃない。
それよりも、とにかく、この輪廻のような、がんじがらめになっている社会からどう抜けるかだよ。別に家で何年もグダグダ過ごしてもいい。学校や会社……、がんじがらめの社会に、どれだけ自分がとらわれていたのか、逆にどう抜け出すかを考える機会にすればね。
社会の構造全体が閉塞的な構造になっている。このどうにもならない状況を素直に認めてるしかないと思う。ムリに幻想を持って合わせようとする必要はない。
それより自分たちがどんな社会を目指したいのかを探すほうがいい。その前段階として、時間をかけて自分や社会を問うってのはいいと思う。「おかしいぞ」って疑い始めることが積極的に動く、「する側」へまわりはじめるきっかけになるんだから。
これは、ひきこもりだけの問題ではなく、この社会では、多くの人が受動的に「させられ」ているんだ。「させられる社会」ってのは、まったくおもしろくないよ。ミスをしても責任をとらなくていいけど、逆に何一つ自分の功績にはならない。自発的に「する」側に切り替わらないと、おもしろいことは起きない。
――多くの人が徹底的に「させられ」ていますね。
やっぱり社会のほうがおかしくなったんだよ。しかも、本当にどうにもならないところまできちゃった。どんなにクソまじめに働いたって、たいした報酬が得られるわけじゃない。200年ほど前のマルクス・エンゲルス時代から比べると、はるかに労働生産性が向上しているんだから。以前よりはるかにすくない労働ですむはずなのに何も変わっていない。
原因は誰かがかすめ取って、お金持ちがよりお金持ちになる仕組みになっているからだよね。こんな社会に順応しなくていいと思う。
できることの一つとして、生活費から考えるとおもしろいよ。
たとえば、生活費全体の10%程度を携帯料金に支払っているとする。
もし携帯電話に代わる仕組みをつくって、その仕組みに100人の人が乗っかってきたら……、10人の人の生活費が出せることになる。
それは電気料金でも家賃でもいいけど、生活費のなかで大きなパーセンテージを占めるものを、別の仕組みに転換してしまえばいい。
それと、何か「やろう」と思ったら、仲間を巻き添えにすることだよね。
共感できる仲間を集めて、いっしょに次の時代の仕組みを築いていく。
俺の考えでは仕組みを変えなくては、どうしようもならないと思っているから。
自分と相手、相互に「利」がある仕組みをどうつくってけるか、それが大事だと思っています。
不登校新聞 【公開】未来バンク・田中優さんに聞く
https://futoko.publishers.fm/article/1629/
--*--*-*--*--*--*--
こちらもご参考に
▼「学校がつらい君へ 「頑張って家を出るな」著名人の言葉」(朝日新聞2018.8.19)
8月下旬から9月上旬の夏休み明け近くは、子どもの自殺が多くなる傾向がある。
「学校に行くのがつらい」。そう思い悩む子どもたちの力になれればと、不登校や引きこもりを経験した若者たちが動き始めた。
「子どもの自殺が多い9月1日を前に何かしたい」。不登校や引きこもりの現状を伝える「不登校新聞」(発行元・NPO法人全国不登校新聞社)に、ポプラ社からこんな相談があり、今月2日、「学校に行きたくない君へ」が出版された。
同紙の子ども若者編集部の記者たちが著名人にインタビューした記事から、20人分を載せる形で書籍化。記者は不登校や引きこもりの経験者らで、ボランティアで新聞製作に携わっている。
「『夜明け前の夜が一番暗い』というのは真理でしょう。
でも『明けない夜はない』というのもまた真理だ」。
不登校新聞のインタビューでこう語った漫画家の山田玲司さん(52)は、
「頑張って家を出るなと言いたい。学校以外の選択肢はたくさんある。
5年たてば社会も変わる。
社会にはたくさんの『親』がいるし、過去の偉人にも学べる。
正しいと思う誰かを探し続けてほしい」
と話す。
2018年8月20日
web shopに登場!『天然住宅は、なぜ「森を守って、健康・長持ち」を目指すのか』
2018年6月15日、6月30日、7月15日に発行しました、田中優有料・活動支援版メルマガ
『天然住宅は、なぜ「森を守って、健康・長持ち」を目指すのか』
が、早くも公式web shopに登場しました!
しかも、上・中・下の3記事がセットになったお得版です。
ダウンロード版、A4サイズのPDFで54ページ(原稿は44ページ)分です。
主な内容はこちら
・天然住宅の信念
・森を守ること
・マレーシア、サラワク州の熱帯林で感じたこと
・世界の森林破壊と荒廃する日本の森
・戦後の「拡大造林計画」
・短命で安普請な家が当たり前に
・自国の森林資源に対する年間伐採量
・人体に有害な輸入木材
・驚くべき日本の針葉樹の強度
・木材の乾燥方法に気をつけよう
・ダニを三日で殺す!?スギなどの精油分が持つダニに対する殺虫効果
・本来の森の形に
・森が壊される最大の理由
・エコラの森の試行錯誤
・木にもバイオリズムがある!新月伐採という方法
・健康な家を
・ホルムアルデヒドと白血病
・プレカットと伝統的な継手工法
・毒物を排除したうえで健康な素材を使う
・皮むき間伐
・長持ちする家
・日本は住宅貧乏
・土台となるコンクリートの寿命を考える
・天然住宅のシロアリ対策
・住み継げる家を増やし、社会的資産を作っていこう
ご興味のある方はぜひご購読ください。
https://tanakayu.thebase.in/items/12914722
『天然住宅は、なぜ「森を守って、健康・長持ち」を目指すのか』
が、早くも公式web shopに登場しました!
しかも、上・中・下の3記事がセットになったお得版です。
ダウンロード版、A4サイズのPDFで54ページ(原稿は44ページ)分です。
主な内容はこちら
・天然住宅の信念
・森を守ること
・マレーシア、サラワク州の熱帯林で感じたこと
・世界の森林破壊と荒廃する日本の森
・戦後の「拡大造林計画」
・短命で安普請な家が当たり前に
・自国の森林資源に対する年間伐採量
・人体に有害な輸入木材
・驚くべき日本の針葉樹の強度
・木材の乾燥方法に気をつけよう
・ダニを三日で殺す!?スギなどの精油分が持つダニに対する殺虫効果
・本来の森の形に
・森が壊される最大の理由
・エコラの森の試行錯誤
・木にもバイオリズムがある!新月伐採という方法
・健康な家を
・ホルムアルデヒドと白血病
・プレカットと伝統的な継手工法
・毒物を排除したうえで健康な素材を使う
・皮むき間伐
・長持ちする家
・日本は住宅貧乏
・土台となるコンクリートの寿命を考える
・天然住宅のシロアリ対策
・住み継げる家を増やし、社会的資産を作っていこう
ご興味のある方はぜひご購読ください。
https://tanakayu.thebase.in/items/12914722
メルマガで使用されている図・写真の一部
2018年8月16日
8/25(土)天然住宅 無料完成見学会@世田谷~自然素材でつくる9坪ハウス~
8月25日(土)オープンハウス@雪が谷大塚を開催します。
完全予約制で各回組数制限がございますので、お早めにお申し込みください。
■日時
2018年8月25日(土) 10:00~16:00 (予約制)
11:30~13:00、13:00~14:30、14:30~16:00
■場所 東京都世田谷区(東急池上線「雪が谷大塚」駅から徒歩)
■参加費 無料
■内容 オープンハウス形式
■お申込み 下記フォームよりお申し込みください
https://tennen.org/event/yukigayaotsuka.html
9月に完成お引き渡しを迎える新築の住宅です。
お土地の広さに制限がある中で、ゆったりと過ごせる空間をつくりました。
スペースを立体的に有効活用しました。
コンパクトな中で、暮らし方を想定し、壁や作り付けの家具を配置しています。
リビングは、木製デッキを半外部的に取り込む設計で、広がりをもたせ、かつ、木塀でプライベートな空間をつくっています。
お子様の成長や、ご家族の構成・動線など、将来の可変性を見据えて間取りを検討しています。
国産無垢材100%、合板集成材不使用、自然素材をふんだんに使用した住宅です。
無垢杉の香りと、柔らかさ、心地よさ、自然素材でつくる空間の気持ちよい空気感をぜひ体感いただければと思います。
天然住宅特有の「新築のにおい」をぜひ体感しにいらしてください。
★建物データ
敷地面積:56.39㎡
延床面積:69.61㎡ (ロフト含)
間取り:3LDK
工法:木造(強化筋交い)
完全予約制で各回組数制限がございますので、お早めにお申し込みください。
■日時
2018年8月25日(土) 10:00~16:00 (予約制)
11:30~13:00、13:00~14:30、14:30~16:00
■場所 東京都世田谷区(東急池上線「雪が谷大塚」駅から徒歩)
■参加費 無料
■内容 オープンハウス形式
■お申込み 下記フォームよりお申し込みください
https://tennen.org/event/yukigayaotsuka.html
9月に完成お引き渡しを迎える新築の住宅です。
お土地の広さに制限がある中で、ゆったりと過ごせる空間をつくりました。
スペースを立体的に有効活用しました。
コンパクトな中で、暮らし方を想定し、壁や作り付けの家具を配置しています。
リビングは、木製デッキを半外部的に取り込む設計で、広がりをもたせ、かつ、木塀でプライベートな空間をつくっています。
お子様の成長や、ご家族の構成・動線など、将来の可変性を見据えて間取りを検討しています。
国産無垢材100%、合板集成材不使用、自然素材をふんだんに使用した住宅です。
無垢杉の香りと、柔らかさ、心地よさ、自然素材でつくる空間の気持ちよい空気感をぜひ体感いただければと思います。
天然住宅特有の「新築のにおい」をぜひ体感しにいらしてください。
★建物データ
敷地面積:56.39㎡
延床面積:69.61㎡ (ロフト含)
間取り:3LDK
工法:木造(強化筋交い)
2018年8月13日
ボランティア募集中!「ap bank 総社ボランティアベース」がオープン!
田中優より
「ap bankのスタッフさんから相談ありました。
総社市に今回の水害向けのボランティアスペースを作ったのだが、まだ集まりが少ないそうで、知らせてほしいとのこと。
拡散のご協力をお願いします。また、参加できる人はぜひ手伝ってあげてください。」
ーーーーーーーーーーーー
ap bank fes’18での平成30年7月豪雨への募金協力ありがとうございました。
募金額の総額は1,757,328円になりました。みなさんからいただいたこの募金と、Bank Band「MESSAGE~メッセージ」のダウンロード・サブスクリクション配信の収益を拠出して、ap bankは「ap bank 総社ボランティアベース」を協力団体と一緒に設置することにしました。
平成30年7月豪雨は中国、四国地方の広いエリアに被害をもたらしましたが、ap bankではまず岡山県倉敷市真備地区と総社市でのボランティア活動をサポートしていきます。
これは、真備地区の被害が特に大きかったことや、浸水した家屋の清掃などボランティアの手が必要とされるニーズが大きく、ある程度の期間ボランティアが必要とされる状態が続くことが想定されたからです。
そこで真備地区に隣接する総社市内に「ap bank 総社ボランティアベース」としてボランティア活動をする方々へ宿泊と食事を提供できる拠点を設置することにしました。ここに宿泊いただき、ボランティアが必要な場所へのコーディネート、送迎を行います。
「ap bank 総社ボランティアベース」は8/10(金)より運営を開始します。
以下のサイトより申し込みを開始しますので、夏休みなどを利用してボランティアをしたい方は、ぜひご利用ください。
暑い夏の中ですが、できるだけボランティアに力を発揮できる環境を整えていきたいと思っています。
みなさんのボランティアへの参加をお待ちしています。
■ ap bank 総社ボランティアベースは以下の協力団体との協業で運営されています。
総社市役所(場所提供) http://www.city.soja.okayama.jp
総社市社会福祉協議会(災害支援コーディネート) http://www.sojasyakyo.or.jp/
ピースボート災害ボランティアセンター(災害支援コーディネート) https://pbv.or.jp
ボランティアインフォ(募集協力) http://volunteerinfo.jp
アースガーデン(拠点運営) http://www.earth-garden.jp
▼合流希望日の3日前までに、下記のフォームより、お申し込みください。
http://qq2q.biz/LqYx
▼詳細はこちらより
http://www.apbank.jp/news/180802.html
重要!熱中症とラウンドアップ(農薬)との関係に注目
田中優より
「とても大事な記事です。
熱中症とラウンドアップ(農薬)、化学物質との関係。」
福田 克彦 さん Facebookより 2018年8月2日
https://www.facebook.com/katuhiko.fukuda/posts/1914126082001243
「高温注意報が出る中、本日の外来では熱中症を訴えるこどもと大人の患者が数人来院された。
しかし詳細に問診していくと、そのうちひとりの女の子は草むらで遊んでいてめまいと嘔吐を訴え、別々の場所で草刈りをしていた2名の大人は除草剤のラウンドアップを撒いていて同様な症状を訴え、点滴・安静などの処置後、皆一様に軽快し帰宅された。
スーパーや量販店に入ると、夏の看板商品のごとく店頭に高々と陳列され、飲み物と区別がつかない幼児にも手が届いてしまう除草剤 グリフォサート。
ラウンドアップに含まれているグリフォサートと自閉症や認知症などとの密接な関連を子どもの保護者や農業関係者らに説明させていただくと、「除草剤使用を禁止し、子どもが触らぬ様直ぐ廃棄することを周りにも徹底してもらう」などと誓ってくださった。
室内で熱中症になったと言われるケースにおいても、電磁波や壁床のボンドやペンキ、ニスなどに含まれるVOC、農薬漬けのい草や防蟻対策のネオニコチノイド建材こそが、高温多湿環境だけのせいだけでなく、気分が悪くなって倒れる主原因なのかもしれない。
昨年の出雲駅伝の第1区において、相次いでバタバタ倒れて搬送された3人のランナーは何れも熱中症という診断で事無く終わっているが、後になって農場関係者と異臭を訴えた通行人や住民らからの聴き取りによって、第1区横の果樹園がレース直前に農薬を散布していた事実が判明した。
先月、大社町某所から来院された認知症の患者が生活用水として使用されている井戸水から、基準値以上のヒ素が検出されたので使用を禁止する様近隣住民にもお知らせしたが、県の環境保健公社などに調査を依頼するも梨の礫。
自閉症や認知症だけでなく、パーキンソン病や多発性硬化症などにおいても、抗精神病薬の副作用や栄養障害の陰に、農薬や鉱工業での廃ガス・排水や土壌汚染など長年の職業・生活環境暴露による、いわゆる”現代型風土病”紛いの地域集積性は殆どリサーチされていない。
今や大病院より、汚染水源やグリフォサート等の毒物分析、慢性の金属汚染・毒物中毒のデトックスやキレーション治療の迅速な対応ができる、全国各地の拠点歯科・医科クリニックこそが最先端です!
重金属とキレートしたグリフォサートは土壌や地下水に蓄積されますが、土壌や水源検査では重金属にマスクされ、測定されないケースがあります。体内に蓄積されたグリフォサート濃度は各社の尿検査で測定することができます。
がんなどの生活習慣病や、パーキンソン病・多発性硬化症・脳卒中、炎症性腸疾患、腎不全なが疑われた場合、各種キレーションやデトックスによって、有害金属の排泄能と共にグリフォサート濃度が低下しているか治療前後で効果判定することが大切です。
ヒ素やサリン中毒で通行人が倒れたり、死者が出れば大騒ぎなのに、駅伝ランナーが農薬による急性中毒で倒れたとしても 、マスコミや大会関係者は、(1区は一番気温が低かったのに)自己管理不徹底な選手の責任で熱中症になったのだと結論づけた様です。
熱中症の陰には農薬(除草剤)中毒あり要注意!
モンサントはバイエルに買収された格好で名前を消し始めたが、枯葉剤・PCB・DDT・アスパルテームと、過去には人類に有害なものばかり販売してきた歴史がある。
ラウンドアップの有害性が暴露された今後も、名前を変えまた別の猛毒を撒き散らす可能性大の、人類にとっても脅威なケミカルカンパニーモンサント。
人類が目覚めないかぎり歴史は繰り返されます・・・しかし、姿を変えた第6弾の波状攻撃が来ても、我々に止める意思があれば 次も阻止できます!」
(ご本人より掲載の許可を頂いています)
「とても大事な記事です。
熱中症とラウンドアップ(農薬)、化学物質との関係。」
福田 克彦 さん Facebookより 2018年8月2日
https://www.facebook.com/katuhiko.fukuda/posts/1914126082001243
「高温注意報が出る中、本日の外来では熱中症を訴えるこどもと大人の患者が数人来院された。
しかし詳細に問診していくと、そのうちひとりの女の子は草むらで遊んでいてめまいと嘔吐を訴え、別々の場所で草刈りをしていた2名の大人は除草剤のラウンドアップを撒いていて同様な症状を訴え、点滴・安静などの処置後、皆一様に軽快し帰宅された。
スーパーや量販店に入ると、夏の看板商品のごとく店頭に高々と陳列され、飲み物と区別がつかない幼児にも手が届いてしまう除草剤 グリフォサート。
ラウンドアップに含まれているグリフォサートと自閉症や認知症などとの密接な関連を子どもの保護者や農業関係者らに説明させていただくと、「除草剤使用を禁止し、子どもが触らぬ様直ぐ廃棄することを周りにも徹底してもらう」などと誓ってくださった。
室内で熱中症になったと言われるケースにおいても、電磁波や壁床のボンドやペンキ、ニスなどに含まれるVOC、農薬漬けのい草や防蟻対策のネオニコチノイド建材こそが、高温多湿環境だけのせいだけでなく、気分が悪くなって倒れる主原因なのかもしれない。
昨年の出雲駅伝の第1区において、相次いでバタバタ倒れて搬送された3人のランナーは何れも熱中症という診断で事無く終わっているが、後になって農場関係者と異臭を訴えた通行人や住民らからの聴き取りによって、第1区横の果樹園がレース直前に農薬を散布していた事実が判明した。
先月、大社町某所から来院された認知症の患者が生活用水として使用されている井戸水から、基準値以上のヒ素が検出されたので使用を禁止する様近隣住民にもお知らせしたが、県の環境保健公社などに調査を依頼するも梨の礫。
自閉症や認知症だけでなく、パーキンソン病や多発性硬化症などにおいても、抗精神病薬の副作用や栄養障害の陰に、農薬や鉱工業での廃ガス・排水や土壌汚染など長年の職業・生活環境暴露による、いわゆる”現代型風土病”紛いの地域集積性は殆どリサーチされていない。
今や大病院より、汚染水源やグリフォサート等の毒物分析、慢性の金属汚染・毒物中毒のデトックスやキレーション治療の迅速な対応ができる、全国各地の拠点歯科・医科クリニックこそが最先端です!
重金属とキレートしたグリフォサートは土壌や地下水に蓄積されますが、土壌や水源検査では重金属にマスクされ、測定されないケースがあります。体内に蓄積されたグリフォサート濃度は各社の尿検査で測定することができます。
がんなどの生活習慣病や、パーキンソン病・多発性硬化症・脳卒中、炎症性腸疾患、腎不全なが疑われた場合、各種キレーションやデトックスによって、有害金属の排泄能と共にグリフォサート濃度が低下しているか治療前後で効果判定することが大切です。
ヒ素やサリン中毒で通行人が倒れたり、死者が出れば大騒ぎなのに、駅伝ランナーが農薬による急性中毒で倒れたとしても 、マスコミや大会関係者は、(1区は一番気温が低かったのに)自己管理不徹底な選手の責任で熱中症になったのだと結論づけた様です。
熱中症の陰には農薬(除草剤)中毒あり要注意!
モンサントはバイエルに買収された格好で名前を消し始めたが、枯葉剤・PCB・DDT・アスパルテームと、過去には人類に有害なものばかり販売してきた歴史がある。
ラウンドアップの有害性が暴露された今後も、名前を変えまた別の猛毒を撒き散らす可能性大の、人類にとっても脅威なケミカルカンパニーモンサント。
人類が目覚めないかぎり歴史は繰り返されます・・・しかし、姿を変えた第6弾の波状攻撃が来ても、我々に止める意思があれば 次も阻止できます!」
(ご本人より掲載の許可を頂いています)
2018年8月10日
「豪雨に負けない森はどこへ…。今国会で成立 「森林経営管理法」 が日本の山と林業を殺す=田中優 」
2018年8月5日に発行されたばかりの、 田中優が マネーボイスのために書き下ろしをした記事のご紹介です。
8/10現在、Facebookではすでに約2,900のいいね!やtwitterでは470件以上のリツイートを頂いているようです!
ぜひご一読頂ければ嬉しいです。 拡散も大歓迎です!(スタッフ)
▼ 田中優より
今進められている「森林経営管理法」は大問題です。
長いですがぜひ読んでみてください。
そしてこの問題を多くの人に知らせてあげてください。
*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*
豪雨に負けない森はどこへ…。
今国会で成立 「森林経営管理法」 が日本の山と林業を殺す=田中優
*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*
https://www.mag2.com/p/money/501696
あまり知られていない、今国会で成立した 「森林経営管理法」 について解説する。
日本の森林の乱伐を招き、林業というビジネス自体を崩壊させかねない制度だ。
~ 新法で恩恵を受けるのは、 低級木材を大量生産する巨大製材所だけ ~
■ひっそり成立した「森林経営管理法」
今国会にて、新たな法律である「森林経営管理法」が可決・成立した。
来年2019年4月1日には施行され「新たな森林管理制度」がスタートする。
その制度は、所有者が管理できていないと市町村が判断した森林について、市町村が業者らに伐採などを委託できるというもの。伐採には森林所有者の同意を前提としているが、もし同意が得られない場合でも、市町村の勧告や都道府県知事の裁定があれば伐採を可能とする特例も用意されている。
この新制度についてほとんど国民には知らされていないが、日本の森林の乱伐を招き、日本の山を守ろうと努力してきた「きこり」とも呼べる林業従事者たちの生活を脅かす恐れがある。その問題点について詳しく解説したい。
■食品を腐敗させない「天然スギ」の素晴らしい殺菌効果
「酒・味噌・醤油・お酢」、日本を代表する発酵食品を作るのに欠かせない木材がある。それがスギだ。スギの精油分には殺菌効果があって、食品を腐敗させないのに発酵は促進する。
我が家で醤油造りをしてみた。我が家は無垢のスギで建てていて、殺虫剤はおろか、防カビ処理すらしていない無垢のスギだ。おかげで醤油造りに向いていたようで、一緒にワークショップしたメンバーの中で一番早く発酵が進んでいる。
それだけではない。秋田スギで作る「曲げわっば」を作る職人たちは、樹齢が200年を越える天然(天杉)のスギを使っていたそうだ。曲げたときに折れない材質を作り出すには、樹齢50年程のインスタントなスギではできないのだ。
そのために秋田県大館市は、「150年の森」事業を始めた。素材となる樹齢の高い木が入手困難だからだ。
「桶」の材料にするスギも同様で、樹齢数百年のスギが使われている。
プラスチックでは作れない特徴が、酒や醤油、お酢などの発酵文化を支えていたのだ。
もともとスギの殺菌効果は食品には欠かせないもので、かつては食品を運ぶ「経木」もスギであったし、かまぼこ板にもスギが使われていた。スギの食品庫に保存すると、腐敗させずに食品が枯れていくのだ。
■効率重視で流通しているスギ材に、その効果はない
ただし、これはきちんとした低温乾燥または天日乾燥をした天然スギの場合の話である。いま普通に購入したスギではその効果はない。
今は乾燥を早く、徹底的にするために、120℃もの高温で乾燥させるのが一般的だ。
乾燥炉の中に入ると下にはスギから出た精油分がタール状になって落ちている。
この精油分がなくなると、殺菌効果も発酵を促進させる効果も期待できなくなる。
スギを使うことの最大のメリットが失われてしまうのだ。スギはまるでプラスチック部品の代替品のように扱われ、生命を持つ樹木としての扱いをされなくなっているのだ。
今は伐採したスギは防カビ薬品のプールにドブ漬けされ、さらに殺虫剤で処理されてしまう。輸入された木材も同様だ。輸入されるとまずシートを被せられ、殺虫のための臭化メチルで処理されてしまうのだ。
■成立した「森林経営管理法」が守るものは…
ところが今回の今国会で成立した「森林経営管理法」では、こうしたきめ細やかな森林経営は対象としていない。素材加工業者である「巨大製材所」の都合に合わせた森林経営を推進するために作られたものだ。
大手の「製材所」が求めるのはインスタントで量の多い素材の供給である。つまり良質の木材ではなく、接着剤で固めただけのベニヤ板や、MDF(中質繊維板)と呼ばれる、木材チップを原料としてこれを蒸煮・解繊したものに合成樹脂を加えて成形しただけのものだ。
木材には本来、「A材、B材、C材など」と呼ばれる質のランクがあって、A材以外の質の劣悪なものを加工して作る素材加工業者は、質の低い木材しか必要としない。質が低い木材も使われること自体は歓迎されるべきことなのだが、そればかりにされてしまうと困る。
さらに今問題になっているシックハウス症候群や化学物質過敏症の人たちの症状を悪化させる接着剤や化学物質を使うので、さらに暮らすことのできる無垢材を使った住まい作りを狭くしてしまうことになる。
■樹齢55年以上はすべて伐採へ
たとえば樹齢についても、11齢級(樹齢55年)以上のものはすべて伐採していく方向だ。日本では戦後の水害対策として、「拡大造林計画」として全国各地にスギ・ヒノキ・カラマツ・アカマツ等を植えた。全国に膨大に植えられたスギはすでに伐採期を迎えたので、順次伐採していって毎年伐採する木材の樹齢を合わせたいというのが方針だ。そうすれば毎年持続的に伐採していっても森は維持されるからだ。
いや、そもそも「拡大造林計画」自体が強引で無理のあるものだったという反省のないことが問題だ。今回の「森林経営管理法」の強制もまた問題だ。「拡大伐採計画」とも言うべきものを押し付けようとしている。これが強制されると、「曲げわっばの150年の森」などできなくなる。樹齢を長くして、A材や超A材を増やすことは全く求められてなくて、ただひたすら低級な材を粗製乱造することしか考えられていないからだ。
そうではなく、高級な木材生産を中心とした「森林経営」はできないのか。
人体に悪影響のある接着剤や化学物質まみれの木材の供給を「森林経営」と呼んで推進することは、さらに森林経営者を圧迫して、人々に住むのに適さない住宅ばかりを建てさせることになる。
■中国では、毎年210万人の子どもがホルムアルデヒドで死亡
中国での今の事例を見てみよう。
「毎年210万人の子供が内装材料に含まれるホルムアルデヒドなどが原因で死亡している」と報道されている。
指摘したのは中国工程院院士で呼吸疾病専門家の鐘南山(しょうなんざん)氏で、中国の白血病患者児童の9割の住宅が高級リフォームされている家屋で発生しているという。
中国環境保護協会の統計データをもとに、白血病を患う子供の患者のうち90%の家庭が住宅高級リフォームを行っており、毎年210万人の子供が内装材料汚染が原因で死亡しており、80%の内装材料で基準値を超えたホルムアルデヒドが使用されており、妊婦の流産の70%も環境汚染と関係があると指摘した。
これは、政府が定めるホルムアルデヒドの安全基準値が低い上に、家具などの環境基準値が低いことが原因であるという。
北京在住環境保護ボランティアである張峻峰さんは、次のように語っている。
「ペンキや接着剤に含まれるホルムアルデヒドやベンゼンはじめ多種の溶剤によって、木材を塗装し接着します。それはリフォームの際に大量に使われる木材や合板、ペンキなどに含まれています。しかし、これらの216種類もの溶剤によって接着させられた場合、ホルムアルデヒドが完全になくなるまでに100年~200年の時間がかかります」。
このホルムアルデヒドの汚染問題を予防することは不可能であると、張さんは指摘します。唯一の方法は、こうした木材や塗料を使わないようにするしかありません。ですが、現時点では無理なことです。それが現実です。
出典:新唐人(2016年12月23日)
■「合理化」の名のもとに悪法が次々と成立している
日本もまた、中国と同様のレベルになろうとしている。供給される素材そのものが無垢材ではなく、加工木材を中心とした「森林経営管理法」によって進められるからだ。
いまも現実に、多くの人は日本の新築の家を「新築の家の臭いがする」として発がん物質とされるホルムアルデヒドの臭いを嗅ぎ、同じ臭いを「新車の匂いがする」と喜んでいるのだ。
このような形の「合理化」があちこちで進められている。
「水道の民営化」「種子法の廃止」など、どれもみな「大きな企業」へ餌を丸投げするかのような方針ばかりだ。
その結果、日本はどうなってしまうのだろうか。
■記録的豪雨に流された森林
2018年7月、西日本を中心に日本は記録的豪雨に見舞われた。ダムを守るために放水された水は民家を押し流し、愛媛県の肘川や岡山県の高梁川などで大きな被害をもたらした。今回もまた、流れ落ちてくる流木は水害を拡大させた。
なぜ、これほどの流木が流れ落ちてくるのか。そこに戦後行われたスギ・ヒノキによる拡大造林計画の失敗の影を見ることができる。大規模に植林した後、手入れもされずに放置された植林木が十分に根付かずに雨と共に流され、倒れるときに周囲の土砂を掘り起こして流れた結果であるとの見方があるのだ。
「拡大造林計画」では、それ以前のような広葉樹中心の森林が針葉樹に変えられ、植えられた植林木が「挿し木」中心であったため、天然林のような真下に根を張る「直根」が広がらず、山を抑える力が弱くなっていたこともある。そして、植林以前の広葉樹の根が枯れ、そこが水を含んだ空間に変えられてしまうのに30年以上かかるため、伐採した直後ではなく半世紀以上も経った後に山崩れを起こした。「拡大造林計画」によって、水害に弱い山地を人為的に作ってしまっていたというのだ。
■林業では生活できなくなっている…
そうして考えてみると、「戦後の拡大造林計画」はそれまでの広葉樹中心の山を針葉樹中心に勝手に塗り替えてしまったのだ。いくら何でも国内の森林の半分近くを、突然人工林に変更してしまうのはやりすぎだった。
当時は山林所有者の力が強く、木材の価格は山林側の言い値の通りになる状態だったが、それを安く供給させるために、1960年頃から木材の輸入に対する関税をほとんどなくしてしまった。木材価格はそれをきっかけにして暴落し、今でも当時の木材価格と変わらない。物価上昇率を加味すると、当時の木材価格の八分の一程度まで下がってしまっている。
山に手が入らない最大の理由は、木材価格が安すぎて、関係者は生活できないレベルになっているためだ。先を見ないその場しのぎの林業行政が、これほどまでにダメにしたようなものだ。それが再び三度、同じ林業行政によって繰り返される。
こうしたその場しのぎの林業政策が森をダメにしてきたのであって、改善したのではない。今回の「森林経営管理法」も、その流れに乗った森林経営を悪化させる仕組みになるのは間違いないだろう。
■「林道」が日本の山を破壊する
現在の時点で山という現場を壊しているのは、「高性能林業機械化による過大な林道建設」によるものだと思う。ところが「森林経営管理法」もまた、高性能林業機械の活用を推進している。
山が壊れるのは、圧倒的に林道崩壊をきっかけにすることが多い。その林道は、効率良く伐採した木材を搬出するために推進されるのだが、日本の急峻な山に適した林道となっていない。さらに効率重視の高性能林業機械を入れたがるが、その重さは日本の急峻な山に耐えうる重さではないのだ。
30トンもあるような高性能林業機械を走らせるには、高速道路レベルの道路網を整備しなければならない。しかし急峻な山岳地帯に、そんな道路を造れるほどの余裕などない。その結果、山を削り、沢を埋め立てて林道が造られるが、その林道そのものが山を崩れさせる原因となっていった。
たとえばバブルの時期に全国で進められた「スーパー林道」と呼ばれる高規格道路を見てみるといい。各地に建設されたが、その後はスーパー林道の法面から続々と崩壊し、使えないものばかりになってしまった。
山にとって最も破壊的なことは、「道路建設」だと思う。確かに平地なら機械で伐採し、余分な枝や木の皮を剥ぎ取り、玉切りして大型トラックに積んで運び出す作業までできる高性能林業機械は魅力的だが、日本の急峻な斜面ばかりの山では、そんな簡単に使えるようにならないのだ。
■山と共存する「自伐林業」
昔のきこりたちは山から木を伐り出してくるために、木馬道(きんばみち)を作っていた。それはなるべく斜面を削らず、高低差のある所では伐採した木材を積み上げて、橋のような構造物を造り、そこにレールのように木材を並べて運び出していた。そこまでして山の斜面を削らずに運び出していたのだ。
こうした山を傷めない施業方法は今、「自伐林業」と呼ばれる施業に引き継がれている。山には重いものは入れず、「チェーンソーやワイヤー、フォワーダ(小さな木材運搬機)や2トンロングトラック」程度しか入れない小径を造っていく。
その小径からさらに葉脈のように小さな道をつけていく。そのトラックの入る道路もまた、斜面の側に落ちるように傾斜をつけて作ってある。そうすることで、豪雨の時に道が雨の流れで削られないようにしているのだ。その林道を車で走ると、車が斜面の下側に傾くので落ちそうな感触になって怖いのだが、そのことも手伝ってトラックも轍をつくらずに走るようになると言っていた。
台風の日に徳島県の「橋本林業」が管理する自伐林業の山を見せてもらったことがある。豪雨の後だというのに、全く崩れることもなく林道が続いていた。その日の作業は、道路に塞がるように落ちている枝葉を作業靴で崖下に落とす作業が中心だった。
このような伐採方法を「自伐林業」と呼んでいる。
■山に負担をかける「森林組合型林業」
「自伐林業」と対になるのが、「森林組合型林業」だ。森林組合では効率的に経営しようと思うあまり、一斉に木材を皆伐して市場に出し、山に負担をかけてしまうやり方をする。
今でこそ皆伐はしなくなったが、多くの森で横一列に伐採する「列状間伐」をする。ところがその列の幅はいつの間にか広めに取られるようになり、皆伐と変わらないような伐採のされ方をしている現場も多いのだ。そうすると豪雨で水害を招くような森の現場になってしまう。
■日本の山は経済的に壊滅してしまう
木材については質の高い方からA材(建築用材)、B材(合板や集成材など)、C材(紙生産のためのチップ)、D材(バイオマスとして燃やすための材)がある。今回の「森林経営管理法」で恩恵を受けるのは、中心となる素材生産業者は主に膨大な生産量で稼ごうとする巨大企業である。B材(合板など)、C材(チップ)、D材(バイオマス)の取引が多くなるからだ。
ところが、日本の山は放置されてしまった荒れ果てた山を除けば、意外なことにA材(建築用材)、さらに超A材とも呼ばれる最高級建築用材もたくさん育っているのだ。
これに対して全体の網掛けが、低質材中心になっていることがおかしい。
「森林経営管理法」によって低質材中心に集められ、そこに交じり込んだA材を市場に横流しすれば、素材生産事業者は儲かる。今ただでさえ価格が低迷して困っている林業者が山を保全しながらA材を生産しようとしても、素材生産事業者が横流しするA材に市場価格が暴落させられれば、もはや山は「打つ手なし」の経済的崩壊状態になってしまうだろう。
たとえば「間伐材だから低級材」になるわけではない。木材の質によるのだ。
間伐材でも丈が短いだけで木材市場で十分A材として販売できるものもある。
これまで一所懸命に山を大事にしてきた「きこり」さんのような人たちの利益を、「素材生産事業者」の横流しが奪う結果になりかねないのだ。
■「森林経営管理法」が日本の林業をダメにするワケ
自伐林業では、ほとんど「択伐」によって選ばれた木だけを市場に出す。
常に森には木が育ち、択伐した後の空間にだけ再度植林をしていく。
そうすると、まっすぐ上にだけ択伐した木のあった光の射す空間ができるため、広葉樹であってもまっすぐ空に向かって育とうとするのだ。その結果、通直(木目もくめなどが縦にまっすぐに通っていること)に伸びる広葉樹を育てることもできていた。
こうして一本一本を択伐して市場に運び、販売していく方法だ。
どんな木でもいいから市場に運び出す「森林組合的林業」とは全く違う。
今回の「森林経営管理法」は全くもって「森林組合的林業」の延長線にある。
B材C材を中心に「一山いくら」の販売をして、素材加工業者である製材所に届けるだけの林業となるからだ。
■山をただのカネとして見ていない「森林経営管理法」
そうではなく、森を保全する最前線にいる「きこり」の人たちの利益になる仕組みにしていくべきだ。
今の改正案は、大きな力を持つ「素材生産事業者」を中心にした仕組みになっている。そして、山を本当に保全できる人たちを排除し、素材生産事業者の作る勝手な場価格が暮らし方を決めていくことになる。
木々はもっと樹齢を重ねていくことで、もっと貴重な性質を持った材となり、山は多様性を持った生物たちの作り出す豊かな空間になれるのに、この改正案は山をひたすらカネの場に変えてしまおうとしているのだ。
生物としての木ではなく、カネになるコンクリートや鉄骨が育っているだけの場所のように認識している。「環境」も「災害防止」もカネと直接関係ないからと無視されれば、今よりさらに山は荒れるだろう。
強引な拡大造林計画で自然林を人工林にして荒らしてしまった後に、木材自由化によってその価格を著しく安いものにしてしまった。それを一部の心ある人たちが森の環境を改善してきた矢先に、今回の「森林経営管理法」がそうした現場での努力を無視して大きな「素材生産事業者」に利益を分配する仕組みにするのだ。
■「森林払い下げ疑獄事件」に発展する?
この「森林経営管理法」の問題点について、東大大学院教授の鈴木宣弘氏は以下のように述べる。
「経営意欲が低い」と判断されると、強制的に経営権を剥奪され、受託企業がそこの木を伐採して収益を得ることができる。無断で人の木を切って販売して自分の利益にするというのは、盗伐に匹敵するほどの財産権の侵害で、憲法に抵触する。
そして仕上げとして、来年には国有林についても、その管理・伐採を委託できる法律が準備されている。これは国の財産を実質的に企業にタダで払い下げることである。
出典:林業改革の問題点 林家よりも企業優遇
東京大学大学院教授 鈴木宣弘氏 - 日本農業新聞(2018年7月24日配信)
これは恐ろしい話ではないか。
いわば「平成の森林払い下げ疑獄事件」とも呼べるような事態が進められることになる。
かつて日本の財閥と軍が日本を帝国主義的な専制国家にしたという反省に立って、戦後に「財閥解体」が進められた。それによって「農地解放」と同時に進められたのが「財閥解体」だった。その戦後解体された財閥には、チップなどのために世界中の山を破壊してきた「製紙会社」もあったことを思い出すべきだ。その製紙会社などが「チップ材」や「合板・MDF材」「バイオマス材」など低質木材の購入者として再び権力を持つのだ。
それら財閥に、再び豊かさを取り戻しつつある日本の森が、タダで明け渡される状態になっているのだ。
■子孫のために森を守ってきた「きこり」を蔑ろにしてよいのか…
かつてきこりたちは、荒れた山に土嚢をかついで登り植林をし、山を再生させてきていた。
その木材は育つまでに百年以上かかるため、自分の利益のための努力ではなかったのだ。子孫のため、未来世代の人のために努力してきたのだ。百年後に木を売って利益が得られるとしても、自分の世代ではなかったのだ。その努力を横から出てきてかすめ取る。それがこの法によって実現させられようとしているように見える。
今やっと育ってきた木を、もっと樹齢を重ねた豊かな材にしてはどうか。遮二無二伐採して木材の齢級を平均化させるのではなく、古くからの森と新たな森が共存していても毎年伐採する木材の量を平均化させることはできるはずだ。
「山を壊すのは林業政策の失敗であって、重すぎる「高性能林業機械」を入れるために削り取った林道だ」と知ったうえで、今を見てほしい。じっくりと私たちの生涯以上の長さで変化していく山を監視していてほしい。
■新制度は「山殺し」でしかない
私たちは宮城県の山で、山を保全して使い続けていくための林業を実施している。
皆伐はせず、択伐しながら広葉樹の自然林を造ろうとしている。そこにつける道路は極めて小さな小径を細かに入れ、運び出すのも「高性能林業機械」ではなく、かつて盛んに使われていたウマに頼っている。ウマなら自分で小径を選んで作り、林道を壊すこともない。しかも夏場には最も費用の掛かる下草狩りを、頼まなくても食べてくれる。最初一回の下草刈りだけで、後の下草刈りはウマとウシとがやってくれる。彼らは炎天下でも自由に動き回り、下草を食べ、植林木への栄養を届けてくれる。
本来の林業はこうした人間を含めた生き物たちの場が育んでいく場ではなかったか。もともと林業は工業生産ではない。その対極にある生命の営みに合わせた時間のかかる生産なのだ。
それを現場も知らない見にも来ない人たちに管理させるのがおかしい。
もっと謙虚になって自然に起きることに学びながら進めなければ、結局「林業」とは名ばかりの利権の奪い合いの場にされてしまうのだ。
林業者の側から見ると、勝手に「所有した」と名乗る人たちによる「山殺し」でしかないのが、「林業の再生」という名目の新制度である。山という場は、たくさんの生き物が交錯して暮らす場で、カネになるためのものを育てる場などではない。そこには仲間としての生き物に対する敬意がないとうまく進められないし、無理な使い方を考えるのではなく、無理のない利用法を昔に遡って教わるようでないと実現できない。
それを水が売れるからと買収して水源を奪ったり、高値で売れるからと伐採して輸出したりするのが間違っている。あくまで天然素材はその地に付随する豊かさとして存在するだけであるので、販売したり輸出するためのものではない。
■大自然の美しさは、決しておカネに変えられない
最近、近くの山の木材が皆伐されて、そこに太陽光発電が設置された。
こんな破壊が自然に優しいはずもないし、持続可能なはずもない。
近くの他のメガソーラーは今回の西日本豪雨によって土砂崩れを招いて壊れた。
山をカネの尺度で考えたら、そうした利用法を考えることになるのだろう。
カネの尺度でしか考えられない人たちに、どう説明したらいいのかと考えると、言葉を失う。そこにある自然の美しさは、誰のものでもない。
前述した「自伐林業」をしている橋本さんの山に入って、雨上がりの森を見て息を飲んだ。「山紫水明」とでも言うべきか。そんな山づくりをしたいと思う。
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<< 他、マネーボイスでの田中優記事はこちら ↓↓ >>
◆ 『日本の農業をぶっ壊す種子法廃止、なぜほとんど話題にならない?=田中優』 (2018.2.25)
https://www.mag2.com/p/money/384427
◆ 『「公平な貿易」は誰を幸せにするか?日本が知らないフェアトレードの今と未来=田中優 』 (2018.1.30)
http://www.mag2.com/p/money/368677
◆ 『2018年夏上陸「日本版グラミン銀行」はサラ金とこの国の貧困に勝てるか?=田中優』 (2017.12.23)
http://www.mag2.com/p/money/352614
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◆ 『「人をお金に依存させる」ベーシックインカムの問題点と貧困解決の重要点=田中優』 (2015.12.10)
http://www.mag2.com/p/money/6664
8/10現在、Facebookではすでに約2,900のいいね!やtwitterでは470件以上のリツイートを頂いているようです!
ぜひご一読頂ければ嬉しいです。 拡散も大歓迎です!(スタッフ)
▼ 田中優より
今進められている「森林経営管理法」は大問題です。
長いですがぜひ読んでみてください。
そしてこの問題を多くの人に知らせてあげてください。
*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*
豪雨に負けない森はどこへ…。
今国会で成立 「森林経営管理法」 が日本の山と林業を殺す=田中優
*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*
https://www.mag2.com/p/money/501696
あまり知られていない、今国会で成立した 「森林経営管理法」 について解説する。
日本の森林の乱伐を招き、林業というビジネス自体を崩壊させかねない制度だ。
~ 新法で恩恵を受けるのは、 低級木材を大量生産する巨大製材所だけ ~
■ひっそり成立した「森林経営管理法」
今国会にて、新たな法律である「森林経営管理法」が可決・成立した。
来年2019年4月1日には施行され「新たな森林管理制度」がスタートする。
その制度は、所有者が管理できていないと市町村が判断した森林について、市町村が業者らに伐採などを委託できるというもの。伐採には森林所有者の同意を前提としているが、もし同意が得られない場合でも、市町村の勧告や都道府県知事の裁定があれば伐採を可能とする特例も用意されている。
この新制度についてほとんど国民には知らされていないが、日本の森林の乱伐を招き、日本の山を守ろうと努力してきた「きこり」とも呼べる林業従事者たちの生活を脅かす恐れがある。その問題点について詳しく解説したい。
■食品を腐敗させない「天然スギ」の素晴らしい殺菌効果
「酒・味噌・醤油・お酢」、日本を代表する発酵食品を作るのに欠かせない木材がある。それがスギだ。スギの精油分には殺菌効果があって、食品を腐敗させないのに発酵は促進する。
我が家で醤油造りをしてみた。我が家は無垢のスギで建てていて、殺虫剤はおろか、防カビ処理すらしていない無垢のスギだ。おかげで醤油造りに向いていたようで、一緒にワークショップしたメンバーの中で一番早く発酵が進んでいる。
それだけではない。秋田スギで作る「曲げわっば」を作る職人たちは、樹齢が200年を越える天然(天杉)のスギを使っていたそうだ。曲げたときに折れない材質を作り出すには、樹齢50年程のインスタントなスギではできないのだ。
そのために秋田県大館市は、「150年の森」事業を始めた。素材となる樹齢の高い木が入手困難だからだ。
「桶」の材料にするスギも同様で、樹齢数百年のスギが使われている。
プラスチックでは作れない特徴が、酒や醤油、お酢などの発酵文化を支えていたのだ。
もともとスギの殺菌効果は食品には欠かせないもので、かつては食品を運ぶ「経木」もスギであったし、かまぼこ板にもスギが使われていた。スギの食品庫に保存すると、腐敗させずに食品が枯れていくのだ。
■効率重視で流通しているスギ材に、その効果はない
ただし、これはきちんとした低温乾燥または天日乾燥をした天然スギの場合の話である。いま普通に購入したスギではその効果はない。
今は乾燥を早く、徹底的にするために、120℃もの高温で乾燥させるのが一般的だ。
乾燥炉の中に入ると下にはスギから出た精油分がタール状になって落ちている。
この精油分がなくなると、殺菌効果も発酵を促進させる効果も期待できなくなる。
スギを使うことの最大のメリットが失われてしまうのだ。スギはまるでプラスチック部品の代替品のように扱われ、生命を持つ樹木としての扱いをされなくなっているのだ。
今は伐採したスギは防カビ薬品のプールにドブ漬けされ、さらに殺虫剤で処理されてしまう。輸入された木材も同様だ。輸入されるとまずシートを被せられ、殺虫のための臭化メチルで処理されてしまうのだ。
■成立した「森林経営管理法」が守るものは…
ところが今回の今国会で成立した「森林経営管理法」では、こうしたきめ細やかな森林経営は対象としていない。素材加工業者である「巨大製材所」の都合に合わせた森林経営を推進するために作られたものだ。
大手の「製材所」が求めるのはインスタントで量の多い素材の供給である。つまり良質の木材ではなく、接着剤で固めただけのベニヤ板や、MDF(中質繊維板)と呼ばれる、木材チップを原料としてこれを蒸煮・解繊したものに合成樹脂を加えて成形しただけのものだ。
木材には本来、「A材、B材、C材など」と呼ばれる質のランクがあって、A材以外の質の劣悪なものを加工して作る素材加工業者は、質の低い木材しか必要としない。質が低い木材も使われること自体は歓迎されるべきことなのだが、そればかりにされてしまうと困る。
さらに今問題になっているシックハウス症候群や化学物質過敏症の人たちの症状を悪化させる接着剤や化学物質を使うので、さらに暮らすことのできる無垢材を使った住まい作りを狭くしてしまうことになる。
■樹齢55年以上はすべて伐採へ
たとえば樹齢についても、11齢級(樹齢55年)以上のものはすべて伐採していく方向だ。日本では戦後の水害対策として、「拡大造林計画」として全国各地にスギ・ヒノキ・カラマツ・アカマツ等を植えた。全国に膨大に植えられたスギはすでに伐採期を迎えたので、順次伐採していって毎年伐採する木材の樹齢を合わせたいというのが方針だ。そうすれば毎年持続的に伐採していっても森は維持されるからだ。
いや、そもそも「拡大造林計画」自体が強引で無理のあるものだったという反省のないことが問題だ。今回の「森林経営管理法」の強制もまた問題だ。「拡大伐採計画」とも言うべきものを押し付けようとしている。これが強制されると、「曲げわっばの150年の森」などできなくなる。樹齢を長くして、A材や超A材を増やすことは全く求められてなくて、ただひたすら低級な材を粗製乱造することしか考えられていないからだ。
そうではなく、高級な木材生産を中心とした「森林経営」はできないのか。
人体に悪影響のある接着剤や化学物質まみれの木材の供給を「森林経営」と呼んで推進することは、さらに森林経営者を圧迫して、人々に住むのに適さない住宅ばかりを建てさせることになる。
■中国では、毎年210万人の子どもがホルムアルデヒドで死亡
中国での今の事例を見てみよう。
「毎年210万人の子供が内装材料に含まれるホルムアルデヒドなどが原因で死亡している」と報道されている。
指摘したのは中国工程院院士で呼吸疾病専門家の鐘南山(しょうなんざん)氏で、中国の白血病患者児童の9割の住宅が高級リフォームされている家屋で発生しているという。
中国環境保護協会の統計データをもとに、白血病を患う子供の患者のうち90%の家庭が住宅高級リフォームを行っており、毎年210万人の子供が内装材料汚染が原因で死亡しており、80%の内装材料で基準値を超えたホルムアルデヒドが使用されており、妊婦の流産の70%も環境汚染と関係があると指摘した。
これは、政府が定めるホルムアルデヒドの安全基準値が低い上に、家具などの環境基準値が低いことが原因であるという。
北京在住環境保護ボランティアである張峻峰さんは、次のように語っている。
「ペンキや接着剤に含まれるホルムアルデヒドやベンゼンはじめ多種の溶剤によって、木材を塗装し接着します。それはリフォームの際に大量に使われる木材や合板、ペンキなどに含まれています。しかし、これらの216種類もの溶剤によって接着させられた場合、ホルムアルデヒドが完全になくなるまでに100年~200年の時間がかかります」。
このホルムアルデヒドの汚染問題を予防することは不可能であると、張さんは指摘します。唯一の方法は、こうした木材や塗料を使わないようにするしかありません。ですが、現時点では無理なことです。それが現実です。
出典:新唐人(2016年12月23日)
■「合理化」の名のもとに悪法が次々と成立している
日本もまた、中国と同様のレベルになろうとしている。供給される素材そのものが無垢材ではなく、加工木材を中心とした「森林経営管理法」によって進められるからだ。
いまも現実に、多くの人は日本の新築の家を「新築の家の臭いがする」として発がん物質とされるホルムアルデヒドの臭いを嗅ぎ、同じ臭いを「新車の匂いがする」と喜んでいるのだ。
このような形の「合理化」があちこちで進められている。
「水道の民営化」「種子法の廃止」など、どれもみな「大きな企業」へ餌を丸投げするかのような方針ばかりだ。
その結果、日本はどうなってしまうのだろうか。
■記録的豪雨に流された森林
2018年7月、西日本を中心に日本は記録的豪雨に見舞われた。ダムを守るために放水された水は民家を押し流し、愛媛県の肘川や岡山県の高梁川などで大きな被害をもたらした。今回もまた、流れ落ちてくる流木は水害を拡大させた。
なぜ、これほどの流木が流れ落ちてくるのか。そこに戦後行われたスギ・ヒノキによる拡大造林計画の失敗の影を見ることができる。大規模に植林した後、手入れもされずに放置された植林木が十分に根付かずに雨と共に流され、倒れるときに周囲の土砂を掘り起こして流れた結果であるとの見方があるのだ。
「拡大造林計画」では、それ以前のような広葉樹中心の森林が針葉樹に変えられ、植えられた植林木が「挿し木」中心であったため、天然林のような真下に根を張る「直根」が広がらず、山を抑える力が弱くなっていたこともある。そして、植林以前の広葉樹の根が枯れ、そこが水を含んだ空間に変えられてしまうのに30年以上かかるため、伐採した直後ではなく半世紀以上も経った後に山崩れを起こした。「拡大造林計画」によって、水害に弱い山地を人為的に作ってしまっていたというのだ。
■林業では生活できなくなっている…
そうして考えてみると、「戦後の拡大造林計画」はそれまでの広葉樹中心の山を針葉樹中心に勝手に塗り替えてしまったのだ。いくら何でも国内の森林の半分近くを、突然人工林に変更してしまうのはやりすぎだった。
当時は山林所有者の力が強く、木材の価格は山林側の言い値の通りになる状態だったが、それを安く供給させるために、1960年頃から木材の輸入に対する関税をほとんどなくしてしまった。木材価格はそれをきっかけにして暴落し、今でも当時の木材価格と変わらない。物価上昇率を加味すると、当時の木材価格の八分の一程度まで下がってしまっている。
山に手が入らない最大の理由は、木材価格が安すぎて、関係者は生活できないレベルになっているためだ。先を見ないその場しのぎの林業行政が、これほどまでにダメにしたようなものだ。それが再び三度、同じ林業行政によって繰り返される。
こうしたその場しのぎの林業政策が森をダメにしてきたのであって、改善したのではない。今回の「森林経営管理法」も、その流れに乗った森林経営を悪化させる仕組みになるのは間違いないだろう。
■「林道」が日本の山を破壊する
現在の時点で山という現場を壊しているのは、「高性能林業機械化による過大な林道建設」によるものだと思う。ところが「森林経営管理法」もまた、高性能林業機械の活用を推進している。
山が壊れるのは、圧倒的に林道崩壊をきっかけにすることが多い。その林道は、効率良く伐採した木材を搬出するために推進されるのだが、日本の急峻な山に適した林道となっていない。さらに効率重視の高性能林業機械を入れたがるが、その重さは日本の急峻な山に耐えうる重さではないのだ。
30トンもあるような高性能林業機械を走らせるには、高速道路レベルの道路網を整備しなければならない。しかし急峻な山岳地帯に、そんな道路を造れるほどの余裕などない。その結果、山を削り、沢を埋め立てて林道が造られるが、その林道そのものが山を崩れさせる原因となっていった。
たとえばバブルの時期に全国で進められた「スーパー林道」と呼ばれる高規格道路を見てみるといい。各地に建設されたが、その後はスーパー林道の法面から続々と崩壊し、使えないものばかりになってしまった。
山にとって最も破壊的なことは、「道路建設」だと思う。確かに平地なら機械で伐採し、余分な枝や木の皮を剥ぎ取り、玉切りして大型トラックに積んで運び出す作業までできる高性能林業機械は魅力的だが、日本の急峻な斜面ばかりの山では、そんな簡単に使えるようにならないのだ。
■山と共存する「自伐林業」
昔のきこりたちは山から木を伐り出してくるために、木馬道(きんばみち)を作っていた。それはなるべく斜面を削らず、高低差のある所では伐採した木材を積み上げて、橋のような構造物を造り、そこにレールのように木材を並べて運び出していた。そこまでして山の斜面を削らずに運び出していたのだ。
こうした山を傷めない施業方法は今、「自伐林業」と呼ばれる施業に引き継がれている。山には重いものは入れず、「チェーンソーやワイヤー、フォワーダ(小さな木材運搬機)や2トンロングトラック」程度しか入れない小径を造っていく。
その小径からさらに葉脈のように小さな道をつけていく。そのトラックの入る道路もまた、斜面の側に落ちるように傾斜をつけて作ってある。そうすることで、豪雨の時に道が雨の流れで削られないようにしているのだ。その林道を車で走ると、車が斜面の下側に傾くので落ちそうな感触になって怖いのだが、そのことも手伝ってトラックも轍をつくらずに走るようになると言っていた。
台風の日に徳島県の「橋本林業」が管理する自伐林業の山を見せてもらったことがある。豪雨の後だというのに、全く崩れることもなく林道が続いていた。その日の作業は、道路に塞がるように落ちている枝葉を作業靴で崖下に落とす作業が中心だった。
このような伐採方法を「自伐林業」と呼んでいる。
■山に負担をかける「森林組合型林業」
「自伐林業」と対になるのが、「森林組合型林業」だ。森林組合では効率的に経営しようと思うあまり、一斉に木材を皆伐して市場に出し、山に負担をかけてしまうやり方をする。
今でこそ皆伐はしなくなったが、多くの森で横一列に伐採する「列状間伐」をする。ところがその列の幅はいつの間にか広めに取られるようになり、皆伐と変わらないような伐採のされ方をしている現場も多いのだ。そうすると豪雨で水害を招くような森の現場になってしまう。
■日本の山は経済的に壊滅してしまう
木材については質の高い方からA材(建築用材)、B材(合板や集成材など)、C材(紙生産のためのチップ)、D材(バイオマスとして燃やすための材)がある。今回の「森林経営管理法」で恩恵を受けるのは、中心となる素材生産業者は主に膨大な生産量で稼ごうとする巨大企業である。B材(合板など)、C材(チップ)、D材(バイオマス)の取引が多くなるからだ。
ところが、日本の山は放置されてしまった荒れ果てた山を除けば、意外なことにA材(建築用材)、さらに超A材とも呼ばれる最高級建築用材もたくさん育っているのだ。
これに対して全体の網掛けが、低質材中心になっていることがおかしい。
「森林経営管理法」によって低質材中心に集められ、そこに交じり込んだA材を市場に横流しすれば、素材生産事業者は儲かる。今ただでさえ価格が低迷して困っている林業者が山を保全しながらA材を生産しようとしても、素材生産事業者が横流しするA材に市場価格が暴落させられれば、もはや山は「打つ手なし」の経済的崩壊状態になってしまうだろう。
たとえば「間伐材だから低級材」になるわけではない。木材の質によるのだ。
間伐材でも丈が短いだけで木材市場で十分A材として販売できるものもある。
これまで一所懸命に山を大事にしてきた「きこり」さんのような人たちの利益を、「素材生産事業者」の横流しが奪う結果になりかねないのだ。
■「森林経営管理法」が日本の林業をダメにするワケ
自伐林業では、ほとんど「択伐」によって選ばれた木だけを市場に出す。
常に森には木が育ち、択伐した後の空間にだけ再度植林をしていく。
そうすると、まっすぐ上にだけ択伐した木のあった光の射す空間ができるため、広葉樹であってもまっすぐ空に向かって育とうとするのだ。その結果、通直(木目もくめなどが縦にまっすぐに通っていること)に伸びる広葉樹を育てることもできていた。
こうして一本一本を択伐して市場に運び、販売していく方法だ。
どんな木でもいいから市場に運び出す「森林組合的林業」とは全く違う。
今回の「森林経営管理法」は全くもって「森林組合的林業」の延長線にある。
B材C材を中心に「一山いくら」の販売をして、素材加工業者である製材所に届けるだけの林業となるからだ。
■山をただのカネとして見ていない「森林経営管理法」
そうではなく、森を保全する最前線にいる「きこり」の人たちの利益になる仕組みにしていくべきだ。
今の改正案は、大きな力を持つ「素材生産事業者」を中心にした仕組みになっている。そして、山を本当に保全できる人たちを排除し、素材生産事業者の作る勝手な場価格が暮らし方を決めていくことになる。
木々はもっと樹齢を重ねていくことで、もっと貴重な性質を持った材となり、山は多様性を持った生物たちの作り出す豊かな空間になれるのに、この改正案は山をひたすらカネの場に変えてしまおうとしているのだ。
生物としての木ではなく、カネになるコンクリートや鉄骨が育っているだけの場所のように認識している。「環境」も「災害防止」もカネと直接関係ないからと無視されれば、今よりさらに山は荒れるだろう。
強引な拡大造林計画で自然林を人工林にして荒らしてしまった後に、木材自由化によってその価格を著しく安いものにしてしまった。それを一部の心ある人たちが森の環境を改善してきた矢先に、今回の「森林経営管理法」がそうした現場での努力を無視して大きな「素材生産事業者」に利益を分配する仕組みにするのだ。
■「森林払い下げ疑獄事件」に発展する?
この「森林経営管理法」の問題点について、東大大学院教授の鈴木宣弘氏は以下のように述べる。
「経営意欲が低い」と判断されると、強制的に経営権を剥奪され、受託企業がそこの木を伐採して収益を得ることができる。無断で人の木を切って販売して自分の利益にするというのは、盗伐に匹敵するほどの財産権の侵害で、憲法に抵触する。
そして仕上げとして、来年には国有林についても、その管理・伐採を委託できる法律が準備されている。これは国の財産を実質的に企業にタダで払い下げることである。
出典:林業改革の問題点 林家よりも企業優遇
東京大学大学院教授 鈴木宣弘氏 - 日本農業新聞(2018年7月24日配信)
これは恐ろしい話ではないか。
いわば「平成の森林払い下げ疑獄事件」とも呼べるような事態が進められることになる。
かつて日本の財閥と軍が日本を帝国主義的な専制国家にしたという反省に立って、戦後に「財閥解体」が進められた。それによって「農地解放」と同時に進められたのが「財閥解体」だった。その戦後解体された財閥には、チップなどのために世界中の山を破壊してきた「製紙会社」もあったことを思い出すべきだ。その製紙会社などが「チップ材」や「合板・MDF材」「バイオマス材」など低質木材の購入者として再び権力を持つのだ。
それら財閥に、再び豊かさを取り戻しつつある日本の森が、タダで明け渡される状態になっているのだ。
■子孫のために森を守ってきた「きこり」を蔑ろにしてよいのか…
かつてきこりたちは、荒れた山に土嚢をかついで登り植林をし、山を再生させてきていた。
その木材は育つまでに百年以上かかるため、自分の利益のための努力ではなかったのだ。子孫のため、未来世代の人のために努力してきたのだ。百年後に木を売って利益が得られるとしても、自分の世代ではなかったのだ。その努力を横から出てきてかすめ取る。それがこの法によって実現させられようとしているように見える。
今やっと育ってきた木を、もっと樹齢を重ねた豊かな材にしてはどうか。遮二無二伐採して木材の齢級を平均化させるのではなく、古くからの森と新たな森が共存していても毎年伐採する木材の量を平均化させることはできるはずだ。
「山を壊すのは林業政策の失敗であって、重すぎる「高性能林業機械」を入れるために削り取った林道だ」と知ったうえで、今を見てほしい。じっくりと私たちの生涯以上の長さで変化していく山を監視していてほしい。
■新制度は「山殺し」でしかない
私たちは宮城県の山で、山を保全して使い続けていくための林業を実施している。
皆伐はせず、択伐しながら広葉樹の自然林を造ろうとしている。そこにつける道路は極めて小さな小径を細かに入れ、運び出すのも「高性能林業機械」ではなく、かつて盛んに使われていたウマに頼っている。ウマなら自分で小径を選んで作り、林道を壊すこともない。しかも夏場には最も費用の掛かる下草狩りを、頼まなくても食べてくれる。最初一回の下草刈りだけで、後の下草刈りはウマとウシとがやってくれる。彼らは炎天下でも自由に動き回り、下草を食べ、植林木への栄養を届けてくれる。
本来の林業はこうした人間を含めた生き物たちの場が育んでいく場ではなかったか。もともと林業は工業生産ではない。その対極にある生命の営みに合わせた時間のかかる生産なのだ。
それを現場も知らない見にも来ない人たちに管理させるのがおかしい。
もっと謙虚になって自然に起きることに学びながら進めなければ、結局「林業」とは名ばかりの利権の奪い合いの場にされてしまうのだ。
林業者の側から見ると、勝手に「所有した」と名乗る人たちによる「山殺し」でしかないのが、「林業の再生」という名目の新制度である。山という場は、たくさんの生き物が交錯して暮らす場で、カネになるためのものを育てる場などではない。そこには仲間としての生き物に対する敬意がないとうまく進められないし、無理な使い方を考えるのではなく、無理のない利用法を昔に遡って教わるようでないと実現できない。
それを水が売れるからと買収して水源を奪ったり、高値で売れるからと伐採して輸出したりするのが間違っている。あくまで天然素材はその地に付随する豊かさとして存在するだけであるので、販売したり輸出するためのものではない。
■大自然の美しさは、決しておカネに変えられない
最近、近くの山の木材が皆伐されて、そこに太陽光発電が設置された。
こんな破壊が自然に優しいはずもないし、持続可能なはずもない。
近くの他のメガソーラーは今回の西日本豪雨によって土砂崩れを招いて壊れた。
山をカネの尺度で考えたら、そうした利用法を考えることになるのだろう。
カネの尺度でしか考えられない人たちに、どう説明したらいいのかと考えると、言葉を失う。そこにある自然の美しさは、誰のものでもない。
前述した「自伐林業」をしている橋本さんの山に入って、雨上がりの森を見て息を飲んだ。「山紫水明」とでも言うべきか。そんな山づくりをしたいと思う。
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◆ 『日本の農業をぶっ壊す種子法廃止、なぜほとんど話題にならない?=田中優』 (2018.2.25)
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◆ 『2018年夏上陸「日本版グラミン銀行」はサラ金とこの国の貧困に勝てるか?=田中優』 (2017.12.23)
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◆ 『官僚だけが大儲け。日本を破壊する「水道民営化」のトリックに騙されるな=田中優』 (2017.9.28)
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